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富士S 馬券予想


レース概要

<コースについて>


東京芝1600mコースの簡略図

スタート直後は緩やかな下りがあってスピードが乗りやすく、その勢いで急坂を超える。その後3コーナーから緩やかなカーブが続きペースが落ちることなく直線へ。直線で2mの急坂を乗り越えてから最後の300mが勝負になることが多く、最後は直線の瞬発力が鍵となる。マイルの舞台でも特にペースが流れやすい上に切れ味も求められるため、マイラーとしての実力が試され、紛れが少ないコースとなっている。

<傾向からわかる好走のデータ>

・前走マイルG1組が狙い目

前走マイルG1組(安田記念、VM、NHKマイル)の過去5年の成績
(3,2,3,5)
連対率38.5% 複勝率61.5%

という安定した結果に。

舞台的に紛れが少なく、直線での実力勝負となる傾向があるため、前走で時計の早い競馬を経験していた層が優位に立ちそうだ。

該当馬
前走安田記念組
イルーシヴパンサー(10着)、ナミュール(16着)
マテンロウオリオン(11着)、レッドモンレーヴ(6着)

前走NHKマイル組
ダノンタッチダウン(4着)

近年は差しや追い込みが台頭にたつ。

5年間の掲示板馬の脚質の違い
(逃、先、差、追)=(0,4,15,6)
8割以上の馬が後ろからの競馬で掲示板に入着している。

近年は直線が勝負どころとなる展開が多く、必然的に上がり勝負になりやすいことを示している。また上がり勝負になった際に好走するためには、33秒台の脚を使えなければ厳しいことも過去のデータから読みとれる。前走差しで成績を残していても33秒台を出したことのない馬は注意は必要だろう。

・外枠が有利傾向にある
5年間で掲示板25頭のうち、外枠(5~8)の馬が18頭と約7割を占めている。特に7,8枠の大外枠が必ず1頭以上好走しているデータも。この時期になると内の馬場が痛み始め、相対的に外側が伸びやすくなるのが要因の1つだろう。瞬発力をもつ馬が外枠に入ったら成績が見劣りしてても好走の可能性は考慮しておくべきだ。

展開予想・印

<展開予想>
・枠を考慮してハナを切るのは恐らくユニコーンライオンで久々のマイルもあってペースは600m34台のスロー寄りと予想。多分コーナー入口までは逃げさせてくれそう。
・コーナー終盤でエターナルタイムが先頭を掴みにかかり、後続もペースを上げて各馬直線の仕掛けの準備を行う。
・スローペースなので大半は直線の瞬発力に勝負をかける。その中でもジャスティンスカイやナミュールを筆頭に各馬好位から追い上げ、好走には上がり33秒前半台の上りが求められそう。

<印>
ジャスティンスカイ
舞台適正と調教から本命に。陣営もここで賞金を積みたいはずなので勝負気配も問題なしと見る。
ナミュール
スローで瞬発力勝負なら牡馬相手でも対抗可能。頭数も少ないので不利を受けることも無いはず。ここで結果を残して春の汚名挽回を。
エターナルタイム
初重賞だが狙うならここ。素質は十分で後は重賞経験だけ。競り合う相手は少ないので好位抜け出しを図れば馬券内は十分あり得る。
イルーシヴパンサー
東京舞台は相性バッチリだが休み明けを懸念して評価は抑えめ。ペースが流れず脚を溜める運びが出来れば直線で弾けるはず。
☆1マテンロウオリオン
馬具を変えたことで変わり身を期待。後ろとは言わず中団で運べばもっとやれてもいいと思う。G1連対のこの舞台で再び復活を。
☆2レッドモンレーヴ
実績は1つ抜けてるが、斤量と調教の手ごたえの悪さで割り引き。それでも他の候補と比べると走るときは走るので馬券には組み込みたい。


