第4回までの全公認心理師試験検索用

HDS-Rは過去に4回出てきたらしいが、どこで出てきたのかわからないっ!過去問合計6つのPDFをいちいち開いてCtrl +Fをしていられない。
ということで、文字化けなどありますが次が活用できるはずです。
※2022/03/22 4回を追記しました

第1回午前 2018 年 9 月 9 日 10 時 00 分〜12 時 00 分

1 1 サイコロジカル・ファーストエイドを活用できる場面として、最も 適切なものを&つ選べ。
1 インテーク面接
2 予定手術前の面接
3 心理検査の実施場面
4 事故現場での被害者の救援
5 スクールカウンセリングの定期面接

1 2 児童虐待について、緊急一時保護を最も検討すべき事例を&つ選べ。 1 重大な結果の可能性があり、繰り返す可能性がある。
2 子どもは保護を求めていないが、すでに重大な結果がある。
3 重大な結果は出ていないが、子どもに明確な影響が出ている。
4 子どもは保護を求めていないが、保護者が虐待を行うリスクがある。
5 子どもが保護を求めているが、子どもが訴える状況が差し迫ってはい
ない。

1 3  14 歳の女子 A、中学生。摂食障害があり、精神科に通院中である。 最近、急激にやせが進み、中学校を休みがちになった。A の母親と担 任教師から相談を受けた公認心理師であるスクールカウンセラーが、A の学校生活や心身の健康を支援するにあたり、指示を受けるべき者とし て、最も適切なものを&つ選べ。
1 栄養士
2 学校長
3 主治医
4 養護教諭
5 教育委員会

1 4 森田療法について、正しいものを&つ選べ。
1 「精神交互作用」の過程を重視する。
2 創始時に多く適用された対象は、統合失調症であった。
3 あるがままに受け入れるアプローチは、「身調べ」に由来する。
4 原法の絶対臥褥がじょく期では、読書は行ってもよいとされる。
5 「ヒポコンドリー性基調」とは、注意が外界に向けられ他者に敏感であ
る状態をいう。
― 2 ―
DKJM-午前-6

1 5  オペラント行動の研究の基礎を築いたのは誰か。正しいものを&つ 選べ。
1 A. Adler
2 B. F. Skinner 3 E. C. Tolman 4 I. P. Pavlov 5 J. B. Watson

1 6 記憶の実験によって示される系列位置効果について、正しいものを &つ選べ。
1 初頭効果は、学習直後に遅延を置くと消失する。
2 系列再生法を用いた記憶の実験によって示されるものである。
3 新近効果は、長期記憶に転送された情報の量を反映したものである。
4 学習段階で単語の呈示時間を長くすると、リスト中間部の再生率は低
下する。
5 系列位置ごとの再生率を折れ線グラフとして表した系列位置曲線は、
U 字型になる。
― 3 ―
DKJM-午前-7

1 7  条件づけについて、正しいものを&つ選べ。
1 貨幣やポイントを強化子とした条件づけを二次条件づけと呼ぶ。
2 古典的条件づけは、条件刺激と無条件反応の連合によって成立する。 3 オペラント条件づけによる行動変容以前の行動頻度をオペラント水準
と呼ぶ。
4 連続強化による条件づけは、間歇強化による条件づけよりも消去抵抗
が強い。
5 古典的条件づけにおいては、逆行条件づけは順行条件づけよりも条件
反応の獲得が良好である。

1 8 パーソナリティや自我状態に関する心理検査について、正しいもの を&つ選べ。
1 MAS は、多面的にパーソナリティを測定する検査である。
2 IAT は、顕在的意識レベルの自尊心の個人差を測定する検査である。 3 NEO-PI-R は、パーソナリティの&つの次元を測定する検査である。 4 東大式エゴグラムは、被検者の自我状態を P、A 又は C の&タイプ
のいずれか&つに分類する検査である。
5 YG 性格検査は、パーソナリティの 12 の特性を測定する 120 項目へ
の反応を通して被検者を典型的な型に分類する検査である。
― 4 ―
DKJM-午前-8

1 9 パーソナリティの特性に根源特性と表面特性とを仮定し、根源特性 として 16 因子を見出した心理学者は誰か。正しいものを&つ選べ。
1 C. R. Cloninger 2 G. A. Kelly
3 H. J. Eysenck 4 J. P. Guilford 5 R. B. Cattell

1 10 成人の脳波について、正しいものを&つ選べ。 1 α 波は閉眼で抑制される。
2 α 波は前頭部に優位である。
3 β 波はレム睡眠で抑制される。
4 δ 波は覚醒時に増加する。 5 θ 波は認知症で増加する。
― 5 ―
DKJM-午前-9

1 11 大脳皮質の機能局在について、正しいものを&つ選べ。 1 Broca 野は頭頂葉にある。
2 一次視覚野は側頭葉にある。
3 一次運動野は後頭葉の中心前回にある。
4 Wernicke 野は側頭葉と前頭葉にまたがる。 5 一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にある。

1 12 児童虐待について、正しいものを&つ選べ。
1 主な虐待者は実父が多く、次に実父以外の父親が多い。
2 身体的虐待、心理的虐待及び性的虐待の&種類に大別される。
3 児童虐待防止法における児童とは、&歳から 12 歳までの者である。
4 児童の目の前で父親が母親に暴力をふるうことは、児童虐待にあたる。 5 児童虐待防止法が制定されて以降、児童虐待の相談対応件数は減少傾
向にある。 注:「児童虐待防止法」とは、「児童虐待の防止等に関する法律」である。
― 6 ―
DKJM-午前-10

1 13 社会的認知のバイアスについて、正しいものを&つ選べ。
1 他者の内面を実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚
透明性錯誤という。
2 集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてし
まうことを疑似相関という。
3 観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾
向を行為者−観察者バイアスという。
4 自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を
重視する傾向を確証バイアスという。
5 人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断
する傾向を光背効果ハロー効果という。

1 14 集団思考groupthinkに関する説明として、正しいものを&つ選 べ。
1 集団内で同調圧が高いと感じるときに生じやすい。
2 集団意思決定の質は個人による意思決定に比べて優れている。
3 集団構成員間の親密性が低いとき、思考や発言が抑制されやすい。 4 集団で課題を遂行すると、一人当たりの成績は単独で遂行するときよ
りも低下する。
5 緊急時に援助できる人が自分以外にもいる場合、自分しかいない場合
より援助行動が抑制されやすい。
― 7 ―
DKJM-午前-11

1 15 E. H. Erikson のライフサイクル論について、最も適切なものを& つ選べ。
1 人の生涯を&つの発達段階からなると考えた。
2 成人期前期を様々な選択の迷いが生じるモラトリアムの時期であると
仮定した。
3 青年期を通じて忠誠fidelityという人としての強さ又は徳が獲得さ
れると考えた。
4 各発達段階に固有のストレスフルなライフイベントがあると仮定し、
それを危機と表現した。
5 成人期後期に自身の子どもを養育する中で、その子どもに生成継承性
generativityが備わると考えた。

1 16 バウムテストについて、正しいものを&つ選べ。
1 K. Koch が精神疾患の診断を目的に開発した。
2 形状の年齢的変化では、二線幹のバウムは&歳までには減少する。 3 樹冠の輪郭の有無によって、心理的発達の成熟又は未成熟が把握でき
る。
4 M. Grünwald の空間象徴理論に基づいて解釈を行うことを基本とす
る。
5 対人関係や感情表出の特徴を示す指標として、枝の先端の処理に注目
する。
― 8 ―
DKJM-午前-12

1 17 P-F スタディの実施と解釈について、正しいものを&つ選べ。
1 葛藤場面は、自我の退行場面と超自我が阻害される場面とで構成され
る。
2 攻撃性の方向が内外ともに向けられずに回避される反応を無責傾向と
解釈する。
3 依存性と攻撃性の方向とパターンを分類及び記号化して、社会的関係
の特徴を把握する検査である。
4 他者との葛藤状況における言語反応を、愛着関係の方向とパターンと
に分類及び記号化して解釈する。
5 欲求不満を来す状況について、もしも自分であったらという想定にお
ける被検者の言語反応を分類及び記号化して解釈する。

1 18 ケース・フォーミュレーションについて、正しいものを&つ選べ。 1 一度定式化したものは修正しない。
2 できるだけ複雑な形に定式化する。
3 全体的かつ安定的な心理的要因を検討する。
4 クライエントと心理職との共同作業を重視する。
5 症状を維持するメカニズムや診断名を考慮しない。
― 9 ―
DKJM-午前-13

1 19 ひきこもりの支援について、正しいものを&つ選べ。
1 ハローワークでは、生活面での助言や障害福祉サービスの利用支援を
行う。
2 ひきこもり地域支援センターは、市町村が行う相談支援業務を援助す
る機関である。
3 地域若者サポートステーションは、早期に医療機関へのつながりを確
保する機関である。
4 地域障害者職業センターでは、障害者手帳の所有者でなくても専門的
な職業評価と職業指導が受けられる。
5 ひきこもりサポーターは、長期にわたるひきこもりの当事者及び家族
を支援することを主な目的としている。

1 20 対象喪失に伴う悲嘆反応に対する心理的支援について、正しいもの を&つ選べ。
1 悲嘆を悪化させないためには、喪失した対象を断念することを勧める。
2 理不尽な喪失体験に遭遇したときは、現実検討ではなく気分の転換を
優先する。
3 喪失した対象に対する悲嘆過程を共に体験し、その意味を共に探るこ
とが目標である。
4 悲嘆が病的な反応へと陥らないように、健康な自我の働きを支えるこ
とが目標である。
5 悲嘆反応の中で出てくる喪失した対象への罪悪感は、病的悪化の要因
になりやすいため、心理的支援の中で扱うことは避ける。
― 10 ―
DKJM-午前-14

1 21 中途障害者の障害受容について、正しいものを&つ選べ。
1 他責を示すことはない。
2 一旦前進し始めると、後退することはない。
3 他者や一般的な価値と比較して自分を評価することが必要である。 4 障害によって自分の価値全体を劣等だと認知することが必要である。 5 ショック期の次の期では、障害を認めつつも、一方で回復を期待した
言動がしばしばみられる。

1 22 自分の特定の行動を成功裏に遂行できるという感覚や信念を表す用 語として、最も適切なものを&つ選べ。
1 自己効力
2 自己調整
3 自尊感情
4 コンピテンス
5 ポジティブ感情
― 11 ―
DKJM-午前-15

1 23 学習性無力感はどのような体験が繰り返されることで生じるか。正 しいものを&つ選べ。
1 他者から非難される体験
2 特定の課題を遂行する体験
3 特定の行動を回避する体験
4 努力が成果に結びつかない体験
5 特定の場面での不安や緊張の体験

1 24 パーキンソン症状が最も多くみられる疾患を&つ選べ。 1 進行麻痺
2 意味性認知症
3 前頭側頭型認知症
4 Lewy 小体型認知症 5 Alzheimer 型認知症
― 12 ―
DKJM-午前-16

1 25 自律神経系について、正しいものを&つ選べ。
1 交感神経系の活動が亢進すると、気道が収縮する。
2 交感神経系の活動が亢進すると、血圧が上昇する。
3 副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。 4 副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する。 5 ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する。

1 26 パニック障害に最も伴いやすい症状として、正しいものを&つ選べ。 1 常同症
2 解離症状
3 疾病恐怖
4 社交恐怖 5 広場恐怖
― 13 ―
DKJM-午前-17

1 27 特別支援教育について、正しいものを&つ選べ。
1 私立学校では実施されていない。
2 特別支援学校教諭免許状が必須である。
3 対象となる障害種別は発達障害と知的障害である。
4 特別支援学校及び特別支援学級の&か所で行われる。
5 就学に際して専門家及び保護者の意見聴取が義務づけられている。

28 産業保健について、正しいものを&つ選べ。
1 事業場を経営する者を管理監督者という。
2 労働者は自らの健康管理に関する安全配慮義務を負う。
3 ストレスチェック制度は労働者のうつ病の早期発見を目的とした取組
である。
4 常時 50 人以上の労働者を使用する事業場は、産業医を選任しなけれ
ばならない。
5 過労死等防止対策推進法における「過労死等」とは、業務における過重
な負荷による脳血管疾患又は心臓疾患を原因とする死亡をいう。
― 14 ―
DKJM-午前-18

1 29 労働者の心の健康の保持増進のための指針の職場における心の健康 づくりについて、最も適切なものを&つ選べ。
1 労働者の心の健康は、家庭や個人の問題とは切り離して捉える。
2 メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援を行う活動は含
まれない。
3 ストレスへの気づきや対処法などに関する教育研修と情報提供とが継
続的かつ計画的に実施される。
4 メンタルヘルスに関する情報は、適切な対応に必要な情報が的確に伝
達されるように加工せずに提供する。
5 「セルフケア」、「ラインによるケア」及び「事業場外資源によるケア」の
&つが継続的かつ計画的に行われる。

1 30 公認心理師法に定める内容について、誤っているものを&つ選べ。 1 公認心理師は名称独占の資格である。
2 秘密保持義務に違反した者は禁錮刑の対象となる。
3 公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはなら
ない。
4 クライエントについての秘密を他者に伝えるには、正当な理由が必要
である。
5 秘密保持義務に違反した者は、公認心理師の登録を取り消されること
がある。
― 15 ―
DKJM-午前-19

1 31 生後&か月頃までの乳児が示す発達的特徴について、不適切なもの を&つ選べ。
1 対面する他者の視線方向を目で追う傾向がある。
2 目鼻口が正しい配置にある顔図形を選好する傾向がある。
3 他児の泣き声を聞くと、つられるように泣き出すことがある。
4 曖昧な状況で養育者の表情を見てからその後の行動を開始するように
なる。
5 目の前で舌を出す動作を繰り返し見せると、同じような顔の動きをす
ることがある。

1 32 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HDの診断や行動特徴 として、不適切なものを&つ選べ。
1 女性は男性よりも主に不注意の行動特徴を示す傾向がある。
2 診断には、複数の状況で症状が存在することが必要である。
3 診断には、いくつかの症状が 12 歳になる以前から存在している必要
がある。
4 診断には、不注意、多動及び衝動性の&タイプの行動特徴を有するこ
とが必要である。
5 DSM-&では、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASD
の診断に併記することができる。
― 16 ―
DKJM-午前-20

1 33 せん妄の発症のリスク因子でないものを&つ選べ。 1 女性
2 疼痛
3 感染症
4 睡眠障害 5 低酸素症

1 34 自殺対策におけるゲートキーパーの役割について、不適切なものを &つ選べ。
1 専門家に紹介した後も地域で見守る。
2 悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して孤立や孤独を防ぐようにす
る。
3 専門的な解釈を加えながら診断を行い、必要に応じて医療機関を受診
させる。
4 悩んでいる人のプライバシーに配慮しつつ、支援者同士はできるだけ
協力する。
5 悩んでいる人から「死にたい」という発言がなくても、自殺のリスクに
ついて評価する。
― 17 ―
DKJM-午前-21

1 35 ICD-10 の解離性転換性障害について、誤っているものを&つ選 べ。
1 自殺の危険性がある。
2 身体症状を伴う場合がある。
3 幼少時の被虐待体験が関連している。
4 自らの健忘には気づいていないことが多い。
5 可能な限り早期に外傷的な記憶に踏み込んで治療すべきである。

1 36 問題行動を起こした児童生徒への学校における指導として、不適切 なものを&つ選べ。
1 問題行動の迅速な事実確認を行う。
2 問題行動の原因や背景を分析して指導計画を立てる。
3 保護者に問題行動について十分に説明し、理解を求める。
4 児童生徒のプライバシーを守るために、担任教師が一人で行う。
5 児童生徒自身がどうすればよいかを考え、実行し、継続できるように
指導をする。
― 18 ―
DKJM-午前-22

1 37 仕事と生活の調和ワーク・ライフ・バランス憲章について、誤っ ているものを&つ選べ。
1 働く人々の健康が保持され、家族・友人との時間、社会参加のための 時間を持てる社会を目指す。
2 能力や成果に応じて報酬が配分されることによって、就労による経済
的自立が可能な社会を目指す。
3 仕事と生活の調和推進のための行動指針では数値目標を設定し、政策
への反映を図ることとしている。
4 性や年齢にかかわらず、誰もが自らの意欲と能力を持って、多様な働 き方・生き方が選択できる社会を目指す。
5 国民一人ひとりが仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活な どにおいても、多様な生き方が選択・実現できる社会を目指す。

1 38 いじめ防止対策推進法の内容として、誤っているものを&つ選べ。 1 「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。
2 「児童等はいじめを行ってはならない」と定められている。
3 国及び学校には、それぞれ基本的な方針を策定する義務がある。
4 いじめを早期に発見するため、学校では在籍児童等に対して定期的な
調査を実施するなど適切な対策をとる。
5 教育委員会は、児童等がいじめを行っていて教育上必要がある場合は、
当該児童等に対して懲戒を加えることができる。
― 19 ―
DKJM-午前-23

1 39 障害者の雇用の促進等に関する法律について、誤っているものを& つ選べ。
1 障害者の法定雇用率の算定基礎の対象には、精神障害者が含まれてい
る。
2 募集、採用、賃金、教育訓練及び福利厚生施設の利用について、障害
者であることを理由とする差別が禁止されている。
3 事業主は採用試験の合理的配慮として、例えば視覚障害者に対して点
字や音声などで障害の特性に応じた必要な措置を行う。
4 障害者のみを対象とする求人など、積極的な差別是正措置として障害
者を有利に取り扱うことは、禁止される差別に該当する。
5 事業主が必要な注意を払っても被雇用者が障害者であることを知り得
なかった場合には、合理的配慮の提供義務違反を問われない。

1 40 アウトリーチ訪問支援で行う家族へのケアにおいて、特に初期に 活用できる概念として、最も適切なものを&つ選べ。
1 ジョイニング
2 レジリエンス
3 リフレーミング 4 マインドフルネス
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DKJM-午前-24

1 41 重回帰分析で算出される重相関係数の説明として、正しいものを& つ選べ。
1 説明変数間の相関係数のことである。
2 基準変数と予測値との相関係数のことである。
3 説明変数と予測値との相関係数のことである。
4 説明変数と基準変数との相関係数のことである。

1 42 言語の障害について、最も適切なものを&つ選べ。
1 感覚性失語は多くの場合 Broca 野の損傷が原因となる。
2 ディスレクシアは音声言語の理解と産出の障害である。
3 吃音は幼児期に始まる傾向にあり、女児よりも男児に多い。
4 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDでは統語論的
な能力につまずきをもつことが多い。
― 21 ―
DKJM-午前-25

1 43 乳児期の発達に関する心理学的研究手法について、正しいものを& つ選べ。
1 馴化−脱馴化法は、異なる刺激を次々と呈示し、乳児の関心の変化を 確かめる。
2 スティルフェイス実験は、他者との相互作用において、乳児がどれだ
け無表情になるかを見る。
3 選好注視法は、乳児に&つの視覚刺激を交互に続けて呈示し、どちら に対して長く注視するかを見る。
4 期待違反法は、乳児が知っていることとは異なる事象を呈示して、乳
児がどれだけ興味や驚きを示し、長く注視するかを見る。

1 44 H. S. Sullivan による「関与しながらの観察」という概念について、 最も適切なものを&つ選べ。
1 治療面接では、感情に流されず客観性及び中立性を維持することが重
要である。
2 他者の行動を理解するには、面接に参加している自己を道具として利
用する必要がある。
3 面接外のクライエントの行動に関する情報も、面接中に得られる情報
と同等に重要である。
4 クライエントとのコミュニケーションを正しく理解するためには、現 象のみに目を向けるべきである。
― 22 ―
DKJM-午前-26

1 45 発達障害及びその支援について、正しいものを&つ選べ。 1 療育手帳を取得することはできない。
2 精神障害者保健福祉手帳を取得することはできない。
3 発達障害者支援センターの役割に診断は含まれない。
4 発達障害者支援法では注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HD は支援の対象に含まれない。

1 46 公認心理師であるスーパーバイザーが、クライエントとの間に行き 詰まりを経験しているスーパーバイジーに対応するにあたって、不適切 なものを&つ選べ。
1 &回のみの指導はスーパービジョンに該当しない。
2 スーパーバイジーが抱える個人的な問題に対して心理療法を用いて援
助を行う。
3 心理療法のセッションをリアルタイムで観察しながら介入を指示する
方法をライブ・スーパービジョンと呼ぶ。
4 スーパーバイザーとの間においてもクライエントに対するものと同様
の行き詰まりが見られることを並行プロセスと呼ぶ。
― 23 ―
DKJM-午前-27

1 47 公認心理師が他の職種と連携して業務を行う際の秘密保持に関する 留意点として、不適切なものを&つ選べ。
1 教育分野では、相談内容を担任教師に報告する場合、クライエントで
ある児童生徒の同意が必要である。
2 医療分野では、全職種が守秘義務を有しているため、クライエントの
秘密の扱いについて本人に同意を得る必要はない。
3 産業分野では、うつに悩むクライエントから許可を得れば、クライエ
ントの上司に対して業務量の調整を提案してよい。
4 犯罪被害者のカウンセリングで得られた犯人に関する情報の提供を求
められても、正当な理由がなく警察官に伝えてはならない。

1 48 ICD-10 の病的窃盗の診断基準及び DSM-&の窃盗症の診断基準の いずれにも含まれないものを&つ選べ。
1 窃盗行為は利得のためではない。
2 窃盗行為に及ぶ前に緊張感が高まる。
3 窃盗行為に及ぶとき解放感が得られる。
4 窃盗行為は少なくとも&か月間にわたって起こっている。
― 24 ―
DKJM-午前-28

1 49 ヒューマンエラーに該当しないものを&つ選べ。
1 A のスイッチを押すつもりであったが、忘れて押さなかった。
2 A のスイッチを押そうとして、うっかり B のスイッチを押した。
3 A のスイッチを押すルールがあったが、周知されていなかったため
押さなかった。
4 A のスイッチを押すべき状況で、B のスイッチを押すべきと思って、
B のスイッチを押した。

1 50 認知行動療法について、正しいものを&つ選べ。
1 機能分析では、非機能的な認知に気づき、それに代わる機能的な認知
を見つける。
2 セルフ・モニタリングでは、個人が自らの行動、思考、感情などの側
面を観察し、報告を行う。
3 トークン・エコノミー法では、レスポンデント条件づけの原理を用い、
望ましい行動を示した場合に強化報酬を与える。
4 モデリングでは、クライエント自身が直接経験しなくても、他者モ
デルの行動を観察することで新しい行動の習得につながる。
5 行動実験では、言葉による行動調節機能を用い、クライエントが自分
自身に適切な教示を与えることによって治療効果を引き出す。
― 25 ―
DKJM-午前-29

1 51 改訂長谷川式簡易知能評価スケールHDS-Rについて、正しいも のを&つ選べ。
1 20 点以下は認知症を疑う。
2 認知症の重症度評価を主な目的とする。
3 図形模写などの動作性検査を含むテストである。
4 野菜の名前を問う問題は知識量を問うものである。
5 言葉の遅延再生問題で自発的な解答がなければヒントを与える。

1 52 教育現場における開発的カウンセリングで用いられる技法として、 適切なものを&つ選べ。
1 ピアサポート
2 ソシオメトリー
3 チームティーチング
4 アサーショントレーニング
5 ソーシャルスキルトレーニングSST

1 53 裁判員裁判について、正しいものを&つ選べ。
1 原則として、裁判官&人と国民から選ばれた裁判員&人の計&人で行
われる。
2 被告人が犯罪事実を認めている事件に限り審理し、量刑のみを判決で
決める。
3 裁判員は判決前には評議の状況を外部に漏らしてはいけないが、判決
以降は禁止されていない。
4 職業裁判官と裁判員が評議をつくしても全員の意見が一致しない場合、
多数決の方式を採用して評決する。
5 地方裁判所の裁判員裁判の決定に不服があって高等裁判所で審理をさ
れる場合も裁判員裁判をしなければならない。

1 54 緩和ケアについて、正しいものを&つ選べ。
1 終末期医療への人的資源の重点配備が進められている。
2 精神症状、社会経済的問題、心理的問題及びスピリチュアルな問題の
&つを対象にしている。
3 我が国の緩和ケアは、がん対策基本法とがん対策推進基本計画とに
よって推進されている。
4 がん診療連携拠点病院における緩和ケアチームは、入院患者のみなら
ず外来患者も対象とする。
5 診療報酬が加算される緩和ケアチームは、精神症状の緩和を担当する
常勤医師、専任常勤看護師及び専任薬剤師から構成される。
― 27 ―
DKJM-午前-31

1 55 向精神薬とその副作用の組合せで、正しいものを&つ選べ。 1 抗不安薬 ― 身体依存
2 炭酸リチウム ― 甲状腺機能亢進症
3 非定型抗精神病薬 ― 体重減少
4 メチルフェニデート ― 食欲亢進
5 選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI ― 賦活症候群

1 56 保護観察制度について、正しいものを&つ選べ。
1 保護観察の特別遵守事項は変更されることがある。
2 刑事施設からの仮釈放の許可は保護観察所長の決定による。
3 保護観察処分に付された少年は少年院送致になることはない。
4 保護観察中に転居する場合、同一都道府県内であれば保護観察所長に
届け出る必要はない。
5 少年院仮退院者の保護観察を継続する必要がなくなった場合、地方更
生保護委員会が退院を検討する。
― 28 ―
DKJM-午前-32

1 57 医療法に規定されている内容について、正しいものを&つ選べ。 1 50 床以上の病床を有する医療機関を病院という。
2 都道府県は医療提供体制の確保を図るための計画を定める。
3 病床の種類は、一般病床、療養病床及び精神病床の&種類である。 4 医療事故とは、医療に起因する又は起因すると疑われる、予期しな
かった死亡又は死産をいう。
5 医療事故が発生した場合、直ちに調査を行い、事故に関与した医療従
事者は調査結果を医療事故・調査支援センターに報告しなければならな い。

1 58 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律精神保健福祉法に基づ く処遇について、正しいものを&つ選べ。
1 措置入院では手紙の発信が制限される。
2 任意入院の際は精神保健指定医の診察を要しない。
3 患者を隔離する際は精神保健指定医の診察を要する。
4 治療上の理由があれば、複数の患者を同じ病室に隔離することができ
る。
5 身体的拘束を行った場合は、身体的拘束を行った旨、身体的拘束の理
由、開始と解除の日時などを精神保健指定医が診療録に記載する。
― 29 ―
DKJM-午前-33

1 59 &歳の男児。&日前に階段から落ち元気がないため診てほしいと母 親に連れられて来院した。担当医師の診察結果では、頭部に裂傷と血腫、 胸部に紫斑を認めた。胸部エックス線写真で肋骨に受傷時期の異なる複 数の骨折を認めた。公認心理師は担当医師から対応を相談された。ソー シャルワーカーからは、男児の家族は&か月前にこの病院のある A 市 に転居して来たと伝えられた。診療録によると、最近&か月の間に、小 児科で脱水、皮膚科で熱湯による熱傷、外科では外傷による爪剥離と転 倒による肋骨骨折の治療歴がある。
このとき公認心理師が提案する対応として、最も適切なものを&つ選 べ。
1 児童相談所へ通報する。
2 母親に夫との関係について聴く。
3 母親に子育て支援団体を紹介する。
4 引き続き小児科外来での診療を勧める。
5 母親に今回と過去の受傷機転の詳細について問い質す。
― 30 ―
DKJM-午前-34

1 60 33 歳の女性 A。A は、&年前にうつ病と診断されて自殺未遂歴が ある。&か月前からうつ状態となり、入水しようとしているところを両 親が発見し、嫌がる A を精神科外来に連れてきた。両親は入院治療を 希望しており、A も同意したため任意入院となった。入院当日に病棟 で公認心理師が面接を開始したところ、「すぐに退院したい」と A から 言われた。
このときの A への対応として、最も適切なものを&つ選べ。 1 主治医との面接が必要であることを伝える。
2 退院には家族の許可が必要であることを伝える。
3 意に反する入院は有益ではないため面接を中断する。
4 A が希望すれば直ちに退院が可能であることを伝える。
5 外来に通院することを条件に、退院が可能であると伝える。
― 31 ―
DKJM-午前-35

1 61 10 歳の女児 A、小学&年生。小学校への行きしぶりがあり、母親 に伴われて教育相談室に来室した。母親によると、A は学習にも意欲 的で、友達ともよく遊んでいる。母親をよく手伝い、食前に食器を並べ ることは必ず行うので感心している。幼児期は泣くことも要求も少ない、 手のかからない子どもだった。A に聞くと、音読が苦手であり、予習 はするが授業中うまく音読ができず、緊張して瞬きが多くなり、最近で は家でも頻繁に瞬きをしてしまうという。また「友達には合わせている が、本当は話題が合わない」と話す。
A の見立てと対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 チック症状がみられるため、専門医への受診を勧める。
2 うつ状態が考えられるため、ゆっくり休ませるよう指導する。
3 発達障害の重複が考えられるため、多面的なアセスメントを行う。 4 発達障害が考えられるため、ソーシャルスキルトレーニングSSTを
行う。
5 限局性学習症/限局性学習障害SLDが考えられるため、適切な学習
方法を見つける。
― 32 ―
DKJM-午前-36

1 62 35 歳の女性、会社員。ストレスがたまり気分が沈むため、産業医 から企業内の心理相談室に紹介された。元来責任感の強いタイプで、融 通が利かないと言われることもあった。&年前に離婚した。発達障害と 診断された小学校&年生の娘が一人おり、最近は娘が問題を起こして先 生に何度も呼び出されるという。仕事はこなせているが、離婚したこと や、子どもの問題を考えると気分が沈む。余暇の楽しみはなく、休日は ぐったりして寝ていることが多い。食欲はあまりなく食事を楽しめない。 原家族は遠方に住んでおり、育児や経済面への援助はない。
現時点で最も適切な対応を&つ選べ。
1 病気休暇を取得することを勧める。
2 非構造化面接や簡単な心理検査を行う。
3 速やかに認知行動療法による介入を行う。
4 原家族や娘の小学校に連絡して情報を得る。 5 生命が危険な状態にあるため危機介入を行う。
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DKJM-午前-37

1 63 13 歳の男子 A、中学生。中学校のスクールカウンセラーから紹介 されて B 大学の心理相談室を訪れた。スクールカウンセラーからの依 頼状では、クラスでの対人関係の困難と学習面での問題について対処す るために心理検査を実施してほしいという内容であった。ところが、A は検査のために来たつもりはなく、「勉強が難し過ぎる」、「クラスメイ トが仲間に入れてくれない」、「秘密にしてくれるなら話したいことがあ る」と語った。
援助を開始するにあたって、インフォームド・コンセントの観点から 最も適切な方針を&つ選べ。
1 保護者からの合意を得た上で適切な心理検査を実施する。
2 いじめが疑われるため、A には伝えず保護者や教員と連絡をとる。
3 「ここでのお話は絶対に他の人には話さない」と伝えて話を聴いていく。 4 スクールカウンセラーから依頼された検査が問題解決に役立つだろう
と伝えた上で、まずは A が話したいことを聴いていく。
5 スクールカウンセラーから依頼された検査をするか、自分が話したい
ことを相談するか、どちらが良いかを A に選んでもらう。
― 34 ―
DKJM-午前-38

1 64 55 歳の男性 A、自営業。A は糖尿病の治療を受けていたが、その 状態は増悪していた。生活習慣の改善を見直すことを目的に、主治医か ら公認心理師に紹介された。A は小売店を経営しており、取引先の仲 間と集まってお酒を飲むのが長年の日課となっていた。糖尿病が増悪し てから、主治医には暴飲暴食をやめるように言われていたが、「付き合 いは仕事の一部、これだけが生きる楽しみ」と冗談交じりに話した。A は「やめようと思えばいつでもやめられる」と言っている。しかし、翌週 に面接した際、生活習慣の改善は見られなかった。
まず行うべき対応として、最も適切なものを&つ選べ。 1 家族や仲間の協力を得る。
2 飲酒に関する心理教育を行う。
3 断酒を目的としたグループを紹介する。
4 A が自分の問題を認識するための面接を行う。
5 A と一緒に生活を改善するための計画を立てる。
― 35 ―
DKJM-午前-39

1 65 50 歳の男性。&年前に筋萎縮性側索硬化症ALSと診断された。 誤嚥性肺炎の既往がある。&年前に嚥下困難となり胃瘻いろう造設術 を受け、現在は配偶者の介護により在宅で療養している。四肢の筋萎縮 と球麻痺があり、寝たきりで発声は不可能な状態である。在宅医療チー ムの一員として心理的支援を依頼された。
この患者の支援にあたって、念頭におくべき症状として、最も適切な ものを&つ選べ。
1 褥瘡
2 認知症
3 感覚障害
4 呼吸筋障害
5 眼球運動障害

1 66 55 歳の男性。肺癌の終末期で緩和ケアを受けている。家族によれ ば、最近苛立ちやすく、性格が変わったという。夜間はあまり眠らず、 昼間に眠っていることが多い。
この患者の状態を評価する項目として、最も優先すべきものを&つ選 べ。
1 幻覚
2 不安
3 意欲低下
4 見当識障害
5 抑うつ気分
― 36 ―
DKJM-午前-40

1 67 28 歳の男性 A、無職。A は中学時代にいじめに遭い遅刻や欠席が 増え、高校&年生のときに不登校となった。それ以来、自宅にひきこも り、アルバイトを試みた時期もあったが、最近はほとんど外出しない。 普段はおとなしいが、家族が A 自身の今後のことを話題にすると急に 不機嫌になり、自分の部屋にこもってしまう。対応に苦慮した母親が精 神保健福祉センターに来所した。
A と家族に対するセンターの初期の対応として、最も適切なものを &つ選べ。
1 訪問支援を行う。
2 A が同意した後に母親の相談に応じる。
3 A の精神医学的評価に基づいて支援を検討する。
4 A に対する家族の対応に誤りがないかどうかを話し合う。
5 即効性のある対処法を母親に教えて相談を継続する動機を高める。
― 37 ―
DKJM-午前-41

