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VIPRPGの名作『女兵士さん奮闘記』シリーズをオススメしたい

追憶@reminder_89です。VIPRPG発で、みお氏が制作したフリーゲームRPG『女兵士さん奮闘記』シリーズをご存じでしょうか。全作品は知らなくても代表作の「救世メガロマニア」なら聞いたことがあるのでは? この奮闘記シリーズは世界観につながりがあり、通しプレイするとより楽しめてオススメなのです。

しかし初見では計10作品もある奮闘記シリーズをどの順番でプレイしたらいいかわからない、あるいは合計100時間近くかかるから全部やるのはちょっと・・・といったプレイヤーもいるかと思います。本記事では各作品の特徴や簡易あらすじを紹介することでプレイのきっかけになればいいなと思ってまとめました。

『女兵士さん奮闘記』シリーズとは何か?

ひと言で表現すると、王国に務める記憶喪失の女兵士さんを中心とした続き物の短編~長編RPG作品群でしょうか。この定義だと「勇者30(分)」、「救世メガロマニア」は女兵士さんと関係ないためシリーズに含まれないこともありますが、本記事では広義の奮闘記シリーズとして扱っています。シリーズ最大の特徴は「勇者30(分)」がデフォ戦な以外すべて自作戦闘で、戦闘システムが毎作大きく変化することです。通しプレイすると続編になるほど自作戦闘のクオリティが向上していくのを感じ取れて楽しかったりします。

女兵士さん奮闘記(VIPRPG@Wiki)
創造のメモリア(30の法則)
創造のメモリアWiki(公式攻略)
救世メガロマニア(30の法則)
救世メガロマニア(VIPRPG@Wiki)
救世メガロマニア 攻略wiki(非公式)

ここから先は各作品を個別に紹介していきます。序盤のネタバレがあるので注意。ダウンロードは上記リンク先(VIPRPG@Wiki)を参照。ついでに公式サイトや攻略Wikiへのリンクも用意しておきました。

【# 00】勇者30(分)

[ジャンル] デフォ戦短編RPG
[プレイ時間目安] 30分~1時間
[推定公開年月] 2009年3月
何者かにさらわれた8人の姫をアレックスが30分以内に救出するRPG。30分経過すると容赦なくゲームオーバーになります。イベント時もタイマーカウントは進むので一瞬も気が抜けません。しかしレベルはサクサクあがっていくためそれほど難しくないと思います。タイムアタック好きにオススメ。後に主役になる女兵士さんこそ一切登場しませんが、姫が8人いる設定は本作からなのでやる価値はあるかと。

【# 01】女兵士30(分)

[ジャンル] 自作戦闘短編RPG
[プレイ時間目安] 1~1.5時間
[推定公開年月] 2009年3月

ある大陸に、王国軍と魔王軍が住んでいました。両者はとても仲が悪く、いつも争いばかり。ある日、勇者たちの留守を突いて魔王の配下『ミノタウロス』が王国にやってきました。8人の姫様たちを誘拐したミノタウロス。
王様は、女兵士に姫様救出の任務を与えます。
(※奮闘記あらすじ回想より引用)

記念すべき女兵士さんの初主役作品。イベント中のタイマーカウントが廃止され、シンプルな1対1の戦闘なのもあってだいぶ遊びやすくなっていると思います。後々、重要キャラになってくるウルフが初登場します。あと重要アイテムの「舞槍戦姫(ぶそうせんき)」も初出。

【おまけ】リナックスサガ

[ジャンル] サガ風フリーシナリオ長編RPG
[プレイ時間目安] 不明(長編らしいので10時間以上?)
[推定公開年月] 2009年10月
奮闘記シリーズではありませんが一応。よくあるCTBのサイドビュー戦闘で、技はレベルアップで覚えます。これを約半年で作れるってすごい。