出走馬講評

1.ユニコーンライオン
前走の札幌記念ではハナをきってアフリカンゴールドと共に稍重の洋芝ではタフな流れを作り出し、自身は4コーナー手前で失速して15着に。これまで中距離で戦ってきたが、加齢もあり近走は直線の粘りがなくなってきたことを見て久々のマイル戦へ。陣営としては若いうちは短い距離だったが今はちょうどいいという算段だろう。瞬発力勝負に持ち込まれると勝てないので、ハナをきってスローに持ち込み、単騎逃げを図ることがあれば可能性は生まれそう(府中牝馬Sのディヴィーナがいい例)。後続にペースが流れていると錯覚させるが実はスローで運んでおり、直線の時点で4~5馬身離せていれば勝機も生まれるかも。そして今回はそれが出来るチャンスはありそう。有力馬は後ろからの競馬が多く、前争いはそこまで過激にならないと思うので逃がしてもらえれば。逆に最初からマイルの先行馬に絡まれるようならペースも上がり直線ではもう失速気味になってそうな、ピンキリの対象だと個人的には思う。内枠を引いたのでもうやることは1つなはず。思い切りのいい騎乗を。

2.マテンロウオリオン
前走の安田記念では最後方から運び、直線で上がり3番手の脚をだすも、位置取りが後ろ過ぎて届かずの11着。決して後方からの競馬しかできない訳ではなく、スタートは普通に出るので先行も出来るが、そうなると決め手に欠けて良いとこ止まりという印象。だからといって差しに徹すると位置取りが後ろ過ぎて届かないが連発しているもどかしい馬である。前者はともかく後者は位置取りを極端に下げすぎる鞍上にも責任はあると思うので、下げすぎずいい位置で追走できればもっとやれてもいいはず。そういう意味では鞍上が変わった今回で変わり身を期待したいとは思う。懸念点としては休み明けは余り走らない傾向があるので、ここはMCSの叩きという可能性も考えられることだろう。東京マイルは比較的得意な舞台なので状態が仕上がっているようなら買うのもありかも。

3.エターナルタイム
前走は最内で好スタートを決めて前目先行でロスなく内を回り、直線で抜け出して3勝クラスを勝ち上がり、晴れてOP入りへ。その後中京記念へ登録していたが、夏負けで調整が狂い、急遽スクラッチ。改めて今回の舞台で重賞初挑戦となる。条件戦とはいえここまで東京成績は(4,1,1,1)と6回が馬券内であり東京舞台に抜群の適性をもつ。唯一負けた湘南Sも-14kgと調整不足で負けた可能性が濃厚で、次走には体重を戻して勝ち切っているので問題はない。また先行馬だが上がり33秒台を出せる瞬発力を持っており、後続を振り切る力も備わっている。G2が初の重賞舞台なのは荷が重いと考えられるが、後方脚質の有力馬が多く、ペース次第では先行で抜け出せる可能性は否めない。枠も先行にはもってこいなので、ユニコーンライオンの番手で追走出来れば直線抜け出しも出来るはず。間違いなく今後重賞で活躍するなら東京マイルの舞台だと思うので、い相手関係は強くなるがそれなりにやれそう感はある。重賞実績がないということで人気が落ちるならポテンシャルを信じて買うのもありかも。

4.ソーヴァリアント
前走の札幌記念では最内から中団やや後ろで運び、後ろでは届かないと鞍上が判断したのか最終コーナーで位置を上げて、そのまま3着へ入着。ペース自体はMだったが、洋芝で稍重という非常にタフな馬場だったので、末脚が活かせないことは正解であり、鞍上の好判断が成績を残したという印象だ。とはいえ久しぶりの馬券内で迷走していた本馬にとっていい刺激になったとも考えられる。が、何故か経験の少ない左周りで尚且つ初のマイル戦となる今回の舞台に参戦している。正直瞬発力勝負だと分が悪いと考えており、元々左回りだと手前替えが出来ず脚が伸びないという理由で右周りを選んでいたので、そういう理由でも本馬が好走できる条件とは離れている舞台だと考えている。相手関係も生半可な実力で勝てるほど甘くはないので、ここは掲示板にでも入ればいい方だと考えている。個人的には秋天で見たいと思った1頭だった。