1 68 12 歳の男子 A、小学&年生。A は授業中ぼんやりしていることが 多く、学習に対して意欲的な様子を見せない。指示をしない限り板書を ノートに写すことはせず、学習全般に対して受動的である。常に学習内 容の理解は不十分で、テストの点数も低い。一方、教師に対して反抗的 な態度を示すことはなく、授業中に落ち着かなかったり立ち歩いたりと いう不適切な行動も見られない。クラスメイトとの人間関係にも問題が あるとは思えず、休み時間などは楽しそうに過ごしている。知能指数は 標準的で、言葉の遅れもなく、コミュニケーションにも支障はない。ま た、読み書きや計算の能力にも問題はない。
A の状態として最も適切なものを&つ選べ。 1 学業不振
2 学習障害
3 発達障害
4 学級不適応
5 モラトリアム
― 38 ―
DKJM-午前-42

1 69 40 歳の男性 A、小学校教師。A は「授業がうまくできないし、クラ スの生徒たちとコミュニケーションが取れない。保護者からもクレーム を受けている。そのため、最近は食欲もなくよく眠れていない。疲れが 取れず、やる気が出ない」とスクールカウンセラーに相談した。
スクールカウンセラーの対応として、まず行うべきものを&つ選べ。 1 医療機関への受診を勧める。
2 管理職と相談し、A の業務の調整をする。
3 A の個人的な問題に対して定期的に面談する。
4 A から授業の状況や身体症状について詳しく聴く。
5 A の代わりに、保護者からのクレームに対応する。
― 39 ―
DKJM-午前-43

1 70 42 歳の女性 A。A は中学&年生の息子 B の不登校について相談す るために、スクールカウンセラーを訪ねた。中学&年生のときの欠席は 年&日程度で部活動もしていたが、中学&年生の&月の連休過ぎから休 みがちとなり、&か月以上欠席が続いている。B は休みがちになってか ら家での会話も少なく、部屋にこもりがちで表情は乏しいが、食事や睡 眠はとれている様子である。学校に行けない理由を A が B に聞くと、 うるさがり言い争いになる。担任教師が B に電話を掛けてきても出よ うとせず、A は「どう対応していいか全く分かりません」と話した。
スクールカウンセラーの対応として、まず行うべきものを&つ選べ。 1 教育支援センターの利用を強く勧める。
2 「お宅に伺って B 君と話してみましょう」と提案する。
3 4
A の苦労をねぎらった上で、B の現在の様子を詳しく聴く。
A のこれまでの子育てに問題があるのではないかと指摘し、A に改 善策を考えさせる。
5 「思春期にはよくあることですから、そのうちに学校に行くようにな りますよ」と励ます。
― 40 ―
DKJM-午前-44

1 71 15 歳の男子 A、中学&年生。A は非行傾向があり、中学校内で窃 盗事件を起こし、学校の指導でスクールカウンセラーと面接した。両親 は離婚しており、A と二人暮らしの実父とは関係が悪く居場所がない ことなど、自分から家庭の事情を素直に話した。A とスクールカウン セラーとのラポールはスムーズに形成できたと考えられた。スクールカ ウンセラーは父親との関係が A の非行の背景にあると考え、継続面接 の必要性を感じ週&回の面接を打診したところ、A は快諾した。しか し、翌週 A は相談室に来なかった。担任教師の話では、A は「あんな面 接には二度と行かない」と話しているとのことだった。
A への対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 独自の判断で家庭訪問をする。
2 児童虐待を疑い、実母に連絡する。
3 A には伝えず父親を学校に呼び出す。
4 A の対人不信に留意し、面接の枠組みをしっかり保つよう工夫する。 5 A をよく知るクラスメイトに事情を話し、A を面接に連れて来ても
らう。
― 41 ―
DKJM-午前-45

1 72 35 歳の男性 A、営業職。&か月ほど前に、直属の上司 B からそろ そろ課長に昇進させると言われ、A は喜んだ。昇進の準備として部署 の中期目標を作成するように指示されたが、いざ書こうとすると何も書 けず、不安になり他の仕事も手につかなくなった。A の様子を見かね た B の勧めで、社内の相談室に来室した。「中期目標はどう書けばいい か分からない。こんな状態で課長になる自信がない」と訴える。A の許 可を得て B に話を聞くと、A の営業成績は優秀で、部下の面倒見もよ く、B としても会社としても、課長に昇進することを期待しているとの ことだった。
相談室の公認心理師の対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 A に中期目標をどのように書くべきか助言する。
2 現在 A は抑うつ状態であるため、まず精神科への受診を勧める。
3 昇進はチャンスと捉えられるため、目前の中期目標の作成に全力を尽
くすよう励ます。
4 目前の課題に固着するのではなく、キャリア全体から現在の課題を眺
めることを支援する。
5 現在の A には中期目標の作成は過重な負荷であるため、担当を外し
てもらうよう助言する。
― 42 ―
DKJM-午前-46

1 73 26 歳の男性。職場の同僚たちの会話が自分へ当てつけられている と訴えて家族とともに来院した。&か月前から自分の考えが筒抜けに なっていると思うようになった。「いつも見張られているので外出でき ない」と、周囲を警戒しながら話した。身体疾患、過度の飲酒及び違法 薬物の摂取はない。
この患者に対する治療として、最も適切なものを&つ選べ。 1 抗不安薬
2 気分安定薬
3 抗精神病薬
4 対人関係療法
5 認知行動療法

1 74 75 歳の女性 A、独身の息子と二人暮らしである。A は&年くらい 前からスーパーで連日同じ食材を重ねて買うようになり、スーパーから の帰り道で道に迷うなどの行動が見られ始めた。午前中から散歩に出た まま夕方まで帰らないこともあった。最近、息子の怒鳴り声が聞こえる ようになり、時々 A の顔にあざが見られるようになったため、近所の 人が心配して、市の相談センターに相談した。
市の対応として、不適切なものを&つ選べ。 1 虐待担当部署への通報
2 息子への指導及び助言
3 A の居室の施錠の提案
4 徘徊時に備えた事前登録制度の利用
5 民生委員への情報提供と支援の依頼
― 43 ―
DKJM-午前-47

1 75 24 歳の男性 A。A は大学在学中に自閉スペクトラム症/自閉症ス ペクトラム障害ASDの診断を受けた。一般就労を希望し、何社もの 就職試験を受けたが採用されなかった。そこで、発達障害者支援セン ターに来所し、障害者として就労できる会社を紹介され勤務したが、業 務上の失敗が多いため再度来所した。
この時点での A への支援として、不適切なものを&つ選べ。 1 ジョブコーチをつける。
2 障害者職業センターを紹介する。
3 介護給付の&つである行動援護を行う。
4 勤務している会社に A の特性を説明する。
5 訓練等給付の&つである就労移行支援を行う。

1 76 19 歳の女性 A。A は高校卒業後に事務職のパート勤務を始めた。 もともと言語表現は苦手で他者とのコミュニケーションに困難を抱えて いた。就職当初から、仕事も遅くミスも多かったことから頻繁に上司に 叱責され、常に緊張を強いられるようになった。疲れがたまり不眠が出 現し、会社を休みがちになった。家事はこなせており、将来は一人暮ら しをしたいと思っているという。WAIS-IIIを実施した結果、全検査 IQ 77、言語性 IQ 73、動作性 IQ 86。群指数は言語理解 82、知覚統合 70、 作動記憶 62、処理速度 72 であった。
この検査結果の解釈として、正しいものをつ選べ。
1 視覚的な短期記憶が苦手である。
2 聴覚的な短期記憶が苦手である。
3 全検査 IQ は「平均の下」である。
4 下位検査項目の値がないため判断できない。

2

1 77 30 歳の女性 A、事務職。A はまじめで仕事熱心であったが、半年 前から業務が過重になり、社内の相談室の公認心理師 B に相談した。 その後、うつ病の診断を受け、&か月前に休業した。休業してからも時 折、B には近況を伝える連絡があった。本日、A から B に「主治医から 復職可能との診断書をもらった。早く職場に戻りたい。手続を進めてほ しい」と連絡があった。

このときの対応として、適切なものを&つ選べ。
1 A と B で復職に向けた準備を進める。
2 B が主治医宛に情報提供依頼書を作成する。
3 A は職場復帰の段階となったため相談を打ち切る。
4 A が自分で人事課に連絡を取り、復職に向けた手続を進めるように
伝える。
5 A の同意を得て、B が産業医にこれまでの経緯を話し、必要な対応を
協議する。

第1回午後 2018 年 9 月 9 日 13 時 30 分〜15 時 30 分

1 78 公認心理師の地域連携の在り方として、最も適切なものを&つ選べ。 1 地域の同じ分野の同世代の者たちと積極的に連携する。
2 他の分野との連携には、自身の分野の専門性の向上が前提である。
3 医師からは指示を受けるという関係であるため、連携は医師以外の者
と行う。
4 既存のソーシャルサポートネットワークには入らず、新たなネット
ワークで連携する。
5 業務を通じた連携を基本とし、業務に関連する研究会や勉強会を通し
て複数の分野との連携を行う。

1 79 認知心理学について、最も適切なものを&つ選べ。 1 まとまりのある全体性を重視する。
2 内観と実験との&つを研究手法とする。
3 観察可能な刺激と反応との関係性を重視する。
4 心的過程は情報処理過程であるという考え方に基づく。
5 心理の一般性原理を背景にしながら個人の個別性を重視する。
― 1 ―
DKJM-午後-5

1 80 認知療法で用いられる手法として、最も適切なものを&つ選べ。 1 ラポール
2 自由連想法
3 非指示的方法
4 系統的脱感作法
5 非合理的信念を変容させる方法

1 81 研究の目的を偽って実験を行い、実験の終了後に本来の目的を説明 することによって、実験の参加者に生じた疑念やストレスを取り除く研 究倫理上の行為として、正しいものを&つ選べ。
1 個人情報保護
2 ディセプション
3 フィードバック
4 デブリーフィング
5 インフォームド・コンセント
― 2 ―
DKJM-午後-6

1 82 心理物理学の実験において、反応バイアスを含まない測定を目指す 方法として、最も適切なものを&つ選べ。
1 極限法
2 調整法
3 一対比較法
4 二肢強制選択法
5 マグニチュード推定法

1 83 観察法において、観察対象者に起こりそうな行動の一覧表を用意し、 観察結果を記録する方法として、正しいものを&つ選べ。
1 日誌法
2 行動描写法
3 行動目録法
4 場面見本法
5 トランスクリプト
― 3 ―
DKJM-午後-7

1 84 長期記憶について、正しいものを&つ選べ。
1 宣言的記憶declarative memoryは手続的記憶とも呼ばれる。
2 意味記憶semantic memoryは時間的文脈と空間的文脈とが明確な記
憶である。
3 エピソード記憶episodic memoryは一般的な知識としての事実に関
する記憶である。
4 顕在記憶explicit memoryと潜在記憶implicit memoryとは記銘時
の意識の有無によって分けられる。
5 非宣言的記憶nondeclarative memoryは技能・習慣、プライミング
及び古典的条件づけの&つに分けられる。

1 85 コミュニケーションと言語の発達について、正しいものを&つ選べ。 1 発達初期に出現する語彙は、動詞や形容詞が名詞よりも多い。
2 語彙の増加は、初語の出現から就学まで概ね均質なスピードで進む。 3 指さしは、リーチングなどとともに生後&か月頃から頻繁に観察され
るようになる。
4 生後&〜10 か月頃からみられる、対象に対する注意を他者と共有す
る行動を共同注意と呼ぶ。
5 クーイングとは、乳児期の後半からみられる「ババババ」などの同じ音
を繰り返し発声することをいう。
― 4 ―
DKJM-午後-8

1 86 基本感情説における基本感情について、最も適切なものを&つ選べ。 1 それぞれの感情が特異的な反応と結びついている。
2 大脳皮質を中心とする神経回路と結びついている。
3 発達の過程を通して文化に固有のものとして獲得される。
4 喜び、怒り及び悲しみといった感情概念の獲得に依存する。
5 快−不快と覚醒−睡眠の二次元の感情空間によって定義される。

1 87 中枢神経系のうち、意識水準の維持に必須の領域として、正しいも のを&つ選べ。
1 小脳
2 前頭葉
3 大脳基底核
4 大脳辺縁系
5 脳幹網様体
― 5 ―
DKJM-午後-9

1 88 視床下部の機能として、正しいものを&つ選べ。 1 運動協調の調節
2 摂食行動の調節
3 対光反射の中枢
4 体性感覚の中継
5 短期記憶の形成

1 89 J. Piaget の発達理論について、正しいものを&つ選べ。
1 外界に合わせてシェマを改変する過程を「異化」という。
2 「具体的操作期」になると、速度、距離、時間など変数間の数量的な関
係が理解できるようになる。
3 「自己中心性」とは、何事も自分中心に考える幼児期の利己的な心性を
表し、愛他心の弱さを特徴とする。
4 積木をサンドイッチに見立てて食べるまねをするような「ふり遊び」は、
表象の能力が発達する幼児期の後半から出現する。
5 水を元のコップよりも細長いコップに入れ替えると液面が高くなるが、
幼児期の子どもは水の量自体も変化したと考えてしまう。
― 6 ―
DKJM-午後-10

1 90 ストレンジ・シチュエーション法によるアタッチメントのタイプ分 類A:回避型、B:安定型、C:抵抗/アンビバレント型、D:無秩 序・無方向型について、最も適切なものを&つ選べ。
1 A タイプの養育者は、子どもに対して虐待など不適切な関わりをし ていることが多い。
2 A タイプと C タイプの子どもは、再会場面で感情が元どおりに回復 せずに、怒りの感情を表すことがある。
3 B タイプと C タイプの子どもは、分離場面で強く泣くなどの苦痛を 表出する。
4 C タイプの養育者は、子どもに対して拒絶的にふるまうことが多い。 5 D タイプの養育者は、子どものシグナルに養育者自身の都合で応答
するなど一貫性を欠く傾向がある。

1 91 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDの基本的な 特徴として、最も適切なものを&つ選べ。
1 場面緘黙
2 ひきこもり
3 ディスレクシア
4 言葉の発達の遅れ
5 通常の会話のやりとりの困難

1 92 認知及び言語の発達の遅れが疑われる3歳の幼児に用いるアセスメ ントツールとして、最も適切なものを&つ選べ。
1 BDI
2 CMI
3 KABC-II
4 MPI
5 WISC-IV

1 93 災害時の支援について、正しいものを&つ選べ。
1 被災直後の不眠は病的反応であり、薬物治療を行う。
2 被災者に対する心理的デブリーフィングは有効な支援である。
3 危機的な状況で子どもは成人よりリスクが高く、特別な支援を必要と
する。
4 被災者の悲観的な発言には、「助かって良かったじゃないですか」と励
ます。
5 被災者から知り得た情報は、守秘義務に基づき、いかなる場合も他者
に話してはならない。
― 8 ―
DKJM-午後-12

1 94 依存と依存症について、正しいものを&つ選べ。
1 抗うつ薬は精神依存を引き起こす。
2 覚せい剤で身体依存が起こることは少ない。
3 抗不安薬は半減期が長いほど依存を生じやすい。
4 薬物摂取に伴う異常体験をフラッシュバックという。
5 病的賭博ギャンブル障害は気持ちが高ぶるときに賭博をすることが
多い。

1 95 ストレスコーピングについて、正しいものを&つ選べ。
1 状況が変わっても、以前成功したコーピングを実行した方がよい。 2 ストレッサーに対して多くの種類のコーピングを用いない方がよい。 3 コーピングを続けているうちに疲労が蓄積することを、コーピングの
コストという。
4 コーピングの結果は、二次的評価というプロセスによって、それ以降
の状況の評価に影響を与える。
5 一時的に生じたネガティブな感情を改善するコーピングは、慢性的な
ストレス反応の改善には効果がない。
― 9 ―
DKJM-午後-13

1 96 災害発生後の「被災者のこころのケア」について、正しいものを&つ 選べ。
1 ボランティアが被災者を集め、被災体験を語ってもらう。
2 避難所などにおける対象者のスクリーニングは、精神科医が実施する。 3 支援者のストレス反応に対しては、役割分担と業務ローテーションの
明確化や業務の価値づけが有効である。
4 避難所などにおけるコミュニティ形成について経験のある NPO への
研修を迅速に行い、協力体制を整備する。
5 悲嘆が強くひきこもりなどの問題を抱えている被災者を「見守り必要」
レベルとして、地域コミュニティのつながりで孤立感を解消する。

1 97 知的障害について、正しいものを&つ選べ。 1 成人期に発症する場合もある。
2 療育手帳は法律に規定されていない。
3 療育手帳は 18 歳未満に対して発行される。
4 DSM-&では重症度を知能指数IQで定めている。
5 診断する際に生活全般への適応行動を評価する必要はない。
― 10 ―
DKJM-午後-14

1 98 学校における一次的、二次的及び三次的援助サービスについて、正 しいものを&つ選べ。
1 一次的援助サービスは問題の早期発見を目的としている。
2 一次的援助サービスには発達障害の子どもへの支援を含む。
3 二次的援助サービスは問題が大きくなったときに行う。
4 三次的援助サービスは特別支援教育のことである。
5 一次的、二次的及び三次的援助サービスはそれぞれが独立して行われ
る。

1 99 少年事件の処理手続として、正しいものを&つ選べ。
1 14 歳未満の触法少年であっても重大事件である場合は検察官送致と
なることがある。
2 14 歳以上で 16 歳未満の犯罪少年は検察官送致とならない。
3 16 歳以上で故意に人を死亡させた事件の場合は、原則的に検察官送
致となる。
4 18 歳未満の犯罪少年であっても重大事件を犯せば死刑になることが
ある。
5 事案が軽微で少年法の適用が望ましい事件の場合は、20 歳を超えて
も家庭裁判所で不処分を決定することができる。
― 11 ―
DKJM-午後-15

1 100 ワーク・モチベーション研究において人間関係論の基礎となった ものとして、正しいものを&つ選べ。
1 A. H. Maslow の欲求階層説 2 D. McGregor の X-Y 理論
3 E. Mayo のホーソン研究
4 F. W. Taylor の科学的管理法 5 J. S. Adams の衡平理論

1 101 神経性無食欲症について、正しいものを&つ選べ。
1 経過中の死亡はまれである。
2 通常、心理療法によって十分な治療効果が得られる。
3 入院治療では、心理療法は可能な限り早期に開始する。
4 経管栄養で体重を増やせば、その後も維持されることが多い。
5 患者自身は体重低下に困っていないため、治療関係を築くことが難し
い。
― 12 ―
DKJM-午後-16

1 102 軽症うつ病エピソードに対する初期の短期間の心理療法として、 最も適切なものを&つ選べ。
1 家族療法
2 自律訓練法
3 認知行動療法
4 来談者中心療法
5 力動的心理療法

1 103 統合失調症の特徴的な症状として、最も適切なものを&つ選べ。 1 幻視
2 観念奔逸
3 情動麻痺
4 被影響妄想
5 誇大的な認知
― 13 ―
DKJM-午後-17

1 104 副作用としてアカシジアを最も発現しやすい薬剤について、正し いものを&つ選べ。
1 抗うつ薬
2 抗不安薬
3 気分安定薬
4 抗精神病薬
5 抗認知症薬

1 105 虐待など、父母による親権の行使が困難又は不適当な場合、子や 親族などの請求により親の親権を一時的に停止することができるのは誰 か。正しいものを&つ選べ。
1 知事
2 検察官
3 市町村長
4 児童相談所長
5 家庭裁判所裁判官
― 14 ―
DKJM-午後-18

1 106 我が国の少年院制度について、正しいものを&つ選べ。 1 少年院に受刑者を収容することはできない。
2 14 歳未満の者でも少年院に送致されることがある。
3 &つの少年院に&年を超えて在院することはできない。
4 少年院は 20 歳を超える前に少年を出院させなければならない。
5 少年院法で定められた少年院の種類のうち、第&種は女子少年を収容
する施設である。

1 107 心理職の行動として、不適切なものを&つ選べ。 1 クライエントからの贈り物を断る。
2 部下の家族をカウンセリングする。
3 クライエントに対して人間的な魅力を感じる。
4 クライエントからデートの誘いを受けた際に断る。
5 自身の生徒のカウンセリングを断り、他の専門家を紹介する。
― 15 ―
DKJM-午後-19

1 108 心理に関する支援を要する者に対して、公認心理師が行う行為と して公認心理師法に規定されていないものを&つ選べ。
1 観察
2 教育
3 指導
4 助言
5 診断

1 109 MMPIミネソタ多面的人格目録Minnesota Multiphasic Personality Inventoryについて、誤っているものを1つ選べ。
1  MAS は、MMPI の項目から作成された。
2 妥当性尺度とは、?尺度、L 尺度、F 尺度及び K 尺度の4つを指す。
3 質問項目は 550 項目あり、実施時間は1時間以上を見込む必要がある。
4 質問項目は、患者群と非患者群との間の統計的有意差を基に作られて
いる。
5 心気症、抑うつ、緊張などの各傾向を測定する 20 個の臨床尺度から
構成される。

1 110 反応性アタッチメント障害について、誤っているものを&つ選べ。 1 認知と言語の発達は正常である。
2 乳幼児期のマルトリートメントと関係が深い。
3 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDと症状が一部
類似する。
4 常に自分で自分を守る態勢をとらざるを得ないため、ささいなことで
興奮しやすい。
5 養育者が微笑みかける、撫でるなど、それまで欠けていた情動体験を
補うような関わりが心理療法として有効である。

1 111 リーダーシップについて、誤っているものを&つ選べ。
1 PM 理論の M 機能とは、部下への配慮やメンバー間の人間関係に関
心が高いリーダーのスタイルである。
2 リーダーシップはリーダーの中に存在するのではなく、リーダーと
フォロワーの間で形成される過程である。
3 オーセンティックリーダーシップとは、自分の信条や価値を知り、そ
の信条や価値のままに行動するリーダーのスタイルである。
4 サーバントリーダーシップとは、リーダーが自らの私欲を捨て、フォ
ロワーが成長することに注力するリーダーのスタイルである。
5 変革型リーダーシップとは、部下に成果を出すように求め、生産性向 上や組織目標達成に向けて強力に推進するリーダーのスタイルである。
― 17 ―
DKJM-午後-21

1 112 労働者の心の健康の保持増進のための指針において、労働者への 教育研修及び情報提供の内容に含まれないものを&つ選べ。
1 ストレスへの気づき方
2 職場環境の評価及び改善の方法
3 メンタルヘルスケアに関する事業場の方針
4 ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識
5 ストレスの予防、軽減及びストレスへの対処の方法

1 113 心理学研究で行われている統計的仮説検定において利用される有 意水準の説明として、最も適切なものを&つ選べ。
1 帰無仮説が真であるとき帰無仮説を棄却する確率である。
2 帰無仮説が真であるとき帰無仮説を採択する確率である。
3 対立仮説が真であるとき帰無仮説を棄却する確率である。
4 対立仮説が真であるとき帰無仮説を採択する確率である。
― 18 ―
DKJM-午後-22

1 114 フォーカシング指向心理療法の基本的な考え方や技法について、 最も適切なものを&つ選べ。
1 過去から現在までの体験の積み重ねを共同作業の中で丁寧に検討する。
2 情動体験をより深く十分に感じることによって変化することを目指す。
3 問題や状況について、本人が既に分かっている気づきを更に深めるよ
うに質問を重ねていく。
4 クライエントが自身の身体に起こる、まだ言葉にならない意味の感覚
に注意を向けるよう援助する。

1 115 TAT の実施と解釈について、正しいものを&つ選べ。
1 臨床場面での投影法検査として、L. Bellak による解釈法と分析法が
標準である。
2 決められた順序に従って全ての図版を呈示することによって正確な解
釈が得られる。
3 G. W. Allport が標準化した欲求−圧力分析による解釈法を基本に、
被検者の対人関係の主題を読み取る。
4 被検者には各図版を見てストーリーを構成することが求められるため、
物語を通して主題を把握することが解釈において重視される。
― 19 ―
DKJM-午後-23

1 116 エビデンスベイスト・アプローチについて、正しいものを&つ選 べ。
1 事例研究はエビデンスとして採用しない。
2 介入効果のエビデンスは査定法の開発には用いない。
3 対照試験は一事例実験よりも結果にバイアスがかかる。
4 メタ分析では同じ研究課題について複数の研究結果を統合して解析す
る。

1 117 社会構成主義を基盤とする心理的支援について、正しいものを& つ選べ。
1 当事者との会話を維持することではなく、変化を起こすことを目標に
する。
2 人間の活動が文化や価値観に根差しているという考えに基づいて支援
を行う。
3 論理科学的モードとナラティブモードとの&つの基本的な思考パター ンに分ける。
4 言語が現実を作り出すという視点から新たな社会意識を形成するとい
う考えに基づいて支援を行う。
― 20 ―
DKJM-午後-24

1 118 今後の学習成果を高めるために効果的な学習者の解釈として、最 も適切なものを&つ選べ。
1 試験の点数が悪かったのは苦手な科目であるからだ。
2 試験の点数が悪かったのは問題が難しかったからだ。
3 試験の点数が悪かったのは努力が足りなかったからだ。
4 試験の点数が悪かったのは学習方法に問題があったからだ。

1 119 重大な加害行為を行った者の精神状態に関する鑑定いわゆる精神 鑑定について、正しいものを&つ選べ。
1 裁判所が鑑定の結果とは異なる判決を下すことは違法とされている。
2 被告人が心神耗弱であると裁判所が判断した場合、罪を軽減しなけれ
ばならない。
3 被告人が心神喪失であると裁判所が判断しても、他の事情を考慮した
上で必ずしも無罪にする必要はない。
4 心神喪失者として刑を免れた対象者が、後に医療観察法に基づく鑑定
を受けた場合、鑑定結果によっては先の判決が変更されることがある。 注:「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者
の医療及び観察等に関する法律」である。
― 21 ―
DKJM-午後-25

1 120 配偶者に対する虐待への対応について、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護等に関する法律DV 防止法に定める内容として、 誤っているものを&つ選べ。
1 婦人相談員は被害者に対して必要な指導を行うことができる。
2 被害者を発見した者が配偶者暴力相談支援センターへ通告することは、
努力義務である。
3 医療関係者は、配偶者暴力相談支援センターなどの情報を被害者に提
供することが求められている。
4 被害者を発見した者が警察に通報することには、刑法その他の守秘義
務に関する規定によって制限が設けられている。

1 121 C. R. Rogers によるクライエント中心療法における共感的理解に ついて、誤っているものを&つ選べ。
1 建設的な方向に人格が変容するために必要な条件の&つである。
2 セラピストが共感的理解をしていることがクライエントに伝わる必要
がある。
3 セラピストの内的照合枠に沿って、クライエントが感じている世界を
理解することである。
4 クライエントの内的世界を「あたかもその人であるかのように」という
感覚を保ちながら理解することである。
― 22 ―
DKJM-午後-26

1 122 学校における心理教育的アセスメントについて、誤っているもの を&つ選べ。
1 一定のバッテリーからなる心理検査の実施が必須である。
2 学校生活における子どもの観察が重要な要素の&つである。
3 心理教育的援助サービスの方針や計画を立てるためのプロセスである。 4 複数の教師、保護者、スクールカウンセラーなどによるチームで行わ
れることが望ましい。

1 123 学校における教職員へのコンサルテーションに含まれるものとし て、誤っているものを&つ選べ。
1 児童生徒への個別及び集団対応に関する助言や援助
2 児童生徒への心理教育的活動の実施に関する助言や援助
3 ケース会議などの教育相談に関する会議における助言や援助
4 困難な問題に直面している教職員に代わる保護者などとの面談の実施
― 23 ―
DKJM-午後-27

1 124 巨大な自然災害の直後におけるサイコロジカル・ファーストエイ ドについて、適切なものを&つ選べ。
1 被災者の周囲の環境を整備し、心身の安全を確保する。
2 被災者は全て心的外傷を受けていると考えて対応する。
3 被災体験を詳しく聞き出し、被災者の感情表出を促す。
4 食糧、水、情報など生きていく上での基本的ニーズを満たす手助けを
する。
5 被災者のニーズに直接応じるのではなく、彼らが回復する方法を自ら
見つけられるように支援する。

1 125 高齢期の心理学的適応について、正しいものを&つ選べ。
1 ソーシャルコンボイを維持又は補償できるかということは適応を左右
する要因の&つである。
2 退職後は以前の高い活動性や社会的関係から、いかに速やかに離脱で
きるかによって左右される。
3 能力低下への補償として、活動領域を選択的に限定し、従来とは異な
る代替方略を用いることが有効である。
4 未来志向的に自身のこれからを熟考させることが、自身の過去への関
心を促し回想させるよりも有効とされている。
5 適応が不安定になる&つの要因として、高齢期になると流動性知能に
比べて結晶性知能が著しく低下することが挙げられる。
― 24 ―
DKJM-午後-28

1 126 WHO世界保健機関による ICF国際生活機能分類の障害やそ の支援に関する基本的な考え方について、正しいものを&つ選べ。
1 生活機能と障害の状態は、健康状態、環境因子及び個人因子が相互に
影響し合う。
2 生活機能の障害は、身体の機能不全によって能力低下が引き起こされ
る中で生じる。
3 障害とは、心身機能、身体構造及び活動で構成される生活機能に支障
がある状態である。
4 障害とは、身体的、精神的又は知的機能のいずれかが一般の水準に達 しない状態が継続することである。
5 障害への心理的支援においては、診断名ではなく、生活の中での困難
さに焦点を当てることが重要である。
問127 特別支援教育における通級指導について、正しいものを&つ選べ。 1 中学校では行われない。
2 知的障害は対象にならない。
3 特別支援学校の教員が担当する。
4 障害者総合支援法に定められている。
5 自立活動と各教科の補充指導が行われる。 注:「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的
に支援するための法律」である。
― 25 ―
DKJM-午後-29

1 128 日本で開発された心理療法について、正しいものを&つ選べ。
1 森田療法における入院療法では、最初の約&週間は終日横になったま
まで過ごす。
2 森田療法では、不安を「あるがままに」受けとめた上で、不安が引き起
こす症状の意味や内容を探求していく。
3 内観療法における集中内観では、指導者を含め他人と一切話をしては
ならない。
4 内観療法では、「してもらったこと」、「して返したこと」、「迷惑をか
けたこと」及び「して返したいこと」という&項目のテーマが設定されて
いる。
5 動作法では、心理的な問題の内容や意味を心理療法の展開の主な要因
としては扱わない。

1 129 心身症について、正しいものを&つ選べ。
1 社会的に不適応を来すことが多い。
2 リラクセーション法の有効性が高い。
3 発症や経過に心理社会的要因が関与する身体疾患のことである。
4 発症の契機が明らかになると、改善の方法も明らかになることが多い。 5 病気の症状と心理社会的要因との間には象徴的な関連が認められるこ
とが多い。
― 26 ―
DKJM-午後-30

1 130 心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の各段階で事 業者が行うことについて、適切なものを&つ選べ。
1 休業の開始時には、傷病手当金など経済的保障について説明する。
2 職場復帰の可否については、産業医の判断があれば、主治医の判断は
不要である。
3 職場復帰の可否を判断するために、職場復帰支援プランを本人に提示
し、本人の意思を確認する。
4 最終的な職場復帰は事業者が決定する。
5 職場復帰後は、あらかじめ決めた職場復帰支援プランに沿うようフォ
ローアップする。

1 131 認知症について、正しいものを&つ選べ。
1 Lewy 小体型認知症は幻視を伴うことが特徴である。
2 前頭側頭型認知症は運動障害を伴うことが特徴である。
3 血管性認知症では歩行障害と尿失禁が早期から出現する。
4 若年性認知症で最も多いのは Alzheimer 型認知症である。
5 Alzheimer 型認知症の早期には近時記憶の障害がみられない。
― 27 ―
DKJM-午後-31

1 132 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HDの併存障害につ いて、正しいものを&つ選べ。
1 環境調整と薬物療法とを考慮する。
2 成人期にしばしばうつ病を併存する。
3 養育環境は併存障害の発症に関係しない。
4 自尊感情の高低は併存障害の発症に関係しない。
5 児童期に反抗挑戦性障害を併存することは少ない。

1 133 &型糖尿病について、正しいものを&つ選べ。
1 ストレスは身体に直接作用して血糖値を上げる。
2 うつ病を合併すると、血糖値は下がることが多い。
3 肥満や運動不足によってインスリンの効果が低くなる。
4 飲酒は発症のリスクを上げるが、喫煙は発症のリスクに影響しない。 5 薬物療法が中心になるため、服薬管理が心理的支援の主な対象になる。
― 28 ―
DKJM-午後-32

1 134 かかりつけの内科医に通院して薬物療法を受けているうつ病の患 者を精神科医へ紹介すべき症状として、適切なものを&つ選べ。
1 不眠
2 自殺念慮
3 体重減少
4 改善しない抑うつ症状
5 心理的原因による抑うつ症状

1 135 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について、正しい ものを&つ選べ。
1 労働者はストレスチェックの受検義務がある。
2 精神保健福祉士はストレスチェックの実施者となれる。
3 全ての事業場でストレスチェックを実施する義務がある。
4 労働者のメンタルヘルス不調の未然防止を目的としている。
5 面接指導は、事業者に高ストレス者であることを知らせずに実施する
ことができる。
― 29 ―
DKJM-午後-33

1 136 新しい英語学習法の効果を検証するために実験計画を立てた。新 しい学習法を実験群、従来型学習法を統制群とし、実験の参加申込順に 最初の 25 人を実験群に、次の 25 人を統制群に割り当てることにした。 各群にそれぞれの学習法を体験させ、&週間後にテストを実施すること にしたが、この実験計画には問題点があった。
改善方法として、最も適切なものを&つ選べ。
1 参加者全体の人数を 100 人にする。
2 25 人ずつ無作為に実験群と統制群に割り当てる。
3 学習法を実施する前にも、同様の英語のテストを実施する。
4 参加者全員に従来型学習法と新しい学習法の双方を実施する。
5 先に申込みがあった 25 人を統制群に、次の 25 人を実験群に割り当て
る。
― 30 ―
DKJM-午後-34

1 137 26 歳の男性 A、会社員。Aは仕事上のストレスが原因で心理相談 室に来室した。子どもの頃から忘れ物が多く、頑固だと叱られることが 多かった。学業の問題は特になかった。友人はほとんどいなかったが、 独りの方が楽だと思っていた。就職した当初はシステムエンジニアとし て働いており、大きな問題はなかった。しかし、今年に入って営業部に 異動してからミスが増え、上司から叱責されることが多くなった。A は「皆がもう少しゆっくりやってくれたら」と職場への不満を口にするが、 「減給されるので仕事を休む気はない」と言う。
A に実施するテストバッテリーに含めるものとして、最も適切なものを1つ選べ。
1 BACS
2 MMSE
3 STAI
4 WAIS-III
5 田中ビネー知能検査V

