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スプリンターS 馬券予想


コース概要

中山芝1200mの概要図

レースの舞台は中山(右・外)芝1200m。外回りコースの最奥にスタートが設置されている特殊なコース。スタートから第3コーナー辺りまで緩やかな下りが続き、加えてカーブもきつくないため前半は流れたペースになりやすい傾向がある。スピードが高まった中コーナーを超えると短い直線と急坂を乗り越えるパワーと瞬発力が必要となり、最後は根競べ勝負となりやすい。実力も勿論必要だが、有力馬の枠や仕掛けのタイミング1つで全体の流れが大きく変わりやすい。そのため流れに上手く乗った人気薄が割り込んでくる可能性も大いにある。近走不振でも同コースの実績がある競走馬は伏兵として注意しておいた方がいいと考える


展開予想・印

<展開予想>
・枠的にテイエムスパーダジャスパークローネハナ争いが起こると予想
・前が激化することで前半ペースは速くて32秒後半、遅くても33秒前半というやや前傾ラップに
・そのため展開は中~後方の馬達に向くと予想
・前傾ラップに巻き込まれた前目の馬は直線入り口で垂れ初め、急坂を駆け上がれるような瞬発力とパワーを兼ね備えた馬に勝機がありそう

<印>
ナムラクレア
実力も素質も十分でG1戴冠の時。詰まりさえしなければ抜け出し可能。
マッドクール
順調なら重賞成績も不思議ではない。素質は十分で夏の成長分に期待。
アグリ
中2週がネックだが臨戦態勢は整ったと見る。後は鞍上次第(ポツンNG)。
ピクシーナイト
全盛期でなくとも素質だけで戦える。スタート出て好位につければ。
☆1ウインマーベル
条件が噛み合えば相当走る馬。良馬場で競馬できれば期待値は高い。
☆2キミワクイーン
枠はきついがペースを読んで差しに回れば1発あってもおかしくはない。
☆3ナランフレグ
展開・枠が向いたときは好走してくれる。G1馬の力量を見せて欲しい。
☆4メイケイエール
操縦性が良くなったことでどうなるか。まともに走ればワンチャンある。


出走馬講評

<簡易評価一覧>
A (勝ち負け可能。総合的に実力上位と判断)
ナムラクレア アグリ マッドクール

B (A群より成績は劣るものの展開1つで逆転可能と判断)
ナランフレグ ウインマーベル メイケイエール

C (展開次第で好走可能と判断)
ピクシーナイト オールアットワンス ジュビリーヘッド  エイシンスポッター キミワクイーン

D (展開・実力が合わないと判断)
テイエムスパーダ ドルチェモア 

Z (入着の可能性ありだが馬券では切りと判断 来たら仕方ない枠)
ママコチャ ジャスパークローネ モズメイメイ

1.ナムラクレア
前走のキーンランドCでは重馬場かつ流れが早い状況を掴み、直線で外から一気に馬群を撫で切って鮮やかに勝利を収めた。勝ち方やペースを考慮しても本番へ向けて完璧な前哨戦になったと見て良さそう。絶対的強者が存在しない今のスプリント界隈で安定した成績を持つ本馬は1番の有力候補だろう。得意のスプリントで馬場や展開を不問として1年間掲示板を外さない走りは相当強くないと出来ないこと。去年より斤量負担は大きくなるが、本馬も古馬として成長を重ねてきているので斤量負けはしないだろう。去年でも十分冠載は狙えたが、直線の進路どりを間違えたと鞍上が敗因を述べているため、反省も踏まえて今年は期待したい。ただ去年は中山の急坂で脚色が落ちていたことが少し気掛かりであり、中山の急坂が合わない可能性は否定出来ないことは懸念点として挙げられる。最内という極端な枠に入ったが、馬群を縫って出てくる操縦性の良さはあるので詰まりさえしなければ。総合的な評価は本馬が一番であることには変わりないだろう。期待を裏切らない走りを魅せて欲しい。

