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エルムS 馬券予想


・レース概要について

・エルムSとは

ダートの古馬定量戦。もとは1996年に創られた「シーサイドステークス」(函館(ダ・右)1700m)であり、後に現在のレース名および名前に変更された。このレースでの好走馬は後にダート界で活躍した名馬が多く誕生しているため、ダート界の新生が生まれる一戦になることもしばしば。

・コースについて

エルムS コースの概要図

コースは札幌(ダ・右)1700mであり、平坦なコースを1周する運びとなる。スタートから最初のコーナーまでが240mと短く、コーナーまでに専攻争いが決着しないことがあり、また大回りなコースであるためスピードが緩みにくく、先行馬にとって息の入れにくい苦しい展開になることがしばしば。芝コースと同様に最終直線に備えての好位置争いが激化する3~4コーナーでどのように立ち回るかが重要となる。

・データからみるエルムS

・若い世代が強い傾向あり

過去10年の年齢別成績をみると


4歳(3,2,2,13) 連対率25% 複勝率35%
5歳(5,3,3,22) 連対率24% 複勝率33%
6歳(2,2,4,33) 連対率9%  複勝率19%
        
7歳(0,3,1,37) 連対率7%  複勝率9.8% となっている

数値からみるに4歳や5歳の若手世代を中心に活躍しており、ベテランも条件によっては買えるが、7歳以上はあまり強く買うことは出来なさそうだ。

・好位を取れる立ち回りが必要

過去10年の「前走における最終コーナーの通過順」に関して注目すると、

(コーナー通過)が6番手以内 (10,8,10,69) 連対率18.6%  複勝率28.9%
(コーナー通過)が7番手低下 (0,2,0,35) 連対率&複勝率5.7%
となっている。

コースの性質上、最終コーナーでの位置取りが激しくなる傾向が強く、「コーナーを回りながら好位を掴む立ち回る能力」が求められる。そのため普段の競馬からある程度の位置で競馬できている出走馬が優位に立ち回れることが多い。逆に言えば、後方からの競馬をメインとしている出走馬は展開次第では苦戦を強いられることになるのは一考する必要があると考えられる。

・前走の成績に注目

過去5年において、前走の成績との関連性に注目すると、

前走の成績が3着以内 (5,3,2,23) 連対率24.2% 複勝率30.3%
 前走の成績が4着以下 (0,2,3,32) 連対率5.4%   複勝率13.5% 
となった。

前走にはプロキオンSやアンタレスS、平安SなどのG3競走が当てはまるが、特にマリーンSとの関連性が高く、過去5年においては

前走マリーンSかつ3着以内だった場合の成績
(5,2,0,3) 連対率&複勝率70%

実に7割が馬券内に入るというとても高い関連性が見られた。
相手関係に拘らず毎年このデータが当てはまることからも、マリーンS組のメンバーは注目しておくべきだろう。

まとめると、データから狙えるポイントは

近走で成績が安定しており充実期に入った4,5歳の若手
中でも好走パターンが前目の先行からの抜け出しを得意とする
更に前走マリーンSで好走した実績を持つ競走馬

となる。

特に今年はマリーンS組が6頭と多く出走するため、レース展開も前走と似たような傾向になる可能性が高いことも注視するべき。

・展開予想/買い目

<展開予想>
前目を取りたい馬が多数いるため、スタート後の位置取り争いが重要となる。大外だが、砂被りを避けたい一面もあるためベレヌスが強気にハナを取りに行き、内枠のペプチドナイルやワールドタキオン、外枠のタイセイサムソンやアシャカトブもそれに続いて先行の位置争いが2コーナーまでに行われる。一度隊列が決まった後は先頭のペースで進み、そのまま最終直線へ。コースの性質上、前目決着で決まることが多いため、メンバー的にも今回は基本は先団の馬達で争うことになると考えられる。

<印>
◎:11.タイセイサムソン

前走はハナをとり自分のペースで競馬を行い、道中一息入れたことで直線でも末脚を魅せて4馬身差の完勝を飾った1戦だった。左回りで活躍しているイメージが強いが、右でも対応できる柔軟さがある。本馬の強みは最後まで集中して走れることであり、先手を取ればそこまで大崩れしないのが魅力的に感じる。初の重賞挑戦となるがこれまでの競馬をみても戦える実力は十分にあり、充実期の様に思われる今こそ重賞制覇のチャンスだと感じる。今回はオッズ妙味を考えてこの馬を本命に。