1 138 36 歳の男性 A、会社員。A は転職を考え、社外の公認心理師 B のカウンセリングを受けた。&か月間 B は A の不安を受け止め、二人 で慎重に検討した後、転職することができた。初めはやる気を持って取 り組めたが、上司が替わり職場の雰囲気が一変した。その後のカウンセ リングで A は転職を後悔していると話し、A が B の判断を責めるよう になった。次第に、B は言葉では共感するような受け答えはするが、表 情が固くなり視線を避けることが増えていった。その後、面接は行き詰 まりに達して、A のキャンセルが続いた。
A が B の判断を責めるようになってからの B の行動の説明として、 最も適切なものを&つ選べ。
1 不当に B を責めて、自分の責任を外在化する A に対して、距離を置 いている。
2 不満をこぼすが状況に対処していない A に対して明確な姿勢をもっ て臨んでいる。
3 それまでのように A に支持と共感をしないことによって、意図せず 反撃してしまっている。
4 誤った判断をし、A を傷つけてしまったという不安が強くなり、介 入することができなくなっている。
5 職場に対する不満の問題が再燃し、繰り返されていることを気づかせ
るために中立性を保とうとしている。
― 32 ―
DKJM-午後-36

1 139 15 歳の男子 A、中学&年生。A は不登校と高校進学の相談のため 教育相談室に来室した。A はカウンセリングを受けることに対して否 定的であった。「カウンセリングに行かないと親に小遣いを減らされる ので来た。中学校に行けないことについてはもう諦めている。通信制高 校に進みたいが、親が普通高校へ行けと言うので頭にくる。毎日一人で 部屋で過ごしているのは退屈なので友達と遊びに行きたいが、自分から は連絡できない」と言う。実際には、中学校の生徒に見られることを恐 れて、近所のコンビニにも行けない状態だった。
作業同盟を構築するためのカウンセラーの最初の対応として、最も適 切なものを&つ選べ。
1 カウンセリングがどのようなものか A に分かるように説明する。
2 通信制高校に合格するという目的を達成するために継続的な来室を勧
める。
3 A と親のどちらにも加担しないように中立的な立場をとることを心
掛ける。
4 外に出るのを恐れているにもかかわらず、教育相談室に来られたこと
を肯定してねぎらう。
5 カウンセリングに行かないと小遣いを減らすと親から言われているこ
とに「ひどいですね」と共感する。
― 33 ―
DKJM-午後-37

1 140 50 歳の女性 A、会社員。A は不眠を主訴に病院に来院した。81 歳の母親 B と二人暮らしである。B は&年前に Alzheimer 型認知症と 診断され、要介護&で週&回デイサービスに通所していた。&か月前か ら、B は家を空けると泥棒が入り預金通帳を盗まれると言って自宅から 出なくなった。さらに、不眠で夜間に徘徊し、自らオムツを外して室内 を汚すようになった。A は介護と見守りのためにほとんど眠れないと いう。
このときの病院の公認心理師が A 及び B に助言する内容として、最 も適切なものを&つ選べ。
1 A がカウンセリングを受ける。
2 A が B と関わる時間を減らす。
3 A が地域活動支援センターに相談する。
4 A が介護支援専門員と共に B のケアプランを再検討する。 5 B が医療機関を受診し抗精神病薬による治療を受ける。
― 34 ―
DKJM-午後-38

1 141 21 歳の男性 A、大学生。A は学生相談室に来室した。以前から緊 張すると下痢をすることがあった。就職活動の時期になり、大学で面接 の練習をしたときに強い腹痛と下痢を生じた。その後、同じ症状が起こ るのではないかと心配になり、外出前に頻回にトイレに行くようになっ た。さらに、人混みでは腹痛が生じるのではないかと心配になり、電車 やバスに乗ることも避けるようになった。消化器内科を受診したが、器 質的な異常は認められなかった。
このときの学生相談室の公認心理師が A に対して最初に行う助言と して、最も適切なものを&つ選べ。
1 腹痛が気になる状況や、その際の心身の変化などを記録する。
2 心身の安定を実現するために、筋弛緩法を毎日実施するようにする。
3 苦手な状況を避けているとますます苦手になるため、積極的に行動す
るようにする。
4 腹痛を気にすればするほど緊張が高まってしまうため、なるべく気に
しないようにする。
5 下痢をしやすい間は安静にしたほうがよいため、しばらくは外出を控
えるなど無理をしないようにする。
― 35 ―
DKJM-午後-39

1 142 32 歳の女性 A、会社員。A は&か月前に部署を異動した。&か月 ほど前から不安で苛立ち、仕事が手につかないと訴えて社内の健康管理 室に来室した。最近疲れやすく体重が減少したという。面接時は落ち着 かず手指が細かく震えている。
健康管理室で A の状態を評価するために、最初に考慮すべきものと して、最も適切なものを&つ選べ。
1 対人関係
2 仕事の能率
3 不安の対象
4 身体疾患の有無
5 抑うつ気分の有無
― 36 ―
DKJM-午後-40

1 143 &歳の男児。父母からの身体的虐待とネグレクトを理由に、&週 間前に児童養護施設に入所した。入所直後から誰彼構わず近寄り、関わ りを求めるが、関わりを継続できない。警戒的で落ち着かず、他児から のささいなからかいに怒ると鎮めることが難しく、他児とのトラブルを 繰り返している。着替え、歯磨き、洗面などの習慣が身についていない。 眠りが浅く、夜驚がみられる。
このときの施設の公認心理師が最初に行う支援として、最も適切なも のを&つ選べ。
1 眠りが浅いため、医師に薬の処方を依頼する。
2 心的外傷を抱えているため、治療として曝露療法を開始する。
3 気持ちを自由に表現できるよう、プレイルームでプレイセラピーを開
始する。
4 趣味や嗜好を取り入れて、安心して暮らせる生活環境を施設の養育者
と一緒に整える。
5 年齢相応の基本的な生活習慣が身につくよう、施設の養育者と一緒に
ソーシャルスキルトレーニングSSTを開始する。
― 37 ―
DKJM-午後-41

1 144 &歳の男児 A、小学&年生。A は学校で落ち着きがなく、授業に 集中できずに離席も多いため、担任教師に勧められて、母親が家の近く にある市の相談センターに連れて来た。母子家庭できょうだいはない。 &回目の面談には、A が一人で来所した。A の顔が赤く腫れ上がって おり、公認心理師 B が尋ねると、「昨日家でおじさんに殴られた。怖い から家に帰りたくない」と怯えた表情で訴えた。B が「おじさんって?」 と尋ねると、「一緒に住んでいる人」と答えた。よく見ると顔の別の場所 や手足に古いあざのようなものが多数あった。
B のとるべき行動として、最も適切なものを&つ選べ。
1 相談センターの責任者に伝え、センターから市の虐待対応部署に通告
する。
2 家に帰すことは危険と考え、A を B の家に連れて帰り、母親に連絡
を取る。
3 事実の確認が必要と考え、司法面接の技術を用いて、自ら詳細な聞き
取りを行う。
4 怖い気持ちを十分に受け止めた上で、家に帰るように諭して帰宅させ、
次回にその後の様子を聞く。
5 母親に連絡して A が怯えていることを伝え、母親に「おじさん」の暴
力を止めてもらうよう依頼する。
― 38 ―
DKJM-午後-42

1 145 中学生 A 〜 E が学習している。A は社会科に興味があり自ら進 んで学習するが、テストのために勉強することが嫌いである。B はテス トで良い点を取るために勉強するが、学習内容には関心がない。C は何 事に対しても優れた成果を出すために努力し、学習に取り組む時間が長 い。D は親や教師に叱られることを避けるために勉強することが多く、 学習が楽しいと思ったことはない。E には勉強しないと不安になる傾向 があり、学習時間が長い。
内発的動機づけによる学習をしている者として、正しいものを&つ選 べ。
1A 2B 3C 4D 5E
― 39 ―
DKJM-午後-43

1 146 &歳の男児 A、小学&年生。A の学級はクラス替えがあり担任教 師も替わった。&月になると A が授業中に立ち歩くようになり、それ を注意する児童と小競り合いが頻発するようになった。クラス全体に私 語がみられ、教室内で勝手な行動をして授業に集中できていない児童も 多くなってきた。やがて、担任教師の指導に従わず授業が成立しないな ど、集団教育という学校の機能が成立しない状態になってきた。担任教 師によるこれまでの方法では問題解決ができない状態に至っていると管 理職は判断している。
このときの学校の取組として、最も適切なものを&つ選べ。 1 担任教師を交代させる。
2 児童の力を信頼し、時間をかけて改善を待つ。
3 チームティーチングなどの協力的指導体制を導入する。
4 校長のリードにより、学校独自の方策で解決に取り組む。 5 A の保護者に対し、家庭で厳しくしつけるよう依頼する。
― 40 ―
DKJM-午後-44

1 147 11 歳の女児 A、小学&年生。A は複数のクラスメイトから悪口や からかいなどを頻繁に受けていた。ある日、スクールカウンセラー B は、A から「今のクラスにいるのがつらい」と相談を受けたが、「誰にも 言わないでほしい」と強く頼まれた。
B の対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 職員会議で全教職員に詳細に報告する。
2 A との関係を重視して、B のみで対応を継続する。
3 A の同意が得られるまで、管理職校長などへの報告を控える。 4 学級内で起きていることであり、担任教師に伝え対応を一任する。 5 A の心情も含めて、校内のいじめ対策のための委員会に報告する。

1 148 40 歳の女性 A。A には二人の息子がいたが、A の長男が交通事故 に巻き込まれ急死した。事故から半年が経過しても、涙が出て何も手に つかない状態が続いている。A の状態を案じた夫に連れられて、カウ ンセリングルームに来室した。カウンセリングの中で、A は「加害者を 苦しめ続けてやる。自分はこんなに悲しみに暮れている。息子が亡く なったのに平気な顔で生活している夫の神経が信じられない」などと繰 り返し語っている。
このときの A への支援の在り方として、最も適切なものを&つ選べ。 1 加害者を苦しめ続けたいという A の気持ちを否定しない。
2 A の安心を優先させるため「私はあなたを全部理解できる」と言う。 3 A の話が堂々巡りになっているため、将来のことに話題を変える。 4 カウンセリングで良くなった担当事例を紹介して、A を勇気づける。 5 A の考えに同調し「確かにご主人の神経は信じられませんね」と言う。
― 41 ―
DKJM-午後-45

1 149 45 歳の男性 A、工場勤務。A は酒好きで、毎日焼酎を&〜&合飲 んでいた。この数年、健康診断で肝機能の異常が認められ、飲酒量を減 らすよう指導を受けていた。半年前から欠勤が目立ち始め、酒の臭いを させて出勤し、仕事のミスも目立ち始めた。産業医は「完全に飲酒をや めることが必要。できなければ専門病院での入院治療も必要」と A に指 導した。A は今後一切飲酒しないと約束した。&か月後、上司から産 業保健スタッフの一員である公認心理師に連絡が入り「A が&週間ほど 無断で休んでいる。電話をすると、つい酒を飲んでしまったということ だった」と言う。
関係者上司、人事労務担当者、産業保健スタッフ、家族などの対応 として、不適切なものを&つ選べ。
1 関係者が集まり、全員で A に問題を認識させる。
2 治療を受ける意向がある場合は合意事項を確認し、A と約束する。 3 「絶対自分でやめる」と主張する場合は、A の意思を尊重して様子を
見る。
4 治療しなければ降格や失職の可能性も考えなければならないことを
A に伝える。
5 専門治療の必要性と入院を含む治療方針について、関係者間で事前に
協議しておく。
― 42 ―
DKJM-午後-46

1 150 Müller-Lyer 錯視の図形に関して、矢羽根斜線の角度が錯視量 にどのように影響を与えるのかを調べるために実験を行うことになった。 矢羽根が内側に向いた内向図形を標準刺激、矢羽根が外側を向いた外向 図形を比較刺激とし、この&つの刺激を接するように横に並べて呈示す る。標準刺激の主線水平線分の長さは 90 mm、比較刺激の主線の長 さは可変、標準刺激も比較刺激も矢羽根の長さは 30 mm、矢羽根の角 度は 15°、30°、45°、60°とした。実験参加者は標準刺激の主線の長さと 主観的に同じ長さになるように、比較刺激の主線の長さを調整する。
この実験を行う方法として、正しいものを&つ選べ。
1 標準刺激の位置を左に固定する。
2 矢羽根の角度が異なる刺激をランダムに呈示する。
3 主線の太さを矢羽根の角度によってランダムに変化させる。
4 図形の背景の色を矢羽根の角度によってランダムに変化させる。

2

1 151 20 歳の男性 A、大学生。A は大学のサークル内の友人関係におけ るトラブルを経験した。その後、周囲の様々な物が不潔だと感じられる ようになり、それらに触れた場合、馬鹿らしいと思っても何十分も手を 洗わずにはいられなくなった。手を洗うことで一時的に不安は弱くなる が、手を洗うのをやめようとすると不安が強くなった。やがて、日常生 活に支障を来すようになり、医師の紹介で相談室に訪れた。
A に対する行動療法として、最も適切なものを&つ選べ。
1 せる。
A の不安が一時的ではなく完全に消失するまで手洗い行動を続けさ
2 触った後で手を洗いたくなるような不潔な物を A に回避させること で、不安を弱くさせる。
3 手を洗った後で、本当に手がきれいになったかどうかを家族に確認し
てもらい、手洗い行動を減らしていく。
4 不潔だと感じる物に意図的に触れさせ、手洗い行動をしないように指
示し、時間の経過とともに不安が弱まっていくことを確認させる。
― 44 ―
DKJM-午後-48

1 152 21 歳の女性 A、生後&か月半の乳児の母親。乳児家庭全戸訪問事 業として訪問スタッフが A の家庭を訪れた。A は表情が乏しく、精神 的な活力の乏しさが推測された。「初めての育児で全てのことに自信が ない。このまま育てられるか不安だ。夫は残業で帰りが遅く、周囲に相 談する人もいない。子どもが夜中に何回も起きるので寝不足でつらい」 と涙ぐみながら語った。公認心理師は&週間後に A を訪問する予定の スタッフから対応を相談された。
このときの助言として、最も適切なものを&つ選べ。
1 A にすぐに精神科への受診を勧めるよう助言する。
2 A にすぐに保育園の入園手続を勧めるよう助言する。
3 A の代わりに訪問スタッフが夫や両親にサポートを依頼するよう助
言する。
4 A に「育児は大変なことばかりなので前向きになりましょう」と声を
かけるよう助言する。
― 45 ―
DKJM-午後-49

1 153 28 歳の女性 A、会社員。A は、&か月前に夜遅く一人で歩いてい たところ、強制性交等罪強姦の被害に遭った。その後、気がつくと事 件のことを考えており、いらいらしてささいなことで怒るようになった。 仕事にも集中できずミスが目立つようになり、上司から心配されるまで になった。「自分はどうして事件に巻き込まれたのか。こんな私だから 事件に遭ったのだろう。後ろから足音が聞こえてくると怖くなる。上司 も私を襲ってくるかもしれない」と思うようになった。
A に認められていない症状として、正しいものを&つ選べ。 1 侵入症状
2 回避症状
3 覚醒度と反応性の変化
4 認知と気分の陰性変化

1 154 70 歳の男性 A。A は、もともと穏やかな性格であったが、&年く らい前から非常に短気になり、気に入らないことがあると怒鳴り散らす ようになった。天気が悪くても日課の散歩は毎日欠かさず、いつも同じ コースを歩くようになった。また、散歩中に信号を無視することも多く なり、危険であるため制止すると興奮するようになった。
A に認められている症状として、正しいものを&つ選べ。 1 強迫行為
2 常同行動
3 離人症状
4 見当識障害
5 抑制の欠如
― 46 ―
DKJM-午後-50

第1回追加午前2018年12月16日10時00分〜12時00分

1t1 公認心理師の登録取消しの事由として、正しいものを&つ選べ。 1 成年被後見人になった。
2 民事裁判の被告になった。
3 クライエントの信頼を失った。
4 スーパービジョンを受けなかった。
5 保健医療、福祉、教育等の担当者と連携しなかった。

1t2 精神科病院に通院中のクライエントが特定の人へ危害を加える可能 性があると判断される場合、公認心理師が最初に行うべき行動として、 最も適切なものを&つ選べ。
1 ただちに警察に連絡する。
2 クライエントの主治医に状況を報告する。
3 クライエントに入院の可能性が高いことを説明する。
4 犠牲者となり得る人に対して安全な所に身を隠すよう伝える。
5 クライエントの家族に、クライエントの行動について注意するよう助
言する。
― 1 ―
DKJM-午前-5

1t3 公認心理師に求められるスーパービジョンについて、最も適切なも のを&つ選べ。
1 スーパーバイザーはスーパーバイジーを評価しない。
2 スーパービジョンを受ける際クライエントの許可は必要ない。
3 スーパービジョンはスーパーバイジーの発達段階に合わせて行われる。 4 スーパーバイザーはスーパーバイジーへの心理療法を行う責任を有す
る。
5 スーパーバイザーは気づいたことをすべてスーパーバイジーに伝える
ことが基本である。

1t4 ゲシュタルト心理学において中心的に研究され、現在も継続して研 究されているものとして、最も適切なものを&つ選べ。
1 学習
2 感情
3 態度
4 知覚
5 集団特性
― 2 ―
DKJM-午前-6

1t5 世界で最初の心理学実験室を創設した W. Wundt の心理学の特徴 として、正しいものを&つ選べ。
1 行動レベルの反応を測定した。
2 心的過程の全体性を重視した。
3 無意識の研究の発端となった。
4 ヒト以外の動物も実験対象とした。
5 心的要素間の結合様式を解明しようとした。

1t6 因子分析の斜交回転において各観測変数と各因子との相関係数を要 素とする行列を表すものとして、正しいものを&つ選べ。
1 共通性
2 独自性
3 因子構造
4 因子負荷
5 単純構造
― 3 ―
DKJM-午前-7

1t7 コントラストの知覚についての心理測定関数を得て、そこから弁別 閾や主観的等価点を推定するための心理物理学的測定法として、最も適 切なものを&つ選べ。
1 階段法
2 極限法
3 恒常法
4 上下法
5 調整法

1t8 人格の個人差に関する行動遺伝学的説明について、最も適切なもの を&つ選べ。
1 人格は単一の遺伝子によって規定される。
2 遺伝要因と環境要因の交互作用は統計的に検討できない。
3 遺伝要因と環境要因の影響力は、個別には具体的な数値で表せない。 4 成人期では一般的に、共有環境の影響は遺伝や非共有環境の影響より
も小さい。
5 一卵性双生児と二卵性双生児のきょうだいそれぞれにおける人格特性
の相関係数は後者の方が高い。
― 4 ―
DKJM-午前-8

1t9 記憶障害について、正しいものを&つ選べ。
1 WMS-R は記憶障害の性質を分析できる。
2 Korsakoff 症候群は記憶の保持ができない。
3 獲得された過去の記憶が想起できないことを前向性健忘という。
4 想起障害は手がかりによって思い出すことができる場合を指す。
5 体験が想起できないエピソード記憶障害は潜在記憶の障害である。

1

1t10 周囲の状況の影響を十分に考慮せずに、他者の行動が内的属性に基 づいて生じていると評価する傾向について、正しいものを&つ選べ。
1 対比効果
2 割増原理
3 転向モデル
4 対応バイアス
5 セルフ・ハンディキャッピング

1t11 知的な遅れがなく、社会性やコミュニケーションを中心とした発達 障害が疑われる児童に対して用いる検査として、最も適切なものを1つ 選べ。
1 ADHD-RS 
2 ADOS-2
3 M-CHAT
4 Vineland-II
5 WISC-IV


1t12 障害のある児童生徒への合理的配慮に該当する例として、最も適切 なものを&つ選べ。
1 特別支援学校視覚障害の授業で点字を用いる。
2 特別支援教室において個別の取り出し指導を行う。
3 肢体不自由の児童生徒のために学校にエレベーターを設置する。
4 特別支援学校聴覚障害の授業で音声言語とともに手話も使う。
5 試験の際、書字障害の児童生徒にパーソナルコンピューターでの答案
作成を許可する。
― 6 ―
DKJM-午前-10

1t13 心理アセスメントにあたっての基本的な情報の収集方法として、最 も適切なものを&つ選べ。
1 ワンウェイミラーの行動観察はアセスメントに必要である。
2 生育歴の聴取はアセスメントの基本となるため、初回面接で行う。 3 心理検査は一定の状況設定で行うため、得られた情報は客観的で信頼
できる。
4 アセスメントは面接でクライエントのニーズや来談経緯を聞くことか
ら始まる。
5 家族関係把握のためのジェノグラム作成には動的家族画や合同家族画
が役立つ。

1t14 「関与しながらの観察」について、最も適切なものを&つ選べ。
1 関与も観察もともに観察者だけが行うことである。
2 H. S. Sullivan が提唱した実験的観察法に関する概念である。
3 関与と観察は不可分のものであるため、観察者は中立的に参加しなが
ら観察を行う。
4 観察者は現象に人為的な操作を加え、条件を統制したり関与したりし
ながら観察を行う。
5 観察者は自身が&つの道具としての性質を持っており、自らの存在の
影響を排除できない。
― 7 ―
DKJM-午前-11

1t15 NEO-PI-R について、正しいものを&つ選べ。 1 G. W. Allport が開発した。
2 人格の類型論が背景にある。
3 誠実性と調和性は後から加えられた。
4 敵意は外向性の下位次元に含まれる。
5 各人格次元にはそれぞれ&つの下位次元がある。

1t16 初回面接でのクライエントとの関わりにおいて必要な態度として、 最も適切なものを&つ選べ。
1 ラポール形成のために、早急な助言を控える。
2 クライエントの主観的現実よりも客観的事実を重視する。
3 クライエントの言葉に疑義を挟まず、そのままの言葉を返す。
4 主訴と状況を早く理解するために、できるだけ多くの情報を得る。 5 クライエントが主訴とその状況を話しやすいよう、定型の質問を準備
しておく。
― 8 ―
DKJM-午前-12

1t17 バーンアウトについて、正しいものを&つ選べ。
1 バーンアウトの中核的な特徴は不安である。
2 バーンアウトが最も多い職種は生産技術職である。
3 バーンアウトを初めて提唱したのは C. Maslach である。
4 バーンアウトした人は他者に対して無関心になりやすい。
5 バーンアウトにおける情緒的消耗感とは自分への不信や疑惑が生じる
状態を指す。

1t18 認知症の症状を中核症状とBehavioral and Psychological Symptoms of DementiaBPSDとに分けた場合、中核症状に分類され る内容として、正しいものを&つ選べ。
1 失禁 2 失行 3 徘徊 4 妄想 5 抑うつ
― 9 ―
DKJM-午前-13

問19 マルトリートメント不適切な養育について、最も適切なものを& つ選べ。
1 貧困との関連は乏しい。
2 初めに養育者に反省を促す。
3 子どもの脳の器質的問題は発生しない。
4 養育者自身の自尊感情とは関係がない。
5 多角的な視点でアセスメントする必要がある。

1t20 非行について、正しいものを&つ選べ。
1 校内暴力は中学校と高等学校で増加傾向にある。
2 非行少年とは触法少年、虞犯少年及び不良行為少年の&つをいう。 3 少年鑑別所は非行に関する親や学校からの相談や非行防止への援助の
業務を担う。
4 児童相談所は家庭裁判所から送致を受けた少年を児童自立支援施設に
措置することはできない。
5 非行少年は家庭裁判所での審判を受け、保護観察又は少年院送致のい
ずれかの保護処分を受ける。
― 10 ―
DKJM-午前-14

1t21 不登校について、正しいものを&つ選べ。
1 支援の目的は登校させることである。
2 支援策の策定は担任教師の責任において行う。
3 教育上の重大な問題行動であるという認識を持つことが必要である。 4 病気や経済的理由を除き、年度間に連続して 30 日以上欠席したもの
をいう。
5 学業不振が要因の&つであることから、学習指導方法を工夫改善し、
個に応じた指導の充実を図る。

1t22 D.A.AndrewsとJ.Bontaが主張するRNRモデルRisk-Need- Responsivity modelの内容について、正しいものを&つ選べ。
1 予後評定の際には犯罪歴や処分歴は考慮しない。
2 予後評定の精度は伝統的な非構造的臨床判断より低い。
3 犯罪を支える態度が変容すれば、再犯リスクは低減する。
4 ニーズ原則は対象者の能力や学習スタイルに適した処遇課題を与える
ことである。
5 再犯リスクを低減させることに限定せず、良い人生を送ることを目標
に掲げている。
― 11 ―
DKJM-午前-15

1t23 平成 26 年度以降の過労死等の労災補償状況のうち、脳・心臓疾患 に関する事案で支給決定件数の最も多かった業種大分類として、正し いものを&つ選べ。
1 建設業
2 製造業
3 運輸業、郵便業
4 卸売業、小売業
5 宿泊業、飲食サービス業

1t24 記憶について、正しいものを&つ選べ。
1 エピソード記憶は反復によって記憶される。
2 長期記憶の保持には側頭葉や間脳が関わる。
3 短期記憶は一次記憶とも呼ばれ、数時間保持される。
4 運動技能や習慣などに関する記憶は意味記憶と呼ばれる。
5 自分の名前のように生涯保持される記憶は二次記憶と呼ばれる。
― 12 ―
DKJM-午前-16

1t25 認知症について、正しいものを&つ選べ。
1 Lewy 小体型認知症は幻聴を特徴とする。
2 Alzheimer 型認知症は感情失禁を特徴とする。
3 血管性認知症は抑うつやせん妄が生じやすい。
4 前頭側頭型認知症では初期から記憶障害が著明である。
5 Creutzfeldt-Jakob 病は他の認知症に比べて進行が緩徐である。

1t26 がん患者とその支援について、正しいものを&つ選べ。 1 合併する精神医学的問題は不安障害が最も多い。
2 がんに起因する疼痛は心理的支援の対象ではない。
3 がん患者の自殺率は一般人口の自殺率と同等である。
4 がんに起因する抑うつに対しては薬物療法が支援の中心になる。
5 包括的アセスメントの対象には、がんそのものに起因する症状と、社
会経済的、心理的及び実存的問題とがある。
― 13 ―
DKJM-午前-17

1t27 神経性無食欲症について、正しいものを&つ選べ。 1 主な死因は自殺である。
2 摂食制限型は衝動性が高い。
3 有病率の男女比は約&:&である。
4 体重と体型に関する自己認識の障害がある。
5 WHO の基準で Body Mass IndexBMI17 kg/m2 は、成人では最重
度のやせである。

1t28 初回面接中の来談者の発言のうち、すぐに精神科へ紹介すべきもの として、最も適切なものを&つ選べ。
1 最近、動悸と不安が続きます。
2 時々、記憶がなくなることがあります。
3 ショックなことがあって体が動きません。
4 あなたたちは私の秘密を知っているでしょう。
5 会社を解雇されました。皆、同じ苦しみを味わえばいい。
― 14 ―
DKJM-午前-18

1t29 学校教育法に規定されている内容として、正しいものを&つ選べ。 1 学校には各種学校が含まれる。
2 中等教育学校の修業年限は&年とする。
3 校長は教育上必要があると認めるときは、児童生徒に転校を命じるこ
とができる。
4 市町村の教育委員会は、教育上必要があると認めるときは、児童生徒
に懲戒を加えることができる。
5 市町村の教育委員会は、他の児童生徒の教育を妨げると認められる児
童生徒があるときは、その保護者に対して、児童生徒の出席停止を命じ
ることができる。

1t30 学校運営協議会制度に基づくコミュニティ・スクールについて、正 しいものを&つ選べ。
1 協議会は全校に設置が義務付けられている。
2 協議会の委員は、地域の住民から選出し校長が任命する。
3 協議会は教職員の任用に関して、教育委員会に意見を述べることがで
きる。
4 協議会の委員に、当該学校に在籍する児童生徒の保護者を任命するこ
とは控える。
5 協議会が協議の結果を積極的に関係者に提供することは、児童生徒に
影響するため控える。
― 15 ―
DKJM-午前-19

1t31 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に 関する法律医療観察法に規定する内容として、正しいものを&つ選べ。
1 指定医療機関の指定は、法務大臣が行う。
2 精神保健観察の実施は、保護司が従事する。
3 対象となる行為には、恐喝や脅迫が含まれる。
4 精神保健参与員は学識経験に基づき、審判でその意見を述べなければ
ならない。
5 被害者等は、裁判所の許可により審判を傍聴できるが、意見を述べる
ことはできない。

1t32 知能とその発達について、誤っているものを&つ選べ。
1 知能指数とは一般的に「精神年齢÷生活年齢×100」の値を指す。
2 流動性知能は主に神経生理学的要因の影響を受けて形成される。
3 知能は全般的に青年期前期にピークに達し、その後急速に衰退する。 4 結晶性知能は主に経験や教育などの文化的要因の影響を受けて形成さ
れる。
5 知能の発達曲線は横断研究と縦断研究のデータで大きく食い違うこと
がある。
― 16 ―
DKJM-午前-20

1t33 高齢期に関する理論とその理論が重視する高齢期の心理的適応の組 合せについて、誤っているものを&つ選べ。
1 活動理論 ― 中年期の活動水準を維持すること
2 離脱理論 ― 社会的活動から徐々に引退すること
3 老年的超越論 ― 物質的で合理的な世界観を捨て、宇宙的な世界観
を持つこと
4 社会情緒的選択理論 ― 情緒的安定のために他者からの知識獲得を
行うこと
5 補償を伴う選択的最適化SOC理論 ― 喪失を補償すべく領域を
選択し、そこでの活動を最適化すること

1t34 心理アセスメントについて、不適切なものを&つ選べ。
1 アセスメント面接では構造化されていない自由面接を用いる。
2 アセスメント面接は一般に治療的面接を開始する前に行われる。
3 クライエントのリソースや強みなど肯定的心理的特徴も見定める。
4 クライエントの問題を包括的に捉えるためにテストバッテリーを組む。 5 クライエントの許可を得たうえで、必要に応じて関係者から情報を収
集する。
― 17 ―
DKJM-午前-21

1t35 日本で戸籍上の性別が変更できる要件として、不適切なものを&つ 選べ。
1 生殖機能を欠くこと
2 年齢が 18 歳以上であること
3 未成年の子どもがいないこと
4 他の性別の性器の部分に似た外観を備えていること
5 &人以上の医師により性同一性障害と診断されていること

1t36 特定妊婦のリスク要因として、不適切なものを&つ選べ。 1 若年妊娠
2 多胎妊娠
3 経済的困窮
4 望まない妊娠
5 母子健康手帳未交付
― 18 ―
DKJM-午前-22

1t37 認知症のケアに用いる技法として、不適切なものを&つ選べ。 1 回想法
2 動作法
3 バリデーション
4 デブリーフィング
5 リアリティ・オリエンテーション

1t38 チーム医療の考え方として、最も適切なものを&つ選べ。
1 チーム医療は医療機関内で提供されるものをいう。
2 患者や家族は医療チームの構成メンバーの一員とみなされない。
3 チーム医療のリーダーシップは状況によって構成メンバーの中で移譲
される。
4 構成する専門職個々のテクニカルスキルが高ければ、チーム医療は効
果的に遂行される。
― 19 ―
DKJM-午前-23

1t39 オペラント条件づけで、逃避学習や回避学習を最も成立させやすい ものとして、正しいものを&つ選べ。
1 正の罰
2 負の罰
3 正の強化
4 負の強化

1t40 言語の音韻面の発達について、最も適切なものを&つ選べ。
1 生後すぐの新生児には、クーイングと呼ばれる発声がみられる。
2 &歳に達するまでに、徐々に非母語の音韻に対する弁別力は弱くなる。 3 &歳までに言語の音韻的な側面についてのメタ言語的な理解が始まる。 4 種々の韻律的特徴を持つジャーゴンが出現した後に、音節を反復する
基準喃語が生じてくる。
― 20 ―
DKJM-午前-24

1t41 精神障害に対するスティグマ差別、偏見について、正しいものを &つ選べ。
1 セルフスティグマを軽減する方法はない。
2 社会的スティグマは認知的側面と感情的側面の&つから構成される。 3 社会的スティグマの強さと当事者の自尊感情との間には正の相関があ
る。
4 対象への反応時間を測定することにより潜在的なスティグマが評価で
きる。


1t42 要支援者等の個人情報とプライバシーの保護について、最も適切な ものを&つ選べ。
1 心理的支援にあたって収集する情報は、すべて要配慮個人情報に該当
する。
2 未成年者の支援事例について学会発表を行う場合、保護者の代諾を得
るだけでよい。
3 効果的な援助のためにプライバシー開示が必要な場合でも、要支援者 に開示を強制してはならない。
4 どのような場合でも、要支援者本人の同意を得ることなく第三者に個
人情報を提供してはならない。
― 21 ―
DKJM-午前-25

1t43 いじめ防止対策推進法におけるいじめの定義として、最も適切なも のを&つ選べ。
1 自分よりも弱い者に対し一方的に与える身体的・心理的な攻撃である こと
2 身体的・心理的な攻撃が継続的に加えられ、相手が深刻な苦痛を感じ ていること
3 一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことに より、精神的な苦痛を感じていること
4 一定の人的関係のある他の児童生徒から、心理的又は物理的な影響を 与える行為インターネットを含む。を受け、それによって心身の苦痛 を感じているということ

1t44 アセスメントを目的とした学校での子どもの行動観察について、最 も適切なものを&つ選べ。
1 観察者が単独で場所や時間を限定して行う。
2 焦点をあてる具体的な行動を明確にして行う。
3 記録方法としては、量的な記録よりも質的な記録が適している。
4 行動を観察することで、子どもの内面を理解することができる。
― 22 ―
DKJM-午前-26