2.テイエムスパーダ
前走のセントウルSではまさかの逃げ切り勝ちで大波乱を演出した。馬場傾向や展開が味方したとはいえ、斤量55kgで逃げ切る実力があったことは驚きを隠せなかったのが本音である。本馬もジャスパークローネと同様に逃げ切りで実績を残してきたタイプなので、本番でも逃げて自分の競馬に徹することがベストだろう。ただスタートの出は平凡なので最初に脚を使わなければハナを取り切れないのが逃げ馬として痛いところだがこの枠なら強引にでも逃げを選んでくるだろう。ジャスパークローネに対してどのような対応をするかで本馬の着順は大きく変わりそう。いずれにしても悔いのない競馬をして欲しいところ。

3.ピクシーナイト
前走は出遅れて後方からのスタートとなったが、直線でじわじわと脚を伸ばして8着という結果に。上がりも32.9秒と優秀で4着まではクビ差なので着順で落胆する必要はないが、故に出遅れが痛かった。悲劇の事故で負った大怪我から復帰して半年だが、前走を見た限り復調して走る気配を失っていないと感じる点は嬉しく思う。勿論全盛期には及ばないが今でも十分好走できる走りはできるはず。腐っても2021年のスプリント覇者なので、今回はそれを思い出させるような走りを魅せて欲しいところ。きっと復活を願うファンも多いはず。近走の成績を見て嫌われるようならオッズ的にも期待値は見込めそう。内枠なので前走の様に出遅れたら巻き返しがきつそうだが、スタート出て好位にさえつければ可能性は生まれそう。最初が肝心

4.ナランフレグ
前走のキーンランドCでは出遅れて最後方からのスタートとなり、直線で内を突くも伸びずに10着という結果に。本馬は追い込み馬なので時計のかかるレースで本領を発揮し、好走条件でないと凡走するので前走着順はあまり気にしなくて良さそう。7歳なので成長面に関する上澄みは見込めないが、逃げたい馬が多数いてペースが流れそうな今回は本馬に展開が向きそう。地味に去年のスプリンターSは3着、高松宮記念は4着と本番に強いタイプなのも伺える。展開が向かなければ2桁着順も大いにあり得るが、今のスプリント界でG1レースの経験が豊富なことはアドバンテージに繋がるはず。当日の馬場なども考慮して時計が掛かりそうなら抑えておきたい1頭とみている。

5.ウインマーベル
前走のキーンランドCではスタート後他馬に寄られて位置どりを下げる羽目になり、そのまま後方で何も出来ずに最下位で終了。そもそも前走は調整が上手くいっておらず急仕上げでレースへ出場した。加えて馬場もあっておらず本馬の実力を十分に出し切れる状態ではなかったことも踏まえて、結果は度外視できると考える。本馬の凡走には明確な理由があることが多く、逆に条件さえ整えば安定した走りを見せてくれることが強みである。斤量でハンデがあったとはいえ去年の2着馬であり、中山の急坂にも対応できるパワーは備えているので、良馬場でコンディションが良い状態で挑めるならば抑えとかないと怖い存在だと考える。

6.ママコチャ
重賞路線でマイルは少し力足らずとみたか、短距離に舵を切り換え前走の北九州記念で試走。前目先行で良い位置をキープしながら運び、2着と好走した。持ち前の素質で好走はしたが、直線の走りを見る感じ適正距離とは言えなさそうで、やはり現状は1400mがベストのように思える。またスピードはあるが急坂を登り切るパワーはあまりなさそうで、ターコイズSの走りを見る限り中山の舞台は本馬には合わないようにも思える。鞍上が絶好調で現在人気しているが、個人的には危険な人気馬だと見ている。冬の阪神Cなどで本命にしたいと思うので、ここは強気の切りでいきたい。本馬より魅力的な候補がいるというのが本音。

7.オールアットワンス
前走のアイビスSDでは1年休養明けのぶっつけにも関わらず、鞍上の上手い手綱捌きに導かれて勝ちを掴んだ。成績を見ると直線競馬が主戦場のように思えるが、コーナーありのスプリント戦でもある程度戦えているため、展開によっては着内にはいる好走をしてもおかしくは無さそう。勝ちきったが前走は本来+18kgの出走と叩きを含めた競馬だった可能性も考えれば、休養を経て本馬が成長した可能性も否めない。好走できるという明確な要素はないがポテンシャルという点では抑えがいのある穴馬として指名できるかも。

