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毎日王冠 馬券予想


コース概要


毎日王冠の舞台概要図

舞台は東京(芝・左)1800mで行われる。コーナーのポケット地点からスタートして二度の坂とUカーブを走る。スタート後坂があるため先行争いは比較的緩やかに行われやすい。コーナー入口から下り勾配に入るため徐々にペースを上げながら直線に向かい、525mの最終直線で数々の勝負が行われる。東京1600mの舞台と類似しているため、マイルで好走できるタイプが台頭に立ちやすい舞台であるが、ペースに緩急つきやすいので中距離で渡り合える器用さも必要となってくる。

データからみる好走の傾向

・4.5歳の古馬が主役の舞台

過去5年では基本的に古馬となり心身ともに成長した4,5歳勢が活躍している。勿論3歳馬が活躍したケースもあるが、既にG1を獲っているレベルの実績を重ねている馬ばかりであり、半端な実力ではやはり古馬とやり合うことは難しい。ハンデ有利な3歳でもマイル実績や東京成績が秀でていない場合は過信禁物だろう。

・前走安田記念組が主役に

過去5年で前走安田記念組の成績は(3,2,1,3)であり、馬券内約67%という高い数値を叩き出している。更に「前走安田記念で掲示板入り」した場合に絞ると、サンプルは少ないがなんと100%を誇る。

過去5年間で「前走安田記念で掲示板に入着した場合
アエロリット
2018年 安田記念2着→毎日王冠1着
2019年 安田記念2着→毎日王冠2着
インディチャンプ
2019年 安田記念1着→毎日王冠3着
サリオス
2022年 安田記念3着→毎日王冠1着
シュネルマイスター
2021年 安田記記念3着→毎日王冠1着

レベルの高い東京マイルG1を好走できる能力が自然とこの舞台でも活きるはず。

該当馬
ウインカーネリアン(8着)
シュネルマイスター(3着)
ソングライン(1着)

他にも前走にエプソムCやVM(ヴィクトリアマイル)等の東京マイル戦、新潟大賞典や関屋記念等の直線の長い重賞舞台などコース形状に相関があるレースで好走した経験が活きそうだ。

・脚質有利はないが、瞬発力が求められる傾向あり

過去5年の掲示板に入着した競走馬の脚質は(逃、先、差、追)→(2,11,9,3)となっている。開幕週で行われるため前有利な馬場の恩恵を受けているケースが多いが、決して差しが決まらない訳ではない。更に過去5年で馬券内に入着した場合の脚質に絞ると(逃、先、差、追)→(2,5,5,3)と差しや追込み勢が台頭している点は興味深い。当然メンバーやペースにも左右されるが、開幕週だからといって後方勢を軽視すると痛い目に合いそうだ。

展開予想・印

<展開予想>
・ハナを切るのは恐らくバビットフェーングロッテンのどちらかで、バビットの場合は1000m58~59秒のM寄り、フェーングロッテンの場合は59~60のS寄りのペースになると予想。
・開幕週だが差しも効きそうな高速馬場で行われそうなので、直線残り200mまで逃げ・先行が粘るが最後は瞬発力勝負で後方から有力馬が追い上げる展開に。
・瞬発力勝負ならシュネルマイスターを筆頭にソングラインジャスティンカフェエルトンバローズが候補に。
・勝ち馬は差しだが、馬券内には前目で粘りこんだバビットフェーングロッテンエエヤン等の前目の馬が食い込む可能性も考えられる。

<隊列予想>
スタート後~コーナーまで
←逃(5,11)←先(2,6,7,9)←←差(3,4,10,12)←追(1,8)

直線での動き予想(~200m)
200m                                                                                                             Goal


                                                   5→
               3→   2→ 11→
                                               4→→            6 →
                                                       9→            7→
                          1→→→      10→→→ 12           
                   8→→→ 
※→:末脚の瞬発力の高さ