1t45 スクールカウンセラー等活用事業について、正しいものを&つ選べ。 1 配置方式としては、現在は全国で通常配置単独校方式で統一されて
いる。
2 公立高等学校への配置については、各自治体で事業の実施に係る配置
校総数の 50 % 程度を目安とする。
3 被災した児童生徒等の心のケア等を行うため、学校等にスクールカウ
ンセラー等を緊急配置する事業も含まれる。
4 平成&年度にスクールカウンセラー活用調査研究委託事業が創設さ
れ、現在まで国費 100 % の事業として継続している。

1t46 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関す る法律労働者派遣法について、正しいものを&つ選べ。
1 派遣労働者本人からの意見を聴取すれば、派遣労働者を&年を超えて 派遣できる。
2 専門的知識や技術を必要とする 26 の業務に限り、派遣労働者を&年 を超えて派遣できる。
3 60 歳以上の派遣労働者を派遣する場合は、派遣先の事業所における 同一の組織単位に対し、&年を超えて派遣できる。
4 事業所単位での派遣可能期間の延長があれば、派遣先の事業所におけ る同一の組織単位に対し、&年を超えて派遣できる。
― 23 ―
DKJM-午前-27

1t47 公認心理師法に規定されている内容として、正しいものを&つ選べ。 1 公認心理師は業務独占が認められている。
2 名称使用制限の違反に対しては罰則規定がある。
3 信用失墜行為には法律に違反する行為以外の行為も含まれる。
4 守秘義務はその資格の登録を受けている期間においてのみ発生する。
5 心理に関する支援を要する者の診断は公認心理師の業務に含まれる。

1t48 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律障 害者総合支援法に基づく地域移行支援の対象者として、正しいものを &つ選べ。
1 拘置所に収容されている障害者
2 児童福祉施設に通所している障害者
3 少年鑑別所に収容されている障害者
4 療養介護を行う病院に入院している障害者 5 地域活動支援センターに通所している障害者
― 24 ―
DKJM-午前-28

1t49 チーム医療において公認心理師が行う内容として、適切なものを& つ選べ。
1 BDI による評価
2 COGNISTAT の実施
3 バーセルインデックスの評価
4 入院患者のせん妄のリスク評価
5 グラスゴーコーマスケールGCSの判定

1t50 加齢の影響を受けにくい記憶として、適切なものを&つ選べ。
1 意味記憶
2 手続記憶
3 展望記憶
4 エピソード記憶 5 ワーキングメモリ
― 25 ―
DKJM-午前-29

1t51 感情の諸理論に関する説明について、適切なものを&つ選べ。
1 戸田正直は、感情は迅速な環境適応のために進化してきたと唱えた。 2 S. Tomkins は、血流変化によって感情の主観的体験が説明されると
唱えた。
3 B. L. Fredrickson は、負の感情が注意、思考、活動等のレパートリー
の拡大や資源の構築に役立つと唱えた。
4 R. B. Zajonc は、感情反応は認知的評価に先行し、感情と認知はそれ
ぞれに独立した処理過程であると唱えた。
5 S. Schachter と J. Singer は、環境の変化と身体活動の変化によって
感情の主観的体験が説明されると唱えた。

1t52 DSM-&の神経発達症群/神経発達障害群について、正しいものを &つ選べ。
1 選択性緘黙が含まれる。
2 典型的には発達早期に明らかとなる。
3 知的障害を伴わない発達障害のグループである。
4 異なる神経発達症が併発することはほとんどない。
5 発達の里程標への到達の遅れだけでなく、過剰な兆候も含まれる。
― 26 ―
DKJM-午前-30

1t53 精神力動療法について、適切なものを&つ選べ。
1 クライエントの主観的世界を理解し受容する。
2 不安や恐怖を喚起して、それを段階的に和らげていく。
3 無意識的な心的過程が存在することが基本前提となる。
4 催眠療法から発展して外傷体験を想起させる方法へと移行した。
5 不快感や恐怖などの感情を喚起する内的なイメージや思考を変容させ
る。

1t54 心の健康問題により休業した労働者が職場復帰を行う際に、職場の 公認心理師が主治医と連携する場合の留意点として、正しいものを&つ 選べ。
1 主治医と連携する際は、事前に当該労働者から同意を得ておく。
2 主治医の復職診断書は労働者の業務遂行能力の回復を保証するものと
解釈する。
3 主治医に情報提供を依頼する場合の費用負担については、事前に主治
医と取り決めておく。
4 主治医から意見を求める際には、事例性よりも疾病性に基づく情報の
提供を求めるようにする。
5 当該労働者の業務内容については、プライバシー保護の観点から主治
医に提供すべきではない。
― 27 ―
DKJM-午前-31

1t55 児童福祉法で定めている児童福祉施設として、正しいものを&つ選 べ。
1 少年院
2 乳児院
3 教育相談所
4 児童相談所
5 母子生活支援施設

1t56 動機づけ理論について、適切なものを&つ選べ。
1 自己実現欲求は欠乏動機である。
2 動機づけ要因は、満たされていれば満足につながる。
3 有能さや自己決定の感覚が強められると、動機づけは高まる。
4 金銭などの外的報酬は、その水準が変わらなければ、動機づけを維持
する効果は時間とともに弱まる。
5 内発的動機づけが働いている行動に、賞罰などの外的報酬を加えるこ
とで、動機づけは更に高められる。
― 28 ―
DKJM-午前-32

1t57 選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIの副作用として、適切 なものを&つ選べ。
1 心房細動
2 排尿障害
3 悪心・嘔吐 4 賦活症候群 5 起立性低血圧

1t58 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 高齢者虐待防止法について、正しいものを&つ選べ。
1 高齢者虐待を発見した場合の通報先は、都道府県である。
2 この法律の「養護者」とは、介護家族と養介護施設従事者のことをいう。 3 高齢者の保護だけではなく、家族等の養護者に対する支援も大きな目
的の&つとしている。
4 生命又は身体に重大な危険が生じている高齢者虐待を発見した場合は、
速やかに通報しなければならない。
5 高齢者虐待の種別は、身体的虐待、心理的虐待、介護・世話の放棄・
放任ネグレクト及び性的虐待の&つである。
― 29 ―
DKJM-午前-33

1t59 27 歳の女性 A、会社員。&年前から大きなプロジェクトの一員と なり、連日深夜までの勤務が続いていた。気分が沈むため少し休みたい と上司に申し出たところ、認められなかった。徐々に不眠と食欲不振が 出現し、出勤できなくなった。&週間自宅にいたが改善しないため、精 神科を受診した。自責感、卑小感及び抑うつ気分を認め、A に対して 薬物療法が開始され、主治医は院内の公認心理師に面接を依頼した。
A への公認心理師の言葉として、最も適切なものを&つ選べ。 1 趣味で気晴らしをしてみましょう。
2 労働災害の認定を申請してはどうですか。
3 自分のことを責める必要はないと思います。
4 他の部署への異動を願い出てはどうですか。
5 私が代わりに労働基準監督署に連絡しましょう。
― 30 ―
DKJM-午前-34

1t60 28 歳の女性 A。バスで通勤中、突然、激しい動悸と息苦しさに襲 われ、強い不安を感じた。途中のバス停で降りてしばらく休んでいたら、 落ち着いたので、その日は会社を欠勤し帰宅した。その後、繰り返し同 じ発作に見舞われ、また発作が起こるのではと不安が強くなった。バス に乗るのが怖くなり、家族に車で送ってもらわないと出勤できなくなっ た。やがて外出することも困難となったため、医師の紹介で相談室を訪 れた。
A に対する認知行動療法として、最も適切なものを&つ選べ。
1 イメージは用いず、現実的な状況を段階的に経験させる。
2 不安な気持ちに共感し、安全な行動をとるようにさせる。
3 一人での練習は危険を伴うため、ホームワークは用いない。
4 発作の前兆である身体症状を意図的に作り出し、経験させる。
5 より機能的な考え方に修正できるよう、リラクセーション法は用いな
い。

1t61 34 歳の男性、会社員。1年前、バイク事故により頭部を打撲し意 識障害がみられたが、3日後に回復した。後遺症として身体的障害はみ られなかった。受傷から9か月後に復職したが、仕事の能率が悪く、再度休職になった。現在の検査所見は、以下のとおりである。
順唱6桁、逆唱5桁、リバーミード行動記憶検査標準プロフィール点9点、WAIS-III:FIQ 82、VIQ 86、PIQ 78、遂行機能障害症候群の行 動評価BADS総プロフィール得点 20 点、SDS うつ性自己評価尺度総 得点 30点。
検査所見により示唆される主たる障害として、最も適切なものを1つ 選べ。
1 記憶障害
2 知能障害
3 注意障害
4 抑うつ障害
5 遂行機能障害

1

1t62 84 歳の女性。5年前に Alzheimer 型認知症と診断された。現在、 ミニメンタルステート検査MMSEが&点で、介護老人保健施設に入 所中である。夜中に自室からスタッフルームにやってきて、「息子が 待っているので自宅に帰りたい」と言い、廊下を歩きはじめた。
このとき、一般的に勧められる職員の対応として、最も適切なものを &つ選べ。
1 息子に連絡し、外泊をさせるように依頼する。
2 頓用の睡眠薬を服用させ、徘徊による体力の消耗を避ける。
3 施錠できる安全な部屋に誘導し、保護の目的で扉を施錠する。
4 息子は自宅に不在であることを説明し、自室に戻るよう説得する。 5 しばらく一緒に廊下を歩き、「夜遅いのでここに泊まりましょう」と提
案する。

1t63 小学校で原因不明の爆発事故が起こり、多数の負傷者がいると通報 があった。所轄警察署に勤務する公認心理師は事故発生後、他の署員と ともに直ちに事故現場において被害者支援を行った。
事故の連絡を受けて駆け付けた保護者への公認心理師の優先される対 応として、適切なものを&つ選べ。
1 報道機関の取材に応じる。
2 保護者が希望しない限り、情報提供を控える。
3 学校教職員から保護者に説明する場を設定する。
4 免許証などにより保護者を確認し、部外者の侵入を防ぐ。
5 関係者と協力して児童の状況について情報を集め、保護者に提供する。
― 33 ―
DKJM-午前-37

1t64 &歳の女児 A。A はネグレクトで児童相談所に保護された。A は 非嫡出子として出生した。母親は A の情緒的要求に応じることが乏し く、A を家に放置することが多かったため、一時保護に至った。保護 をして&か月が過ぎた。A は職員とはコミュニケーションはとれるも のの、怪我をするなど困ったときには助けを求めることがない。就寝時 に絵本を読みきかせたところ、A は興味を示し、楽しい場面に笑顔を 見せた。
A に考えられる障害として、最も適切なものを&つ選べ。 1 広汎性発達障害
2 反応性愛着障害
3 重度精神遅滞知的障害
4 分離不安症/分離不安障害
5 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HD
― 34 ―
DKJM-午前-38

1t65 中学&年の担任教師 A。A は、中学校でスクールカウンセリング を担当している公認心理師に次のように相談した。クラスの女子生徒 B が「誰にも言わないでください」と前置きし、「小学校&年生になったこ ろから、母親が夜仕事に出ていくと継父が夜中に布団に入ってくる。夜 になるとまた来るのではないかと恐ろしくて眠れない」と話した。A は 性的虐待の可能性が高いと思うが、B に詳しく聞いていないため確証が 得られていない。今後、担任教師としてどのように対応すべきか助言し てほしいという。
A に対する公認心理師の助言として、最も適切なものを&つ選べ。 1 母親に電話して事実を確認する。
2 A が中心となって、この問題に取り組む。
3 虐待の可能性があることを、児童相談所に通告する。
4 安心して話していいと B に伝えて、話してくるまで待つ。
5 秘密は必ず守ると B に伝え、これまでの経緯と現状を詳しく尋ねる。
― 35 ―
DKJM-午前-39

1t66 中学校の担任教師が担当する&名の生徒について、日常の様子と知 能検査の結果を参照して次のように考えている。A は怠学傾向がみら れそもそも勉強に関心が向いていない。B は知能指数が高いにもかかわ らず学力が向上しない。C の学力が向上しない理由は知能指数の低さに ありそうだ。D は知能指数が低いことに加え、注意散漫で授業に集中 できない。E は知能指数が低いにもかかわらず学力が高い。
&名の生徒のうち、アンダーアチーバーが疑われる生徒として、最も 適切なものを&つ選べ。
1A 2B 3C 4D 5E
― 36 ―
DKJM-午前-40

1t67 14 歳の女子 A、中学&年生。A の母親 B は、A の不登校について 相談するために、中学校のスクールカウンセラーを訪ねてきた。A は、 朝に体調不良を訴えて&週間ほど欠席が続くようになった。B が理由を 聞いても A は話したがらず、原因について分からない状態が続いてい ると、B は家庭での様子を説明した。学習の遅れも心配で、A に対して 登校を強く促す方が良いのか、黙って見守った方が良いのか判断がつか ない。「担任教師の心証を悪くしたくないので、まずは担任教師に内緒 で家庭訪問をして A の気持ちを聴いてほしい」と B から依頼された。
このときのスクールカウンセラーの対応として、最も適切なものを& つ選べ。
1 A が希望すれば家庭訪問をすると説明する。
2 管理職と相談して家庭訪問について検討する。
3 A の様子を聴き、医療機関で検査や治療を受けるよう勧める。
4 「心配しなくて大丈夫です。そのうち解決しますよ」と励まし面談を終
了する。
5 理由がはっきりしないのであれば、学校に行くよう促した方が良いと
助言する。
― 37 ―
DKJM-午前-41

1t68 30 歳の男性 A、仮釈放中。A は無職で、引受人の母親と暮らして いる。A には、遵守事項によって、保護観察所での専門的処遇プログ ラムへの参加が義務付けられている。第&回目のプログラム開始の&時 間前に、A は保護観察所に電話をかけ「保護観察所に行くための電車賃 がなく、本日はプログラムに参加できない。プログラムの不参加によっ て仮釈放が取り消されたとしてもかまわない」と担当保護観察官 B に話 した。B が、交通費の支出を母親に依頼できないか A に尋ねたところ、 A は「母親は家にいるが頼めない。これ以上迷惑をかけられない」と繰 り返した。
このときの B の対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 担当保護司に連絡をとり、A に交通費を貸与するように依頼する。 2 次回の専門的処遇プログラムに必ず参加する旨の誓約書を送らせる。 3 交通費を確保して次回からの専門的処遇プログラムに参加するように
指導する。
4 電話を母親に代わってもらい、交通費を貸与あるいは支出するように
依頼する。
5 交通費は更生緊急保護によって支給されるので、本日の専門的処遇プ
ログラムに参加するように指導する。
― 38 ―
DKJM-午前-42

1t69 &歳の男児 A、小学校&年生。実父母から身体的虐待を受けて小 学校&年のときに児童養護施設に入所した。入所当初は不眠、落ち着き のなさ、粗暴行為が見られたが、現在はほぼ改善し、日々の生活は問題 なく過ごせるようになっている。実父母は施設の公認心理師との面接な どを通して、暴力に頼ったしつけの問題や、虐待にいたるメカニズムを 理解できるようになった。毎週の面会に訪れ、A との関係も好転して いる様子がうかがわれた。小学校&年になって、A と実父母が家庭復 帰を希望するようになった。
家庭復帰に関して施設が行う支援について、不適切なものを&つ選べ。 1 家庭復帰後の懸念される事態について児童相談所と話し合う。
2 実父母と子どもと一緒に、帰省や外泊の日程やルールなどを検討する。 3 週末帰省中に、再び実父母からの虐待が認められた場合には、家庭復
帰については再検討する。
4 実父母が在住する市の要保護児童対策地域協議会でのケース検討会議
の開催を、児童相談所を通して市に依頼する。
5 家庭復帰後は、施設措置が解除となり、市の要保護児童対策地域協議
会の監督下に入るため、施設からの支援は終了する。
― 39 ―
DKJM-午前-43

1t70 15 歳の女子 A、中学&年生。&歳で発達障害と診断されたが、A の保護者はその診断を受け入れられず、その後 A を通院させていな かった。A はクラスメイトとのトラブルが続き、半年前から学校への 行きしぶりが続いている。A の保護者は、学校の A に対する対応に不 満を持ち、担任教師 B に協力的な姿勢ではなかった。B の依頼を受け た公認心理師であるスクールカウンセラーが介入することになった。
A、A の保護者及び B に対する支援として、不適切なものを&つ選 べ。
1 A に適した指導案を B に指示する。
2 学校に対する A の保護者の気持ちを受け止める。
3 学校全体で対応する視点を持つように B に助言する。
4 A の保護者と B に一般的な発達障害の特性について説明する。 5 A の保護者に A の医療機関への受診を検討するように勧める。
― 40 ―
DKJM-午前-44

1t71 23 歳の女性 A、新入社員。A にとって仕事は面白く熱心に取り組 んでいた。ある日、残業後に職場の先輩の男性社員から夕食に誘われ、 一緒に夕食を取った。先輩の話は会社のことや仕事のことなど知らない ことばかりでとても役立ったため、「また誘ってください」と伝えた。し かし、その後先輩から頻繁に食事に誘われるようになり、A が都合が 悪いと言うと不満げな顔をされたり、いつなら都合が良いかと聞かれた りするため、しつこいと感じるようになった。最近、誘われるのが嫌で 会社を休むようになった。A はそのことで社内の相談室に来室した。
A に対する相談室の公認心理師の言葉として、不適切なものを&つ 選べ。
1 体調で気になることはありませんか。
2 あなたが相談にいらしたことはとても意味のあることだと思います。
3 はっきり断らないから、相手を勘違いさせてしまったのではないです
か。
4 また誘ってくださいと言ったのは、職場の先輩に対する言葉として理
解できます。
5 せっかく仕事も面白いと感じているのに、このようなことが起きて
ショックですよね。
― 41 ―
DKJM-午前-45

1t72 24 歳の女性 A、会社員。A は最近、職場で不安や緊張を感じるよ うになった。子どもの頃から成績は平均より上だったが、おとなしく内 気な性格で友人は少なかった。就職した当初は単独作業が多かったが、 配置転換により年上の先輩との協働作業が増えた。先輩の前では会議資 料の準備をするときに緊張が高まり発汗し、ハンカチが手放せなくなっ た。変な人に思われるのではないかと思うと手が震え、視線を避けよう とすると奇異に思われるのではないかと不安が高まるようになった。A は出勤が負担に感じられるようになり心理相談室を訪れた。
A に実施するテストバッテリーに含める心理検査として、最も適切 なものを&つ選べ。
1 CAARS 2 IES-R
3 KABC-II 4 LSAS-J 5 Y-BOCS
― 42 ―
DKJM-午前-46

1t73 22 歳の女性 A、大学4年生。アルバイトや就職活動で疲弊し、試験勉強がまったく手につかないと A は学生相談室を訪れ、公認心理師 に訴えた。A は涙を流しており、事実関係は整理されておらず、混乱 した様子であった。公認心理師とはほとんど視線を合わせず、うつむいたままであった。ベック抑うつ性尺度では、中等度のうつという結果が 出された。MMPI の結果は、ほとんどの臨床尺度の T 得点が 60 を超え ていた。妥当性尺度は、?尺度=0、L 尺度= 30、F 尺度= 90、 K 尺度= 40 であった。
これらの情報からの判断として、最も適切なものを&つ選べ。
1 Aは防衛が強く、問題の程度が低く現れている。
2 一貫性のある回答が多く、素直に回答している。
3 社会的望ましさの回答が多く、検査の結果が歪曲されている。
4 精神的苦痛を誇張しているため、全体の得点が高くなっている。

1t74 36 歳の女性 A、事務職。がん検診で乳がんが見つかった。通院の ため、上司に事情を説明すると「がんの治療のことを考えたら、退職せ ざるを得ないね」と言われ、ショックを受けた。社内相談室の公認心理 師に相談に来て、「もう立ち直れない。何も考えられない。退職するし かない」と訴えた。
A への公認心理師の対応として、不適切なものを&つ選べ。
1 A の心理的な状態を把握し、産業保健スタッフと連携する。
2 休職して治療に専念し、完治したら職場復帰の手続をとるように助言
する。
3 A の要望に応じて、産業医から上司に A の病状や必要な配慮につい
て説明できることを伝える。
4 社内の産業保健スタッフと医療機関とが連携し、仕事を継続しながら
治療を受ける方法があることを説明する。
― 44 ―
DKJM-午前-48

1t75 45 歳の女性。もともと緊張しやすい性格である。&年前、現在の 会社に転職した頃に頭痛が続いたことがあったが、鎮痛薬を飲んでいる うちに消失した。&か月前に他部署から異動してきた部下の女性の仕事 ぶりに対して不満を感じるが我慢をしていた。頭を絞めつける頭痛が毎 日のように&〜&時間続くようになった。鎮痛薬を頓用していたが軽減 しなかった。心療内科を受診後、公認心理師を紹介された。
公認心理師が行う提案として、適切なものを&つ選べ。
1 部下の女性と接する機会を減らす。
2 鎮痛薬の定期的な服薬によって痛みを減らす。
3 漸進的筋弛緩法によって心身の緊張を和らげる。
4 頭痛日誌によって状況と頭痛の強さの関連を理解する。
5 不満を言わないで済むように部下の女性の気持ちを理解する。
― 45 ―
DKJM-午前-49

1t76 72 歳の男性 A。76 歳の妻 B と二人暮らしである。B は&年前に Alzheimer 型認知症の診断を受け、現在は要介護&の状態である。A はもともと家事が得意であり、介護保険サービスを利用することなく在 宅で介護していた。A には、B に苦労をかけたことが認知症の原因だと いう思いがあり、限界が来るまで自分で介護したいと強く望んでいる。 最近 B が汚れた下着を隠すようになり、それを指摘しても B は認めよ うとしない。A は時々かっとなって手が出てしまいそうになるが、何 とか自分を抑えてきた。
B の主治医から依頼を受けた公認心理師の行うべき支援として、適切 なものを&つ選べ。
1 介護負担軽減のために B の施設入所を勧める。
2 A と定期的に面接を行い、心理的負担を軽減する。
3 虐待の可能性があるため、B と分離する手続を進める。
4 B の主治医と相談し、A の精神的安定のため投薬を依頼する。
5 A の許可を得て、地域包括の介護支援専門員とともに負担軽減のた
めのケアプランを検討する。
― 46 ―
DKJM-午前-50

1t77 36 歳の男性 A、会社員。&年ほど前から、外出する際に戸締りや ガスの元栓を閉めたかが気になって何回も確認するようになった。その ため、最近は外出するのに非常に時間がかかる。また、車を運転してい るときに人をひいたのではないかと気になって、頻繁に道路を確かめる。 A は、これらの行為が不合理なものと認識しており、行為をやめたい と思っているが、やめられない。そのほかには思考や行動に明らかな異 常はなく、就労を継続している。
A に対する治療法として、適切なものを&つ選べ。 1 行動療法
2 自律訓練法
3 非定型抗精神病薬
4 ベンゾジアゼピン系抗不安薬
5 選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI
― 47 ―
DKJM-午前-51

第1回追加午後2018年12月16日13時30分〜15時30分

1t78 公認心理師の秘密保持義務違反になる行為として、正しいものを& つ選べ。
1 クライエントの同意を得て裁判所で証言する場合
2 養育者による虐待が疑われ児童相談所に通告する場合
3 意識不明のクライエントの状況について配偶者に説明する場合
4 クライエントのケアに直接関わっている専門家同士で話し合う場合
5 通院中のクライエントのきょうだいから求められ病状を説明する場合

1t79 児童虐待が疑われる事例の支援にあたって、公認心理師が関わる機 関と介入の内容との組合せについて、正しいものを&つ選べ。
1 裁判所 ― 一時保護
2 医療機関 ― 医療費の助成
3 市町村役場 ― 里親への措置 4 児童相談所 ― 心理的支援
5 女性相談センター ― 生活保護
― 1 ―
DKJM-午後-5

1t80 人間性心理学の特徴として、最も適切なものを&つ選べ。 1 科学的であることを強く主張する。
2 人間の健康的で積極的な側面を強調する。
3 価値や未来よりも過去や環境を重視する。
4 代表的なものとしてアフォーダンス理論がある。
5 動物と比較して人間らしい性質を系統発生的に明らかにする。

1t81 心理学研究における観察法について、最も適切なものを&つ選べ。 1 生態学的妥当性が低い。
2 因果関係を見い出すのに適している。
3 観察者のバイアスが入り込みやすい。
4 目的に関連する言動だけを効率的に取り出し定量化できる。
5 現象をあるがまま見ることを基本とし、状況に手を加えない。
― 2 ―
DKJM-午後-6

1t82 クロス集計表の連関の検定で利用される確率分布として、正しいも のを&つ選べ。
1 F分布
2 t 分布
3 &項分布
4 正規分布
5 カイ&乗分布

1t83 自己効力感self-efficacyについて、最も適切なものを&つ選べ。 1 効力感は能力の評価や目標の内容に影響しない。
2 高い効力感をもたらす効果的な方法は制御体験である。
3 結果期待と効力期待はそれぞれ独立に行動に影響を及ぼす。
4 モデリングによる代理体験で効力感をもたらすことは困難である。
5 効力感が低い人ほど失敗したときに努力の不十分さに帰属することが
多い。
― 3 ―
DKJM-午後-7

1t84 感情と認知の関係について、最も適切なものを&つ選べ。
1 現在の気分は将来の出来事の予測には影響を与えない。
2 感情が喚起されるとそれに結びついた知識の活性化が抑制される。
3 自分の気分を能動的に制御する場合は、気分一致効果は生じない。
4 記銘時と想起時の気分が一致していると、記憶が再生されにくくなる。 5 認知心理学の実験における気分誘導法の&つとして、音楽が用いられ
る。

1t85 B. Latané と J. M. Darley の理論による緊急時の援助行動までの以 下の&から&の意思決定過程の順序について、正しいものを&つ選べ。
& 何か深刻な事態が生じているという認識
& 自分に助ける責任があるという認識
& 事態が危機的状況であるという認識
& どうやって助ければよいかを自分は知っているという認識 & 援助しようという決断
1 &→&→&→&→& 2 &→&→&→&→& 3 &→&→&→&→& 4 &→&→&→&→& 5 &→&→&→&→&
― 4 ―
DKJM-午後-8

1t86 家族システム論について、最も適切なものを&つ選べ。
1 家族システムには上位システムと下位システムがある。
2 家族成員間の境界があいまいな家族を遊離家族という。
3 G. Bateson の一般システム理論の影響を受けて発展してきている。 4 家族の中で問題行動や症状を抱える人を FPFamily Patientという。 5 家族内で、&つの原因から&つの結果が導かれることを円環的因果律
という。

1t87 聴覚障害について、正しいものを&つ選べ。
1 伝音難聴は内耳の疾患によって生じる。
2 日本手話には日本語に対応した文法と単語がある。
3 人工内耳植込術後、速やかに聴力の改善がみられる。
4 発音指導は教育課程において自立活動の領域で行われる。 5 補聴器で音の聞き分けが改善しやすいのは感音難聴である。
― 5 ―
DKJM-午後-9

1t88 DSM-&に記載されている知的能力障害について、正しいものを& つ選べ。
1 幼少期までの間に発症する。
2 有病率は年齢によって変動しない。
3 IQ が平均値より&標準偏差以上低い。
4 知的機能と適応機能に問題がみられる。
5 重症度は主に IQ の値によって決められる。

1t89 トークンエコノミー法について、正しいものを&つ選べ。 1 タイムアウトを活用する。
2 レスポンスコストに基づく。
3 賞賛によって行動を強化する。
4 バックアップ強化子好子を用いる。 5 問題行動の減少を主要な目標とする。
― 6 ―
DKJM-午後-10

1t90 次の各種心理検査について、最も適切なものを1つ選べ。
1 バウムテストは発達レベルの評価を目的として用いられる。
2 WAIS は5歳から 15 歳を対象とする個別式知能検査である。
3 新版 K 式発達検査は養育者への問診により簡便に実施できる。
4 ベンダー・ゲシュタルト検査では器質的な脳障害を把握できる。
5 MMPI はパーソナリティの全体像を把握するために有効である。

4

1t91 内田クレペリン精神作業検査の実施と解釈について、正しいものを &つ選べ。
1 練習効果は反映されない。
2 作業量の水準ではなく、偏りの有無に注目する。
3 結果は、定型、A 型、B 型、C 型、D 型及び E 型に分類される。
4 作業速度の変化を示す作業曲線などから、被検者のパーソナリティを
判定する。
5 被検者は、ランダムに並んだ数字を、&分ごとに行を変え、30 分間
連続して加算する。

4

1t92 認知行動療法に影響を与えた人物と理論又は技法との組合せとして、 正しいものを&つ選べ。
1 A. T. Beck ―
2 D. Meichenbaum ― 学習性無力感理論
3 G. A. Kelly ―
4 G. H. Bower ―
5 H. J. Eysenck ― 自己教示訓練法
条件づけ理論
論理情動行動療法 感情ネットワークモデル

1t93 ひきこもり当事者への訪問支援アウトリーチ型支援について、最 も適切なものを&つ選べ。
1 当事者に会えない場合は、長時間の家族との面談は避ける。
2 近隣への配慮のため、原則として訪問スタッフは&人とする。
3 相談意欲が極めて低い当事者には、対等な関係づくりから始める。 4 訪問に際しては、家族の了解があれば当事者の了解は不要である。 5 家族に重大な健康問題や家族機能不全のある場合は、当事者への訪問
は避ける。
― 8 ―
DKJM-午後-12

1t94 認知症の症状を呈する病態で、治療が可能で病前の正常な状態に回 復する可能性があるものとして、適切なものを&つ選べ。
1 Pick病
2 進行麻痺
3 低酸素脳症
4 正常圧水頭症
5 Creutzfeldt-Jakob 病

1t95 災害発生後早期の支援について、最も適切なものを&つ選べ。
1 身体に触れて安心感を与える。
2 GHQ-28 を用いて被災者の健康状態を調査する。
3 災害以前から治療を受けている疾患がないかを被災者に確認する。 4 被災者のグループ面接で避難生活の不満を互いに話し、カタルシスが
得られるようにする。
5 強い精神的ショックを受けた被災者が混乱して興奮している状態を、
正常な反応として静かに見守る。
― 9 ―
DKJM-午後-13

1t96 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律DV 防 止法について、正しいものを&つ選べ。
1 女性から男性への暴力は対象外である。
2 被害者の保護命令申立ては警察に対して行う。
3 保護命令のうち被害者への接近禁止命令の期間は&年間である。
4 婚姻関係以外の単なる同居中の交際相手からの暴力は対象外である。 5 緊急時の安全確保のための施設には、厚生労働大臣が定めた基準を満
たした母子生活支援施設が含まれる。

1t97 生徒指導提要文部科学省に示されている生徒指導として、正しい ものを&つ選べ。
1 教育課程における特定の教科等で行われるもの
2 学校全体として計画的に取り組む進路指導ガイダンス
3 非行や暴力行為など問題行動を叱責・罰則によって抑制する教育活動
全般
4 校則に基づいて児童生徒に対して行われる個別指導を中心とした教育
活動全般
5 児童生徒の社会的な資質や行動力を高めることを目指して行われる教
育活動全般
― 10 ―
DKJM-午後-14

1t98 幼児又は児童への司法面接について、最も適切なものを&つ選べ。 1 児童が発言した言葉を面接者が分かりやすい表現でかみ砕いてフィー
ドバックする。
2 児童が答えやすいように、基本的に問いかけは閉じられたクローズ
ド質問とする。
3 本題に入る前に、練習として本題と関係のない話題についてのエピ
ソードを話させる。
4 事実をしっかり引き出すために同じ面接者が繰り返し面接を重ね十分
な時間をかけて行う。
5 様々な立場の専門職が面接の手法を変えて別々に事情を聴取し、それ
を持ち合った後で協議検討する。

1t99 睡眠について、正しいものを&つ選べ。
1 夢を見るのはノンレム睡眠である。
2 ノンレム睡眠は逆説睡眠とも呼ばれる。
3 陰茎の勃起が起こるのはレム睡眠である。
4 全身の骨格筋が緊張するのはレム睡眠である。
5 ノンレム睡眠は脳波によって第&期から第&期に分けられる。
― 11 ―
DKJM-午後-15

1t100 ストレス反応について、正しいものを&つ選べ。
1 甲状腺ホルモンは代謝を促進する。
2 コルチゾールは肝臓における糖分解を促進する。
3 コルチコトロピン放出ホルモンCRHは下垂体後葉を刺激する。
4 ストレスに長期間暴露され、疲弊状態になると免疫系が活性化される。 5 ストレス反応の第&段階は短時間で終わる視床下部からのホルモン分
泌である。

1t101 突然の動作停止後にぼんやりとなり、口をもごもご動かしながら 舌なめずりをして、自分の服をまさぐる動作が数分間みられる状態が月 に数回あり、この状態があったことを覚えていない。この状態について、 最も適切なものを&つ選べ。
1 せん妄
2 解離症状
3 欠神発作
4 単純部分発作
5 複雑部分発作
― 12 ―
DKJM-午後-16

1t102 境界性パーソナリティ障害情緒不安定性パーソナリティ障害の 特徴について、最も適切なものを&つ選べ。
1 他人の権利を無視し、侵害する。
2 他人の動機を悪意あるものとして解釈する。
3 過度な情動性を示し、人の注意を引こうとする。
4 社会的関係からの離脱と感情表出の範囲の限定が見られる。
5 対人関係、自己像及び感情の不安定と著しい衝動性を示す。

1t103 抗精神病薬の錐体外路系副作用として、正しいものを&つ選べ。 1 眠気
2 不整脈
3 認知機能障害
4 高プロラクチン血症
5 遅発性ジスキネジア
― 13 ―
DKJM-午後-17

1t104 医療法に定めるものについて、正しいものを&つ選べ。
1 保健医療計画は市町村ごとに作成される。
2 三次医療圏は都道府県の区域を単位として設定される。
3 医療事故調査制度は医療事故の責任の明確化を目的とする。
4 医療施設は病床を有する病院と病床を有さない診療所とに区分される。 5 医療事故調査制度は医療に起因すると疑われるすべての死亡事故を対
象とする。

1t105 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律精神保健福祉法の入 院に関する規定について、正しいものを&つ選べ。
1 応急入院の入院期間は 24 時間以内に制限される。
2 任意入院者から退院の申出があったときは退院の制限はできない。 3 措置入院は自傷他害の恐れのある精神障害者を市町村長が入院させる
ものである。
4 医療保護入院者の退院請求は本人又は入院に同意した家族&名が行う
ことができる。
5 精神科病院の管理者は医療保護入院者の退院促進に向けて退院後生活
環境相談員を選任しなければならない。
― 14 ―
DKJM-午後-18

