「開成閥」は都市伝説
「開成閥」という言葉をよく聞くようになりました、2021年秋。東京都内の中高一貫男子校として、東京大学合格者数の筆頭として知られます。筆者にも開成OBが恩人にいますし、最近知ったのですが、かかりつけ医も開成OBです。
「開成」にお近づきになりたいアナタに、最初の一言を伝授しましょう。
「運動会は何組でしたか？」
相手が開成高校出身だとわかったら、沈黙を破るのに定番トークです。
筆者の場合、誰でも答えてもらえました。
敬称略。岸田文雄、北村滋、武藤敏郎、渡邉恒雄。このへんでいいでしょう。
今頃は、衆院解散総選挙2021の情報収集で大変だと思いますが、筆者にはそれほど関係がありません。「これから」なのですから。
これから「開成閥」という言葉が、どのような文脈で使われるのか、使われないのかは、予言者でない筆者は存じません。たしかにいえることは、「同じ高校の先輩後輩同級生」というだけで人事や政（まつりごと）は動かないだろうな、ということです。
学力を基準にして選抜試験を行う中学・高校に合格する受験生は、同じく学力を基準にして選抜が行われる大学受験に多くの卒業生を送っても不思議ではありません。筆者の母校（大阪府）も学力を基準に選抜試験を行っていましたが、最高峰の学校ではありませんので、トップ層は東京大学ではなく京都大学を目指していました。大阪の地元事情って、こんなものです。
いじめがイヤで逃げるように中学受験した筆者（1992年入学）ですから、中学入学段階で、国家の枢要にいくべき人材かどうかを試された覚えはありません。借り物競走で体育の先生をあてて、先生の猛ダッシュに手をひかれて人生初の運動会・首位をとれたは幼稚園以来の快挙！
#anime_eupho というのは、『響け！ユーフォニアム』のアニメ版の公式推奨ハッシュタグなのですが、筆者が小笠原晴香推しなのと同様に、ファンの間では、それぞれのキャラクターの推しや楽器の推しがある方も多いでしょう。「『吹奏楽あるある』が作品に登場して良かった」と笑顔を話すマクドの女子高生（先輩）は、ユーフォニアムやチューバやトロンボーンなどの楽器をわたりあるいた経験をもつ大学教員です。
楽器に個性があるように、一人一人は、異なります。出身学校が同じだからといって、人材登用で「群がる」ということはないと思います。むしろ、「開成閥」という言葉がメディアに書かれるのをイヤがるので、余人をもってかえがたい人材でないと重要ポストを与えられないのではないでしょうか。「友達」って、仕事では厳しいですよ。一緒に討ち死にするほど覚悟を決めていない限り。
「開成OB会で、北村滋NSS局長が安倍晋三前首相のメッセージを代読した」
ことがあったのかもしれません。フォーマルな場面で、社会的地位の高い人物がそれなりのメッセージを読み上げるのは、全国の結婚式会場でフツーに行われていると思います。筆者は2006年に友人の結婚式の司会をやらせていただきましたが、事前勉強で司会のプロに話をうかがうと、「国会議員の祝電は先に読み上げる」などの格式を教えてもらいました。「儀式」なのですから。#衆院選2021 で結婚式の祝辞の扱いが変わっているかも？！
「高校閥」という言葉は、2010年代には月刊誌などで出ていました。官公庁の採用試験は人事院の筆記試験と各省庁の面接試験のいずれにも合格し、各省庁から採用されることが必要です。筆記試験実施は全国の公立小中学校でも行われていても、採用を前提とした面接試験は、霞が関で行われます。
当然、東京を地盤にしている東京勢が有利です。地方の受験生はウィークリーマンションを借りるなどして面接試験（官庁訪問）を戦いますが、大学の講義や旅費・生活費でハンディキャップをかかえます。
筆者（1980生）の頃、某省庁は「東京一極集中」を回避するべく、関西地方の大学に出張して説明会をしていました。筆者は当初は官僚になりたかったものの進路を別にしたので（その分だけ霞が関に理解があったので）採用を希望しない理解のある学生（←不思議な属性ですね）ということで、通学先の大学で説明会の幹事をしたこともあります。
教室の利用申請といった事務的なロジが大変でした。教務室窓口でウエから「あなたは、なんの身分なの？」と、2002年の平成中期の世に「身分」という言葉を威圧的に用いられるなど、貴重な経験をしました。
あと、Wordで手作りをしたFAXを霞が関から筆者自宅に送ろうとしたのに、受信できなくて失礼しました。午前2時だったから天体観測に行っていたわけではなく、非通知の番号を却下する電話だったのです。メールで添付ファイルを送るもうまくいかず、携帯電話で午前2時前後に「電話番号の前に『184』とつけてください」というやりとりをしたO先輩、お疲れ様です。お元気ですか。
【CM。筆者は、大阪明星学園卒業です（97G）】
優秀な人材は、いくらでもいます。そんな中から、何かの縁で要職に登用されるのは、もはや令和には信じられないのです。筆者は、「開成」に好印象をもっています。ですが、読者への理解が求められる政治の事情説明では、わかりやすい枠組みが、筆者に求められます。書き手は綿密な取材に基づいて枠組みを探していこうとするのでしょうが、おそらく「開成閥」属性社を探していることでしょう。開成高校OBはたくさんおられるでしょうから、目印をつけて、何かの拍子に表立った働きをした時に、編集部にデータを提供する。当たれば「先見の明」、外れればスルー。
人数が多いと、オーケストラをくめますね。政治家でも官僚でも、何かプロジェクトを始めようとすれば、個性豊かな面々を効率よくそれなりの規模を集める。「開成同窓会」は最初に考えるでしょう。割り勘の会費4,000円ほどで。
スパイの書いた、スパイ小説。読んでみたいと思うなら、拙著をどうぞ！町田に本拠をおいた、大阪府警外事警察・民間協力者と、ロシア情報機関員3名との個別のやり取りをそのまま書いた、ナマモノです。
筆者の母校、大阪明星学園・創立記念日に乾杯！ 2021年11月1日
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