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何があっても一人で生き抜く力(2023)―食べることは生きること―

コロナ禍、休校中の子どもさんと,毎日何をして過ごそうかと考えていたお母様がお子さんにお手伝いをしてもらって,私のクックパッドを参考にお料理をしたよと”れぽ(Cookpadのつくれぽ)”を頂きました。
ありがとうございました☺
その方は,その後私のブログ「食べることは生きること(20200314)」を読んで,お子さんに「生きる術」を教えていこうと決心されたそうなのです。


食べることは生きること

ブログの内容は以下のような内容でした。
(cookpadブログは終了するそうなので、こちらに移行して加筆修正して書いています。)

人は,経験でさまざまなことができるようになり,発達します。
文字が書けるようになるのも,足し算や引き算ができるようになるのも。
友達をつくる,コミュニケーションをとる。
ピアノやサッカー,習字,バレエ,水泳等々。
料理も同様です。

感心した「子どもが料理を作る」動画があります。
妹にチャーハンを作る子ども

魚を焼く子ども(Jamie Oliver Facebook)

Buddy's BACK to show your Kitchen Buddies how to cook mackerel with crispy skin - it's River's favourite, just...

Posted by Jamie Oliver on Saturday, March 7, 2020


妹にチャーハンを作る子どもを観ていると,昭和一桁の父が話す,戦中戦後の話を思い出します。
私の友人も子どもが3才のときに大病をして,子どもに食事の支度を教えて,作れるようになったとのこと。
「はなちゃんのみそ汁」[1]しかり。
危ないからと,守ってばかりで何もやらせなければ,何もできるようにはなりません。
また,子どもは少し難しいことに挑戦するのが大好きです。
むりならやめていいよと,逃げ道も残しておくと,自分から挑戦していたりします。
高校を出たら実家を出る人も多いです。
中学生で短期留学に行く子ども,高校で海外に留学する子ども,家を出るタイミングが早い子どももたくさんいます。

留学をすれば,留学先で日本の料理を聞かれることもあります。
日本の料理を披露する機会もあるでしょう。
知らないこと,やったことがないことは話すことはできません。
作ったこともないのに,料理を作ることは出来ません。

高校を卒業するのは18才。現在の年齢から18才まで,何年あるでしょうか。
中学生は,13才~15才。高校生は,15才~18才。
あっという間に月日は過ぎていきます。
家庭で何かを身につけさせるためには,実は,本当に限られた年数しかないのです。
子どもが自立して家を出て行くまでに,家庭でどのような生きる力を教え,経験させることができるでしょうか。

食べることは生きることです。
一人で生きていくために必要な力のひとつが料理です。
一人暮らしで,病気をして寝込んでも,おかゆくらい炊いて食べられれば。スープやうどんが作れれば,生き抜けます。回復が早いです。
自分で料理ができれば,自信になり,メンタルも強くなります。
幼い頃から料理をする経験をしていれば,いつでもどこでも料理ができます。
休校になったこの春,子どもと一緒に料理をすれば,子どものスキルを増やすチャンスになると思って【子どもと作ろう】のレシピをアップしました。

何でも経験。今日から少しずつ,一歩ずつです。

【子どもと作ろう」シリーズのレシピへの思い

最初は,ただのお料理のお手伝いや暇つぶしでいいのです。
まずは,自分が食べているものや,作ってみることに好奇心を持つことからです。
でも,実は【子どもと作ろう】シリーズには,強い思いが込められています。

3.11の後,親御さんを亡くされた子どもたちが大勢いました。子どもたちには親がいなくなっても,何が何でも生き抜いて,自分の与えられた寿命,人生を幸せに生きていってほしいと強く思いました。

そして,それは自分の子どもにも同じ思いです。
私に万が一のことがあったとしても,子ども自身が何か困難にあっても,強い心身と知恵,一人で生きる力を駆使して,どうにか生き抜いて幸せに生きていてほしいと思います。

つらくて落ち込んだり,絶望して立ち直れないと思うときだってあるでしょう。
それでも。それでも,必ず立ちあがって生き抜いて欲しいのです。

そのためには子どもたちにどのような力が必要でしょうか。
どのような生きる力があれば,一人でも生き抜いていけるでしょうか。
親である自分は何を伝えておけばよいでしょうか。
すこし長く生きている大人として,何ができるでしょうか。

体力,食べる(料理のスキル),落ち込んでもまた立ち上がる心の力「レジリエンス」,必要な時には人に助けを求めること,感情の整理や気晴らし,呼吸法,人とのかかわり方,さらには生活や勉強の習慣,自分の頭の蠅が追えたら人の為にも動けるようになどなど・・・。
子どもたちが一人で生きていくために必要な力やスキル。

一人で生きる力を子どもたちに伝えることができるのは,経験が多く,今子どもたちと接している我々,親や大人です。
自分が培ってきた知恵や知識,経験を次の世代に送ることが,人が生きる意味でもあると思います。

何ごともすぐにできるようにはなりません。
毎日毎日,経験を積み重ねてできるようになっていきます。
長い時間があるときにコツコツやっておけば,少しずつ必ず身につきます。

だから,休校中もピンチのようですが,子どもに力をつけるチャンスの時間だったのです。
これがアップし続けた【子どもと作ろう】の底にある思いです。

料理も手伝いも,呼吸法も,レジリエンス教育も,勉強も,なぜやるのか,コロナ騒ぎを経験した今なら子どもたちも理解しやすいですね。
いつ,何があっても,生き抜くためだと,大人は説明もしやすいですね。

これからの日本の未来を担う子どもたち,世界を担うすべての子どもたちに,何があっても,へこたれれず,逞しく生き抜いてもらいたいです。

私たちは3.11など,災害経験をしているから,少し備蓄があったり,備える心がけや災害に対する対処や知恵が少しだけ発達しているかもしれません。

あの経験があったから,コロナによる様々な状況の変化にもパニックにならずに済んでいるのかもしれません。
どんなことからも得られるものがありますね。


こんな簡単サラダも子どもと作れそうですね。


3.11の後子どもと受講した災害救援ボランティア講座

[1]『はなちゃんのみそ汁』安武信吾・千恵・はな(2012)文藝春秋


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