1t106 非行少年の処遇について、正しいものを&つ選べ。
1 少年院を仮退院した少年は保護観察に付されない。
2 家庭裁判所の処分として児童自立支援施設に入所することはない。 3 保護観察では心理学の専門的知識を有する保護司が担当しなければな
らない。
4 児童相談所は親権者又は未成年後見人の意に反して児童自立支援施設
への入所措置はできない。
5 矯正教育のために、少年鑑別所に収容されている時から各種心理的な
治療プログラムを導入している。

1t107 産業・労働分野の法令について、正しいものを&つ選べ。
1 労働基準法は、労働条件の平均的な基準を定めた法律である。
2 職業安定法は、労働者の地位を向上させることを目的としている。 3 労働組合法は、労働争議の予防又は解決を目的とする法律である。 4 労働安全衛生法は、労働委員会による争議の調整方法を定めている。 5 労働契約法は、使用者が果たすべき安全配慮義務について規定してい
る。
― 15 ―
DKJM-午後-19

1t108 心理的支援活動を概念化、理論化し、体系立てていくために必要 となる公認心理師の姿勢として、最も適切なものを&つ選べ。
1 実際のデータよりも、予想と仮説を重視する。
2 想定される結論に合致するようなデータを収集する。
3 自らが立脚する支援理論と整合するデータを基に理論化する。
4 クライエントの支援に有用でなければ、理論を修正することを検討す
る。
5 支援の事実を記述する場合は、クライエントの発話に限定して詳細に
記載する。

1t109 子ども虐待対応の手引き平成 25 年&月改正版、厚生労働省で示 す児童虐待のリスク要因に該当しないものを&つ選べ。
1 子どもが障害児である。
2 子どもが幼児期である。
3 養育環境が単身家庭である。
4 保護者に被虐待経験の既往がある。
5 養育環境が子ども連れの再婚家庭である。
― 16 ―
DKJM-午後-20

1t110 公認心理師の責務と職業倫理とに基づく相談業務の対応として、 不適切なものを&つ選べ。
1 国内外の様々な指針や研究結果を実践的に取り入れる。
2 自分が兼務している別の機関にクライエントを紹介する。
3 友人から心理的支援の依頼を受けた場合は、多重関係となるため断る。
4 クライエントに自分自身でどの機関で援助を受けるか決めるよう助言
する。
5 初回の面接で自らが不在の際の対応について、クライエントに希望を
聞く。

1t111 青年期の特徴として、不適切なものを&つ選べ。 1 心理的離乳
2 直観的思考
3 モラトリアム
4 &次性徴の発現 5 発育のスパート
― 17 ―
DKJM-午後-21

1t112 コーピングについて、誤っているものを&つ選べ。
1 ストレスフルな事態に対して行う認知的行動的努力である。
2 ストレスフルな事態そのものに焦点を当てたコーピングを問題焦点型
コーピングという。
3 ストレスフルな事態を過度に脅威的だと評価すると、選択できるコー
ピングの幅が狭くなる。
4 事態に応じて柔軟に適切なコーピングを選択できることはストレスマ
ネジメントの重要な側面である。
5 解決が困難な事態では、問題焦点型コーピングが情動焦点型コーピン
グよりもストレス反応の低減効果が大きい。

1t113 地域包括支援センターの業務について、誤っているものを&つ選 べ。
1 権利擁護
2 総合相談支援
3 短期入所生活介護
4 介護予防ケアマネジメント
5 包括的・継続的ケアマネジメント支援
― 18 ―
DKJM-午後-22

1t114 少年鑑別所で用いる、少年の再非行の可能性と教育上の必要性を 把握する法務省式ケースアセスメントツールにおいて、意欲、態度、今 後の教育等によって改善し得る要素として、誤っているものを&つ選べ。
1 本件態様
2 逸脱親和性
3 自己統制力
4 社会適応力
5 保護者との関係性

1t115 保護観察において受講が義務付けられた、医学、心理学、教育学、 社会学その他の専門的知識に基づく、特定の犯罪傾向を改善するための 体系化された手順による専門的処遇プログラムに該当しないものを&つ 選べ。
1 暴力防止プログラム
2 飲酒運転防止プログラム
3 性犯罪者処遇プログラム
4 暴力団離脱指導プログラム
5 薬物再乱用防止プログラム
― 19 ―
DKJM-午後-23

1t116 ワーク・ファミリー・コンフリクトとして、不適切なものを&つ 選べ。
1 仕事が忙しすぎたり、家事・育児の負担が大きい。
2 徹夜で家族の看病をして、職場で居眠りをしてしまう。
3 仕事で疲れ切ってしまい、家族に食事を作る気力が出ない。
4 仕事で大事な会議がある日に、子どもが熱を出したため会議に出席で
きない。
5 教師が、教師として自分の子どもにも接してしまい、親として接する
ことが難しい。

1t117 心的外傷後ストレス障害PTSDについて、誤っているものを& つ選べ。
1 うつ病やアルコールの問題を合併することがある。
2 自分自身や他者への非難につながる、出来事の原因や結果についての
持続的で歪んだ認識を持つことがある。
3 私が悪い、誰も信用できない、いつまた被害に遭うか分からないと
いった、否定的な信念や予想が含まれる。
4 一定期間が経過しても自然軽快しない場合には、トラウマに焦点を当
てた認知行動療法や EMDR などの実施を検討する。
5 日常的に行われる家庭内暴力DVや虐待などによって生じるものは
含めず、災害、犯罪、交通事故などの単回の出来事によって生じるもの
をいう。
― 20 ―
DKJM-午後-24

1t118 記憶について、正しいものを&つ選べ。
1 H. Ebbinghaus の忘却曲線では学習後&日目で最も急激に忘却が進む。 2 Tip-of-the-TongueTOTはメタ記憶のモニタリング機能を示す現
象である。
3 自転車の乗り方や泳ぎ方など自動的な行動を可能にする記憶を感覚記
憶という。
4 A. D. Baddeley によるワーキングメモリのモデルで、視空間的な情報
の記憶に関係するのは音韻ループである。

1t119 心理学実験について、正しいものを&つ選べ。
1 行動に及ぼす要因を明らかにするために実験者が操作する変数を独立
変数という。
2 剰余変数を統制するために、複数の実験者が入れ替わり実験を実施す
ることが望ましい。
3 実験者の期待や願望が意図せずして振る舞いに表れ、参加者に対して
影響を及ぼすことをホーソン効果という。
4 測定値が最大値に達することにより、説明変数の効果を検出する上で
問題が生じることをキャリーオーバー効果という。
― 21 ―
DKJM-午後-25

1t120 プロスペクト理論について、正しいものを&つ選べ。 1 損失回避の傾向を説明することができる。
2 主観的な満足の度合いは利得の絶対量に比例する。
3 低い客観的確率は主観的には過小評価されるとする。
4 ある事象の起こりやすさを典型例と類似している程度によって判定す
るものである。

1t121 クライエントとカウンセラーの作業同盟に問題があると疑われた ときのカウンセラーの対処として、最も適切なものを&つ選べ。
1 クライエントが表現しにくい不満を言葉にすることを手伝う。
2 できるだけ早く抵抗の解釈を行い、問題が恒久化しないようにする。 3 カウンセラーが対人的なスタンスを変えて、クライエントに合わせる。 4 問題がクライエントの対人関係のパターンにあることをまず指摘する。
― 22 ―
DKJM-午後-26

1t122 KABC-IIについて、正しいものを&つ選べ。
1 米国版 KABC-IIは習得度を測る尺度を設けている。
2 適用年齢は&歳&か月から 18 歳 11 か月までである。
3 日本版 KABC-IIは米国版の正確な翻訳版になっている。
4 流動性推理と結晶性能力からなる認知尺度と、習得尺度との&尺度か
ら構成される。

1t123 J. T. Reason が提唱している安全文化の構成要素として、正しい ものを&つ選べ。
1 組織の命令形態を堅持する。
2 エラーやミスは影響度の高いものを報告する。
3 過去に起こったエラーやミスから学ぶことを重視する。
4 安全に関する規則違反や不安全行動については処罰しない。
― 23 ―
DKJM-午後-27

1t124 感情の発達について、不適切なものを&つ選べ。
1 &歳半頃から誇りの感情が現れる。
2 &歳後半になると罪悪感が現れる。
3 出生時に、快充足、不快苦痛及び興味という感情を備えている。 4 生後半年頃までに、喜び、悲しみ、怒り、恐れ、嫌悪及び驚きという
感情が現れる。

1t125 内発的動機づけと外発的動機づけの分類として、誤っているもの を&つ選べ。
1 興味に基づいて行動が生起する場合は内発的動機づけに分類できる。
2 好成績をとる目的で行動が生起する場合は内発的動機づけに分類でき
る。
3 罰を回避する目的で行動が生起する場合は外発的動機づけに分類でき
る。
4 他者からの賞賛を得る目的で行動が生起する場合は外発的動機づけに
分類できる。
― 24 ―
DKJM-午後-28

1t126 クライエントに関する個人情報の扱い方について、適切なものを &つ選べ。
1 情報を共有してよい者の範囲をクライエントに確認する。
2 親族と名乗る人から電話で問合せを受け、クライエントの悩みを伝え
る。
3 別の機関に勤める公認心理師にクライエントへの対応について相談す
る。
4 クライエントの情報が入ったファイルを誰でもアクセス可能な場所に
保管する。
5 クライエントの情報を大学院の講義資料として配布するために個人が
特定されないように加工する。

1t127 間脳の解剖と機能について、正しいものを&つ選べ。 1 間脳は中脳と小脳の間にある。
2 視床は卵型の白質の塊である。
3 外側膝状体は聴覚の中継に関わる。
4 下垂体は視床下部の支配を受ける。
5 視床は温痛覚や深部感覚の中継に関わる。
― 25 ―
DKJM-午後-29

1t128 大脳の生理学的機能について、正しいものを&つ選べ。 1 Broca 野は発語に関わる。
2 側頭葉は温痛覚と触覚に関わる。
3 頭頂連合野は主に物の判別と記憶に関わる。
4 劣位半球の障害によって失読と失書が起こる。
5 前頭連合野は主に思考、意欲及び情動に関わる。

1t129 新版 K 式発達検査について、正しいものを&つ選べ。 1 発達年齢と発達指数を算出する。
2 継次処理尺度と同時処理尺度から成る。
3 運動、社会性及び言語の&領域で測定する。
4 生後 100 日頃から成人まで適用可能である。
5 成人用検査として開発され、徐々に適用範囲を拡大した。
― 26 ―
DKJM-午後-30

1t130 タイプ A 型行動パターンについて、正しいものを&つ選べ。
1 M. Friedman が提唱した性格傾向である。
2 時間的切迫感、感情抑制、他者評価懸念及び社会的同調性の特徴を持
つ。
3 1950 年代の最初の報告以来、心筋梗塞の発症に関わることが一貫し
て示されてきた。
4 行動パターンを変容させる介入研究により、心筋梗塞の再発を抑える
効果が示されている。
5 複数の特徴のうち、時間的切迫感が心筋梗塞発症の最も強いリスク要
因であることが示されている。

1t131 少子高齢化が進むわが国の現状について、正しいものを&つ選べ。 1 高齢化率は約 15 % である。
2 全世帯のうち児童のいる世帯は約&分の&である。
3 高齢者のいる世帯のうち半数以上が夫婦のみ又は単独世帯である。
4 要介護者の中で、介護が必要になった原因では、脳血管疾患が最も多
い。
5 要介護者と同居している主な介護者の約&分の&が悩みやストレスを 感じている。
― 27 ―
DKJM-午後-31

1t132 児童虐待への対応で法律に定められているものとして、正しいも のを&つ選べ。
1 児童虐待を受けていると思われる児童を発見した者は通告する義務が
ある。
2 通告を受けた児童相談所はすべての事例について家庭内に立入調査を
行う。
3 虐待を受けている児童を児童相談所が一時保護する場合、保護者の同 意を得なければ保護してはならない。
4 児童養護施設に入所したケースについて、児童と保護者が家庭復帰を 希望すれば家庭に戻さなければならない。
5 要保護児童の在宅支援においては、要保護児童対策地域協議会で関係
機関が情報を共有し、協働して支援を行うことができる。

1t133 統合失調症の特徴的な症状として、適切なものを&つ選べ。
1 複数の人物が自分の悪口を言っている声が聴こえる。
2 過剰に悲観的で、自分は貧しく、破産すると信じている。
3 自分の考えが他人に伝わり、周囲に筒抜けになっていると思う。
4 気分が高揚し、自信に満ちて、自分が世界の中心であると確信する。 5 思考の流れが速くなり、考えが次から次に浮かんできて、話題が一定
せず、会話がまとまらない。
― 28 ―
DKJM-午後-32

1t134 介護保険法について、正しいものを&つ選べ。
1 保険者は市町村及び特別区である。
2 要介護者とは要支援状態にある 65 歳以上の者をいう。
3 国民は 65 歳に達すると保険料を納付する義務が生じる。
4 65 歳以上の被保険者には受給のための特定疾病が政令で定められて
いる。
5 医療保険者は介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなけ
ればならない。

1t135 健康日本 21第二次について、正しいものを&つ選べ。 1 地域保健法の規定に基づく。
2 平均寿命の延伸が基本目標である。
3 生活習慣病の一次予防に重点を置いた対策を推進する。
4 高齢者の認知症の治療や介護の推進が目標の&つである。
5 小児科医と児童精神科医の増加が心の健康の目標の&つである。
― 29 ―
DKJM-午後-33

1t136 プライム刺激とターゲット刺激の意味的関連性によるプライミン グ効果について検討する目的で、語彙判断課題を用いた実験を行った。 意味的関連があるSR条件の方が意味的関連がないUR条件よりも語 彙判断の反応時間が短くなることを仮説とした。以下は論文における 「結果」についての記述の一部である。
「プライム刺激とターゲット刺激の意味的関連があるSR条件と意味 的関連がないUR条件別に、語彙判断の反応時間の平均と標準偏差を 算出した。SR 条件では M = 620、SD = 100、UR 条件では M = 640、 SD = 100 で統計的に有意であった。このことからプライミング効果が 認められたといえる。」
この論文における「結果」の記述の問題点として、最も適切なものを& つ選べ。
1 刺激材料についての記述がない。
2 実験手続についての記述がない。
3 文章が過去形で記述されている。
4 適切な統計記号が使われていない。
5 有意差を示す統計量の記述がない。
― 30 ―
DKJM-午後-34

1t137 40 歳の男性 A、会社員。仕事でいくつも成果を上げ、大きなやり がいを感じている。部下へのアドバイスやサポートも惜しまず、人望が ある。一方、家庭では息子の学業成績の不振や生活態度の乱れに不満を 持ち、厳しく注意したり威圧的にふるまったりすることから、それに反 発した息子と言い争いになることが多い。最近、息子は A と顔を合わ せることを避け、自室に引きこもるようになった。
E. H. Erikson のライフサイクル論における A の発達課題危機とし て、最も適切なものを&つ選べ。
1 自律性 対 疑惑
2 親密性 対 孤立
3 信頼性 対 嫌悪
4 勤勉性 対 劣等感
5 生成継承性世代性 対 停滞
― 31 ―
DKJM-午後-35

1t138 4歳の男児 A、幼稚園児。2歳頃、単語が話せない、他児への興 味を示さない及び視線が合いにくいという症状のため受診したがその後 通院はしていない。数字が大好きで数字用のノートを持ち歩くなど、自分なりのこだわりがある。状況の変化には混乱して泣いたりすることが 多いが、親が事前に丁寧に説明するなどの対応をとることで、A も泣 かずに我慢できる場面が増えてきた。
公認心理師が A の支援をするにあたって、担当の幼稚園教諭からの A の適応状況に関する情報収集と A の行動観察に加え、A に実施する 心理検査として、最も適切なものを&つ選べ。
1 HDS-R
2 WISC-IV
3 田中ビネー知能検査
4 DN-CAS 認知評価システム
5 ベンダー・ゲシュタルト検査

1t139 17 歳の男子 A、高校&年生。スポーツ推薦で入学したが、怪我の ため退部した。もともと友人は少なく、退部以降はクラスで孤立し、最 近欠席も目立つようになっていた。「死にたい」と書かれたメモを A の 保護者が自宅で発見し、スクールカウンセラーに面接依頼があった。保 護者との面接では家庭環境に問題は特に認められず、A は「死ぬつもり はない」と話したという。A との面接では、落ち着かずいらいらした態 度で、「死ぬ方法をネットで検索している。高校にいる意味が無い」、 「今日話したことは誰にも言わないでください」と語った。
スクールカウンセラーの判断と対応として、最も適切なものを&つ選 べ。
1 自殺の危険は非常に低いが、A を刺激しないよう自殺を話題にする ことを避ける。
2 自殺の危険が比較的低いため、ストレスマネジメントなどの予防的対
応を行う。
3 自殺の危険が比較的低いため、得られた情報は秘密にし、A との関 係形成を図る。
4 自殺の危険が非常に高いため、A の安全を確保して、医療機関の受 診に結び付ける。
5 自殺の危険が非常に高いため、自殺企図を引き起こしたきっかけを尋
ね問題の解決を図る。
― 33 ―
DKJM-午後-37

1t140 20 歳の男性 A、大学生。最近、気分が落ち込むことがあり、学生 相談室を訪れた。以下に A と公認心理師 B との対話の一部を示す。 B:一番気持ちが動揺するのは、どんなときですか。 A:成績が悪かったときや女の子にふられたときですね。 B:例えば、成績が悪かったとき、頭に浮かぶのはどんな考えですか。 A:みんなが僕を軽蔑していると考えます。僕は負け組だって。 B:女の子にふられたとき、頭に浮かぶのはどんな考えですか。 A:大した奴じゃないということ。男としての価値がないんですよ。 B:今のいくつかの考えに、何か繋がりが見えますか。 A:僕の気分は他の人が僕をどう見ているかに左右されてるんじゃない
でしょうか。
この対話で B が用いている技法として、正しいものを&つ選べ。
1 構造化面接
2 問題解決技法
3 誘導による発見
4 モデリングの実践
5 マインドフルネスの導入
― 34 ―
DKJM-午後-38

1t141 84 歳の女性 A、夫と二人暮らしである。A は&年前に大腿骨を骨 折し手術を受けたが、リハビリを拒否したまま退院した。現在は歩行が 困難で、食事は不規則であり、入浴もあまりしていない。A は易怒的 であり夫に暴言を浴びせる。遠方に住む長女から地域包括支援センター に相談があったため、センター職員が数回訪問し、認知症を疑った。
このときの認知症初期集中支援チームによる支援として、最も適切な ものを&つ選べ。
1 整形外科の医師がチームに加わる。
2 初回訪問はチーム員の介護福祉士&名で行う。
3 出来るだけ早く A を精神科病院に入院させる。
4 初回訪問から介護保険サービスの利用を開始する。
5 初回訪問で、専門の医療機関への受診に向けた動機づけを A と夫に
行う。

1t142 68 歳の女性 A、夫と二人暮らしである。A は&年前に Lewy 小体 型認知症と診断され、月&回専門医療機関に通院している。特に介護保 険サービスは受けておらず、日常生活にも大きな問題はない。物忘れは 目立たないが、男の人が台所に立っているという幻視がある。夫に対し て「あなたは夫と似ているけどにせ者だ」と言うことがある。
A に認められている症状として、最も適切なものを&つ選べ。 1 記銘障害
2 常同行動
3 転導性の亢進
4 カプグラ症候群
5 被影響性の亢進
― 35 ―
DKJM-午後-39

1t143 &歳の男児 A、小学&年生。A は、入学時から学校で落ち着きが ない様子が見られた。担任教師がサポートしながら学校生活を送ってい たが、学年が進むとささいなことで感情が高ぶったり教室の中で暴れた りするようになった。A の学業成績はクラスの中で平均的であった。 スクールカウンセラーと A の母親が継続面談を行い、A には個別の指 導が必要であると判断した。
A が利用する機関として、最も適切なものを&つ選べ。 1 児童相談所
2 教育支援センター
3 児童自立支援施設
4 児童家庭支援センター
5 通級指導教室通級による指導
― 36 ―
DKJM-午後-40

1t144 大学の学生相談室のカウンセラーが、教員 A から以下のような相 談を電話で受けた。
「先月、ゼミを&か月欠席している学生 B を指導するため面談しまし た。B は意欲が減退し、自宅に引きこもり状態で、大学生にはよくある 悩みだと励まし、カウンセリングを勧めましたがそちらには行っていな いようですね。B は私とは話せるようで、何回か面談しています。今日 の面談では思い詰めた表情だったので、自殺の可能性を考え不安になり ました。後日また面談することについて B は了承していますが、教員 としてどうしたら良いでしょうか。」
このときのカウンセラーの A への対応として、最も適切なものを& つ選べ。
1 B の自殺の危険性は低いと伝え、対応は A に任せる。
2 カウンセラーが B と直接会ってから A と対応を検討する。
3 B にカウンセリングを受けることを強く勧めるよう助言する。
4 B の問題を解決するために継続的に A に面談することを提案する。
5 危機対応として家族に連絡し医療機関への受診を勧めるよう助言する。
― 37 ―
DKJM-午後-41

1t145 &歳の男児 A、小学&年生。A は、担任教師 B に注意されるにも かかわらず、他の児童の持ち物をとることを繰り返している。すでに自 分が持っている物でも繰り返しとる。とった物を別の児童にあげること もある。B は A がクラスに適応するように対応をしているが、繰り返 し他の児童のものをとることを放置しておけず、A を呼び出して注意 する。注意すると A はニコニコしながら、理解した様子で、あれこれ 的を射た応答をしてくる。A が理解した様子のため、もう繰り返さな いだろうと B は期待するが、すぐに同じことが繰り返される。
A の行動の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 収集癖を有している。
2 注目欲求を満たそうとしている。
3 自分のものをとられたという妄想による行動である。 4 知的に低く、教師の言うことが十分に理解できない。 5 問題児扱いされて転校させられることをねらっている。
― 38 ―
DKJM-午後-42

1t146 &歳の男児 A。A の父母は性格の不一致から協議離婚をした。協 議の結果、親権者となる母親が A を養育することと、月&回の A と父 親との面会交流とが取り決められた。ところが、&回目の面会交流以降、 A は父親との面会交流に消極的になってきた。困った母親は市の相談 室に来室し、公認心理師である相談員と面談した。
この場合の助言として、不適切なものを&つ選べ。
1 父親との面会交流の前に具体的に行き先を A に話しておく。
2 母親との分離不安の可能性も考え、当分は母親も面会交流に立ち会う。 3 A が面会交流に消極的になる理由を父母で話し合い、A の真意を探
る。
4 父親がプレゼントを用意することによって A の面会交流への意欲を
高める。
5 父親からの A に対する虐待がなければ面会交流を継続する方向で検
討する。
― 39 ―
DKJM-午後-43

1t147 55 歳の男性 A。従業員 20 名の企業の社長事業者である。職場 で精神疾患による休職者が多発し、対応に苦慮している。ストレス チェック制度を活用することで、これ以上の休職者が出ないようにした いと、相談室の公認心理師 B に相談に来た。B は必要な研修を修了し、 産業医とともに、ストレスチェックの共同実施者となっている。
A の相談に対する B の対応について、不適切なものを&つ選べ。
1 A に職場の集団分析結果を提供し、必要な対応を協議する。
2 A に未受検者のリストを提供し、未受検者に受検の勧奨を行うよう
助言する。
3 面接指導の実施日時について、A と従業員とが情報を共有できるよ
う助言する。
4 A に面接指導を受けていない者のリストを提供し、面接指導を受け
るように勧奨するよう勧める。
5 面接指導を実施した医師から、A が就業上の措置の必要性及び措置
の内容について意見聴取するよう助言する。
― 40 ―
DKJM-午後-44

1t148 幼児を対象とした怒りのコントロール法として、新しい方法 X と 従来の方法 Y の効果を、置換ブロック法による無作為化比較試験に よって検証することとなった。(1)ブロックサイズを&とし、84 名の実 験参加者を乱数によって A 群:新しい方法 X、B 群:従来の方法 Y の &群に割り付ける。(2)各群にそれぞれ X と Y を実施する。(3)遊び場面 で怒りについての観察によるアセスメントを行う。
この計画において注意すべきことについて、正しいものを&つ選べ。 1 (2)と(3)は同一人物が行う。
2 (1)の結果を(3)の実施者に伝えない。
3 ブロックサイズを&とし、実験参加者を 90 名にする。
4 割り付けで A 群が&回続いた場合、乱数による割り付け結果にかか
わらず B 群にする。
― 41 ―
DKJM-午後-45

1t149 15 歳の女子 A、中学&年生。最近、成績が下がっているため中学 校の相談室の公認心理師に初めて相談に来た。A は成績低下の理由と して、「集中力が落ちて勉強が手につかず、塾に行ってもほとんど頭に 入ってこない」と話した。次第に口数が少なくなり、「両親が離婚を話し 合っているため、自分の将来が不安で仕方ない」と絞り出すように言っ て涙をこぼした。
公認心理師の A への言葉として、最も適切なものを&つ選べ。
1 勉強が手につかないことは、辛く苦しいですね。
2 両親のことをここで話すことは勇気がいることでしたね。
3 成績は落ちても努力すれば、またすぐに上がってきますよ。
4 自分もまったく同じことを経験して苦しみましたが克服できました。
― 42 ―
DKJM-午後-46

1t150 14 歳の男子 A、中学&年生。A は日頃学業への取組が不十分であ り、定期試験の答案が返却される度に、点数が低いのは自分に能力がな いからだと考えていた。しかし、今回の定期試験では努力した結果、A は高得点をとることができた。A はたまたま問題が簡単だったからだ と考えている。
原因帰属理論に基づいて、A の担任教師が A の学業への取組を促す ための対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 次回のテストも簡単かもしれないから大丈夫だと伝える。
2 今回は運が良かっただけなので慢心しないように注意をする。
3 A には高得点をとる能力があるのだということを繰り返し強調する。 4 問題が簡単だったからではなく努力したから高得点だったと強調する。
― 43 ―
DKJM-午後-47

1t151 30 歳の男性 A。A は公認心理師 B によるカウンセリングを半年 ほど受けていた。生活面での問題の改善がみられ、A 自身も変化に実 感を覚えていた。そのため B が、そろそろカウンセリングを終わりに しても良いのではないかと提案したところ、A はすぐに合意した。「カ ウンセリングを通して自信がついたのでこのままやっていけると思いま す」と A は力強く語った。
終結のプロセスとして、不適切なものを&つ選べ。
1 これまでのプロセスに関する B の見解を A に伝える。
2 A に自信があるので、今回を最終面接として終結する。
3 終結によって様々な感情が起こってもおかしくないと伝える。
4 今後、カウンセリングを受けないことへの A の不安について話し合
う。
― 44 ―
DKJM-午後-48

1t152 20 歳の男性 A、大学生。「誰かが自分の中に入ってくるから気持 ちが悪い」と言い、半年前から大学を欠席するようになった。最近は「町 中の人々が自分の命を狙っている。もう死ぬしかない」と言っていた。 A は包丁で自分を刺そうとしているところを発見され、家族に連れら れて来院し、即日、医療保護入院となった。&か月後、病識はないもの の、症状が改善したため退院することとなった。主治医は退院後の方針 について A の家族に説明した後、公認心理師に面接を依頼した。
公認心理師が行う A の家族への説明として、適切なものを&つ選べ。 1 精神症状は再発することがあります。
2 大学に休学の手続をとってください。
3 服薬の管理は本人に任せてください。
4 外来通院を続けるように支援してください。
5 入院前に思っていたことは妄想なので、もう考えないように説得して
ください。
― 45 ―
DKJM-午後-49

1t153 50 歳の男性 A。うつ病の診断で通院中である。通院している病院 に勤務する公認心理師が A と面接を行っていたところ、A から自殺を 計画していると打ち明けられた。A は「あなたを信頼しているから話し ました。他の人には絶対に話さないでください。僕の辛さをあなたに分 かってもらえれば十分です」と話した。
このときの公認心理師の対応として、優先されるものを&つ選べ。 1 自殺を断念するように説得する。
2 自殺予防のための電話相談を勧める。
3 主治医に面接内容を伝え、相談する。
4 秘密にするという約束には応じられないことを A に伝える。
5 A の妻に「話さないでほしい」と言われていることを含めて自殺の計
画について伝える。
― 46 ―
DKJM-午後-50

1t154 &歳の男児 A。&歳のときに母親は継父と再婚し、その後、継父 は母親と A に暴力を振るうようになった。&歳のときに、A は継父か らの暴力により腕と足首を骨折した。母親が A を病院に連れて行き、 病院からの虐待通告後、継父は逮捕された。A と母親は転居し、A は 保育所に通い始めた。A は意欲が乏しく内気に見えるが、時折、別人 のようになって他児に暴力を振るう。昼寝の時間は全く眠れず、家でも 夜は何度も目を覚ます。乳幼児健康診査では何の問題も指摘されていな かった。
A に考えられる心理的問題として、適切なものを&つ選べ。 1 心的外傷後ストレス障害
2 養育者との愛着形成の阻害
3 支配的で暴力的なモデルの取り入れ
4 保育所に入所したことによる心理的ストレス
5 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HD
― 47 ―
DKJM-午後-51

第2回午前2019年8月4日10時00分〜12時00分

2 1 公認心理師の業務や資格について、正しいものを&つ選べ。
1 診断は公認心理師の業務に含まれる。
2 公認心理師資格は一定年数ごとに更新する必要がある。
3 公認心理師の資質向上の責務について、罰則が規定されている。
4 公認心理師が業務を行う対象は、心理に関する支援を要する人に限定
されない。
5 公認心理師以外でも、心理関連の専門資格を有していれば「心理師」と
いう名称を用いることができる。

2 2 統合失調症のデイケア利用者 A についてのケア会議で、スタッフ B が「A さんは気難しく、人の話を聞いていないので関わりが難しい」と 発言した。A には幻聴がある。
会議の中で、B の発言に対する公認心理師の対応として、最も適切な ものを&つ選べ。
1 スタッフの交代を提案する。
2 専門職に困難はつきものであると諭す。
3 幻聴についてどの程度の知識があるかを質問する。
4 どのような場面で関わりが困難と感じるかを質問する。
5 関わりを拒否するような態度は正しくないことを指摘する。
― 1 ―
DKJM-午前-5

2 3 20 世紀前半の心理学の&大潮流とは、ゲシュタルト心理学、行動 主義ともう&つは何か、正しいものを&つ選べ。
1 性格心理学
2 精神分析学
3 認知心理学
4 発達心理学
5 人間性心理学

2 4 普通教育に適する子どもとそうでない子どもを見分けるための検査 法を最初に開発した人物は誰か、正しいものを&つ選べ。
1 A. Binet
2 D. Wechsler 3 E. Kraepelin 4 F. Galton
5 J. Piaget
― 2 ―
DKJM-午前-6

2 5 実験は実験者が操作する変数と観測される変数によって組み立てら れるが、前者以外にも後者に影響を与える変数があることが多い。この 変数は何か、正しいものを&つ選べ。
1 従属変数 2 剰余変数 3 独立変数 4 離散変数 5 ダミー変数

2 6 順序尺度によるデータの散布度として、正しいものを&つ選べ。 1 中央値
2 平均値
3 標準偏差
4 不偏分散 5 四分位偏差
― 3 ―
DKJM-午前-7

2 7 量的な説明変数によって&つの質的な基準変数を予測するための解 析方法として、最も適切なものを&つ選べ。
1 因子分析
2 判別分析
3 分散分析
4 重回帰分析
5 クラスター分析

2 8 プライミングについて、正しいものを&つ選べ。
1 間接プライミングは、主にエピソード記憶研究で用いられる。
2 直接プライミングは、先行情報と後続情報の間に意味的関連性が強い
場合に生じる。
3 プライミングは、絵などの画像刺激では生じず、単語などの言語刺激
のみで生じる。
4 プライミングには、先行情報が後続情報の処理を促進するだけでな
く、抑制する場合もある。
5 プライミングは、先行情報が閾下呈示された場合は生じず、閾上呈示
された場合のみで生じる。
― 4 ―
DKJM-午前-8

2 9 ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるように なることを何というか、正しいものを&つ選べ。
1 馴化
2 消去
3 般化
4 シェイピング
5 オペラント水準

2 10 社会的判断に用いる方略を&種類に分類し、用いられる方略によっ て感情が及ぼす影響が異なると考える、感情に関するモデル・説とし て、正しいものを&つ選べ。
1 感情入力説
2 認知容量説
3 感情混入モデル
4 感情情報機能説
5 感情ネットワークモデル
― 5 ―
DKJM-午前-9

2 11 秩序や完全さにとらわれて、柔軟性を欠き、効率性が犠牲にされる という症状を特徴とするパーソナリティ障害として、最も適切なものを &つ選べ。
1 境界性パーソナリティ障害
2 強迫性パーソナリティ障害
3 猜疑性パーソナリティ障害
4 スキゾイドパーソナリティ障害 5 統合失調型パーソナリティ障害

2 12 神経細胞の生理について、正しいものを&つ選べ。
1 グルタミン酸は抑制性神経伝達物質である。
2 活動電位は樹状突起を通して標的に送られる。
3 無髄線維では有髄線維より活動電位の伝導速度が速い。
4 シナプス後細胞の興奮性シナプス後電位は「全か無かの法則」に従う。 5 &つの神経細胞における個々の活動電位の大きさは刺激の強さにかか
わらず一定である。
― 6 ―
DKJM-午前-10

2 13 多くの人がいると、一人のときにはするはずの行動が生じなくなる 傾向に関連する概念として、正しいものを&つ選べ。
1 社会的促進
2 集合的無知
3 集団極性化
4 情報的影響
5 傍観者効果

2 14 乳幼児の社会的参照について、正しいものを&つ選べ。 1 心の理論の成立後に生じてくる。
2 共同注意の出現よりも遅れて&歳以降に現れ始める。
3 自己、他者、状況・事物という三項関係の中で生じる。 4 自分の得た知識を他者に伝達しようとする行為である。 5 乳幼児期以降、徐々にその頻度は減り、やがて消失する。
― 7 ―
DKJM-午前-11

