infp善人説を否定させてほしい

ちまたでは、infp＝「優しい」「弱いのに芯があっていざとなると自己犠牲も厭わない良いやつ」「可愛い」と認識されがちであるが、毎度そのような一般認識を聞くたびに非常に申し訳ない気持ちになる。infp的言わせてもらうと、infpは別に優しくない。mbti界隈で言われがちな「infpの優しさ」はあくまで利己的な優しさに他ならない。なので、私はinfpの優しさは優しさどころかただのinfp的自慰だと思っている。どういうことかと説明すると、これは持論なのだが、「優しさ」というものは、①見返りを求めないもの②優しさを与える対象のことを本当に考えた上で、本当に彼等が求めているであろう施し、だと思っている。infpの優しさは、これの①は確かに当てはまっている。別にこちらが優しくしたからと言って相手にも同じ程度のものを求めるのはおこがましいにもほどがあるし、そもそも自分の意志でしたものだ。しかし、②には確実に当てはまっていない。infpの優しさの根本は、優しさを与えるフォーカスが自分自身に向いているのである。たしかに、優しさを与える対象のことは自分なりに考えている。なんなら、自分が彼等の立場に立ったら自分はどう思うのだろう、自分ならどうされたいのだろう、自分がされたいことでなくても自分の正義や信念を貫くならここではこうするべきだろう、色々考えている。しかし、あくまで優しさを与える対象本人のことは一ミリも考えていないのである。infp的に重要で守りたいのは「優しさを与える対象」本体よりも「その立場に置かれたことで乱されてしまった自分の精神」であるからだ。例えるならば、悪口を言われていたりいじめられている人の立場に勝手に感情移入して勝手に悲しくなってしまう。その悲しい精神に耐えられないから「そういうことするのやめなよ」と言う、といった感じである。また、そのような悪口やいじめなどの場において「理不尽に人を傷つける行為は許されるべきでない」という自分なりの信念が目の前で壊されていることに、自分の精神が耐えられないからという場合もある。どちらにせよ、それは優しさを与える対象のことを本当に思って発動された優しさではない。「自分」のためのどちらかというとバキバキ利己的な行動なのに、それを「利他的な善の行為」として認定されてしまうことにより、良心の呵責に苛まれる。こちらが苛まれるだけならまだしも、己の汚い欲望を綺麗で尊い何かで包み込んでいる感が気に入らないのだ。例えるなら、小学校や中学校でクラスというコミュニティを統括すべき支配者である教師側が「one for all . all for one.」とかいうスローガンを壁に貼り付けだしたりするあの気持ち悪さである。「生徒が足並み揃えてまとまってくれたり、人間関係で問題ごと起こさない方が自分が楽だから、皆んなそうしてね！！」って言えばいいものを、なんか表面上いい感じにオブラートで包みたがる感覚に似ている。他にはアルバイト求人にありがちな「やりがいがあって必ずあなた自身の成長に繋がる職場です(ｷﾗｯ)」みたいな構文もそうである。「人手不足なので働き手募集してます！！」と書けばいいものを。己の俗物的かつ利己的な欲望を、雅物的かつ利他的な施しとして客観的に見られようとしているスケベ根性が気に入らない。
何が言いたいかというと、身分不相応な称号をmbti界隈で頂いていることが、他mbtiの人々を騙しているようなことと、汚いものを外見だけ綺麗に包装したものを意図せず他mbtiの人々に渡しているような状態が、非常に息苦しいのである。他にも何故か、infp＝天然でオドオドしてて可愛い、みたいな認知もされていたりもする。そんな無害そうな愛でキャラではない。どちらかというと、嫌なことがあったら永久に根に持ち続けるめちゃくちゃ陰湿なタイプである。もう終わったことや何年も昔のことでも、ふとした隙があると「あ、今ならコイツを(社会的に)殺れる」とかリアルに思ってしまう。実際手は下さないけれど、そういった過激テロリストのような私刑案や制裁案がよく頭をよぎるため、「無害」「愛でキャラとしての安心感のある可愛さ」というタイプ認定をするにはあまりに危険であると私は考えている。世間でinfpはウサギのような安心安全庇護対象の動物みたいな認識かもしれないが、毒クラゲくらいの場合によっては危険性ある動物という認識はしておいたほうが安全なのではないかと思う。
ちまたではinfpが聖人や他者への攻撃感情のような負の感情の一切ないか弱いマスコットのような評価を頂きがちだが、それに対してinfp的には「違う…もっと自分は汚い人間なんだ…そんな身分不相応な嘘で塗り固めたような評価をしないでくれ…そんな崇高な聖人じゃないんです…」と思っていたりする。このような世間の認知によるギャップのずれについてのinfpの意見はあまりネットでも見かけないので、いちinfpとして世間にこの主張をしてみたく今回は書いてみたところである。

※あくまでinfpである私個人の感想であり、私以外のinfp全ての人が優しくないという訳ではありません