〇:13.アシャカトブ
前走のマリーンSでは内枠を活かして前目の競馬を行ったが直線で入着馬達と差を離されて4着となった。ただこの馬自身が後続に4馬身つけてのゴール、更に休養明け&体重2桁増加での出走という条件を考慮すると十分な内容だと言える。一度叩いてかつ斤量も有利になる今回では上澄みが見込めるため、狙い目だと考えられる。馬体が絞れていて戦える状態であるなら勝てる実力は十分にある。

▲:4.ワールドタキオン
園田で実績を積んで再び中央へ戻り、前走で3連勝して晴れてOP入り。中央に戻ってから全て後続を突き放しての勝ちを見せており、先行でも直線で末脚を使って勝利しているのは実力がある証拠と捉えられる。しかし条件戦とOPでは実力の壁は確かにあり、それまでは快勝でも重賞の舞台では返り討ちにあうことも少なくはないが、この馬はそれを超えていけると信じてこの評価に。これまで以上に前目争いが激しくなりそうなここでどこまで自分の競馬を見せつけられるかが重要となる。充実期ではあるが、重賞のペースに追走できない可能性も十分考えられるが走ってみないと分からない。

△:6.セキフウ
前走は3~4コーナーを回っている道中で位置を上げて、自分のペースで気持ちよく逃げられた勝ち馬とは差をつけられたが2着とはほぼ差のない3着という結果となった。夏競馬は今回で3戦目であり、ここまで2,3着と斤量を背負わされても好走が続いている。恐らく平坦な周回コースが合っている考えられ、小回りのコーナーでもスピードを出せるのが本馬の強みであり、大回りである今回の舞台の方がより走りやすいだろうと考えられる。脚質上後ろからの競馬になりどこでしかけ始めるかが勝負のカギとなるが、そこは鞍上の手腕に期待したい。3戦目で上澄みはあまり見込めないだろうが展開亭にもマークされにくく、スムーズな競馬ができればここでも馬券内は見込めるので。適正等を考慮してこの評価に。

☆:3.ペプチドナイル
  7.ロードブレス
  10.カフジオクタゴン
  14.ベレヌス

<買い目>
3連複フォーメーション ◎ー〇▲△ー〇▲△☆ (計15点)
馬連BOX ◎〇▲△ (計6点)
ワイドフォーメーション ▲△ー☆ (計8点)

・他の出走馬講評

1.ペイシャエス
前走のダイオライト記念で5着となり、そこから休養を経ての参戦。これまでダートの最前線で戦って成績を残しているためここでは斤量59kgというハンデを強いられ、どこまで立て直せるかが重要となる。過去2走は相手関係が強かったのに加え、距離が長かったことも敗因に挙げられるため、距離が短縮されるのはプラスに働くだろう。ただ夏の酷暑の中で思い斤量を背負わされるとどうしても実力通りに走ることは難しくなるので、斤量負けする可能性も大いに考えられる。重い印は打てない。

2.ファルコニア
芝で頭打ちなため、前走ではダートに挑戦し、8着となった。個人的にはダートだからといって好走できるとはあまり思えず、どちらかと言えば斤量で思うような走りが出来ない印象を受ける。今回も58kgと背負わされて相手関係も前走より厳しくなると考えるため、強く勧めることは出来ない。芝のハンデ戦で有利な斤量を背負うときが狙い目だと考えている。

3.ペプチドナイル
前走はハナを切りそのまま逃げて競馬を行い、後続に3馬身つけての勝利を飾った。今年の夏競馬は2戦2勝と勝ちを重ねており、今が充実期だという印象を受ける。後続に脚を使わせるような競馬を得意としており、逃げた方が勝率がいいが、過去の成績を見るに番手でも結果を好走しているので、あとは流れに乗れるかが肝。戦過程も考慮して買い目からは外せない1頭とみるているが、前目争いは避けられず、内枠で馬群に揉まれた場合に本来の実力を発揮できるかは1つの不安点と考えられ、控えた場合の競馬があまり想像できないので好走条件は満たしているが紐として考えたい。