5.ジャスティンスカイ
前走の米子Sでは、経験したことのないHペースの中追走したが、脚が溜まらず8着という結果に。予想外のペースだったので前走の負け方は度外視できると考える。ここ2戦は展開や舞台が合わなかったのも凡走の原因だと考えられるので、成績を残している舞台で改めて勝負といったところ。東京マイルは過去に2連勝しており、上がり3Fも走破タイムも悪くなく、重賞でも戦える印象はもつ。加えて秋色Sでは重賞馬であるレッドモンレーヴを後ろから差し切って勝っているのは本馬の実力の高さを裏付けており、東京マイル重賞で勝つための条件は揃っていると見る。今回はこちらの方が斤量有利があるため、瞬発力勝負になれば斤量の分本馬に有利になりそうなのも評価ポイント。上がり勝負になりやすい今回の舞台では前2走の凡走振りを払拭さえるような走りを期待できるかも。枠的に詰まる可能性もありそうなのが不安で、詰まるぐらいなら外を回した方がいいかもしれない。当日の鞍上が冴えていることを期待したい。

6.ナミュール
前走の安田記念では少しスタート出遅れて後方から運ぶ形となり、直線で外に出して伸びようとするところを前の馬が寄れたことで進路で挟まれる不利を受けたことで脚を伸ばせず16着という結果に。春のG1マイル2戦は実力負けというより不利が続き自分の競馬が出来なかったことが印象に残り、スムーズなら勝ち負けとは言わないがもう少しやれてもよかったはず。避けようのない不利もあったが、運び方次第で回避できる不利もあったのも事実であると考えているので、ここで運び方が器用な外国人騎手を登用するのは個人的にはいい影響が出そう。割と2000以上でも好走しており、マイルが適正にドンピシャかどうかは分からないが、東京なら距離が短くても対応できそう。道中上手く運んで好位から差す競馬が出来れば牡馬相手でもいいところまで行くと思うので、改めて本馬の走りを見せて欲しいところ。ただ1番人気だと買う気は少し失せるかも。

7.イルーシヴパンサー
前走の安田記念では後方で運び直線で追い上げてくるも、時計の早い決着となり、後方で行き脚つかず10着という結果に。東京マイルの成績は(4,1,0,2)と適正は十分あり、G1では相手関係に悩まされずもここでは通用するほどの実力はあると見ている。ただ走破タイムが少し凡庸で、今年の安田記念のように1:32秒台を超えるような早い競馬になると得意のマイルと言えども追走に苦労し脚を十分に溜められないことがある。加えて位置取りが後ろ寄りなのも本馬の成績の不安定さに拍車をかけており、個人的には今後を見据えて中団から運ぶ競馬をして欲しいところ。脚さえ溜まれば東京で上がり32秒台を出せる程の瞬発力は備わっており、後ろに拘る必要もないため鞍上には改めて攻めた騎乗を見せて欲しいと思う。枠的にコーナーで外に運びやすいと思うので、直線での追い上げも期待できそう。

8.タイムトゥヘヴン
前走の京王杯SCでは最後方から運んで脚を溜めるも、直線で他馬との差が縮まらず、17着という結果に。上がりは33秒台を出せているものの、加速に時間がかかるため中々成績を残せないのが痛いところ。距離は1600あるいは1800以上あった方が今はいいと考えているので、成績が比較的優秀なマイル舞台でどこまで戦えるかどうか。昨年の同重賞は7着であり、上がりは出せるのだが位置取りが最後方なためどれだけ末脚を出してもいいとこどまりで終わっているのが課題だ。同じような競馬と結果を繰り返しているので、変わり身を期待して前へつけたいとも考えるが、スタートが不器用なのでそれもあまり期待できない。いずれにせよ、差し勝負だと位置取りの差で負けるので、現状何かしら展開で有利面がないとG2マイルでは厳しいという印象をもつ。