8.メイケイエール
前走の安田記念では出遅れて後方からのスタートとなり、途中位置を上げて競馬を行うも直線でやる気をなくして後退し15着という結果に。春のG1参戦は馬場が向かず、フレグモーネて出走回避、出遅れて終了と運が向かず本来の走りが出来ていない印象を持つ。ここまで重賞6勝とポテンシャルは十分示しており、後はG1だけだがそれとすごく相性が悪い。今回は走る番なのか否かはその時にならないと分からない、まさに極端なピンかパーの馬といえる。陣営は「成長して気性が少し改善された反面、レース中に落ち着きすぎる面も出てきた」と述べており、それの対策として新しいハミを採用しマンネリ化を防ごうとしているが、これがどう影響するか。この試みで操縦性が良くなったと言っているのでそこはいい方向に動きそう。恐らく本馬にとって最後のG1チャンス。勝ちとは言わず従来の走りをすれば馬券内に来てもおかしくない。一発ある馬としては穴馬として抑えるのもいいかも

9.アグリ
前走のセントウルSではスタート後位置どりを下げて後方から運ぶ競馬を行い、直線で猛追して2着に食い込んだ。高速馬場とはいえ上がり32.4秒というとんでもない数値を叩き出せるのは高い実力がないとできない。海外帰りで初戦に加えて、今回へ向けての叩きだったことも含めて前走は良い結果だった思える。本場は先行押し切りタイプだと思われていたが、前走で末脚も支えることが判明したのは今後の競馬に選択ができるいい傾向だったと考えられる。高松宮記念では馬場と展開が向かず7着だったが、実力で測ればナムラクレアにも十分対抗できるだけの素質は持っているはず。あとは鞍上がレース展開をどう読んで、どのように運ぶのかを考える必要がある。馬主体の競馬をメインとしているため、購入者側の意図に反した競馬を行う面がしばしば見られるが、今回はG1ということもあり鞍上の本気度も違うと信じたい。懸念点を挙げるとすれば初の中山コースへの対応がどう出るか。コーナーで加速できるような器用なタイプではないため、位置どりに失敗した場合自分の競馬に徹底できず、本来の実力を発揮できないまま終わる可能性も考えられる。こればかり走って見ないと分からないので、本馬には悔いのない走りをしてもらいたい。

10.マッドクール
前走のCBC賞では58.5kgという背負ったことのないトップハンデ、開幕週特有の前残り傾向が仇となり、これまでの走りが出来ず9着に沈んだ。レース後熱中症の疑いもあり夏は身体を休ませて改めて今回へ挑む。前走は圧倒的1番人気だったがそうなるのは仕方ないと思わせるような実績がある。持ち前のスピードを活かして先行押し切りの競馬を得意としており、タフな中山も苦としないパワーも併せ持つ印象を受ける。またシルクロードSでは斤量差があったものの有力候補のナムラクレア、高松宮記念覇者のファストフォースと差異のない競馬を行なったことは実力の高さを裏付けている。4歳で夏を越して成長もしているはずなので上澄みを見込めるのも評価に値する。重賞を勝てる素質は秘めているのでここは狙いたい。ペースが流れすぎて前崩れに巻き込まれる可能性があるのが懸念点だが、買い要素が多いのでここは抑えたいところ。人気しないようなら美味しい。

11.ジュビリーヘッド
前走のキーンランドCでは先行前目で競馬をすすめるも、重馬場でHペースが仇となり直線で足が一杯になって、6着という結果に。叩き出走なので着順は度外視できるが、あの展開で6着まで粘ったのは思った以上にタフな競馬に対応できるという印象が残る1戦だった。中山でのOP勝利や重賞で掲示板入りなど、舞台との相性は良くG1で相手関係は強くなると思うが展開次第では好走も可能な点は否めない。瞬発力勝負よりは上がりのかかる展開になった方が好走できているので本馬にとっては前が流れてくれる方が実力を発揮しやすいだろうと考えられる。枠は少し外過ぎるが、他馬の位置どりを見やすい枠の並びであると思うので後は運び方次第と考える。