  • <印>

  • ソングライン 斤量も距離も対応可能。現マイル女王の威厳を見せて欲しい。

  • シュネルマイスター 女王に対抗できるならこの馬。ズブさはあるがこの距離なら追い上げ可能。

  • フェーングロッテン 開幕週を活かして今度こそ前へ。長い直線も粘り強い二の脚を活かせれば。

  • エエヤン 東京適正は微妙だが枠を活かして上手く立ち回れば好走できる可能性あり。

  • ☆1バビット 距離短縮で逃げるのに適した舞台と見る。自分の競馬でしぶとく粘ることが出来れば。まだ枯れたと見限るのは早計。

  • ☆2ジャスティンカフェ キレる脚は持つが位置取りが後ろ過ぎると間に合わない可能性も。鞍上を踏まえて後ろになりそうなので今回は控えめ。

  • ☆3エルトンバローズ 左回りへの対応が鍵。調教の様子がいいので抑えとして。

出走馬講評

1.シュネルマイスター
前走の安田記念では外枠なのもあってかほぼ最後方から競馬を行い、直線で末脚を見せるも位置取りの差で3着という結果に。過去に毎日王冠の性は実績あり、過去3年全てで安田記念で馬券内という、舞台適正は最早語る必要もないほど。問題は成長してズブくなっていることであり、それが原因でマイル戦では差し損ねて勝ちを逃した経験がとても多い。前走も200m前で末脚が加速したため、200mの距離延長は本馬にとって大いに有利に働くと考えられる。末脚のキレの良さならメンバーで頭一つ抜けているため、本来の実力通りに走ることが出来れば馬券内は揺るぎないと思える程の足で突っ込んでくるだろう。最内だが頭数が少ないので直線外に出す分には問題なさそう。ただ調教で前走ほどキレのある動きを見せていないのが少し不安で、伸びては来るが開幕週もあって届かずという可能性は考えた方がよさそう。秋こそ久々のG1戴冠を期待している1頭なので頑張って欲しい。

2.エエヤン
前走のNHKマイルではスタート後に位置を中団において競馬を進め、枠もあってか直線で馬場が荒れていた内を走らざるを得なくなり、伸びあぐねて9着という結果に。重賞を制覇しているためマイル適正は見込めるが、東京のようなキレを求められる舞台で戦えるかが懸念対象となる。過去の勝ち舞台が全て中山であり、東京では未だ勝ち鞍なしなので、今回は改めて適正を見極めるつもりで出走する意図も考えられる(前走は重馬場なので度外視ということで)。データとしてシルバーステート産駒は東京や新潟のような広い直線の舞台では成績を落とす傾向が読めるため、やはり舞台適正の点は少し割り引く必要がありそう。ただ調教を見る限り雰囲気はよく、枠も先行で走る分には期待が持てそうなのも事実なので、前目で運んで直線で抜け出しできる可能性はありそう。状態面が良さそうなら一考の余地がありそう。

3.ノースザワールド
前走のメイSでは出遅れて後方からスタートし、直線で外側を走るも届かずの8着という結果に。直線では途中ソラを使っており走りに集中できていなかった一面があったが、それを踏まえても現状重賞では上位陣と戦うには力不足な印象を受ける。出遅れなければ前目につけることが出来るので、開幕週の恩恵を受けて好走する可能性は否めないが、前走より相手関係が強化される中でどこまでやれるか。好走には展開含めもう1つ有利な状況が欲しいところ。

4.アドマイヤハダル
前走の関越S(新潟1800m)では馬群中団で運び、直線で抜け出しを図るも最後に差されての2着。過去に中山記念や成尾記念で3着に入るなど、高いポテンシャルを中距離が活かされている。好位につけて直線じわじわと伸びる競馬を得意としており、瞬発力勝負に持ち込まれると若干分が悪いか。ただ怪我で長期休養して以降試走だった六甲S以外は全て馬券内という安定感の高さは評価したい。1800mの適正はあるがマイル寄りの瞬発力が鍵となるこの舞台では運び方次第で着順が大きく変わると予想される。開幕週である程度前にも恩恵があると思うので、枠も良さげなので、好位追走で直線抜け出せるような競馬が出来れば好走も期待できそうだが、相手関係が強い分この斤量でどこまでやれるかが鍵。