【# 02】女兵士さん奮闘記 -忘却の少女-

[ジャンル] 2vs1サイドビュー戦闘の中編RPG
[プレイ時間目安] 5~8時間
[推定公開年月] 2009年11月

女兵士は、先輩の王宮戦士『ジャンヌ』とその部下たちと一緒にフィールドワークに赴きました。妖精の森で目にした光景。それは、突如現れた巨大な大穴の底から這い上がってくる未知のモンスターたち。どうやらこの事件には、ナイ軍という『アンデッドナイ』が率いる組織が関与しているみたい。やつらは何者かに与えられたという強大な力で、王国そのものを消滅させてしまった。王国のみんなは、もう帰ってこない。残された女兵士とジャンヌは、ナイ軍の世界征服という野望を阻止するために戦う決心をしました。
(※奮闘記あらすじ回想より引用)

初めて「奮闘記」がタイトルに付いた作品で、シリーズの骨格が決まった最重要作品だと思っています。ナイ軍との戦い、熾天使ウリエル&戦乙女ワルキューレの初登場、さらにクトゥルフ神話要素も加わり重厚なシナリオになっています。女兵士さんとはいったい何者なのか…要注目。戦闘システムも演出が凝っていて、女兵士とジャンヌのチームワークが大事です。あと一部の曲がナイトガンダム物語の曲なのがいい味出してます。

【# 03】女兵士さん奮闘記外伝 - 夢みる王国 -

[ジャンル] サイドビュープレスターンバトルの長編RPG
[プレイ時間目安] 15時間前後
[公開年月] 2009年12月

前作、忘却の少女から数週間後。勇者アレックスの妹『リナックス』は王様から活躍の機会を与えられます。リナックスは、1年前に兄の許を離れて修道院で暮らし、生活の知識や魔法の訓練を積み重ねてきました。それは、一人前の勇者となるために多くの経験を積ませようという王様の気遣いでした。旅には、半ば強引ではありますが王国の仲間たちが同行することになりました。リナックスに魔法の基礎を叩き込んだ師匠、『サモン』も付き添ってくれるので心強く思えたリナックスでした。ひと月の航海を終えて訪れたtktk国。(※奮闘記あらすじ回想より引用)

外伝ということでリナックスが主人公。遙か遠方の大陸にあるtktk国が舞台のフリーシナリオになります。シリーズの中では若干難易度が高めかも。パーティ編成できたり熟練度システムがあったりと本格的な長編です。個人的に注目してほしいキャラはサモン。一行の実質的なリーダー役で良いキャラしています。それにしても、2009年最後の3ヶ月は毎月新作を公開されていたことになりますね…とてつもない制作ペースで驚き…!

【# 04】奮闘記外伝・第二部 - 暗黒竜と光の戦士 -

[ジャンル] サイドビュー戦闘の長編RPG
[プレイ時間目安] 20時間前後
[公開年月] 2010年8月

舞台は王国に移ります。前作にてtktk国へ向かったリナックスたち。誰一人として、王国へ戻ってくることはありませんでした。皆が安否を心配する中、突如魔物たちが王国に現れます。何者かが魔法で王国に魔物たちを送り込んでいるようです。そして、その発信源となる場所がtktk国だったのです。王国軍、魔王軍、ナイ軍は協力して事件の調査に乗り出しました。
(※奮闘記あらすじ回想より引用)

私がシリーズで初めてプレイした最も思い入れのある作品です。仲間キャラが総勢16人使えて、フィールドマップが4枚くらいあって、点在するフリーダンジョンを探索できたりと半端ないボリュームに圧倒されました。あと、ちゃんとパーティ編成によって会話が変化します。シナリオはというと中盤くらいまで起承転結の「転」が何度も襲ってくるくらい緊張感があり、非常にのめりこみました。しかもマルチENDという豪華さ。「こんな大作を半年ほどで作るなんて!」と衝撃を受けた覚えがあります。選曲も素晴らしく、例えばイベントの連戦で鳴る「Battle11_EX:イベントバトル.mp3(世界樹の迷宮没曲 - 眠らずの戦場 - アレンジ by 黒鉄館 THIRD)」は今でも大好きな曲です。妖精さんがナビゲートするのも本作から。かなりオススメ。

【# 05】女兵士さん奮闘記えとせとら

[ジャンル] 後日談的なほのぼの短編ksg+SRPG試作品
[プレイ時間目安] 1~2時間
[公開年月] 2010年12月

王国にやって来た新しい新人、やさぐれ女兵士のサヤとワルキューレが出会い織り成すちょっとした物語。おまけのシミュレーションRPGパートは奮闘記 忘却の少女と設定がリンクしています。
(※奮闘記あらすじ回想より引用)

