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京都大賞典 馬券予想


データからわかる好走の傾向

※近2年は阪神開催なので、一部2018~2020の3年を採用

・ベテラン勢が主役の舞台

阪神開催を含む過去5年では5,6歳の重賞経験が豊富なベテラン勢の好走が目立つ。4歳が掲示板に入着したケースもあるが、過去5年では勝ち馬は全て5歳以上であり、経験の違いが勝敗を決することが多そうだ。

・内枠が有利な傾向あり

3年間の内枠成績(1~4枠)を調べると、掲示板入りした15頭で内枠は10頭と75%を占める結果に。開幕週特有の内有利な馬場が例年効いているようだ。また外枠での好走も勿論あるが、前目競馬を得意とする場合や過去に長距離実績をもつ馬がほとんどであった。そのため外枠で差し競馬が主な競走馬は馬場の関係で実力を出し切れない可能性も考慮すべきだろう。

・前走宝塚記念組が狙い目

京都開催の3年間で前走宝塚記念の成績は(2,1,1,3)と半数が馬券内に入着している。サンプルは少ないがレベルの高いG1レースの経験が活かされる傾向が読み取れる。なお前走で2桁着順と大敗していても関係なく、京都適性があるなら巻き返しは十分可能だろう。

該当馬
ヴェラアズール (8着)
ディープボンド (5着)
ボッケリーニ (7着)

単純予想・印

<単純予想>
・ハナをとるのはアフリカンゴールド。外枠でも行き脚がつかなくても強引に取りに来ると予想。スムーズに運べればペースによっては残る可能性も?
・雨で馬場が渋るか否かで有力候補は変わりそう。良馬場開催ならディープボンドボッケリーニ等の中距離で実績を持つ素質上位組が台頭に立つが、渋るようならブローザホーンヒンドゥタイムズ等の前目先行の馬や時計がかかる競馬が得意な馬が突っ込んでくる可能性はある。
・ペースは恐らく単騎逃げによる1000m61~2秒のスロー寄りと予想。前半は緩やかだが3コーナーの坂上がりから徐々に後続が詰めてきて下りで全体が加速することで直線ではやや差し有利な展開に持ち込まれそう
・ただ開幕週なため前で粘ることで馬券内に残る可能性も大きいと見ている。

<印>
ディープボンド 安定感を高く評価。前哨戦でも得意舞台の京都なら。
ボッケリーニ 枠が良ければ好走できる。同じく安定感を評価して。
プラダリア 善戦マンだがキレ不足を補えるこの舞台なら。誰かが言った「京都はディープの庭」という言葉を信じて
ヒンドゥタイムズ 前走より負担が軽い今回は狙い目。減った体重を戻してくれたらなお良し。
☆1ブローザホーン  強いが前走は相手に恵まれた感も。今回で本物と判断できる1戦になれば。
☆2インプレス 前走の走りは変わり身を感じた1戦。上がりが必要な展開になれば1発あっても。
☆3ヒートオンビート 実績はあるが今回は不安要素が多い。叩き良化型ゆえにどこまで。

出走馬講評

1.ブローザホーン
前走の札幌日経OP(札幌芝2600m)では先行策をとり、コーナーで位置を上げて直線で後続に6馬身離しての圧勝。2走前から重賞で戦える片鱗をみせており、前走の勝ちっぷりからも中距離帯の新勢力に成り得そうな実力はもってそうだ。京都は以前に経験があり、坂のない舞台も合いそうだ。最内なので詰まる可能性が懸念されるが、改装された京都は以前よりコーナーから直線へ入る角度が急になっている関係上、馬群がばらけやすくなっているのでそこまで心配は無さそう。札幌や中山の成績をみてもコーナー適正はあるので内でロスなく運んで直線でインをつくことが出来れば好走も期待できる。鞍上が続投ならなお良かったという印象。相手関係は強くなるが、条件が恵まれていると思うので展開次第では好走も可能と見ている。ただこのメンバーでは少し人気過剰な気がする。

2.ヴェラアズール
前走の宝塚記念では最後方から運んで直線では外に回さず馬群を抜けることを選んだが、末脚が伸びず8着という結果に。コーナーで加速出来ず、直線でのキレのある末脚が強みである本馬にとって前走の舞台は合わないことは想定できたので着順は度外視できるが、急坂で脚色が落ちたのは少し疑問が残る1戦だった。直線で坂がなく、末脚が活かせる今回の舞台は本馬の本領を発揮できるはず。ただ斤量59kgでは末脚が不発の可能性が否めない。コーナーの下り坂で全体のペースが上がる中追走し、直線で瞬発力勝負となった時にこの斤量は間違いなく足枷となるはず。更に開幕週で前が止まらない馬場であれば伸びてくるが届かないという展開も大いにあり得そう。G1のために賞金が必要だった去年とは違い、今年は本命JCへ向けた叩き想定ということもあり、実績だけで買うのは危険と判断する。