5.バビット
前走のAJCCではシャムロックヒルの好スタートもあってかハナを譲り番手で運んだが、自分のペースで走れず後続に差されて8着という結果に。前走から8か月振りと休養期間が長く、本来はサマーシリーズのどれかに出走させ意図があったそうだが、ここに目標を切り替えている。近走を見ると逃げるには距離が長くなった気もするので、距離短縮はいい影響がありそう。近走の2戦は自分の競馬が出来なかったが故の着順だが、積極的にハナを切って自分のペースで運べば開幕週もあって逃げ粘る可能性は大いにありそう。枠もハナを主張するのには申し分ないので、ここは果敢に攻めて欲しいところ。休養明けでも走るタイプなので、状態面さえ良ければ穴馬としてねらいたいと感じる。開幕週の人気薄の逃げ馬は抑えとくべきと考える

6.エルトンバローズ
前走のラジオNIKKEI賞では前目先行で競馬を行い、直線で差し切って重賞制覇となった。勝ちは勝ちだが、有力候補だったレーベンスティールが下手を打ったことや馬場が前有利ということが向いた結果だと考えており、強い競馬と言われれば微妙な所であるのが本音。今回は左回りに対応できるかが鍵となる。過去戦績をみるとやはり右回りが向いていると考えられるが、現状では左が苦手とも判断できない。長い直線は阪神1600mである程度対応できることは示せているので、好走には左コーナーを器用に回れるかどうかにかかっていると考えられる。ただ器用に走れたとしてもトップクラスの古馬相手だと斤量ハンデがあってもやはり厳しい戦いになると予想している。左周りでもモタれることなく器用に回ることが出来れば直線で意外性のある伸びを見せてくれるかも。左回りが対応出来る前提で、立ち回り次第では馬券内の可能性もありそう。馬体が成長している様子があれば抑えたい。

7.ウインカーネリアン
前走は大外から強気にハナをとった積極的な競馬を行い、直線で応戦するも後続勢に差され8着という結果に。過去成績を見ると8着は本馬なりに検討したと考えており、マイルだとG1では現状展開の利がないと厳しそうな印象を受けた。今回は休養明けで距離延長という条件が鍵となりそう。元々叩き良化型であり、休み明けは過去(0,0,0,4)とあまり走らない傾向があるので過去の重賞の走りを出来るとは考えない方がよさそう。開幕週なのでハナを切るかもしれないが200m延長された舞台でどこまで戦えるかという印象。前走安田記念組だが休み明けの今回は買い辛そうだ。

8.ジャスティンカフェ
前走のエプソムCではいつも通り後方から運び、直線で外から全馬撫で切って重賞勝利を収めた。前走後は安田記念に登録して賞金不足で除外されたが、陣営は相手関係を考えても勝負できないと考えていた背景がある。今回は1800mという特殊な舞台で上位陣に対抗できるかが鍵となる。本馬は去年の毎日王冠で2着に連対しており、過去成績でもマイル舞台で好成績を収めているため、舞台適正の高さは評価したいところ。懸念点は行き脚が遅く追込みが基本となる点と鞍上だろう。上位陣にも引けを取らない瞬発力はあるがやはり開幕週なのである程度前に位置が欲しいのが本音である。それに加えポツンしそうな鞍上の組み合わせは正直不安が大きいのは否めない。馬主体の競馬を行い直線で位置取りが最後方だった暁には、伸びてくるも差せずに掲示板に食い込む、なんてことがありえそう。1800のこの舞台なら上位陣にも勝てる実力はあるはずなので、後方ポツンなんてことはせずに積極的な競馬をして欲しい。鞍上を信じれるのなら買うべきだと個人的には考える