9.レッドモンレーヴ
前走の安田記念ではやや後方で運び直線でじわじわ伸びるも、G1の有力馬達には少し力及ばずに6着という結果に。個人的には初のG1挑戦でレースレベルもかなり高い中でこの着順は相当頑張っている方だと考えており、今後重賞で経験を詰めばいずれG1で馬券内には入れると見ている。今回は斤量が58kgと見込まれた状態で挑むが、勝機は十分あると考えている。坂で加速できる器用なタイプで長くいい脚を使えるので舞台は問題なし。鞍上とも手が合っていると思うので、叩きでも斤量があっても相手なりに十分やれるはず。ただ調教に前走ほどのキレが見えないのは少し気がかり。

10.キラーアビリティ
前走の新潟大賞典では59kgというトップハンデ、しかも不良馬場という激重条件で後方から運び、直線でじりじりと伸び5着に。馬場的に前にいないと話にならない中で後ろから来たのは本馬なりによくやった方ではないか。逆に勝ち馬のカラテも同条件だったが、大きく離されたのは実力差を見せつけられたともいえる。中距離路線では大きい所は分が悪いとみたか、今回マイル重賞に挑んできたが、個人的に初戦で対応は難しいと見ている。2000mでも位置取りが後ろ寄りなので、よりペースが早まるマイルでは尚更追走に苦労し、脚がたまる余裕もないのではないかと考えている。また、休み明けの成績もよくなく叩き良化型タイプであるのも好走を疑問視させるポイントだ。恐らく今回は勝ちに来たというよりマイルの適正を見る、あるいはマイルを一度走らせて早いペースを経験させて中距離での変わり身を期待する等の思惑があると推測している。ここで好走するには少し相手が揃いすぎてると思うので、ここは見送りたい。

11.ダノンタッチダウン
前走は大外からのスタートもあって終始馬群の外を回しての競馬となり、直線の終盤で脚色が衰え4着に。本馬は皐月賞→NHKマイルという近年では珍しいい詰めたローテを行っており、他馬と比較して疲労があるなかで掲示板入りは少なからず素質の高さを見せたという印象をもつ。距離は1600mが最長であり、それ以上伸びるとパフォーマンスが落ちると思うが、マイル以下なら高いし素質をもっているはず。これまで連対したマイル戦は全て上がり最速を叩き出しており距離ロスがなければ東京の舞台でも末脚を出せる実力はあるだろう。斤量が有利な分シャンパンカラーよりも今回は楽に追走できると思うので、期待はできそう。鞍上も東京マイルの舞台なら差しに定評があるので、下手にポツンしなければ一発あってもおかしくなさそう。古馬との初対戦だが、3歳の成績は悪くないので展開次第では勝機は十分あると考えられる。外枠は揉まれる心配がないのでいい枠と判断できる。斤量も軽いのでここは鞍上のポツンが光るところかも?

12.ステラヴェローチェ
まずはお帰りなさい。話はそれから。ドバイSCで無念の9着になって以降、詳細な知らせがないまま行方不明の状態が続いておよそ1年6か月振りに出馬表へ名を載せることに。本重賞への出馬理由としては、1年以上の出走間隔が空いていることでハンデ戦が出られないことも考慮して、恐らく適切な番組がここだったからだと推測する。一応東京マイル重賞であるサウジアラビアRCを制覇しているが、東京マイルの持ち時計は圧倒的に足りないし、そもそも1年6か月のブランクを考えると普通は勝ち負けなんてまず想定はしにくい。とりあえず今回は無事に回ってきてくれるのを願うことが一番だと個人的には思う。本馬が競馬の勝ち方を覚えているなら得意舞台なら今後に期待できるはずなので、まずは競馬を思いだしてほしいところ。大外なので包まれずに運べるのは今後につなぐ面でもいい競馬が出来そう。


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