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WSLのグローバル拡大とイングランド選手育成への影響

WSLのグローバル拡大とイングランド選手育成への影響

国際化が進むWSL

女子スーパーリーグ(WSL)が急速に国際化している中、イングランド代表選手の出場時間が減少しているという懸念が高まっています。今シーズンのWSLでは、出場した選手のうち2/3以上が海外出身であり、イングランドのトップリーグはますます多国籍なリーグへと進化しています。

出場選手の国籍

ガーディアンのデータによると、今シーズンのWSLで出場した203人の選手のうち、イングランド代表としてプレー可能な選手は62人、つまり30.5%に過ぎません。さらに、今シーズンの試合日程に名を連ねた選手は33か国に及び、30か国の選手が少なくとも1試合に先発しています。具体的には、オランダから11人、日本から11人、スウェーデンから10人の選手が出場しています。これは、わずか7年前の状況と対照的であり、その当時は2/3以上がイングランド出身の選手でした。

育成への影響

この国際的な色合いは、リーグの放送魅力を広げ、世界中のファンを惹きつけ、スポンサー収入を増加させるなどの利点がありますが、若いイングランド選手の育成にはコストがかかる可能性があります。リトアニアで行われた女子U-19欧州選手権では、イングランドが準決勝に進出したものの、他の準決勝進出国の選手たちはシニアクラブでの競争力のある経験が豊富でした。フランスの選手16人が昨シーズン、トップリーグでプレーしていたのに対し、イングランドの選手はわずか4人でした。

意義ある出場時間の確保

フットボール協会の女子技術ディレクター、ケイ・コッシントンは「才能には機会が必要だ」と述べ、出場時間の確保が重要であると強調しています。女子チャンピオンシップでプレーしているイングランドの若手選手がWSLクラブに見落とされるケースもあり、海外の才能が優先される傾向が見られます。

WSLの魅力と競争力

WSLでは依然としてイングランドの選手が多く見られますが、今シーズンはオランダや日本からも多くの選手が出場しています。エバートンの監督ブライアン・ソーレンセンは、WSLが世界で最も魅力的なリーグであるとし、グローバル化が進む中で優れた選手が集まることを指摘しています。

ホームグロウン選手の必要性

WSLのクラブは、ファーストチームのスカッドに少なくとも8人の「ホームグロウン」選手を含める必要があるというルールに従わなければなりません。ホームグロウン選手とは、国籍や年齢に関係なく、21歳の誕生日前に36ヶ月間、イングランドのクラブに登録されていた選手を指します。

女子チャンピオンシップでは、スカッド25人に対して最低15人のホームグロウン選手が必要とされており、スカッドが小さい場合はその数が減少します。
「チャンピオンシップを見ると、多くのイングランド選手がいて、レベルも良いと感じます。これは今後数年でさらに向上するでしょう」とソーレンセンは述べました。
「しかし、若い才能がWSLに入って競争するには大きなギャップがあります。デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの市場と比較すると、イングランドは非常に良い状況にあります。私はイングランドについて心配していません。彼らは非常に良い位置にいると思います。」

今後の展望

このように、WSLの国際化が進む中で、イングランドの若手選手の出場機会が減少する懸念がある一方で、リーグ全体の競争力や質の向上も期待されています。今後の展開に注目が集まります。

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