2 15 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDの特性のう ち「中枢性統合の弱さ」として説明できるのは次のうちどれか、正しいも のを&つ選べ。
1 特定の物音に過敏に反応する。
2 他者の考えを読み取ることが難しい。
3 目標に向けて計画的に行動することが難しい。
4 細部にとらわれ大局的に判断することが難しい。
5 状況の変化に応じて行動を切り替えることが難しい。

2 16 神経心理学的テストバッテリーについて、正しいものを&つ選べ。 1 各心理検査は、信頼性が高ければ妥当性は問われない。
2 Luria-Nebraska 神経心理学バッテリーは幼児用として開発された。 3 固定的なバッテリーの補完としてウェクスラー式知能検査が用いられ
る。
4 多くのテストを含む固定的なバッテリーが仮説を検証するために用い
られる。
5 可変的なバッテリーでの時計描画テストは、潜在する気分障害を発見
するために用いられる。
― 8 ―
DKJM-午前-12

2 17 治療者自身が相互作用に影響を与えることを含め、治療者とクライ エントの間で起きていることに十分注意を払うことを何というか、最も 適切なものを&つ選べ。
1 自己開示の活用
2 治療同盟の確立
3 応用行動分析の適用
4 関与しながらの観察
5 自動思考への気づき

2 18 E. T. Gendlin は、問題や状況についての、まだはっきりしない意味 を含む、「からだ」で体験される感じに注目し、それを象徴化することが 心理療法における変化の中核的プロセスだとした。この「からだ」で体験 される感じを表す用語を&つ選べ。
1 コンテーナー
2 ドリームボディ
3 フェルトセンス
4 フォーカシング
5 センサリー・アウェアネス
― 9 ―
DKJM-午前-13

2 19 ライフサイクルと心の健康の関わりについて、正しいものを&つ選 べ。
1 人の心身の発達は、成人期でピークになると考えられている。
2 女性の更年期障害は、閉経後に様々な身体症状や精神症状を来す病態
である。
3 青年期は、統合失調症、うつ病、社交不安症などの精神疾患の発症が
増える時期である。
4 各ライフサイクルにおいて対応を要する問題は、疾患の種類にはよら
ず年齢によって決まる。
5 認知症は老年期に発症する病気であるため、成人期における認知機能
の低下の原因としては別の疾患を考える。

2 20 我が国における児童虐待による死亡事例の近年の傾向として、正し いものを&つ選べ。
1 死因となった虐待種別はネグレクトが最も多い。
2 虐待の加害者は実父が最も多い。
3 心中による虐待死事例における加害の背景は、「経済的困窮」が最も多
い。
4 心中以外の虐待死事例での被害者は&歳児が最も多い。
5 心中以外の虐待死事例での加害者は 20 歳未満が最も多い。
― 10 ―
DKJM-午前-14

2 21 マルトリートメントについて、正しいものを&つ選べ。 1 マルトリートメントは認知発達に影響しない。
2 貧困はマルトリートメントのリスク要因にならない。
3 マルトリートメントを受けた子どもは共感性が高い。
4 マルトリートメントを受けた子どもは警戒心が乏しい。
5 マルトリートメントを受けることは、将来身体的健康を損なうリスク
となる。

2 22 DSM-&の心的外傷後ストレス障害PTSDについて、正しいもの を&つ選べ。
1 児童虐待との関連は認められない。
2 症状が&か月以上続いている必要がある。
3 診断の必須項目として抑うつ症状がある。
4 眼球運動による脱感作と再処理法EMDRの治療効果はない。
5 心的外傷の原因となる出来事は文化的背景によって異なることはな
い。
― 11 ―
DKJM-午前-15

2 23 日本語を母語としない成人の知能検査として、最も適切なものを1つ選べ。ただし、検査内容の説明程度は日本語で理解できるものとす る。
1 PARS-TR
2 WISC-IV
3 ベンダー・ゲシュタルト検査
4 ウィスコンシンカード分類検査
5 コース立方体組み合わせテスト

2 24 2017 年に文部科学省が実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生 徒指導上の諸課題に関する調査」における暴力行為に当てはまるものと して、適切なものを&つ選べ。
1 中学生が親を殴った。
2 学区内の公園で、中学生が故意に遊具を壊した。
3 高校生が後輩の中学生に対し、金品を持ってくるように命令した。 4 小学生がバットの素振りをしていたところ、通りかかった教師に当
たった。
5 中学校内で、同じクラスの生徒同士が殴り合いになったが、双方に怪
我はなかった。
― 12 ―
DKJM-午前-16

2 25 1960 年代の R. Rosenthal の実験で、ある検査の結果、学業成績が 大きく向上すると予測される児童の氏名が教師に伝えられた。実際に は、児童の氏名は無作為に選ばれていた。&か月後、選ばれた児童の学 業成績が実際に向上していた。
このような現象を説明する用語として、正しいものを&つ選べ。 1 ハロー効果
2 プラセボ効果
3 ホーソン効果
4 ピグマリオン効果
5 アンダーマイニング効果

2 26 いじめの重大事態への対応について、最も適切なものを&つ選べ。 1 被害児童生徒・保護者が詳細な調査を望まない場合であっても、調査
を行う。
2 重大事態の調査を行った場合は、調査を実施したことや調査結果を社
会に公表する。
3 「疑い」が生じた段階ではなく、事実関係が確定した段階で重大事態と
しての対応を開始する。
4 児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認め
るときに限り、重大事態として対応する。
5 保護者から、いじめという表現ではなく人間関係で心身に変調を来し
たという訴えがあった場合は、安易に重大事態として対応しない。
― 13 ―
DKJM-午前-17

2 27 形成的評価について、最も適切なものを&つ選べ。
1 一定の教育活動が終了した際に、その効果を把握し判断するために行
う評価
2 個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判
断するために行う評価
3 過去と現在の成績を比較して、どの程度学力が形成されたかについて
把握し判断するために行う評価
4 指導前に、学習の前提となるレディネスが形成されているかを把握
し、指導計画に活用するために行う評価
5 指導の過程で学習の進捗状況や成果を把握し判断して、その情報をそ
の後の指導計画に活用するために行う評価

2 28 DSM-&の反社会性パーソナリティ障害の診断基準として、正しい ものを&つ選べ。
1 10 歳以前に発症した素行症の証拠がある。
2 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、14 歳以降に起こってい
る。
3 反社会的行為が起こるのは、統合失調症や双極性障害の経過中ではな
い。
4 他人の権利を無視し侵害する広範な様式には、「自殺のそぶり、脅し」
が含まれる。
5 他人の権利を無視し侵害する広範な様式には、「衝動性、または将来
の計画を立てられないこと」が含まれる。
― 14 ―
DKJM-午前-18

2 29 ある人物の起こした&件の大きな事故の背後には、同一人物による 軽度、重度の同様の事故が 29 件発生しており、さらにその背後には、 事故にはならなかったが危ない状況が 300 件あることを示した事故発生 モデルは何か、正しいものを&つ選べ。
1 インシデント
2 危険予知モデル
3 スイスチーズモデル 4 スノーボールモデル 5 ハインリッヒの法則

2 30 緊張病に特徴的な症状として、正しいものを&つ選べ。 1 昏迷
2 途絶
3 観念奔逸
4 情動麻痺
5 カタプレキシー
― 15 ―
DKJM-午前-19

2 31 オピオイドの副作用として頻度が高いものを&つ選べ。 1 下痢
2 疼痛
3 流涎
4 せん妄
5 錐体外路症状

2 32 我が国の保険診療の制度について、正しいものを&つ選べ。 1 後期高齢者医療制度の対象は 80 歳以上である。
2 被保険者は保険医療機関に一部負担金を支払う。
3 審査支払機関は企業・事業所に負担金を請求する。
4 診療報酬は保険者から保険医療機関に直接支払われる。
5 保険薬局は処方箋を交付した保険医療機関に薬剤費を請求する。
― 16 ―
DKJM-午前-20

2 33 ストレスチェック制度について、正しいものを&つ選べ。
1 事業者は、ストレスチェックの実施者を兼ねることができる。
2 事業者は、面接指導の結果を記録しておかなければならない。
3 事業者は、労働者の同意がなくても、その検査の結果を把握すること
ができる。
4 医師による面接指導を実施するにあたり、情報通信機器を用いて行う
ことは認められていない。
5 事業者は、一定程度以上の心理的な負担が認められる全ての労働者に
対し医師による面接指導を行わなければならない。

2 34 学校における自殺予防教育について、最も適切なものを&つ選べ。 1 プログラムは地域で共通のものを使用する。
2 学級づくりのできるだけ早い段階に実施する。
3 目標は早期の問題認識及び援助希求的態度の育成である。
4 いのちは大切なものであるという正しい価値観を提供する。
5 自殺のリスクを抱える児童生徒のプログラム参加は避ける。
― 17 ―
DKJM-午前-21

2 35 公認心理師法について、誤っているものを&つ選べ。 1 秘密保持義務についての規定がある。
2 信用失墜行為に対しては罰則が規定されている。
3 主務大臣は文部科学大臣及び厚生労働大臣である。
4 国民の心の健康の保持増進に寄与することが目的である。
5 公認心理師は、心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、そ
の結果の分析を行う。

2 36 Alzheimer 型認知症の患者に対して公認心理師が実施するものとし て、不適切なものを&つ選べ。
1 ADAS
2 回想法
3 COGNISTAT
4 ケアプラン原案の作成 5 認知症ケアパスへの参加
― 18 ―
DKJM-午前-22

2 37 メタ記憶的活動のうち、記憶モニタリングメタ認知的モニタリン グの下位過程として、不適切なものを&つ選べ。
1 保持過程
2 確信度判断
3 既知感判断
4 学習容易性判断
5 ソースモニタリング判断

2 38 半構造化面接について、不適切なものを&つ選べ。 1 質問紙型の面接ともいわれる。
2 質問を追加することができる。
3 面接の前に質問項目を用意する。
4 構造化の程度による面接区分の一種である。 5 対象者の反応に応じ、質問の順番を変更する。
― 19 ―
DKJM-午前-23

2 39 学校生活での悩みを持つ思春期のクライエントとの面接に関して、 保護者への情報提供に関係する対応として、不適切なものを&つ選べ。
1 事前に、秘密や記録の扱いについて関係者と合意しておく。
2 保護者から情報提供の依頼があったことをクライエントに知らせ、話
し合う。
3 クライエントの意向にかかわらず、秘密保持義務を遵守するために、
保護者からの依頼を断る。
4 相談面接において、特に思春期という時期に秘密が守られることの重
要性について、保護者に説明する。
5 保護者に情報提供することで、保護者からの支援を受けられる可能性
があるとクライエントに説明する。

2 40 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関す る法律について、誤っているものを&つ選べ。
1 配偶者が専業主婦主夫の場合は育児休業を取得できない。
2 &歳に満たない子を養育する従業員について、労働者が希望すれば短
時間勤務制度を利用できる。
3 従業員からの申出により、子が&歳に達するまでの間、申し出た期
間、育児休業を取得できる。
4 夫婦で取得するなど、一定の要件を満たした場合、子が&歳&か月に
なるまで育児休業を取得できる。
5 &歳に満たない子を養育する従業員から申出があった場合、原則とし
て所定外労働をさせることはできない。
― 20 ―
DKJM-午前-24

2 41 右利きの者が右中大脳動脈領域の脳梗塞を起こした場合に、通常は みられないものを&つ選べ。
1 失語症
2 左片麻痺
3 全般性注意障害
4 左半身感覚障害
5 左半側空間無視

2 42 児童相談所の業務内容として、誤っているものを&つ選べ。 1 親権者の同意を得て特別養子縁組を成立させる。
2 必要に応じて家庭から子どもを離して一時保護をする。
3 親権者の同意を得て児童福祉施設に子どもを入所させる。
4 子どもに関する専門性を要する相談を受理し、援助を行う。
5 市区町村における児童家庭相談への対応について必要な援助を行う。
― 21 ―
DKJM-午前-25

2 43 教育基本法第&条に規定される教育の目標として、誤っているもの を&つ選べ。
1 勤労を重んずる態度を養う。
2 自主及び自律の精神を養う。
3 豊かな情操と道徳心を養う。
4 個性に応じて進路を選択する能力を養う。
5 他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う。

2 44 スクールカウンセラーに求められる役割として、最も適切なものを &つ選べ。
1 チーム学校の統括
2 児童生徒への学習指導
3 教職員へのスーパービジョン 4 心理的問題などへの予防的対応
― 22 ―
DKJM-午前-26

2 45 SOAP 形式の診療録の記載内容について、正しいものを&つ選べ。 1 S に神経学的所見を記載する。
2 O に患者が話したことを記載する。
3 A に検査データを記載する。
4 P に今後のマネージメントの計画を記載する。

2 46 「就労継続支援 B 型」について、正しいものを&つ選べ。 1 50 歳未満であれば対象となる。
2 一般就労のために必要な訓練が行われる。
3 障害基礎年金を受給している者は対象とならない。
4 障害者のうち、雇用契約に基づく就労が可能な者が対象となる。
― 23 ―
DKJM-午前-27

2 47 アレキシサイミア傾向の高い心身症患者の特徴について、正しいも のを&つ選べ。
1 身体症状より気分の変化を訴える。
2 ストレスを自覚しにくいことが多い。
3 身体症状を言葉で表現することが難しい。
4 空想や象徴的な内容の夢を語ることが多い。

2 48 心理面接における沈黙について、誤っているものを&つ選べ。 1 沈黙の受け取り方は文化によって多様である。
2 沈黙はクライエント自身の内的探索を阻害する。
3 沈黙はクライエントの不快さを増大させることがある。
4 沈黙によってクライエントに共感を伝えることもできる。
― 24 ―
DKJM-午前-28

2 49 心理的支援を要する者へ多職種チームで対応する際に、公認心理師 が留意すべき点として、不適切なものを&つ選べ。
1 要支援者もチームの一員とみなす。
2 要支援者の主治医の指示を確認する。
3 多重関係に留意しながら関連分野の関係者と連絡を取り合う。
4 チームに情報を共有するときには、心理学の専門用語を多く用いる。

2 50 公認心理師法について、正しいものを&つ選べ。
1 公認心理師の登録を一旦取り消されると、再度登録を受けることはで
きない。
2 公認心理師は、心理に関する支援を要する者から相談の求めがあった
場合にはこれを拒んではならない。
3 公認心理師は、その業務を行ったときは、遅滞なくその業務に関する
事項を診療録に記載しなければならない。
4 公認心理師は、心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の
医師があるときは、その指示を受けなければならない。
5 公認心理師は、公認心理師法に規定する公認心理師が業として行う行
為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。
― 25 ―
DKJM-午前-29

2 51 緩和ケアにおける家族との関わりについて、正しいものを2つ選 べ。
1 グリーフケアは家族には行わない。
2 リビングウィルの表明には家族の承諾が必要である。
3 患者の死後、遺族へは励ましの言葉がけが最も有効である。
4 アドバンス・ケア・プランニングに家族も参加することが望ましい。
5 レスパイトは家族の看護疲れを緩和するために患者が入院することである。

2 52 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律について、正しい ものを&つ選べ。
1 適切な配慮を行うためには医師の意見書が必要である。
2 行政機関は合理的な配慮をするように努めなければならない。
3 対象者の性別、年齢及び障害の状態に応じた配慮が行われる。
4 対象となる障害には身体障害、知的障害、精神障害及び発達障害が含
まれる。
5 事業者は、差別解消の配慮は負担の軽重にかかわらず必要があれば行
わなければならない。
― 26 ―
DKJM-午前-30

2 53 生活習慣病やその対応について、正しいものを&つ選べ。
1 心理的支援は、準備期以降の行動変容ステージで行われる。
2 腹囲に反映される内臓脂肪型肥満が大きな危険因子になる。
3 問題のある生活習慣のリスクを強調することにより、必要な行動変容
が進む。
4 メタボリック症候群の段階で行動変容を進めることが、予後の改善の
ために重要である。
5 ライフスタイルの問題によって引き起こされる疾患であるため、薬物
療法の効果は期待できない。

2 54 二次的外傷性ストレスSecondary Traumatic StressSTSによる 反応について、正しいものを&つ選べ。
1 幼児期のトラウマ体験を原因とする。
2 フラッシュバックを呈することがある。
3 被害者の支援活動をしている人に生じる。
4 回復には年単位の時間を要することが多い。
5 不安発作の反復を恐れ、社会的活動が制限される。
― 27 ―
DKJM-午前-31

2 55 虞犯について、正しいものを&つ選べ。
1 虞犯少年とは 14 歳以上の者をいう。
2 虞犯少年は少年院送致の処分を受けることがある。
3 虞犯という概念は少年に限らず、成人にも適用される。
4 虞犯少年とは、将来罪を犯すおそれのある少年のことをいう。
5 虞犯少年は児童相談所における措置は受けるが、家庭裁判所には送致
されない。

2 56 女性の更年期障害について、正しいものを&つ選べ。 1 エストロゲンの分泌が増加する。
2 ゴナドトロピンの分泌が増加する。
3 顔面紅潮や発汗は不眠の原因となる。
4 ホルモン療法は抑うつに効果がない。
5 欧米人に比べて日本人では肩こりや腰痛の頻度が低い。
― 28 ―
DKJM-午前-32

2 57 うつ病にみられることが多い症状として、適切なものを&つ選べ。
1 心気妄想
2 迫害妄想
3 貧困妄想
4 妄想気分
5 世界没落体験

2 58 公認心理師を養成するための実習について、正しいものを&つ選 べ。
1 公認心理師に求められる倫理や態度を学ぶ良い機会である。
2 実習生の評価には多肢選択式の客観的な試験による評価が適してい
る。
3 実習に先立って目標を明示し、実習指導者と実習生が共有することが
重要である。
4 実習生は、公認心理師の資格を持っていないため、クライエントの面
接を行うべきではない。
5 実習生がクライエントに直接関わらず見学のみの場合は、その同意を
クライエントに求める必要はない。
― 29 ―
DKJM-午前-33

2 59 &歳の女児 A。母親が専業主婦であり、保育所には通所していな い。母子関係は良好で安定しており、特にこれまで母親と父親のいずれ からも身体的虐待などの不適切な養育を受けたことはない。しかし、最 近、母親に対する父親の暴力が頻繁に生じるようになり、また、&歳の 兄 B がささいなことで父親から激しい身体的虐待を受けるようになっ た。
今後、A に生じてくることが想定される心理的反応や親子関係につ いて、最も適切なものを&つ選べ。
1 B と助け合う行動が増える。
2 母子関係はその後も良好であり続ける。
3 父親に対して次第に怒りなどの敵対的な感情を表出するようになる。 4 頻繁に泣いたりぐずったりするなどの情緒面での動揺が激しくなる。 5 問題行動が生じる可能性はあるが、B に比べれば、対応の必要性は低
い。
― 30 ―
DKJM-午前-34

2 60 21 歳の女性 A、会社員。伝えたいことを言葉で表現することが苦 手で、不安が高まるとますますコミュニケーションが困難となる。職場 では、苦手な電話対応を担当業務から除き、作業の指示にあたってもメ モを活用するなど、十分な配慮を受けており、職場の居心地は良く、仕 事にもやりがいを感じている。他方、自宅から職場が遠く、また自立し たいという希望もあるが、親元を離れて一人暮らしを始めることに不安 を感じている。A はその相談のため会社が契約する心理相談室に来室 した。
心理相談室の公認心理師が A の支援をするにあたり、A に実施する テストバッテリーに含める心理検査として、最も適切なものを&つ選 べ。
1 CBCL
2 Conners& 3 IES-R
4 Vineland-II 5 VRT
― 31 ―
DKJM-午前-35

2 61 2歳2か月の男児 A。A の保護者は、A の言葉の遅れと、視線の 合いにくさが気になり、市の相談室に来室した。現時点では、特に家庭 での対応に困ることはないが、同年代の他の子どもと比べると、A の 発達が遅れているのではないかと心配している。また、どこに行っても 母親から離れようとしないことも、気にかかるという。
A の保護者からの情報と A の行動観察に加え、公認心理師である相 談員が A に実施するテストバッテリーに含める心理検査として、最も 適切なものを&つ選べ。
1 WPPSI-III
2 CAARS 日本語版
3 新版 K 式発達検査
4 日本語版 KABC-II
5 S-M 社会生活能力検査

2 62 31 歳の女性 A。身体疾患により一時危篤状態となったが、その後 回復した。主治医は、再発の危険性はないと説明したが、A はまた同 じ状態になって死ぬのではないかという不安を訴え、ベッドから離れな い。病棟スタッフからはリハビリテーションを始めるよう勧められた が、かえって不安が強くなり、ふさぎ込む様子がみえたため、主治医が 院内の公認心理師に面接を依頼した。
公認心理師がまず行う対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 心理教育として死生学について情報提供を行う。
2 不安を緩和するためのリラクゼーションを行う。
3 再発や危篤の可能性が少ないことを引き続き説得する。
4 面接の最初に「あなたの不安はよく理解できる」と言う。
5 死の恐怖とそれを共有されない孤独感を話してもらい、聴く姿勢に徹
する。
― 33 ―
DKJM-午前-37

2 63 32 歳の女性。民間のカウンセリングセンターに電話で申し込んだ 上で、来所した。申込時の相談内容には「夫婦の関係で困っている」と記 載されている。
インテーク面接を担当する公認心理師が自己紹介や機関の説明をした 上で、具体的に相談内容を聞き始める際の発言として、最も適切なもの を&つ選べ。
1 今日は、どういうご相談でしょうか。
2 どうして、ご夫婦の関係が問題なのですか。
3 ご夫婦の関係についてのご相談ということですが、なぜここに相談を
申し込まれたのですか。
4 お電話ではご夫婦の関係で困っていらっしゃると伺いましたが、ご結
婚はいつなさったのですか。
5 お電話ではご夫婦の関係で困っていらっしゃるとのことでしたが、も
う少しご事情をお話しいただけますか。
― 34 ―
DKJM-午前-38

2 64 75 歳の男性 A。総合病院の内科で高血圧症の治療を受けている以 外は身体疾患はない。起床時間は日によって異なる。日中はテレビを見 るなどして過ごし、ほとんど外出しない。午後&時頃に夕食をとり、午 後&時には床に就く生活であるが、床に就いてもなかなか眠れないた め、同じ病院の精神科外来を受診した。診察時に実施した改訂長谷川式 簡易知能評価スケールHDS-Rは 27 点であった。診察した医師は薬物 療法を保留し、院内の公認心理師に心理的支援を指示した。
A に対する助言として、最も適切なものを&つ選べ。 1 寝酒は寝つきに有効かもしれません。
2 眠くなるまで布団に入らないようにしましょう。
3 &時間程度の昼寝で睡眠不足を補ってください。
4 健康のために、少なくとも&時間の睡眠が必要です。 5 午前中に&時間くらいのジョギングをしてみましょう。
― 35 ―
DKJM-午前-39

2 65 26 歳の男性 A。A の両親がひきこもり地域支援センターに相談の ため来所した。A は&年前に大学を卒業したが、就職活動を途中で中 断し就職はしていない。&年前まではたまにアルバイトに出かけていた が、それ以降は全く外出していない。インターネットを介して知人と交 流しているが、長時間の使用はない。独語や空笑は観察されず、会話や 行動にも不自然さはないという。A は医療機関への受診を拒絶してい る。
両親への対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 家族教室への参加を勧める。
2 インターネットの解約を助言する。
3 地域包括支援センターを紹介する。
4 精神保健福祉法に基づく移送制度の利用を助言する。
5 精神障害者相談支援事業所の利用について情報を提供する。 注:「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法 律」である。
― 36 ―
DKJM-午前-40

2 66 &歳の女児 A。A は&週間前に豪雨による水害で被災し、避難所 で寝泊まりをするようになった。避難所では母親のそばを片時も離れな かった。10 日前に自宅に戻ったが、自宅でも A は母親について回り、 以前していた指しゃぶりを再びするようになった。夜静まると戸外の音 に敏感になり、「雨、たくさん降ったね。川からゴーって音したね」と同 じ話を繰り返した。被災から&週間がたつが A は保育園にもまだ行け ないため、母親は保育園を巡回している公認心理師に、対応の仕方を尋 ねてきた。
公認心理師の助言として、適切なものを&つ選べ。
1 通園させるように強く促す。
2 母子が少しずつ離れる練習をする。
3 指しゃぶりをやめさせるようにする。
4 災害時の様子を話し始めたら、話題を変える。
5 災害に関するニュースなどの映像を見せないようにする。
― 37 ―
DKJM-午前-41

2 67 &歳の男児 A。落ち着きがないことから、両親が児童相談所に来 所した。A は乳幼児期から母親と視線を合わせ、後追いもあり、始歩 &歳&か月、始語&歳&か月で、乳幼児健康診査で問題を指摘されたこ とがなかった。ただし、よく迷子になり、気が散りやすく、かんしゃく を起こすことが多く、何かあると母親は A をすぐに叱りつけてしまう。 幼稚園でも、勝手に部屋から出ていったり、きちんと並んで待てなかっ たりするなど集団行動ができない。
この事例に対して児童相談所の公認心理師がまず行うべき対応とし て、最も適切なものを&つ選べ。
1 一時保護をする。
2 薬の服用を勧める。
3 しつけの方法を指導する。
4 療育手帳の申請を勧める。
5 発達検査を含むアセスメントを行う。
― 38 ―
DKJM-午前-42

2 68 &歳の男児 A、小学&年生。同じクラスの B と C とはいつも一緒 に下校していたが、&週間前から B と C は下校中に A をおいて走って 帰ったり、&人分のランドセルを A に持たせたりしていた。そのため、 A がこのようなことを嫌がり、「学校に行きたくない」と言っていると、 A の保護者から校内の公認心理師に相談があった。
A の保護者に許可を得た上で、公認心理師が担任教師に行う助言と して、最も適切なものを&つ選べ。
1 A を他の児童と帰らせるように助言する。
2 B と C の謝罪をもって解決とするように助言する。
3 A にいじめられた理由を考えさせるように助言する。
4 当事者の家庭での解決を求めるように助言する。
5 事実を確認し、学校のいじめの対策組織に報告するように助言する。
― 39 ―
DKJM-午前-43

2 69 17 歳の男子 A、高校&年生。A は、無遅刻無欠席で、いつもきち んとした身なりをしており真面目と評されていた。ところが、先日、ク ラスメイトの女子 B の自宅を突然訪ね、「デートに誘っても、いつも 今日は用事があるから、今度またねと言っているけれど、その今度は いつなんだ」と、B に対して激昂して大声で怒鳴りつけた。この経緯を 知った A の両親が A の心理を理解したいと A を連れて心理相談室を訪 ねてきた。
A の心理特性について見立てるためのテストバッテリーに加えるも のとして、最も適切なものを&つ選べ。
1 AQ-J 2 MPI 3 SDS 4 STAI 5 TEG
― 40 ―
DKJM-午前-44

2 70 28 歳の男性 A。A は&か月前に幻覚妄想状態を発症し、&週間前 に精神科病院を受診した。統合失調症と診断され、抗精神病薬の投与が 開始された。本日の早朝、家族の呼びかけに反応がなく、無動であった ため、精神科病院に救急車で搬送された。意識障害、40 °C 台の高熱、 発汗、頻脈、血圧上昇、四肢の筋強剛及び振戦を認める。頭部 CT 検査 と髄液検査に異常はなく、血液検査では、白血球数の増加、炎症マー カーの亢進及びクレアチンキナーゼCKの著明な上昇を認める。尿は 暗赤褐色である。
A の病態について、適切なものを&つ選べ。 1 熱中症
2 悪性症候群
3 急性ジストニア
4 セロトニン症候群
5 単純ヘルペス脳炎
― 41 ―
DKJM-午前-45

2 71 79 歳の男性 A。&人の子どもが独立した後、A は妻と二人暮らし だったが、&年前にその妻に先立たれた。妻の死後しばらくは、なぜ丈 夫だった妻が自分よりも早く死んだのかという思いが強く、怒りのよう な感情を覚えることが多かったが、最近はむしろ抑うつ感情が目立つよ うになってきている。近くに住む娘に、20 歳から 30 歳代だった頃の話 を突然し始めたり、その一方で「自分のこれまでの人生は無駄だった、 もう生きていてもしょうがない」というような発言が増えてきたりして いる。また、本人は自覚していないが、既にやり終えたことを忘れてし まうことも少しずつ生じてきている。
A の心理状態の説明として、不適切なものを&つ選べ。 1 絶望
2 認知機能の低下
3 レミニセンスバンプ
4 補償を伴う選択的最適化
5 妻の死の受容過程の初期段階
― 42 ―
DKJM-午前-46

2 72 14 歳の女子 A、中学&年生。A は母子家庭で育ったが、小学&年 生のときに実母が再婚し、現在は継父を含めた三人家族である。ある 日、A の顔色が悪いため、友人が A を保健室に連れて行った。養護教 諭が A から話を聞いたところ、A は「あの人継父が夜中に部屋に入っ てきて身体を触り、抱きついてくるから、家に帰りたくない」と語った。 同時に「他の先生や親には絶対に言わないでほしい」と訴えた。養護教諭 は重大な問題であると A を諭し、教頭と校長に伝え、学校から児童相 談所に通告をした。すぐに児童福祉司が学校で A と面談し、虐待の可 能性が強いと判断し、A を一時保護した。
現時点での児童相談所の対応として、適切でないものを&つ選べ。 1 A の了解を得て、産婦人科医の診察を受けてもらう。
2 児童福祉司が、継父の性的虐待を処罰するために告訴することを勧め
る。
3 児童心理司による面接や一時保護所での行動観察を通して、被害の影
響について調査、評価を行う。
4 司法面接で用いられる面接技法のトレーニングを受けた職員が被害状
況を確認するための面接を行う。
5 児童福祉司が両親に対して、一時保護の理由、これからの見通し、保
護者に不服審査請求の権利があることなどについて説明する。
― 43 ―
DKJM-午前-47

2 73 &歳の男児 A、小学&年生。入学当初から落ち着きがなく、授業 中に立ち歩く、ちょっとしたことで怒り出すなどの行動があった。&年 生になるとこのようなことが多くなり、教室から飛び出し、それを止め ようとした担任教師に向かって物を投げるなどの行動が出てきた。
A の行動を理解するためのスクールカウンセラーの初期対応として、 不適切なものを&つ選べ。
1 A の作文や絵を見る。
2 A の知能検査を実施する。
3 &年次の担任教師から A のことを聞く。
4 担任教師や友人の A への関わりを観察する。
5 A の家庭での様子を聞くために、保護者との面接を担任教師に提案
する。
― 44 ―
DKJM-午前-48

2 74 35 歳の男性 A、営業職。時間外・休日労働が社内規定の月 60 時間 を超え、疲労感があるとのことで、上司は公認心理師に A との面接を 依頼した。直近&か月の時間外・休日労働の平均は 64 時間であった。 健康診断では、肥満のために減量が必要であることが指摘されていた。 疲労蓄積度自己診断チェックリストでは、中等度の疲労の蓄積が認めら れた。この&か月、全身倦怠感が強く、布団から出るのもおっくうに なった。朝起きたときに十分に休めた感じがなく、営業先に向かう運転 中にたまに眠気を感じることがあるという。
公認心理師の対応として、不適切なものを&つ選べ。
1 生活習慣の把握を行う。
2 うつ病などの可能性の評価を行う。
3 A に運転業務をやめるように指示する。
4 A の医学的評価を求めるように事業主に助言する。
5 仕事の負担度、仕事のコントロール度及び職場の支援度を把握する。
― 45 ―
DKJM-午前-49

2 75 23 歳の男性 A、大学&年生。A が学生相談室に来室した。昨年度 末で卒業の予定であったが、必修科目の単位が取得できず留年した。そ の必修科目については&年次から何度も履修を繰り返し、単位取得に向 けて最大限の努力を続けてきたが、結果は全て不合格であった。今年度 からは、留年した学生のための特別な学習指導を新たに受けられるよう になった。それにもかかわらず、努力をしても無駄だと感じて意欲を喪 失し、欠席が続いている。
現在の A についての説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 自尊感情が過度に低い。
2 テスト不安が過度に高い。
3 学習性無力感に陥っている。
4 ソーシャルスキルが不十分である。
― 46 ―
DKJM-午前-50

2 76 58 歳の女性 A。&年前に会社の健康診断で軽度の肥満と高血糖を 指摘されたが、そのままにしていた。最近、家族に促されて総合病院の 糖尿病内科を受診したが、自ら治療に取り組んでいくことに前向きにな れない様子であった。そのため、多職種からなる治療チームで対応を検 討することになり、そのメンバーである公認心理師に A に対する心理 的支援が依頼された。
A に対する心理的支援を様々な職種と連携しながら進める上で、適 切なものを&つ選べ。
1 心理面接で A から得た情報は、他職種から得た情報よりも常に重要 である。
2 治療初期の心理的支援の主な目的は、服薬アドヒアランスを高めるこ
とである。
3 生物心理社会モデルに基づき、A の心理面だけでなく身体面や社会 面も理解する。
4 A のセルフモニタリングから得られた情報を他職種と共有しながら、 食事や運動の行動変容を進める。
5 医師、看護師、管理栄養士など多くの職種の専門性を活かすために他
職種の行っていることに意見をしないようにする。
― 47 ―
DKJM-午前-51

2 77 12 歳の女児 A。祖父 B と散歩中に自動車にはねられた。B は全身 を打撲し、救命救急センターの集中治療室で治療を受けているが、意識 障害が持続している。A は下肢骨折により整形外科病棟に入院した。 入院後、A は夜間あまり眠れず、夜驚がある。日中は、ぼんやりとし た状態がみられたり、急に苛立ち、理由もなくかんしゃくを起こしたり する。両親が自宅から持ってきた A の好きなぬいぐるみを叩いたり、 壁に打ち付けたりする。
A の行動の説明として、適切なものを&つ選べ。 1 素行障害
2 解離性障害
3 反応性アタッチメント障害
4 トラウマティック・ボンディング 5 ポストトラウマティック・プレイ
― 48 ―
DKJM-午前-52