ほのぼの短編ksg。奮闘記外伝・第二部をやった後だとすごい心が温まります。そしてこの後に創造のメモリアをやると胸が苦しくなります。SRPG試作品のほうは試作品とは思えないくらい高い完成度でオススメ。

【# 06】三馬鹿道中記

[ジャンル] ミステリー系短編ksg
[プレイ時間目安] 1~2時間
[公開年月] 2011年3月

女兵士は夢見る人。寝ている間に色んな夢を見ます。これはその内のひとつを描いたもの。三馬鹿たちが様々な事件の解決に奮闘します。
(※創造のメモリアWikiより引用)

衝撃の神OPで始まります! 必ず見るべき。本編のほうはサモンが三馬鹿のリーダーとして事件の推理方面で大活躍。私のなかで、もしも世界のサモンのイメージは三馬鹿道中記によって形成されたといっても過言ではありません。それくらい魅力ある主役なんで必見です。もちろん、三馬鹿たちの活躍シーンもあります。

【# 07】続・三馬鹿道中記

[ジャンル] ミステリー系短編ksg
[プレイ時間目安] 2~3時間
[公開年月] 2011年8月

女兵士は夢見る人。寝ている間に様々な夢を見ます。これもその内のひとつを描いたもの。またも三馬鹿たちが道中関わった事件に立ち向かいます。
(※創造のメモリアWikiより引用)

三馬鹿道中記の続編。夢で続編を視聴できる女兵士さんって一体…。やはりというか今回もサモンが大活躍します。奮闘記&道中記のサモンを気に入りすぎて俺はもうやばいと思う。シナリオが大幅にパワーアップしていて見応えがあるし、スピーディな戦闘もやり応えがあります。あとミネアンの性能は反則級。

【# 08】創造のメモリア

[ジャンル] 女神転生風の長編RPG
[プレイ時間目安] 20~30時間
[公開年月] 2012年7月
女兵士さん奮闘記シリーズの完結編。悪魔合体システムの再現度が素晴らしく、仲魔が347種も! クトゥルフ神話要素のせいかシナリオはかなり重めですが、これまでの伏線回収が行われて見応えのあるものになっています。あとはマップが美しいですね。シナリオ進行で季節が変化するフィールドに、ダンジョンだとマガツキがカッコイイです。みお氏の選曲が最高に良いのも本作の特徴で、おもに「Town01/Infernal Weariness.mid(ロバ・エル・カリイエで流れる曲)」を聞きながらシナリオ制作したとのこと。戦闘曲はどれも印象に残っているし「Dungeon09/ネメシス.mp3(マガツキの曲)」がまた最高に盛り上がります。非常にオススメ。

【# 09】救世メガロマニア

[ジャンル] デビサバ風の長編RPG
[プレイ時間目安] 30~40時間
[公開年月] 2014年12月
世界創造を題材にした壮大な物語。仲魔は401種! 手持ち悪魔を消費しないデータ合体形式のため気軽に合体を楽しめます。前作とのつながりはほぼありません。しかし、ウルフがゲスト出演するなど過去作ファンならわかる作りになっているため奮闘記シリーズとしてカウントしています。アトラス風が背景にある作品ですが、個人的にクインテットの「天地創造」にも作風が似ていると思いました。あと、やはり今作も選曲が最高に良いです。ちょうど月人氏がスレにmidiを大量投下していた時期と重なったこともあり、Moon☆Windの楽曲がたくさん使われています(しかもラスボス曲は特注品)。他サイトの素材だと「Resurrection」と「vs Dark Caucus」(ことりのさうんどのぶろぐ)、「Abyss Dance」(アンダンテ)なんかもいいですね。超オススメ。

最後に

結局、全作品通しプレイするのが一番オススメなんですが、どうしても時間がないプレイヤーは「女兵士30(分)」→「女兵士さん奮闘記 -忘却の少女-」→「創造のメモリア」→「救世メガロマニア」の順にやれば大まかなシナリオの流れは把握できると思います。これで少しでも『女兵士さん奮闘記』シリーズに興味を持って頂けたら幸いです。


ΩND

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