9.バラジ
前走の新潟記念では前走までとは打って変わって馬群中団から運び、直線でじわじわ伸びるも届かずの4着。序盤の位置取りで煽りを受けたのもあって控えたのかもしれないが、前目につけていれば馬券内も狙えたと思える走り方だけに前走はもったいない競馬だった個人的には感じた。今回は鞍上が変わっての挑戦だが、1800mは本馬にとって短く、加えて高速馬場という条件は本馬に合わないと感じる。成績を見ても最低2000m以上は欲しく、それより短いと追走ペースが本馬にとって早く、前目で運んだ場合は直線で垂れる可能性が否めない。高速馬場にも関わらず後ろが届かなそうな相当のスローペースなら前残りで馬券内に残る可能性はありそうだが、メンバー的にそこまで緩やかになることはなさそう。条件は合わないと見ており、その上でどこまで戦えるか。

10.ソングライン
前走の安田記念では大外故に道中外を回った競馬になったが、直線で外から差し切り、2着にしっかりと着差を付けた強い勝ち方だった。元々東京の舞台適正の高さは評価されていたものの、同年でVMと安田記念を連覇したのはウオッカに続く2頭目の偉業であり、最早東京マイルでは負けない程の適性がある。毎日王冠は安田記念好走組と相関性が高いので、データからみれば馬券外はあまり考えられない。問題は斤量57kgと距離延長がどうかだが、「対応できる」と個人的には考えている。あ距離に関してはこれまで1600m以上を使ってこなかっただけであり、安田記念を連覇出来る程の実力がある馬が実績や血統面をみても1800mに対応できないとは考えにくい。斤量に関しては、前走のようなキレをだすのは難しいかもしれないが成長で馬体が400後半としっかりしている今なら斤量負けする心配はないと考える。BCが控えているため万全に仕上げてはこないだろうが、それでも攻めた調教を見る限り、生半可な競馬をするつもりはなさそうなので、頭も狙えるぐらい整っていると見る。好走と凡走の差が激しいため、歯車が狂えば大敗も十分あり得そうだが、ここは本馬の実力を信じてみたい。シュネルマイスターと非常に悩むが、状態面と直線での動きを考慮して今回はこちらを軸にしたい。本番に向けて弾みをつけられるような走りを期待する。

11.フェーングロッテン
前走の七夕賞では鞍上が促しても行き脚がつかず後方にとどまり、そのまま14着に終わった。明らかに前走までとは異なる負け方であり、間隔を詰めたこともあって状態面が悪かったのが原因と思われるので、着順は度外視できる。今回は休養を挟んでリフレッシュして改めての挑戦となる。1800mは新馬戦以来であり、ペースが合うか疑問ではあるが、前につけることが出来れば期待はできる。本馬の強みは逃げたときの二の脚のしぶとさだが、逃げなくても番手で競馬できることは過去のレースで証明しているため、今回は逃げても番手でも構わない。また金鯱賞や新潟記念の走りを見る限り広い場所のが走りやすそうなので東京にも対応できると見ている。外枠だが揉まれるよりはいいと思うので外から積極的に促せば今回は前に行ってくれるだろう。開幕週の条件も合うはずなので、期待も込めて狙いたい。前が残るなら成尾記念並みの粘り強さを見せてくれそう。

12.デュガ
前走の北九州記念では相変わらず出遅れて後方からスタートとなり、そのまま16着と大敗した。小倉での持ちタイムより2秒以上早い決着で追走もままにならなかったことを見ると、やはり重賞の壁は高かったように思える。そんな今回はスプリントから離れて1800mのG2戦に出走するという中々例を見ない挑戦を行う。調教師曰く1800mでも走れる素質はあると見込んでの出走だが、流石に距離に対応できるか謎のままで挑むには相手関係が厳しいように思える。ペースは前走よりかなり遅くなるので追走はできるが、長い直線で垂れずに走り切ることが出来るかが鍵となる。距離不安であれば前目につけた方がいいが、出遅れた瞬間終わりになりそうなのも痛いところ。未知数だが買うには流石に躊躇するのが本音。この馬を馬券内に持ってきたら鞍上はほんとに凄いと思う。


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