第2回午後2019 年 8 月 4 日 13 時 30 分〜15 時 30 分

2 78 生物心理社会モデルについて、適切なものを&つ選べ。
1 スピリチュアリティを最も重視するモデルである。
2 クライエントを包括的に理解する上で有用なモデルである。
3 医療技術の高度化を促進するために考案されたモデルである。
4 生物生態学的モデルへの批判を背景に生まれたモデルである。
5 クライエントの健康や疾病に責任を持つのは医療従事者とみなすモデ
ルである。

2 79 基本感情のうちの怒りについて、適切なものを&つ選べ。
1 敵意帰属バイアスは、怒りの喚起を抑制する。
2 パラノイド認知の性格傾向のある人は怒りを生じにくい。
3 進化論の観点からは、怒りは自然淘汰上の有利さをもたらす。
4 怒りの表情に対する認知については、異文化間での共通性はない。 5 タイプ C パーソナリティの人は怒りを含むネガティブ感情を表出し
やすい。
― 1 ―
DKJM-午後-5

2 80 &要因分散分析の帰無仮説として、正しいものを&つ選べ。 1 全ての水準の母平均は等しい。
2 全ての水準間の母分散は等しい。
3 全ての水準の母平均は等しくない。
4 少なくとも&組の水準間の母平均は等しい。
5 少なくとも&組の水準間の母平均は等しくない。

2 81 運動視に関連した現象として、正しいものを&つ選べ。 1 McGurk 効果
2 マッハバンド
3 変化の見落とし
4 McCollough 効果
5 フラッシュラグ効果
― 2 ―
DKJM-午後-6

2 82 動物を対象とした研究において、うつ状態に関連する現象として、 最も適切なものを&つ選べ。
1 負の強化
2 学習性無力感
3 嫌悪条件づけ
4 受動的回避学習
5 代理的条件づけ

2 83 視床下部−下垂体系の解剖と生理について、正しいものを&つ選 べ。
1 視床下部のニューロンの一部は下垂体前葉に軸索を送る。
2 視床下部は下垂体後葉ホルモンの分泌を制御するホルモンを産生す
る。
3 視床下部で産生されたホルモンは下垂体門脈によって下垂体に運搬さ
れる。
4 視床下部から分泌されるソマトスタチンは下垂体からの成長ホルモン
の分泌を促進する。
5 血液中の副腎皮質刺激ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部に対す
る負のフィードバックが低下する。
― 3 ―
DKJM-午後-7

2 84 脳損傷後に記憶障害を呈する者に対して、スケジュール管理のため のメモリーノートの使用を勧めることがある。これに該当するリハビリ テーション手法として、正しいものを&つ選べ。
1 環境調整
2 反復訓練
3 外的代償法
4 内的記憶戦略法
5 領域特異的知識の学習

2 85 R. L. Selman による役割取得社会的視点取得の発達段階のうち、 自他の視点の両方を考慮する第三者的視点をとれるようになる段階とし て、正しいものを&つ選べ。
1 相互役割取得の段階
2 主観的役割取得の段階
3 自己中心的役割取得の段階
4 自己内省的役割取得の段階
5 象徴的相互交渉の役割取得の段階
― 4 ―
DKJM-午後-8

2 86 ディスレクシアに関する説明として、正しいものを&つ選べ。 1 限局性学習症に含まれる。
2 読み書き不能の状態である。
3 言語発達に問題はみられない。
4 音読はできるが理解ができない。
5 読みの速度は速いが不正確である。

2 87 知能検査における Flynn 効果について、正しいものを&つ選べ。 1 中高年ではみられない。
2 平均 IQ が徐々に低下する現象である。
3 欧米諸国では効果が認められていない。
4 ウェクスラー式知能検査のみで検出される。
5 流動性知能は結晶性知能より、この効果の影響を強く受ける。

2 88 乳児院に一時保護された1歳半の幼児の認知・言語機能を評価する 心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
1 WPPSI-III
2 日本語版 KABC-II
3 田中ビネー知能検査V
4 ベンダー・ゲシュタルト検査
5 遠城寺式乳幼児分析的発達検査

2 89 認知症の高齢者への回想法について、正しいものを&つ選べ。 1 行動の変容を目標とする。
2 個人面接では実施しない。
3 昔の物品を手掛かりにする。
4 一定の間隔をあけて繰り返す。
5 認知に焦点を当てたアプローチである。

2 90 精神障害回復者社会復帰訓練事業におけるデイケアでの利用者ミー ティングの運営について、最も適切なものを&つ選べ。
1 原則として挙手により発言者を募る。
2 決められた全時間の参加を義務づける。
3 利用者同士の関わりは最小限度にする。
4 司会担当者は利用者の発言を止めてはならない。
5 会話だけでなくホワイトボードや紙に書いて伝達する。

2 91 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDについて、 正しいものを&つ選べ。
1 男性よりも女性に多い。
2 知的障害を伴うことはない。
3 精神障害者保健福祉手帳の対象ではない。
4 放課後デイサービスの給付対象ではない。
5 感覚過敏は DSM-&の診断基準の中に含まれている。
― 7 ―
DKJM-午後-11

2 92 解離性障害について、正しいものを&つ選べ。 1 自殺企図との関連は乏しい。
2 心的外傷との関連は乏しい。
3 半数以上に交代性人格を伴う。
4 てんかんとの鑑別が必要である。
5 治療の方針は失われた記憶を早期に回復させることである。

2 93 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HDの二次障害につい て、正しいものを&つ選べ。
1 素行障害が出現しやすい。
2 気分障害の合併率は&%以下である。
3 ペアレント・トレーニングは効果がない。
4 精神分析的心理療法は治療の第一選択である。 5 養育環境は二次障害の発症や程度に影響しない。
― 8 ―
DKJM-午後-12

2 94 適性処遇交互作用の説明として、正しいものを&つ選べ。
1 学習者の適性は遺伝と環境の相互作用によって形成される。
2 学習成果は教授法などの学習条件よりも学習者の適性によって規定さ
れる。
3 教授法などの学習条件と学習者の適性の組合せによって学習成果が異
なる。
4 困難な学習課題であるほど、学習成果は教授法などの学習条件よりも
学習者の適性によって規定される。
5 容易な学習課題であるほど、学習成果は教授法などの学習条件よりも
学習者の適性によって規定される。

2 95 自殺予防に対する公認心理師の対応や判断として、最も適切なもの を&つ選べ。
1 自殺をしようと計画する人は、死ぬことを決意している。
2 自殺の危機が緩和されるまで、心理の深層を扱うような心理療法を継
続する。
3 公認心理師がクライエントと自殺について話をすると、自殺行動を引
き起こすことになる。
4 自殺が&つの選択肢であるという考えを一旦受容し、自殺が正しい判
断ではないことを確認する。
5 クライエントが自殺について語るときは、注意を引きたいだけである
ため、実際に自分自身を傷つけることはない。
― 9 ―
DKJM-午後-13

2 96 学校における生徒指導に関する説明で、正しいものを&つ選べ。 1 教育相談の一環として行われる。
2 小学校に生徒指導主事を置かなければならない。
3 問題や課題のある特定の子どもに対して行われる。
4 学習指導要領には、生徒指導が位置づけられている。
5 非行や暴力、反抗などの反社会的行動を修正することである。

2 97 大学における合理的配慮について、最も適切なものを&つ選べ。 1 合理的配慮の妥当性の検討には、医師の診断書が必須である。
2 合理的配慮の内容は、授業担当者の個人の判断に任されている。
3 合理的配慮は学生の保護者又は保証人の申出によって検討される。 4 合理的配慮の決定手続は学内規程に沿って組織的に行うべきである。 5 意思決定が困難な学生への合理的配慮は、意思確認を行わず配慮する
側の責任で行う。
― 10 ―
DKJM-午後-14

2 98 非行の要因に関する T. Hirschi の社会的絆理論について、正しいも のを&つ選べ。
1 個人に対する社会的絆が弱くなったときに非行が発生すると考える。 2 親による子どもの直接的統制は、社会的絆の重要な源泉の&つであ
る。
3 社会的絆理論の基本的な問いは、「なぜ人は逸脱行動をするのか」であ
る。
4 友人への愛着が強い少年が、より非行を起こしやすいと考えられてい
る。
5 社会的絆の&つであるコミットメントとは、既存の社会的枠組みに
沿った価値や目標達成に関わる度合いを意味する。

2 99 E. H. Schein が提唱した概念で、職務の遂行にあたって、何が得意 なのか、何によって動機づけられるのか、及び仕事を進める上で何に価 値を置いているのかについての自分自身の認識のパターンのことを何と いうか、正しいものを&つ選べ。
1 キャリア・ラダー
2 キャリア・アンカー
3 キャリア・プラトー
4 キャリア・アダプタビリティ 5 ライフ・キャリア・レインボー
― 11 ―
DKJM-午後-15

2 100 ナルコレプシーについて、正しいものを&つ選べ。 1 入眠時に起こる幻覚が特徴である。
2 治療には中枢神経遮断薬が用いられる。
3 脳脊髄液中のオレキシン濃度の上昇が特徴である。
4 笑いや驚きによって誘発される睡眠麻痺が特徴である。
5 耐え難い眠気による睡眠の持続は通常&時間から&時間である。
問101 妊娠・出産とうつ病の関連について、適切なものを&つ選べ。
1 産後うつ病は産後&週間以内に発症しやすい。
2 産後うつ病は比較的軽症であり、自殺の原因となることは少ない。 3 抗うつ薬を服用している女性が妊娠した場合、直ちに服薬を中止す
る。
4 エジンバラ産後うつ病質問票EPDSの得点が低いほどうつ病の可能
性が高い。
5 妊娠中のうつ病のスクリーニングにもエジンバラ産後うつ病質問票
EPDSが用いられる。
― 12 ―
DKJM-午後-16

2 102 学校での支援において医療機関との連携が必要な事例として、最 も適切なものを&つ選べ。
1 小学&年生の男児。粗暴で級友とのトラブルが多い。父親からの虐待 が疑われる。
2 小学&年生の男児。忘れ物が多く、気が散りやすい。順番を待てずに 他児を蹴るなど、トラブルが多い。
3 中学&年生の女子。しばしば腹痛を訴え、保健室を訪れる。級友から の無視や嫌がらせがある。
4 中学&年生の女子。不登校。インターネットで知り合った成人男性と の性的関係が疑われる。
5 中学&年生の男子。授業中の居眠り。夜遅くまで、高校生の友人と ゲームセンターで遊んでいる。

2 103 成年後見制度について、正しいものを&つ選べ。
1 成年被後見人であっても選挙権は制限されない。
2 医療保護入院は補助人の同意によって行うことができる。
3 成年後見人に選任される者は、弁護士又は司法書士に限られる。 4 法定後見は簡易裁判所の審判により成年後見人等が選任される。 5 保佐人は被保佐人が行った食料品の購入を取り消すことができる。
― 13 ―
DKJM-午後-17

2 104 労働者の心の健康の保持増進のための指針について、正しいもの を&つ選べ。
1 事業者は、職場のメンタルヘルスケアを実施しなければならない。
2 事業者は、事業場以外で労働者の私的な生活に配慮しなければならな
い。
3 個人情報保護の観点から、人事労務管理とは異なる部署でのケアが望
ましい。
4 労働者の心の健康問題についてケアを行う場合は、客観的な測定方法
に基づかなければならない。
5 事業者は、メンタルヘルスケアを実施するにあたり、事業場の現状と
その問題点を明確にし、基本的な計画を策定する必要がある。

2 105 小学&年生のある学級の校外学習において、児童が&名死亡し、 複数の児童が怪我を負うという交通事故が起こった。事故後&日が経過 した時点で、学級会で公認心理師が話をすることになった。
公認心理師の行動として、最も適切なものを&つ選べ。
1 全員から今の心境や思いを話してもらい傾聴する。
2 全員が強いトラウマを受けていることを前提として話をする。
3 悲しみや怒りが一定期間続くことは自然なことであると伝える。 4 全員がこの悲しい出来事に対処できる力を持っていると伝える。 5 軽傷で済んだ児童に、生きていて本当に良かったと言葉をかける。
― 14 ―
DKJM-午後-18

2 106 自殺の予防の観点から、自殺のリスクが最も低い因子を&つ選べ。
1 精神障害
2 自殺企図歴
3 中年期の女性
4 社会的支援の欠如
5 自殺手段への容易なアクセス

2 107 公認心理師の業務として、公認心理師法第&条に定められていな いものを&つ選べ。
1 保健医療、福祉、教育等の関係者等との連携を保つ。
2 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行
う。
3 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析す
る。
4 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助
言、指導その他の援助を行う。
5 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、
助言、指導その他の援助を行う。
― 15 ―
DKJM-午後-19

2 108 共同注意行動の例として、誤っているものを&つ選べ。 1 指さしpointing
2 クーイングcooing
3 参照視referential looking
4 相手に物を手渡す行動giving 5 相手に物を見せる行動showing

2 109 A. Thomas と S. Chess らによって行われた「ニューヨーク縦断研 究」で見出された&つの気質に含まれないものを&つ選べ。
1 外向性
2 順応性
3 活動水準
4 接近・回避
5 気の散りやすさ
― 16 ―
DKJM-午後-20

2 110 J. Belsky のモデルにおいて、親の養育行動に直接影響するものと して、不適切なものを&つ選べ。
1 学歴
2 仕事
3 夫婦関係
4 子どもの特徴
5 社会的交友・支援関係

2 111 I. D. Yalom らの集団療法の治療要因について、誤っているものを &つ選べ。
1 他者を援助することを通して、自己評価を高める。
2 他のメンバーを観察することを通して、新たな行動を学習する。
3 集団との一体感を覚えることで、メンバー相互の援助能力を高める。 4 現在と過去の経験についての強い感情を抑制することで、コントロー
ル力を高める。
5 他者も自分と同じような問題や悩みを持っていることを知り、自分だ
けが特異ではないことに気づく。
― 17 ―
DKJM-午後-21

2 112 心理療法の有効性の研究について、誤っているものを&つ選べ。 1 介入期間が定められる。
2 介入マニュアルが必要とされる。
3 単一の理論に基づく心理療法が用いられる。
4 クライエントが抱える多様な問題に焦点を当てる。
5 クライエントは無作為に介入群と対照群に割り付けられる。

2 113 更生保護の業務及び制度として、誤っているものを&つ選べ。
1 収容期間を満了して矯正施設を出所した人に対する緊急の保護制度 2 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人に対する医療観察制度 3 社会内処遇を円滑にするための地域社会の理解や協力を求める犯罪予
防活動
4 施設内処遇を受けている人を収容期間満了前に社会内処遇を受けさせ
る仮釈放制度
5 緊急通報への迅速な対応ができるように地域的に定められた範囲を巡
回監視する活動
― 18 ―
DKJM-午後-22

2 114 採用面接において面接者が陥りやすい心理として、誤っているも のを&つ選べ。
1 対比効果
2 寛大化傾向
3 ハロー効果
4 ステレオタイプ 5 ブーメラン効果

2 115 糖尿病について、誤っているものを&つ選べ。 1 うつ病発症のリスクを高める。
2 認知症発症のリスクを高める。
3 勃起不全発症のリスクを高める。
4 肥満は&型糖尿病の発症リスクを高める。 5 加齢は&型糖尿病の発症リスクを高める。
― 19 ―
DKJM-午後-23

2 116 ベンゾジアゼピン受容体作動薬の副作用として、誤っているもの を&つ選べ。
1 依存
2 健忘
3 せん妄
4 ふらつき
5 ジストニア

2 117 生活困窮者自立支援制度に含まれないものを&つ選べ。 1 医療費支援
2 家計相談支援
3 就労準備支援
4 子どもの学習支援
5 住居確保給付金の支給
― 20 ―
DKJM-午後-24

2 118 教育委員会が行う児童生徒に対する出席停止措置について、誤っ ているものを&つ選べ。
1 出席停止は児童生徒本人に対して命じられる。
2 出席停止を命ずる前に、保護者の意見を聴取する。
3 出席停止の理由及び期間を記載した文書を保護者に交付する。
4 出席停止は、公立の小学校、中学校及び義務教育学校に限られてい
る。
5 出席停止は学校の秩序を守り、他の児童生徒の学習権を保障するため
に行う。

2 119 ストレス反応について、誤っているものを&つ選べ。
1 身体的ストレス反応は、中枢神経系に引き続き内分泌系に現れる。 2 身体的ストレス反応には、交感神経系と副交感神経系の両方が関わ
る。
3 心身症とは、発症や経過に身体的ストレス反応が関わる身体疾患であ
る。
4 ストレッサーの種類によって、心身に生じるストレス反応の内容も決
まる。
5 心理的ストレス反応には、抑うつ、不安、怒りなどのネガティブな感
情が含まれる。
― 21 ―
DKJM-午後-25

2 120 公認心理師がクライエントに対して心理的支援を続行できないと きの対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 急病のため、クライエントへの面接の代行を同僚に依頼した。
2 画一的な対応を避けるため、不在時の対応マニュアルの作成への協力
を控えた。
3 産前・産後休業を取るにあたって、クライエントと今後の関わりにつ
いて相談した。
4 職場の異動に伴い担当者が交代したことを新しい担当者がクライエン
トに説明した。

2 121 公認心理師に求められるスーパービジョンについて、最も適切な ものを&つ選べ。
1 スーパーバイザーとスーパーバイジーの関係は対等である。
2 スーパーバイザーはスーパーバイジーへの心理療法を行うべきではな
い。
3 スーパーバイザーはスーパーバイジーが行う心理的支援の実践上の責
任を負う。
4 スーパービジョンとはスーパーバイザーとスーパーバイジーが&対&
で行うものをいう。
― 22 ―
DKJM-午後-26

2 122 準実験的研究法の特徴として、最も適切なものを&つ選べ。 1 予備実験に用いられることが多い。
2 実験的研究に比べて、内的妥当性が高い。
3 実験的研究に比べて、倫理基準が緩やかである。
4 参加者を無作為に割り付けることができないときに実施が検討され る。

2 123 知能検査を含む集団式の能力テストについて、適切なものを&つ 選べ。
1 個別で実施することはできない。
2 第二次世界大戦を機に兵士の選抜のために開発された。
3 学校での成績の予測妥当性は相関係数にして 0.60 を超える。
4 学習障害や発達の遅れのスクリーニングとして使うことができる。
― 23 ―
DKJM-午後-27

2 124 ギャンブル等依存症について、正しいものを&つ選べ。 1 本人の意思が弱いために生じる。
2 パーソナリティ障害との併存はまれである。
3 自助グループに参加することの効果は乏しい。
4 虐待、自殺、犯罪などの問題と密接に関連している。

2 125 病院において、公認心理師が医師から心理検査を含むアセスメン トを依頼された場合、その結果を報告する際の留意点として、不適切な ものを&つ選べ。
1 依頼された際の目的に応えられるように、情報を整理し報告する。 2 心理的側面のみでなく、生物学的側面や社会環境も統合して報告す
る。
3 クライエントの処遇や治療方針を決めるための参考になるよう配慮す
る。
4 心理検査の結果を他の情報と照合することはせず、心理検査からの客
観的報告にとどめる。
― 24 ―
DKJM-午後-28

2 126 クライエントに関する情報提供が秘密保持義務よりも優先される 状況について、適切なものを&つ選べ。
1 クライエントが虐待されていることが疑われる場合
2 クライエントに直接関係ない専門家の研修会で事例として取り上げる
場合
3 成人のクライエントについて、一親等の家族から情報開示の請求があ
る場合
4 クライエントとの面接で、誹謗中傷される相手が特定できる可能性が
ある場合
5 クライエントが自分自身の精神状態や心理的な問題に関連して訴訟を
起こし、その裁判所から要請がある場合

2 127 対人魅力について、適切なものを&つ選べ。
1 相手からの評価や好意が対人魅力に影響を与える。
2 相手との物理的距離が大きいほど対人魅力につながる。
3 容貌などの身体的特徴は対人魅力に影響を与えることはない。
4 相互作用を伴わない単なる接触の繰り返しが対人魅力につながる。 5 性格が自分と類似した相手より相違点が多い相手に対人魅力を感じや
すい。
― 25 ―
DKJM-午後-29

2 128 J. Piaget の発達段階説について、正しいものを&つ選べ。 1 発達段階は個人によってその出現の順序が入れ替わる。
2 感覚運動期の終わり頃に、延滞模倣が生じる。
3 前操作期に入ると、対象の永続性に関する理解が進む。
4 形式的操作期に入ると、仮説による論理的操作ができるようになる。 5 具体的操作期に入ると、イメージや表象を用いて考えたり行動したり
できるようになる。

2 129 PECS の説明として、正しいものを&つ選べ。 1 質問への応答から指導を始める。
2 応用行動分析の理論に基づいている。
3 身振りを意思伝達の手段として用いる。
4 補助代替コミュニケーションの一種である。
5 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDではない子ど
もに、より効果的である。

2 130 田中ビネー知能検査 V の実施と解釈について、正しいものを2つ 選べ。
1 2歳から 18 歳 11 か月まで適用が可能である。
2 生活年齢CAより1歳低い年齢級の課題から検査を始める。
3 13 歳以下では、精神年齢MAから知能指数IQを算出する。
4 各年齢級の問題で1つでも合格できない問題があれば、下の年齢級に
下がる。
5 14 歳以上では「言語理解」、「作動記憶」、「知覚統合」及び「処理速度」の4分野について、偏差知能指数DIQを算出する。

2 131 二次予防の取組として、適切なものを&つ選べ。 1 がん検診
2 健康教育
3 作業療法
4 予防接種 5 人間ドック
― 27 ―
DKJM-午後-31

2 132 知的障害のある子どもへの対応方針について、適切なものを&つ 選べ。
1 失敗体験を積み重ねて失敗に慣れさせる。
2 スモールステップでできることを増やす。
3 得意な面よりも苦手な面を優先して指導する。
4 社会生活に必要な技能や習慣を身に付けさせる。
5 具体的な活動よりも抽象的な内容の理解を重視する。

2 133 物質使用障害について、正しいものを&つ選べ。
1 コカインは身体依存性が強い。
2 ヘロインは身体依存性が強い。
3 大麻はドパミン受容体を介して多幸作用を生じる。
4 モルヒネはオピオイド受容体を介して興奮作用を生じる。
5 3,4−メチレンジオキシメタンフェタミンMDMAはセロトニン遊離
増加作用を介して幻覚を生じる。
― 28 ―
DKJM-午後-32

2 134 親権について、正しいものを&つ選べ。
1 親権には財産管理権は含まれない。
2 民法には親権喪失及び親権停止が規定されている。
3 児童相談所の一時保護には親権者の同意は必要でない。
4 里親に委託措置をする場合、親権者の同意は必要でない。
5 児童養護施設に入所措置する際、親権者の同意は必要でない。

2 135 犯罪被害者等基本法について、正しいものを&つ選べ。
1 犯罪等とは、犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為を
指し、交通事故も含まれる。
2 犯罪被害者等とは、犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族
であり、日本国籍を有する者をいう。
3 犯罪被害者等基本計画の案を作成するなどの事務をつかさどる犯罪被
害者等施策推進会議は、内閣府に置く。
4 犯罪被害者等のための施策とは、犯罪被害者等が、その受けた被害を
回復し、社会に復帰できるための支援の施策である。
5 犯罪被害者等のための施策は、警察等刑事司法機関に事件が係属した
ときから、必要な支援等を受けることができるよう講ぜられる。
― 29 ―
DKJM-午後-33

2 136 網膜像差が奥行き知覚手掛かりとして有効であるかを検討する目 的で実験を行った。網膜像差が0分、6分、12 分、18 分の&種類から なるランダムドットステレオグラムを各実験参加者にランダムな順序で 呈示した。実験参加者はランダムドットステレオグラムを観察し、実験 者から渡されたノギスを用いて見かけの奥行き量を再生した。
この実験データから網膜像差の&つの条件で再生された奥行き量の平 均に差があるかを検討するための統計的方法として、最も適切なものを &つ選べ。
1 対応のある1要因分散分析
2 対応のある4要因分散分析
3 対応のない1要因分散分析
4 対応のない4要因分散分析
5 対応のある2標本の平均の差の検定

1

2 137 18 歳の女性 A、大学生。サークルに入部して&か月がたった頃、 A はいつも集合時間に遅刻するため、副部長の B から注意を受けた。 そのことをきっかけに B を怖いと思うようになった。その後、忘れ物 をした部員に B が注意している場面を偶然見かけ、B はいつも怒って いるので怖いという思いが強くなった。実際には、B が部員を優しく励 ましたり、場の雰囲気を和ませる発言をしたりする場面も見たことがあ るが、そのことは A の印象には残っていなかった。やがて A は「B が いるからサークルに行きたくない」と言い、サークルを休むことが多く なってきた。
このような A の心理的特徴として、最も適切なものを&つ選べ。 1 錯誤相関
2 確証バイアス
3 自己評価維持モデル
4 スポットライト効果
5 利用可能性ヒューリスティック
― 31 ―
DKJM-午後-35

2 138 25 歳の男性 A、会社員。&か月前にバイク事故により総合病院の 救命救急センターに搬入された。意識障害はなく、胸髄損傷による両下 肢完全麻痺と診断された。&週間前、主治医から A に、今後、両下肢 完全麻痺の回復は期待できないとの告知がなされた。その後 A はふさ ぎこみ、発語が少なくなったため、主治医から院内の公認心理師 B に 評価及び介入の依頼があった。B が訪室すると A は表情がさえず、早 朝覚醒と意欲低下が認められた。
このときの B の対応として、最も優先度が高いものを&つ選べ。 1 神経心理学的検査を行う。
2 障害受容プロセスを話題にする。
3 アサーション・トレーニングを導入する。
4 脊髄損傷の当事者の会への参加を勧める。
5 抑うつ状態が疑われることを主治医に報告する。
― 32 ―
DKJM-午後-36

2 139 74 歳の女性。単身生活で、就労はしていない。最近物忘れがひどいと総合病院の内科を受診した。内科医から公認心理師に心理的アセス メントの依頼があった。精神疾患の既往歴はなく、神経学的異常もみられない。以前から高血圧症を指摘されていたが、現在はコントロールさ れている。頭部 CT 検査で異常はなく、改訂長谷川式簡易知能評価ス ケールHDS-Rは21点であった。
この時点で公認心理師が行う心理検査として、最も適切なものを&つ 選べ。
1 CAPS
2 CPT
3 MMPI
4 WMS-R
5 Y-BOCS

4

2 140 22 歳の女性 A。A は職場での人間関係における不適応感を訴えて 精神科を受診した。ときどき休みながらではあるが勤務は継続してい る。親と仲が悪いので&年前から単身生活をしているとのことである。 公認心理師が主治医から心理的アセスメントとして、YG 法、BDI-II、 WAIS-IVの実施を依頼された。YG 法では E 型を示し、BDI-IIの得点 は19点で希死念慮はない。WAIS-IVの全検査IQは98であったが、言 語理解指標と処理速度指標との間に大きな差があった。
公認心理師が引き続き行う対応として、最も適切なものを1つ選べ。
1 MMSE を実施する。
2 田中ビネー知能検査Vを追加する。
3 家族から情報を収集したいと A に伝える。
4 重篤なうつ状態であると主治医に伝える。
5 生育歴についての情報を A から聴き取る。

5

2 141 19 歳の男性 A、大学&年生。A は将来に希望が持てないと学生相 談室に来室した。「目指していた大学は全て不合格だったので、一浪で 不本意ながらこの大学に入学した。この大学を卒業しても、名の知れた 企業には入れないし、就職できてもずっと平社員で結婚もできない。自 分の将来に絶望している」と述べた。
A に対する社会構成主義的立場からのアプローチとして、最も適切 なものを&つ選べ。
1 不本意な入学と挫折の心理について心理教育を行う。
2 A の将来への絶望について無知の姿勢で教えてもらう。
3 A の劣等感がどのように作り出されたのかを探索させる。
4 学歴社会の弊害とエリート主義の社会的背景について説明する。
5 A の思考のパターンがどのように悲観的な感情を作り出すのかを指
摘する。
― 35 ―
DKJM-午後-39

2 142 47 歳の男性 A。A は、長年の飲酒、食習慣及び喫煙が原因で、生 活習慣病が悪化していた。主治医はこれらの習慣は簡単には変えられな いため、院内の公認心理師と共にじっくりと取り組むようカウンセリン グを A に勧めた。A は「酒もたばこも生活の一部だ」と話す一方で、「自 分の身体のことは心配なので、この&週間はたばこの本数を毎日 20 本 から 15 本に減らし、&日の最初の&本を遅らせている。酒はやめる気 はない」と言う。
A の行動変容の段階を考慮した公認心理師の対応として、最も適切 なものを&つ選べ。
1 禁酒も始めるように促す。
2 生活習慣病への意識を向上させる。
3 禁煙のための具体的な計画を立てる。
4 飲酒と喫煙の害について心理教育を行う。
5 喫煙本数が増えないように現在の自分なりの制限を継続させる。
― 36 ―
DKJM-午後-40

2 143 13 歳の男子 A、中学&年生。A は両親と&つ上の兄 B と暮らし ている。両親は、A と B が幼い頃から、多くの学習塾に通わせるなど して中学受験を目指させた。B は志望校に合格したが、A は不合格で あった。両親は「お前は出来そこないだ。これからは死ぬ気で勉強しろ」 と A を繰り返しなじった。次第に両親は「お前は B とは違って負け犬 だ。負け犬の顔など見たくない」と言い、A に別室で一人で食事をさせ たり、小遣いを与えなかったりし始めた。
両親の行為は虐待種別の何に当たるか、最も適切なものを&つ選べ。 1 教育的虐待
2 経済的虐待
3 身体的虐待
4 心理的虐待
5 ネグレクト
― 37 ―
DKJM-午後-41

2 144 &歳の男児 A、小学&年生。A は実母と継父との三人暮らしで あったが、ネグレクトと継父からの身体的虐待のため、児童相談所に一 時保護された。入所当初は、いつもきょろきょろと周囲をうかがってい て落ち着かず、夜は悪夢でうなされることが多かった。入所&週間後の 就寝時、男性指導員が A を居室に連れて行こうとして手を取ったとこ ろ、急に大声で叫び、周辺にあるものを放り投げ、頭を壁に打ち付け始 めた。男性指導員は A に落ち着くよう促したが、なかなか行動が鎮ま らなかった。しばらくして行動は止んだが、無表情となって、立ちすく んだままであった。声をかけるとようやく頷いた。
A の行動の解釈として、最も適切なものを&つ選べ。 1 男性指導員への試し行動
2 フラッシュバックによる混乱
3 慣れない生活の場での情緒の混乱
4 抑圧されていた攻撃的感情の表出
5 反抗挑戦性障害にみられる権威者に対する反発
― 38 ―
DKJM-午後-42

2 145 中学&年生の数学教科担任 A は、方程式の単元で困難度の異なる 計算問題 30 問が印刷されたプリントを授業中に用いることを考えた。 その際、最初から少しずつ難しくなるように問題を配置し、生徒が積極 的に解答を書き込めるような工夫をした。また、模範解答も用意した。 さらに、授業中には自分のペースで取り組めるような時間を設定するこ とにした。
このプリントを用いた A の授業をプログラム学習の原理に沿ったも のにするために必要なこととして、最も適切なものを&つ選べ。
1 グループで答え合わせをする時間を設ける。
2 解答するための&問当たりの制限時間を生徒に設定させる。
3 &問ずつ解答した直後に、答え合わせをするように指示する。
4 計算問題が苦手な生徒に対しては、教師が一緒に答え合わせを行う。 5 全ての問題に正しく解答した生徒から休み時間にしてよいと告げる。
― 39 ―
DKJM-午後-43

2 146 14 歳の男子 A、中学&年生。A は中学&年生のときに比べ、学習 に対して積極的に取り組み、成績が全体的に上がった。&学期の成績評 定は国語と社会が高く、数学と体育は他の教科と比べて低かった。A は中学&年生のときは幅広い交友関係があったが、現在は特定の友人と 親しくしている。何事に対しても真面目に取り組み、クラスメイトから も信頼されているが、自信がなく不安な様子もみられる。
A についてのこれらの情報は、どのような評価に基づくか、最も適 切なものを&つ選べ。
1 診断的評価と相対評価
2 縦断的個人内評価と相対評価
3 診断的評価と横断的個人内評価
4 診断的評価と縦断的個人内評価
5 縦断的個人内評価と横断的個人内評価
― 40 ―
DKJM-午後-44

2 147 75 歳の女性 A。A は相談したいことがあると精神保健福祉セン ターに来所し、公認心理師が対応した。A は、45 歳の長男 B と二人暮 らしで、B は覚醒剤の自己使用により保護観察付執行猶予中だという。 「最近、B が私の年金を勝手に持ち出して使ってしまうようになった。 そのため生活費にも事欠いている。財布からお金が何度もなくなってい るし、B の帰りが遅くなった。B は覚醒剤を使用しているのではない か。B に恨まれるのが怖くて保護司に言えないでいる。B を何とかして くれないか」との相談であった。
公認心理師の対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 高齢者虐待のおそれがあるとして、市町村に通報する。
2 A の話が本当かどうかを確認するため、しばらく継続して来所する
よう提案する。
3 B の行為について、高齢者虐待防止法違反として、警察に通報し立件
してもらう。
4 B が覚醒剤を使用している可能性が高いので、対応してもらうよう保
護観察所に情報を提供する。
5 B の行為は高齢者虐待に該当しないため、覚醒剤乱用の疑いがあると
して、A から担当保護司に相談するよう助言する。 注:「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対 する支援等に関する法律」である。
― 41 ―
DKJM-午後-45

2 148 30 歳の女性 A、会社員。ストレスチェックの結果、高ストレス者 に該当するかどうかを補足的な面接で決定することになり、公認心理師 が A の面接を行った。A のストレスプロフィールは以下のとおりで あった。「心理的な仕事の負担」は低い。「技能の活用度」、「仕事の適性 度」及び「働きがい」が低い。「職場の対人関係のストレス」が高い。「上司 からのサポート」と「同僚からのサポート」が低い。ストレス反応では、 活気に乏しく疲労感と抑うつ感が高い。「仕事や生活の満足度」と「家族 や友人からのサポート」が低い。
ストレスプロフィールを踏まえ、面接で把握すべき事項として、最も 優先度の低いものを&つ選べ。
1 労働時間を尋ねる。
2 休日の過ごし方を尋ねる。
3 キャリアの問題を抱えていないか尋ねる。
4 上司や同僚との人間関係について尋ねる。
5 疲労感と抑うつ感は、いつ頃から自覚し始め、どの程度持続している
のかを尋ねる。
― 42 ―
DKJM-午後-46