3.マイネルウィルトス
前走の新潟記念では大外なので馬群の外を回って道中運んだが、直線で追い上げるも10着という結果に。やはり上がり33秒台を求められるような瞬発力勝負になると分が悪かったという印象。今回も直線で上がり勝負となれば厳しいと思うが、雨が降って馬場が渋るようならチャンスはありそう。決して末脚が使えないわけではなく、馬場不問で安定した上がりを使える点が本馬の強みなため、洋芝並みに時計がかかる馬場になれば本馬の適正が光るレースになるだろう。近走は後ろからの競馬が目立つが今回は枠を考慮しても位置取りを重視した競馬を行って欲しいので、鞍上は出遅れないで欲しいところ(最近は出遅れもマシな印象はある)。当日の馬場状態を考えて、上がりがかかりそうならば抑えたいと思う1頭。

4.ディープボンド
前走の宝塚記念では中距離のペースもあって普段より後ろに位置を付けて運んだが、直線でじわじわと伸びたが5着という結果に。前が激化して後ろに有利な展開だったことを考えると、比較的前で運んで掲示板に残った本馬はやはり脚の持続力は揺るぎないものがあり、逆に中距離ではキレ負けしやすいことが分かる1戦だった。今回は得意の京都の舞台で巻き返しを図る戦いになりそう。キレがない本馬にとって下りで加速してそれを直線に活かせるこの舞台は適正がかなりあると見ている。加えてここ1年善戦しているが勝ちからは遠のいているため斤量57kgで参加できることもプラスに働く。阪神大賞典でアフリカンゴールドの単騎逃げを許すと本馬にとって不利な展開にされやすいことは経験済みなので、ここは前目に運んで直線前に捕らえにかかる動きをして欲しいと思う。距離はもっと長い方が走りやすそうだが、それでも中距離G1でも善戦できるくらい安定した実力はあるので、変に大負けすることは考えにくい。人気するが軸にじやすい1頭だろう。

5,インプレス
前走の新潟記念では出遅れて後方からとなったが、内へ進路を切り替えて末脚を発揮し3着に食い込んだ。斤量有利もあってか、内で進路が開いたタイミングを見逃さなかった鞍上の巧い判断が光った1戦だと感じる。キズナ産駒の割にキレる脚をもつ珍しいタイプで前走の様に新潟で好走した内容を見る限り、直線が平坦な京都は合う可能性は考えられる。OP以上で馬券内なのは前走が初めてなので展開で有利な面が必要だと思うが、上がりが求められるような展開になれば警戒が薄い所から切り込んできてもおかしくはない。距離は大丈夫なので、京都適性と展開次第では前走に続き好走が期待できそう。

6.ボッケリーニ
前走の宝塚記念では前が流れることを読んだのか控えた競馬を選び、直線では内を抜けてきたが外の方が伸びる馬場だったのもあり7着という結果に。結果論だが前に出すとペースを乱されていただろうし、後ろからもある程度させる脚を持つことが分かり7歳で新しい一面が見れた気がする1戦だった。G1では中々成績を残せないが、G2では十分有力候補に挙がる1頭。去年の2着馬である以上京都適性に問題は無さそうだし、G2でも負けた相手はG1で活躍できる馬がほとんど。時計がかかる馬場があっているので、開幕週でも雨で馬場が渋るようなら一層好走に期待できそうだ。安定感で言えばディープボンドの次に期待が出来る1頭。状態が良ければ重めに抑えたい。

7.プラダリア
前走の新潟記念では大外が故に馬群の外を回すことになり、直線で叩くもキレ負けして4着に惜敗。前走のような上がりを求められる舞台は合わず、加えて夏負け気味で急仕上げだった影響も考えると健闘したほうだと考える。本馬も同様に下り坂でキレ不足を補える点を見ても京都は合っていると考える。叩き良化型なので、今回は上澄みがある分期待は持てるかもしれない。古馬以降は善戦どまりが多いので勝ち切るイメージがあまり浮かばないが、場所不問で安定して走る点は本馬の強みだろう。乗り方1つ次第だがここで善戦マンのイメージを払拭できる走りを期待したいところ。

8.ヒンドゥタイムズ
前走の七夕賞では前年の勝ち馬ということもあり58.5kgという酷量を背負わされ、しかも-14kgとガレた状態で出走し、7着という結果に。レース内容をみるとこの条件と状態で最後じわじわと伸びている分、やはり重賞を勝つ実力はあるという印象を受ける。斤量が軽くなった今回は前走より楽に追走できそう。距離は伸びるが、血統からは対応できそうだし、前走より追走ペースが楽になるぶん距離延長が有利に働く可能性も考えている。洋芝や重馬場での好走が目立つので、時計のかかる馬場で差し勝負になれば1発あってもおかしくないと思える。近走の成績で人気を落とすなら買うのも一考だろう。