5.オーソリティ
昨年の宝塚記念で出走前に脚部の違和感が見つかり除外に。そこから1年以上の休養を経て今回のレースへ参戦。本馬は芝を主戦場としており古馬のG1戦線でも好成績を残しており、実力は他メンバーより数枚上手である。しかし今回ダートレースに出走する理由は陣営が公言するように、「脚部不安による長期離脱の立て直し」が本線であり、勝ちを狙いに行くというより今後を見据えての試走の理由が大きいと考えられる。実際に脚部不安で長期離脱した競走馬の復帰戦に芝馬であろうとダート戦を用いることはよくあり、本馬もその一例に当てはまる。血統的にダート適性があってもおかしくないので好走しても驚くことはないが、元々右回りの場合は割引を考えられるため休養明けに無理をしてまで頑張る可能性は低いと考えられる。上記の背景からも今回は買いづらい。調整が上手くいってJCで実力を発揮してもらいたい。

7.ロードブレス
前走は勝ち馬のペースで脚を使わされ、直線では何もできずに12着と大敗し、休養を挟んで参戦。過去の同重賞で58kgを背負って3着、他にもm地方交流でも幾つか成績を残しているため、坂の無い平坦なコースの方が向いていると考えられる。懸念点としては7歳とそろそろ衰えを感じ始めるところと、追い込みの脚質なので展開の助けが必要になる点である。重賞実績は申し分ないため、1つのきっかけがあれば好走する可能性は十二分にあるというのを考慮すれば穴馬として考えてもいいかもしれない。前が崩れる可能性も考慮して買い目に加えたい。

8.ロッシュローブ
前走はブリンカーを外しての6着だが、勝ち馬からタイムを1.8秒も離されているため、ここでは実力は1枚劣る印象を受ける。持ちタイムもあまり早くなく、流れが速くなりそうな今回は展開も向くとはあまり思えないため、好走には何かしらの助けが必要そう。

9.シルトプレ
前走は中央へ転入後の初戦かつ初の芝戦という試みが多い中で走り、シンガリ負けの1戦となり、主戦場のダート重賞で改めて。過去には全日本2歳優駿(G1/川崎2000m)でドライスタウトやセキフウなどの重賞で活躍している競走馬達と走り掲示板に入った実績があるなど、中央のダート戦線ではある程度戦えるぐらいのポテンシャルは備わっていると考えられる。今回においても前走の走りで速いペースの経験を活かしてある程度の活躍は見込めてもおかしくはない。平坦で大回りというコースが合えば好走する可能性はあるはず。少なくとも前走よりは負けないはず。

10.カフジオクタゴン
前走は外目の枠ながらもスタート後に促し好位につけて競馬を行ったが、直線で脚色が衰えての7着だった。本馬の適正距離は1800mまでであり、それ以上の距離で好走するにはメンバーや展開などで何かしらの有利面が必要であると考えている。前走は距離の問題だと捉えており、適正内である本コースでは普段通り好位置で競馬を出来れば好走できる可能性は大いにあるはず。ただ雨が降り良馬場の開催でない場合は過去の成績からも幾分の割引が必要であると考えられる。良馬場であれば前目で運び長くいい脚を使えるような競馬が出来れば実力は発揮できるが、あいにく今回は馬場がある程度渋りそうなので、割引して紐評価で。

12.ルコルセール
前走は出遅れながらもどうにか好位につけて競馬を行い、好位置を活かしての2着。昇格以降もOPで好走を続けており、距離や舞台に幅広く対応できるほど柔軟な競馬を行うことが出来る強みをもつ。懸念点はゲートであり、ゲートをスムーズにこなせるかどうかがとても重要となる。今回は先手を取りたい競走馬が多く位置争いが前走以上に激しくなると考えられるため、普段のように出遅れた後に脚を使い好位置を確保しようとした場合には少し窮屈な競馬を強いられることになり、それがどう影響するかの判断が必要になる。好走できる条件は十分に揃っているが、ゲートでくじいた時に枠的二も巻き返しが難しいことも考慮して、悩ましいが今回は見送りたい。

14.ベレヌス
前走は距離を短縮して初の1400mに挑んだが、ペースが速く逃げが苦しくなり直線で沈んでの14着。重賞戦線に乗り出してからは斤量57以上では直線で沈んでしまう展開が多く中々好走できないでいる状態が続いている。ダートは初だがスピードに関しては相手関係を見ても引けを取らないと考えられるので積極的にハナをとって、逃げきりを意識した競馬を行うことが出来れば好走の可能性もあるかもしれない。平坦な直線なのでこれまでのように急坂に苦しむことはないのも期待できる点である。初戦で砂を被ることは避けたいと考えると先手を意識するはずなので、展開次第では1発あってもおかしくないかもしれない。人気が落ちるようなら穴馬として指名できる1頭と見る。

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