人生初の野糞💩
あと3時間でソフィア(ブルガリアの首都)発ブカレスト(ルーマニアの首都)着の夜行バスの時間だ。
ブルガリアと言えばヨーグルトだ。よし、最後にヨーグルトを食べよう。
僕はショッピングモールの地下のスーパーマーケットに向かった。
目当ては勿論ヨーグルト。スーパーを見つけ、入る。そして驚愕の光景を目にする。
なんということだ。
そこには多種多彩のヨーグルトが有象無象と蔓延っていた。
ペットボトルに入った飲むヨーグルトから、日本のスーパーでよく見るようなパックのヨーグルト。種類も量も大量に存在していた。まるでインドのコルカタで乗った列車のように、所狭しと陳列されていた。
味の違いなどは存在するのだろうか。これだけ種類があったらどれを買ったらいいのか全くわからないではないか。しかもパッケージの意味がわからねえ。これブルガリア語?
あれこれヨーグルトを見比べ、その中から目に留まったものを購入。シンプルだが、パッケージに「BULGARICUM」と書いていたやつを選んだ。たぶん綴り的にブルガリアっぽかったのが決め手だったと思う。
その後フードコートに向かい、空いている椅子に徐に座り、ヨーグルトを食べる。
文字通り、ブルガリアヨーグルトである。
うまい。普通のヨーグルトだ。
それに、味も日本に近かった気がする。
しかし量は400gあった。日本で400gも一気にヨーグルトを食うことなどほぼないだろう。ファミリーで分けて食うサイズくらいある。
当たり前だが、半分くらい食ったところで、結構満足した。
しかし残すのは嫌だったので400g全部平らげた。今から思うと全部平らげたのが悲劇の始まりだったのかもしれない。
そしてショッピングモールでトイレを済まし、残ったブルガリア・レフで水を買い、夜行バスに乗り込んだ。国境までは多分すぐだ。これで綺麗にブルガリア・レフを使い切ってルーマニアに入れる。
今から思うと少しくらいブルガリア・レフを残しておいた方が良かったのかもしれない。
22時にバスに乗り、夜中1時頃のことだった。急に腹が痛くなったのだ。恐らくヨーグルトの食べ過ぎだろう。今になってヨーグルト400gの完食を後悔した。めちゃくちゃトイレに行きたい。腹痛い。助けてくれ。
腹痛と闘いながら、ブルガリアとルーマニアの国境へとバスは進んでいく。
そしてバスは夜中2時くらい、国境付近の街ルセに止まった。トイレ休憩の時間だ。
よし。これでなんとかトイレ行ける。耐えた!
もはや一刻の猶予も許されない。いざ行かん!と思いバスを降り、ダッシュ。
そしてトイレを見つけ、入ろうとした。その時声が聞こえた。
Hey!!
僕「なんやねんうるさいなあ。はよトイレ行きたいんやこっちは。」
職員「トイレ行くなら金払ってくれ」
え?トイレ行くのに金がいるん?ショッピングモールのトイレ要らなかったよ?
周りの欧米人もみんなお金を払ってトイレに行っている。
値段は1レフ。だいたい1/2ユーロくらい。
しかし僕は、もうブルガリア・レフを使うとは思わなかったので1レフも持っていなかった。
僕「カードいける?」
職員「現金だけや」
僕「ユーロでもいい?」
職員「レフで払ってくれ」
もはや絶望しかなかった。150ユーロくらい持ち合わせているのに、肝心のレフが無い。
これではトイレに行けない。
よし、それじゃ換金所…
夜中2時に空いているはずがなかった。
よし、じゃあATM…
あるわけがなかった。
え?これ詰んだ?
腹まだ痛いのに?
1レフももってないのに?
換金所閉まってるのに?
ATMもないのに?
もう腹痛我慢できひんゆーてるのに?
明日晴れやのに?
明日晴れやのに?
どうすんのこれ?
こうなったら最早覚悟を決めるしかあるまい。
腹痛には勝てず、ついに野糞をする決心をします。(ブルガリアの人すいません)
幸い、夜中2時なのでバス停から少し離れればもう真っ暗だ。
そう思い、バス停から100m程離れた茂みに向かい、用を足した。
トイレットペーパーはギリシャのホテルで調達していたものが残っていたのでそれを使い、けつを拭くことに成功。
そして何事も無かったかのようにバスに戻り、何事も無かったかのように席につき、何事も無かったかのようにブルガリアを出国し、ルーマニアに入国した。
こうして僕の人生初の野糞は終わった。
これからは何かあった時用に余分に両替したいと思います。トイレが無料とは限らないですからねみなさん!覚えといてください!
そしてヨーグルトは食べ過ぎないように!
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