12.ドルチェモア
実績を持つマイルで最近不振なため一風変わりを期待してスプリント路線に切り替えるも、前走は早い流れについていけず13着という結果に。前走でスプリントの流れを掴み、本番で活かせるかどうか。ただ近走を見る限り本馬の本質的な問題はメンタル面にあると考えており、直線で走ることをやめてしまう姿が良く見かけられる。最早今の本馬に2歳王者としての面影はなく、一度メンタルを崩した競走馬の立て直しは簡単ではないはず。着順はともかく、今回のレースで何かしら復調へのきっかけを掴んで欲しいところ。

13.ジャスパークローネ
前走の北九州記念では好スタートからハナをとり、ペースを支配してそのまま逃げ切り勝利。2走前のCBC賞も戦略で勝ちを掴み、夏競馬で存在を一気に大きくした1頭。本馬の近走の勝ちパターンは「ハナをとってペースを支配して逃げ切り」である。そのため重要なのは競りかかってくる相手がいるかどうかであり、今回も好スタートからハナをとりそのまま逃げることができるなら勝ち切る可能性は大きい。ただ今回は本馬同様逃げで重賞を制覇した馬が多く、彼らがすんなりとハナを譲るとは考えにくい。競りかけられてハナを取り合う展開になれば重賞を連勝したとはいえ潰される可能性は否定出来ない。コース的に逃げは合うし、中山での好走実績もあるので買い要素は多いが、実際はピンかパーであると考えられる。スタートと行き脚の良さは他馬にひけをとらないので外枠でもハナを狙うこと自体は可能だろう。逃げ馬候補が多いことも考慮して、前が潰れる展開になると予想するのであれば切ってもいい人気馬になるかも。

14.エイシンスポッター
前走のセントウルSでは最後方へ位置どりを下げて、直線で内の進路へ切り替えて猛追するも、届かずの7着という結果に。夏に2戦行い今回の舞台へ挑むため、上澄みはそこまで見込め無さそう。末脚は確かなものを持っているため、必ず最後は伸びてくることは評価できるが、やはり好走するには展開の助けが1つ必要となる印象がある。鞍上にはオーシャンSの様な位置どりで外へ進路をだす競馬をして欲しいと個人的には考えている。トウシンマカオが回避したことでの繰り上がり出走だが、展開次第では好走できる要素は持ち合わせているはず。この枠なら思い切って大外分回しの方がよさそう。

15.キミワクイーン
前走のキーンランドCでは終始内ラチ沿いを走り、外伸び馬場が影響して後続に抜かれて7着という結果に。2走前の函館SSで出走賞金は積めており、前走は叩き目的の出走だったので結果は度外視しても問題ない。中山での好走が多く、特にLである春雷SではHペースで先行勢が潰れるなか、マッドクールと着差のない2着だったのは重賞で活躍できる実力がついてきた確かな証拠とも言える。先行でも差しでも競馬ができる柔軟性を持ち合わせており、鞍上との相性も良さそうなのも買い要素として挙げられる。状態が良さそうなら上位陣に一矢報いる可能性も十分あると考えられる。外枠は傾向的に不利だが、差しに回るのならそこまで気にする必要もなさそう。勝ち切るのは難しそうだが着内狙いの競馬なら展開にによっては可能かもという印象。人気を大きく落とすのなら抑えておくのも一考。

16.モズメイメイ
前走の北九州記念では本馬の新たな一面を探す目的で控える競馬を試したものの、後続に追い抜かれ10着という結果に。異次元のスタートダッシュだった葵Sはともかく、これまでの走りを見ると逃げてペースを支配する走り方が勝ち方としては現状型に嵌る印象を持つ。ただ斤量ハンデがある今回は前走の経験を活かして差しで勝負するのも面白そう。逃げでも斤量は活かせると思うが、同型と削り合い潰される可能性は否めない。逃げなくても競馬が出来るのならばそっちの方がいいと思える。ただ、中山との相性はあまりなさそうで、差しで挑むなら末脚がないと厳しい。前走だけでは末脚があるとは言えないので差し競馬が出来るかどうか改めてここで見極める必要があるかも。またも大外という可哀そうなことになっているので、正直これで馬券内に来るには相当巧く乗る必要があると思う。

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