9.ビックリボン
前走のマーメイドSは前争いが激化しHペースとなったぶん後ろに展開が向いたが、その中で馬群に置いて脚を溜めて直線で弾けさせて重賞制覇を果たした。OP以降安定した成績を残しているが、斤量ハンデがある中で骨のある牡馬相手にこの舞台でどこまで戦えるかが鍵となる。キレよりスタミナタイプだが、湾岸S(中山2200m)の走りを見る限り2000m以上は長い可能性が考えられる。牝馬限定なら初の距離でも対抗できるかもしれないが、手強いメンバーと鎬を削ってきた骨のあるメンバーが揃っているため、今回は相手が悪いように感じる。前走のように流れて後ろがなだれ込む展開になれば斤量を活かして身軽な走りができるかもしれないが、そのような展開は今回は期待できなさそう。個人的には今回は相手が悪いと見ている。実力はあるので次に期待したい。

10.ヒートオンビート
前走の目黒記念ではスタート後内につけて道中ロスなく運び、直線で前が空いて瞬間を見逃さず仕掛けにかかり、前が止まらない中で中団から差し切り勝ちを決めた。58.0kgで勝てたことも大きいがそれ以上に鞍上が巧く乗った印象が残る1戦だった。ボッケリーニと同様G2で善戦しているイメージがあり、ここでも有力候補に挙がる1頭だろう。ただ前走勝ったことで斤量58kgと少し負担を背負っての挑戦となる。斤量負けはしなさそうだが、他の有力馬と直線勝負になった時この1kgが大きな影響を与えそうではあるのが気になるところ。また叩いて良化するタイプで、調教の動きをみても個人的には少し重めに感じる点も気になる。G2馬な以上強い頃は確かだが、ここは叩きを想定した出走も考えられるので、それを念頭に置きたいと感じる。

11.ウインマイティー
前走の札幌記念では稍重にしてはかなり早いペースとなり、追走に苦労して13着と大敗。前走や去年のエリザベス女王杯から考えるに、重たい馬場は走れないと考えるのが妥当だろう。そのため本馬の好走できる条件は良馬場で、かつ上がりがそこそこかかる馬場であることと推定する。そのため阪神で行われた去年の同重賞では3着に食い込んだが、今年は京都で直線でキレが求めらられる展開になりそうで、少し分が悪いか。加えて去年よりメンバーが揃っているのでどこまで戦えるかというのが個人的な見解である。本馬の強みを理解している鞍上が今回は乗り替わりな点も地味に痛いと思う。

12.アフリカンゴールド
前走の札幌記念ではユニコーンライオンと競い合って前へ前へと押し進む競馬を行い、第4コーナーで案の定沈み12着という結果に。着順はともかく、勝つための競馬をしていたので買っていた人は満足できる競馬だっただろう。今回は阪神大賞典以来の単騎逃げが出来そうな舞台が訪れた予感。ネタ馬と化しているが阪神大賞典で逃げて4着に残る程度のしぶとさは持ち合わせているので油断は出来ない存在。特にパンパンの良馬場で前が残りそうな良馬場という、本馬にとって最高の逃げが出来そうな舞台かもしれない。8歳で成長は見込めないが、長距離帯は高齢馬の伏兵が波乱を起こすことはよくあるため、他馬が本馬の逃げを許した場合、想定以上の逃げ残りがあるかもしれない。決して油断は出来ない1頭と見る。

13.ゼーゲン
前走の阪神大賞典は昇級して初の古馬重賞だったが、問題なく追走でき、9着と初の試みにしては及第点という結果だった。ただ着差は上位陣と数馬身離されており、やはり実力差はあるといった印象がある。従ってここでも格上挑戦の印象があり、中距離帯でどこまで戦えるかが鍵だろう。また本馬はこのタイミングで去勢をしており、これがどう影響するかも考える必要がある。体調変化や気性問題等で個人的には去勢した馬が好走するのは2走目からと考えている。しかし本馬の調教タイムが去勢後に割と良くなっている面が少し引っ掛かるところ。逆に言うと買い要素はそれくらいだが、変わり身を期待して買うのはありかもしれない。

14.アイアンバローズ
前走の天皇賞(春)では好スタートを切って番手で運ぶも、前には厳しい流れとなり13着と大敗。近走は成績が不振気味であり、中距離では瞬発力が足らずキレ負けすることが多いが、坂の下りで弾みを付けられる京都では変化があってもいいと考えられる。未勝利の時に京都で走った経験が多く、成績も悪くないため適性はあるように思える。開幕週で前残り傾向になりやすいので、ここは前走の様に前目につけて、キレ勝負よりもスタミナを活かした粘りに持ち込むことが出来れば1発あってもおかしくない。

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