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東雲(CV中村悠一さん)は明日のキミだ!

 アニメ『SPY×FAMILY』がむちゃくちゃ面白い。
 ヨル姉さん(CV:早見沙織さん)素敵です!
 
 大阪府警外事警察協力者(2006-2018)を自称している筆者だが、たとえば特定秘密保護法が成立するまではアンダーグラウンドで活躍していたともいえるし、大阪府警のカウンターパートと会食する際には、「武藤」というコードネームを用意していた。秘密警察局員のユーリの配役に、筆者ほど適任だと思うのだが、いかがだろうか。Amazon のkindle unlimited というサービスを利用すれば拙著を無料で読める。筆者が、その自称にふさわしいかどうかを。
 

 さて、第18話の東雲(CV:中村悠一さん)には、筆者はそのリアリティーあふれる活写に、涙を流した。
 
 そう。「スパイ」や「公安」と関わりをもつことになって、多くの人がやってしまうのが、東雲(CV:中村悠一さん)の、挙措動作そのものなのだ。
 
 経済安全保障。
 
 NSCや内調や公安などが誰にも罪に問わない形で経済安全保障を守る上で、最も大切なのは、内部の協力者づくりと、その「役作り」。まずは形から入ろう。不要で無意味な、スパイっぽい、身の隠し方。警備員の定期的な巡回スケジュールも調べずに、いきあたりばったりでまっすぐに目標地点を目指す胆力。鍵がかかっているならガラスをわって、堂々と潜入。奥に規律に厳格な守衛に、うまいことを言ってなんとかして乗り切ろうとする無神経さ。これらを見事に、リアルの社会でやってしまうだろう。
 
 ゼッタイ、やるね。
 普通の人が「スパイ」をお願いされたら、なんだか楽しそうだもの。
 
 
 ・・・・・・そうした挙措動作にツッコミをいれずに、見守る。
 
「俺は敏腕スパイ、コードネーム『東雲』」
 
を演じている、彼・彼女には、気付かない。
 
 そして諜報機関の協力者としての適性を試す。彼ら・彼女らには、スパイごっこをさせることで自尊心をみたさせて、偽情報のインフルエンサーになってもらう。
 
 筆者の場合、どんなに間抜けな情報でも、端緒に要注意の単語が出れば聞き取り、それを外事警察カウンターパートに報告し、その「真偽」を、上層部が判断材料にできるような形で提供していた。「真偽」については、筆者のあずかり知るところではない。
 
#spyfamily_anime で素晴らしかったのは、
 
「俺(東雲)はスパイだもんな。誰にも気付かれない」
 
と口にした時、東雲と黄昏にカメラをあわせ、効果音を休符にしたところ。
 
 スパイ(防諜業務も含む)は、その仕事を評価されることは、ない。
 筆者の場合、ゼロ年代にセキュリティーソフトの導入を建言して、二度クビにされた(実話)。警視庁公安部作成のYouTube動画なら、佐倉(演:のん さん)になるのだが、筆者が20代だったゼロ年代には、クビにされた。
 
 警視庁公安部作成のYouTube動画(主演:のん さん)を鑑賞したが、技術情報ではプライドを感じているであろう神奈川県警警察官の心中は複雑だろうと思う(2022年11月公開、筆者アクセスは2022年11月11日。YouTubeで「警視庁公安部」と検索すると見つかった)。
 
「結局は、カネと人員のある『東京』に、おいしいところを持っていかれるのか・・・・・・」。
 
めげない、神奈川県警。
 
「勉強させてください」
 
公安の警察官は、ビジネスパーソンや研究員に教えをこうだろう。
 
取材先は、神奈川と東京の取り合いになる。
 
 神奈川県警と警視庁の別々の警察官に「講義」を頼まれる展開になると、同じ話をして同じ質問をされて、結局は神奈川と東京で情報共有されていないことがわかって、むなしくなる。
 
「時間がないですから、神奈川を斬りました(もう会わないと言いました)」
 
こうした声を、筆者はリアルで聞いている。
 
 「スパイ」は、情報を盗み取ったり、試験の答案を改ざんしたりするだけではない。あらゆる工作が、「スパイ」の活動だ。社内のパンフレットに書いていないことも、iPadに公開されている論文の読み方を伝授すれば、相手側の目的が達成されることにもなる。機密情報の大半は、公開情報の中に埋もれている。無料で公開されている学術論文(先行研究)を基盤にして、「機密情報」をつくりあげていく。
 
 困ったことに、「スパイごっこ」は、楽しい。
 非日常性を帯びているからだろうか。
 これが、東雲(CV:中村悠一さん)にリアリティーを感じる所以である。
 東雲を楽しんだ人の何人かは、展覧会で名刺交換をした相手に
 
「お話を聞きたい」
 
 と言われて、きっと、話す。
 
「話さない」。
こういう会社もあることは、筆者も知っている。しかし、そうした会社は「閉鎖的」と同業他社でも疎んじられている事例があるのも知っている。なぜならば、社外の人間と会食するのも敬遠されたり、同窓会の出席にもなんとなく上司の許可が必要な気がしたりする(結局、尋ねもせずに欠席する)ような雰囲気が支配しているからだ。
 
 ついでにいうと、このような会社では、婚活もグループ企業関係者やその家族でセッティングされていることもある。

2022年11月11日16時0分公開

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