2 149 14 歳の女子 A、中学&年生。A は、クラスメイトの B が複数の 生徒から無視されたり、教科書を隠されるなどの嫌がらせを受けたりし ていることをスクールカウンセラーに相談した。A はこのような状況 を何とかしてほしいが、自分が相談したことは内緒にしてほしいと強く 希望している。
現時点でのスクールカウンセラーの対応として、不適切なものを&つ 選べ。
1 B から詳しい事情を聞く。
2 A が相談に来た勇気を認める。
3 A の承諾を得て、担任教師に連絡する。
4 A からいじめの事実について詳しく聞く。
5 客観的に状況を把握するために、クラスの様子を見に行く。
― 43 ―
DKJM-午後-47

2 150 25 歳の女性 A。A は夫から暴力を受け、電話連絡や金銭使用を制 限されて、配偶者暴力相談支援センターに逃げ込むが、すぐに夫のもと に戻り同居するということを何回も繰り返していた。今回も夫の暴力で 腕を骨折し、同センターに保護された。A は日中ぼんやりとし、名前 を呼ばれても気づかないことがある。外出すると、自分の居場所が分か らなくなる。夫から殴られる夢を見て眠れない、いらいらして周囲に当 たり散らすなどの様子がみられる。その一方で、「夫は今頃反省してい る。これまで何度も暴力の後に優しくしてくれた」と言い、「夫のもとに 戻る」と言い出すこともある。
A の状況から考えられることとして、不適切なものを&つ選べ。 1 夫との共依存関係がある。
2 夫婦は常に高い緊張関係にある。
3 心的外傷後ストレス障害PTSDが疑われる。
4 5
A は、夫の暴力を愛情表現の&つと認知している。
ドゥルース・モデルと言われる「パワーとコントロール」の構造が見受 けられる。
― 44 ―
DKJM-午後-48

2 151 50 歳の男性 A、外回りの医薬品営業職。最近急に同僚が大量退職 したことにより、担当する顧客が増え、前月の時間外労働は100時間を 超えた。深夜早朝の勤務も多く、睡眠不足で業務にも支障が出始めてい る。このまま仕事を続けていく自信が持てず、休日もよく眠れなくなっ てきた。人事部から配布された疲労蓄積度自己診断チェックリストに回 答したところ、疲労の蓄積が認められるという判定を受けた。A は会 社の健康管理室を訪れ、公認心理師 B に詳しい事情を話した。
このときの B の対応として、最も優先されるものを&つ選べ。 1 HAM-D を実施する。
2 産業医との面接を強く勧める。
3 継続的に B に相談に来ることを勧める。
4 仕事を休んでゆっくりするよう助言する。
― 45 ―
DKJM-午後-49

2 152 58 歳の男性 A。A は仕事の繁忙期に寝つきが悪くなり、近所の内 科で&か月前から睡眠薬を処方され服用していた。最近入床から&時間 以上たっても眠れない日が増え、中途覚醒も認められるようになった。 日中の疲労感が強くなってきたため、心療内科を受診した。不眠以外の 精神疾患や身体疾患は認められず、主治医から公認心理師に心理的支援 の指示があった。
A への対応として、適切なものを&つ選べ。
1 認知行動療法を勧める。
2 筋弛緩法を実践するように勧める。
3 これまでよりも早めに就床するように勧める。
4 中途覚醒した際に寝床に留まるように勧める。
5 夜中に起きた際には時計で時刻を確認するように勧める。
― 46 ―
DKJM-午後-50

2 153 85 歳の男性 A。A は一人暮らしで、介護保険は申請しておらず、 認知症の診断もされていない。しかし、身辺自立はしているものの、室 内の清掃が行き届かず、物を溜め込みがちであるので、地域ケア会議 で、ホームヘルパーによる清潔管理を行っていく方針を取り決め、実施 していた。ヘルパーを受け入れているようにみえたが、&か月が経過し た頃、A からホームヘルパーの利用を終わりにしたいと突然申出が あった。
地域包括支援センターの対応として、適切なものを&つ選べ。 1 基本チェックリストの再確認
2 グループホームへの入居の提案
3 小規模多機能型居宅サービスの利用
4 地域ケア会議での支援方法の再検討
5 定期巡回・随時対応型訪問サービスの利用
― 47 ―
DKJM-午後-51

2 154 35 歳の男性 A、会社員。うつ病の診断で休職中である。抑うつ感 は改善したが、まだ夜間よく眠れず、朝起きづらく、昼間に眠気があ る。通院している病院に勤務する公認心理師が A と面接を行っていた ところ、A は「主治医には伝えていないが、同僚に取り残される不安が あり、早々に復職をしたい。職場に行けば、昼間は起きていられると思 う」と話した。
このときの公認心理師の対応として、適切なものを&つ選べ。
1 試し出勤制度を利用するよう助言する。
2 まだ復職ができるほど十分に回復していないことを説明する。
3 A に早々に復職したいという焦る気持ちがあることを受け止める。 4 同僚に取り残される不安については、これを否定して安心させる。 5 主治医に職場復帰可能とする診断書を作成してもらうよう助言する。
― 48 ―
DKJM-午後-52

第3回午前10 時 00 分〜12 時 00 分

3 1 要支援者と公認心理師の関係について、適切なものを&つ選べ。 1 心理療法の面接時間は、要支援者のニーズに合わせてその都度変える
のが良い。
2 投薬が必要となり、精神科に紹介したケースも、必要であれば心理的
支援を継続する。
3 知らない人に対して気後れして話ができないという友人の母親のカウ
ンセリングを引き受ける。
4 大学附属の心理相談室で新規ケースのインテーク面接を行う場合、受
理するかどうかは自分一人で決める。
5 学校内で自殺者が出た場合の緊急介入時には、事実を伝えるのは亡く
なった生徒と親しかった少数のみに限定するのが原則である。

3 2 統合失調症の症状が増悪したクライエントへの公認心理師の介入に ついて、適切なものを&つ選べ。
1 症状増悪時は、心理的支援を行わない。
2 幻聴に関して、幻覚であることを自覚させる。
3 緊張病性昏迷では、身体管理が必要となる可能性があることを家族に
伝える。
4 作為体験によるリストカットは、ためらい傷程度であれば特に緊急性
はない。
5 服薬を拒否するクライエントに対して、薬は無理に服薬しなくてよい
と伝える。
― 1 ―
DKJM-午前-5
3 3 自殺予防や自殺のリスク評価について、正しいものを&つ選べ。 1 文化的・宗教的な信条は、自殺のリスクに関連しない。
2 自殺念慮に具体的な計画があると、自殺のリスクが高い。
3 家族や身近な人に自殺者がいても、自殺のリスクが高いとは言えな
い。
4 自殺予防のための情報提供などの普及啓発は、自殺の二次予防として
重要である。
5 自殺手段や自殺が生じた場所について繰り返し詳しく報道すること
は、自殺予防になる。

3 4 ある医療機関で入院患者が自殺し、&日後に同じ病棟の患者が続け て自殺した。この病棟における自殺のポストベンションについて、最も 適切なものを&つ選べ。
1 第一発見者のケアを優先する。
2 患者の担当以外の病棟スタッフは対象にならない。
3 自殺の原因を特定し、病棟の問題を解決することが目的である。
4 入院患者と医療スタッフが当該自殺に関する率直な感情を表現する機
会を設ける。
5 守秘義務のため、亡くなった患者と親しかった他の患者には自殺につ
いて伝えない。
― 2 ―
DKJM-午前-6

3 5 遊戯療法と最も関係が深い人物として、正しいものを&つ選べ。 1 A. Ellis
2 A. Freud
3 A. T. Beck
4 H. A. Murray 5 J. B. Watson

3 6 奥行きの知覚における両眼性の手がかりとして、正しいものを&つ 選べ。
1 陰影
2 輻輳
3 重なり
4 線遠近法
5 きめの勾配
― 3 ―
DKJM-午前-7

3 7 統計的仮説検定の説明として、正しいものを&つ選べ。
1 t 検定では、自由度が大きいほど、帰無仮説の上側確率に基づく棄却
の限界値は小さい。
2 &つの条件の平均に有意な差が認められない場合、それらの平均には
差がないといえる。
3 K. Pearson の相関係数が 0.1 % 水準で有意であった場合、&つの変
数間に強い相関があるといえる。
4 対応のない&群の t 検定では、各群の標準偏差が大きいほど、有意な
差があるという結果が生じやすい。
5 K. Pearson の相関係数の有意性検定では、サンプルサイズが小さい
ほど、帰無仮説の上側確率に基づく棄却の限界値は小さい。

3 8 心理学の実験において、「X が Y に及ぼす影響」の因果的検討を行 うとき、正しいものを&つ選べ。
1 X を剰余変数という。
2 Y を独立変数という。
3 研究者があらかじめ操作するのは Y である。
4 X は、値又はカテゴリーが&つ以上設定される。
5 結果の分析には、X と Y の相関を求めるのが一般的である。
― 4 ―
DKJM-午前-8

3 9 100 g の重さの知覚における弁別閾を測定したところ 10 g であっ た。このときに予測される 400 g の重さの知覚における弁別閾として、 正しいものを&つ選べ。
1 2.5g 2 10g
3 13.01 g 4 20g
5 40g

3 10 E. C. Tolman は、ラットの迷路学習訓練において、訓練期間の途中 から餌報酬を導入する実験を行っている。この実験により明らかになっ たこととして、最も適切なものを&つ選べ。
1 回避学習
2 観察学習
3 初期学習
4 潜在学習
5 逃避学習
― 5 ―
DKJM-午前-9

3 11 N. Chomsky の言語理論の立場として、正しいものを&つ選べ。 1 言語発達のメカニズムは、遺伝的に決定されている。
2 どのような言語にも共通する普遍文法は存在しない。
3 言語の文法は、ヒト以外の動物種にも認めることができる。
4 句構造規則によって作られた文の表層構造は、変形規則によって深層
構造となる。
5 脳の中にある言語獲得装置は、報酬と罰の経験によって文法を獲得す
る働きを持つ。

3 12 質問紙法を用いたパーソナリティ検査について、正しいものを&つ 選べ。
1 検査得点の一貫性のことを妥当性という。
2 α 係数は、検査項目の数が多いほど、低い値をとる。
3 再検査法では、&時点の検査得点間の相関係数を用い、検査の安定性
をみる。
4 検査が測定しようとしているものを正しく測定できている程度のこと
を信頼性という。
5 検査得点の分散に占める真の得点の分散の割合が高いほど、検査結果
の解釈が妥当になる。
― 6 ―
DKJM-午前-10

3 13 摂食行動を制御する分子について、正しいものを&つ選べ。 1 グレリンは、食欲を抑制する。
2 レプチンは、食欲を促進する。
3 オレキシンは、食欲を抑制する。
4 肥満症では、血液中のグレリン濃度が上昇する。
5 肥満症では、血液中のレプチン濃度が上昇する。

3 14 自己中心性バイアスに該当する現象として、最も適切なものを&つ 選べ。
1 ハロー効果
2 スリーパー効果
3 自己関連づけ効果 4 フレーミング効果 5 スポットライト効果
― 7 ―
DKJM-午前-11

3 15 ケース・アドボカシーの説明として、正しいものを&つ選べ。
1 患者が、医療側の説明を理解し、同意し、選択すること
2 医療側が、患者に対して行おうとしている治療について十分な説明を
行うこと
3 障害のある子どもと障害のない子どもを分けずに、特別な教育的ニー
ズをもつ子どもを支援すること
4 ある個人や家族がサービスの利用に際して不利益を被らないように、
法的に保障された権利を代弁・擁護すること
5 障害者が社会の中で差別を受けることなく、権利の平等性を基盤にし
て、一般社会の中に正当に受け入れられていくこと

3 16 精神分析理論の防衛機制に関する実験的研究の結果を基盤に発展し た心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
1 SCT
2 TAT
3 MMPI
4 P-F スタディ
5 ロールシャッハ・テスト

― 8 ―
DKJM-午前-12

3 17 公認心理師が心理相談での記録や報告を行う際に留意することとし て、最も適切なものを&つ選べ。
1 病院からの紹介状への返事は、クライエントには見せない。
2 守秘義務があるため、面接内容は自身の上司には報告しない。
3 録音は、クライエントを刺激しないために気づかれないように行う。
4 心理検査の報告は、検査を依頼した職種にかかわらず専門用語を使っ
て書く。
5 インテーク面接の記録には、観察事項に基づいた面接時の印象も併せ
て記録する。

3 18 心身症に関連した概念について、正しいものを&つ選べ。
1 慢性疼痛患者には、抗うつ剤は無効である。
2 進学や結婚は、気管支喘息の増悪に関与しない。
3 タイプ A 型行動パターンは、消化性潰瘍のリスク要因である。
4 本態性高血圧症が心理的ストレスで悪化している場合は、心身症と考
える。
5 アレキシサイミア失感情症とは、以前楽しめていた活動に対して楽
しめない状態を意味する。
― 9 ―
DKJM-午前-13

3 19 過敏性腸症候群IBSについて、正しいものを&つ選べ。 1 感染性腸炎は、発症と関連しない。
2 内臓痛覚閾値の低下が認められる。
3 我が国の有病率は、約&% である。
4 プロバイオティクスは、有効ではない。
5 下痢型 IBS は女性に多く、便秘型 IBS は男性に多い。

3 20 介護保険が適用されるサービスとして、正しいものを&つ選べ。 1 配食サービス
2 精神科訪問看護
3 介護ベッドの購入
4 住宅型有料老人ホーム 5 通所リハビリテーション
― 10 ―
DKJM-午前-14

3 21 T. Kitwood の提唱した認知症に関するパーソンセンタード・ケア の考え方について、最も適切なものを&つ選べ。
1 問題行動を示したときは、効率的に管理しなければならない。
2 ケアで重要なことは、介護者自身の不安や弱さなどは考慮せず、理性
的に行うことである。
3 認知症の治療薬が開発されるまで、専門家として認知症の人にできる
ことはほとんどない。
4 認知症は、第一の視点として、中枢神経系の病気としてよりも障害と
してみるべきである。
5 ケアは、安全な環境を提供し、基本的ニーズを満たし、身体的ケアを
与えることが中心となる。

3 22 Alzheimer 型認知症について、最も適切なものを&つ選べ。 1 うつ症状が起こる。
2 見当識は保持される。
3 近時記憶障害は目立たない。
4 具体的な幻視が繰り返し出現する。
5 注意や明晰さの著明な変化を伴う認知の変動がみられる。
― 11 ―
DKJM-午前-15

3 23 児童の社会的養護における家族再統合について、最も適切なものを &つ選べ。
1 家庭復帰が困難な子どもは対象ではない。
2 児童福祉施設は、家族再統合には積極的に関与しない。
3 家庭裁判所は、申立てがあった場合、直接保護者に適切な治療や支援
を受けることを命令できる。
4 子どもが、家族の歴史や事情を知った上で、肯定的な自己イメージを
持つことができるよう支援する。
5 施設や里親などにおける子どもの生活が不安定になるため、分離中の
実親との交流は、原則として控える。

3 24 学習者が自分の目標を決め、その目標を達成するために自らの計画 を立て、実行段階で思考、感情及び行為をコントロールし、実行後に振 り返り、自らの学習行動を評価するプロセスとして、正しいものを&つ 選べ。
1 観察学習
2 自己調整学習
3 認知的徒弟制
4 古典的条件づけ
5 有意味受容学習
― 12 ―
DKJM-午前-16

3 25 学校心理学における心理教育的援助サービスの考え方について、最 も適切なものを&つ選べ。
1 心理面の援助を中心に行う。
2 スクールカウンセラーが単独で援助する。
3 スクールカウンセラーに援助を求める子どもを対象とする。
4 非行をする子どもなど、援助ニーズの高い子どもを対象とする。
5 スクールカウンセリング活動は、学校教育の一環として位置づけられ
る。
3 26 構成的グループエンカウンターの特徴として、最も適切なものを& つ選べ。
1 グループを運営するリーダーを決めずに実施する。
2 参加者の内面的・情動的な気づきを目標としていない。
3 特定の課題設定などはなく、参加者は自由に振る舞える。
4 レディネスに応じて、学級や子どもの状態を考慮した体験を用意でき
る。
5 &回の実施時間を長くとらなくてはいけないため、時間的な制約のあ
る状況には向かない。
― 13 ―
DKJM-午前-17

3 27 事業場における労働者のメンタルヘルスケアについて、正しいもの を&つ選べ。
1 労働者は、自己保健義務を負っている。
2 労働者の主治医が中心となって推進する。
3 人事労務管理スタッフは、関与してはならない。
4 産業医の中心的な役割は、事業場内で診療を行うことである。
5 対象範囲を、業務に起因するストレスに限定することが大切である。
問28 F. Herzberg の&要因理論に関する説明として、正しいものを&つ 選べ。
1 達成動機は、接近傾向と回避傾向から構成される。
2 職場の出来事で満足を与える要因を達成欲求という。
3 分配の公正と手続の公正は、仕事への動機づけを高める。
4 職場での満足を感じる要因は、仕事への動機づけを高める。 5 職場の出来事で不満足につながる要因をバーンアウトという。
― 14 ―
DKJM-午前-18

3 29 糖尿病について、正しいものを&つ選べ。
1 糖尿病は、&型から&型に移行することが多い。
2 糖尿病の運動療法には、無酸素運動が有効である。
3 &型糖尿病患者に、血糖自己測定SMBGは不必要である。
4 非定型抗精神病薬の中には、糖尿病患者に使用禁忌の薬がある。
5 健診で HbA1c 値が 6.8 % であった場合は、糖尿病の可能性は低い。

3 30 甲状腺機能低下症にみられる症状について、正しいものを&つ選 べ。
1 下痢
2 頻脈
3 眼球突出
4 傾眠傾向
5 発汗過多
― 15 ―
DKJM-午前-19

3 31 抗精神病薬を長期間投与された患者に多くみられる副作用のうち、 舌を突出させたり、口をもぐもぐと動かしたりする動きが特徴的な不随 意運動として、正しいものを&つ選べ。
1 バリズム
2 アカシジア
3 ジストニア
4 ジスキネジア 5 ミオクローヌス

3 32 医療法で、「高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有するこ と」が要件として定められている病院として、正しいものを&つ選べ。
1 救急病院
2 精神科病院
3 特定機能病院
4 地域医療支援病院
5 臨床研究中核病院
― 16 ―
DKJM-午前-20

3 33 公認心理師の業務について、不適切なものを&つ選べ。
1 必要に応じて、他の保健医療の専門家と協力する。
2 心理療法の料金については、心理療法を始める段階で合意しておく必
要がある。
3 心理療法の効果に焦点を当て、限界については説明を行わず、心理療
法を開始する。
4 心理的アセスメントには、心理検査の結果だけではなく、関与しなが
らの観察で得た情報も加味する。
5 クライエントが、被虐待の可能性が高い高齢者の場合は、被害者保護
のために関係者との情報共有を行う。

3 34 対人援助職のセルフケアと自己点検において重要な感情労働につい て、不適切なものを&つ選べ。
1 感情労働は、第三の労働形態である。
2 感情労働は、A. Hochschild によって定義された概念である。
3 感情労働とは、職業上、自己の感情をコントロールすることが要求さ
れる労働のことである。
4 感情労働における深層演技とは、クライエントの感情を無意識的に自
分の感情として感じることである。
5 感情労働における表層演技は、自らの感情とは不一致でも他者に表出
する感情を望ましいものにしようとすることである。
― 17 ―
DKJM-午前-21

3 35 専門職連携を行う際の実践能力として、不適切なものを&つ選べ。 1 自分の職種の思考、行為、感情及び価値観について省みることができ
る。
2 他の職種の思考、行為、感情及び価値観について理解することができ
る。
3 他の職種との関係の構築、維持及び成長を支援及び調整することがで
きる。
4 他の職種の役割を理解し、自分の職種としての役割を全うすることが
できる。
5 患者の意向よりも、他の職種との間での共通の目標を最優先にして設
定することができる。


3 36 乳児期の認知発達に関する研究手法である馴化・脱馴化法につい て、不適切なものを&つ選べ。
1 乳児の弁別能力の発達を調べることができる。
2 吸てつsucking反応の変化を指標とすることができる。
3 刺激に対する注視時間の回復を指標とすることができる。
4 乳児の再認記憶の有無を確かめるために使うことができる。
5 実験手法の&つとして、乳児に対して&つの刺激を同時に対呈示する
ことができる。
― 18 ―
DKJM-午前-22

3 37 L. S. Vygotsky の発達理論に含まれる概念として、不適切なものを &つ選べ。
1 内言
2 自己中心性
3 精神内機能
4 高次精神機能
5 発達の最近接領域

3 38 インテーク面接におけるアセスメントについて、不適切なものを& つ選べ。
1 クライエントの生活における適応状態を確認する。
2 支援を受けることについての動機づけを確認する。
3 クライエントの問題に関連する情報を初回で漏れなく収集する。
4 客観的な情報収集に努めながら、クライエントの語りを共感的に聴
く。
5 クライエントの問題の心理的要因だけではなく、生物的要因や社会的
要因についても評価する。
― 19 ―
DKJM-午前-23

3 39 H. Gardner が多重知能理論で指摘した知能に含まれるものとして、 不適切なものを&つ選べ。
1 空間的知能
2 言語的知能
3 実用的知能
4 対人的知能
5 論理数学的知能

3 40 職場の心理専門職として管理監督者研修を行うこととなった。研修 内容に盛り込む内容として、不適切なものを&つ選べ。
1 セルフケアの方法
2 労働者からの相談対応
3 代表的な精神疾患の診断法
4 職場環境などの評価及び改善の方法
5 健康情報を含む労働者の個人情報の保護
― 20 ―
DKJM-午前-24

3 41 睡眠薬に認められる副作用として、通常はみられないものを&つ選 べ。
1 奇異反応
2 前向性健忘
3 反跳性不眠
4 持ち越し効果
5 賦活症候群アクティベーション症候群

3 42 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 高齢者虐待防止法について、誤っているものを&つ選べ。
1 市町村は、高齢者を虐待した養護者に対する相談、指導及び助言を行
う。
2 養護者又は親族が高齢者の財産を不当に処分することは虐待に該当す
る。
3 国民には、高齢者虐待の防止や養護者に対する支援のための施策に協
力する責務がある。
4 警察署長は、高齢者の身体の安全の確保に万全を期するために、市町
村長に援助を求めなければならない。
5 身体に重大な危険が生じている高齢者虐待を発見した者は、速やか に、そのことを市町村に通報しなければならない。
― 21 ―
DKJM-午前-25

3 43 口唇裂口蓋裂、皮膚血管腫、熱傷などによる可視的差違がもたらす 心理社会的問題について、最も適切なものを&つ選べ。
1 家族への依存性が強くなるため、社会的ひきこもりとなることが多 い。
2 可視的差違は、子どもの自尊感情の低下を招くリスク要因にはならな
い。
3 可視的差違を有する子どもの多くは、年齢に応じた心理社会的発達を
遂げることが難しい。
4 家族や友人だけではなく、広く社会一般の反応や受容の在り方は、子 どもが可視的差違に適応していくに当たり重要な要因となる。

3 44 ナラティブ・アプローチに基づく質問として、最も適切なものを& つ選べ。
1 その出来事が起こったとき、どのような考えが頭をよぎりましたか。 2 今話されていたことですが、それを今ここで感じることはできます
か。
3 その罪悪感は、どのようにお母さんとの関係を邪魔しているのです
か。
4 寝ている間に問題が全て解決したとしたら、どのように目覚めると思
いますか。
― 22 ―
DKJM-午前-26

3 45 心理療法やカウンセリングの効果研究の方法について、最も適切な ものを&つ選べ。
1 要因統制に基づく実験的な研究であることが必須である。
2 一事例実験にみられる介入効果を評価する場合には、因子分析が用い
られることが多い。
3 特定の心理療法を行う実験群と未治療の統制群を設定して、効果の比
較を行う必要がある。
4 メタ分析では、ある介入法に基づく複数の効果研究について、効果サ
イズを算出することができる。

3 46 合理的配慮について、適切なものを&つ選べ。
1 公平性の観点から、入学試験は合理的配慮の適用外である。
2 合理的配慮の対象は、障害者手帳を持っている人に限られる。
3 合理的配慮によって取り除かれるべき社会的障壁には、障害者に対す
る偏見も含まれる。
4 発達障害児がクールダウンするために部屋を確保することは、合理的
配慮には含まれない。
― 23 ―
DKJM-午前-27

3 47 知覚や意識について、誤っているものを&つ選べ。
1 共感覚は、成人より児童に生じやすい。
2 幻覚は、意識清明時にも意識障害時にも生じる。
3 入眠時幻覚がみられる場合は、統合失調症が疑われる。
4 事故などで、四肢を急に切断した場合、ないはずの四肢の存在を感じ
ることがある。

3 48 「心の理論」について、不適切なものを&つ選べ。
1 自他の心の在りようを理解し把握する能力である。
2 標準誤信念課題によって獲得を確認することができる。
3 D. Premack がヒトの幼児の発達研究を通して初めて提案した。
4 「信念−欲求心理学」の枠組みに基づき、人々の行動を予測すると考え
られている。
― 24 ―
DKJM-午前-28

3 49 2018 年平成 30 年 の高齢者による犯罪について、誤っているもの を&つ選べ。
1 刑務所入所時点で 65 歳以上である女性の罪名の 80 % 以上が窃盗で ある。
2 刑法犯による検挙人員中に占める 65 歳以上の者の比率は、約 10 % である。
3 刑法犯による検挙人員中に占める 65 歳以上の者の比率を男女別で比 較した場合、男性よりも女性の方が大きい。
4 窃盗による検挙人員の人口に占める比率を、20 歳以上 65 歳未満と 65 歳以上とで比較した場合、後者の方が大きい。

3 50 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律精神保健福祉法につい て、誤っているものを&つ選べ。
1 裁判官は、精神障害者又はその疑いのある被告人に無罪又は執行猶予
刑を言い渡したときは、その旨を都道府県知事に通報しなければならな
い。
2 警察官は、精神障害のために自傷他害のおそれがあると認められる者
を発見したときは、最寄りの保健所長を経て都道府県知事に通報しなけ
ればならない。
3 保護観察所の長は、保護観察に付されている者が精神障害者又はその
疑いのある者であることを知ったときは、その旨を都道府県知事に通報
しなければならない。
4 矯正施設の長は、精神障害者又はその疑いのある者を釈放、退院又は
退所させようとするときは、あらかじめその収容者の帰住地の都道府県
知事に通報しなければならない。
― 25 ―
DKJM-午前-29

3 51 入院患者が公認心理師の面接を受けるために、病棟の面接室に車椅 子で入室した。車椅子から面接室の椅子に移乗する際に看護師と公認心 理師が介助したが、車椅子から転落した。健康被害は起こらなかった。
それを診断した主治医の他に、インシデントレポートの作成者とし て、適切なものを&つ選べ。
1 看護師
2 病院長
3 公認心理師
4 病棟看護師長
5 医療安全管理責任者

3 52 DSM-&の全般不安症/全般性不安障害の症状について、正しいも のを&つ選べ。
1 易怒性
2 抑うつ
3 強迫念慮
4 社交不安
5 睡眠障害
― 26 ―
DKJM-午前-30

3 53 被害者支援の制度について、正しいものを&つ選べ。
1 被害者支援センターは、法務省が各都道府県に設置している。
2 受刑者の仮釈放審理に当たって、被害者は意見を述べることができ
る。
3 財産犯の被害に対して、一定の基準で犯罪被害者等給付金が支給され
る。
4 刑事事件の犯罪被害者は、裁判所に公判記録の閲覧及び謄写を求める
ことができる。
5 日本司法支援センター法テラスは、被疑者・被告人がしょく罪の気
持ちを表すための寄附を受けない。

3 54 トラウマや心的外傷後ストレス障害PTSDに関連するものとし て、適切なものを&つ選べ。
1 PTSD の生涯有病率は、男性の方が高い。
2 PTSD 関連症状に、薬物療法は無効である。
3 心的外傷的出来事による身体的影響は少ない。
4 治療開始の基本は、クライエントの生活の安全が保障されていること
である。
5 複雑性 PTSD は、複数の、又は長期間にわたる心的外傷的出来事へ
の暴露に関連する、より広範囲の症状を示す。
― 27 ―
DKJM-午前-31

3 55 少年鑑別所が法務少年支援センターという名称を用いて行う地域援 助について、正しいものを&つ選べ。
1 公認心理師が、相談を担当する。
2 必要に応じて心理検査や知能検査を実施する。
3 相談対象は、未成年、その保護者及び関係者に限られる。
4 学校や関係機関の主催する研修会や講演会に職員を講師として派遣す
る。
5 個別の相談は、保護観察所内に設置されている相談室で行うことを原
則とする。

3 56 学校保健安全法及び同法施行規則について、正しいものを&つ選 べ。
1 通学路の安全点検について、学校は一義的な責務を有する。
2 児童生徒等の健康診断を毎年行うかどうかは、学校長が定める。
3 学校においては、児童生徒等の心身の健康に関し、健康相談を行う。 4 市町村の教育委員会は、翌学年度の入学予定者に就学時の健康診断を
行う。
5 児童生徒等の健康診断の結果が児童生徒と保護者に通知されるのは、
30 日以内と定められている。
― 28 ―
DKJM-午前-32

3 57 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法 律男女雇用機会均等法に規定されているセクシュアル・ハラスメント について、正しいものを&つ選べ。
1 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制すること
2 異性に対して行われるものであって、同性に対するものは含まないこ

3 職場において行われる性的な言動により、労働者の就業環境が害され
ること
4 業務上の合理性がなく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命
じることや仕事を与えないこと
5 職場での性的な言動に対して、労働者が拒否的な態度をとったことに
より、当該労働者がその労働条件につき不利益を受けること

3 58 公認心理師を養成するための実習で学ぶ際に重視すべき事項とし て、適切なものを&つ選べ。
1 自らの訓練や経験の範囲を超えたクライエントも積極的に引き受ける
ようにする。
2 実習で実際のクライエントに援助を提供する場合には、スーパービ ジョンを受ける。
3 実習で担当したクライエントに魅力を感じた場合には、それを認識し
て対処するように努める。
4 業務に関する理解や書類作成の方法を学ぶことよりも、クライエント
への援助技法の習得に集中する。
5 クライエントとのラポール形成が重要であるため、多職種との連携や 地域の援助資源の活用に注目することは控える。
― 29 ―
DKJM-午前-33

3 59 石けんの香りが机を清潔に保とうとする行動に影響を与えるかにつ いて実験を行った。香りあり条件と香りなし条件を設けて、机の上の消 しくずを掃除する程度を指標として検討した。その結果、全体的には香 りあり条件と香りなし条件の差が検出されなかったが、尺度で測定され た「きれい好き」得点が高い群は、全体として「きれい好き」得点が低い群 よりもよく掃除をした。さらに、高い群では香りあり条件と香りなし条 件の差は明瞭でなかったが、低い群では、香りあり条件が香りなし条件 よりも掃除をする傾向が顕著に観察された。
この実験の結果の理解として、正しいものを&つ選べ。
1 交互作用はみられなかった。
2 実験要因の主効果は有意であった。
3 「きれい好き」要因の主効果は有意ではなかった。
4 実験要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
5 「きれい好き」要因の主効果と交互作用が有意であった可能性が高い。
― 30 ―
DKJM-午前-34

3 60 15 歳の女子 A、中学&年生。A が人の目が怖くて教室に入れない ということで、学校からの勧めもあり、公認心理師 B がいる市の相談 センターに母親 C から相談申込みの電話があった。C の話によると、 学校ではいじめなどの大きな問題はないが、&か月前から不登校状態が 続いているという。母子並行面接ということで受理し、面接を行うこと になった。インテーク面接当日、A は、担当である B との面接が始ま る際に、C との分離に不安を示した。インテーク面接の最中も、A の緊 張は高く、なかなか自分の状態について語ることができなかった。
B が行うインテーク面接とその後の初期対応として、最も適切なもの を&つ選べ。
1 A と C との関係性が面接に影響するため、母子同室面接は行わない。 2 A が未成年であるため、A の在籍校には A が来所したことを報告す
る。
3 人の目が怖い理由や原因について A に尋ね、まずはそれを意識化さ
せる。
4 面接に期待していることを A に尋ね、B が最善の努力をすることを
伝える。
5 言語面接が可能である場合、身体に作用するリラクセーション技法は
用いない。
― 31 ―
DKJM-午前-35

3 61 30 歳の男性 A、自営業。A は独身で一人暮らし。仕事のストレス から暴飲暴食をすることが多く、最近体重が増えた。このままではいけ ないと薄々感じていた A は、中断していたジム通いを半年以内に再開 するべきかどうかを迷っていた。その折、A は健康診断で肥満の指摘 を受けた。
J. O. Prochaska らの多理論統合モデルTranstheoretical Modelでは、 A はどのステージにあるか。最も適切なものを&つ選べ。
1 維持期
2 実行期
3 準備期
4 関心期熟考期
5 前関心期前熟考期
― 32 ―
DKJM-午前-36

3 62 30 歳の女性 A、会社員。A は、精神科病院において入院治療を受 けている。20 代後半より抑うつエピソードを繰り返していたが、医療 機関の受診歴はなかった。入院の&か月ほど前から口数が多くなり、卒 業後交流のなかった高校時代の友人たちに電話やメールで連絡を取るよ うになった。衝動的な買い物が増え、職場での尊大な態度が目立つよう になった。心配した家族の支援で入院となり、&か月が経過した。症状 は改善しつつあるが、依然として口数は多く、睡眠は不安定である。A は、仕事を休んでいることへの焦りを主治医に訴えている。
この時点での公認心理師の A への支援として、最も適切なものを& つ選べ。
1 障害年金制度について情報を提供する。
2 幼少期の体験に焦点を当てた心理面接を行う。
3 会社の同僚に対する謝罪の文章を A と一緒に考える。
4 毎日の行動記録を表に付けさせるなどして、生活リズムの安定を図
る。
5 A の同意を得て、復職の時期について職場の健康管理スタッフと協
議する。
― 33 ―
DKJM-午前-37

3 63 45 歳の男性 A、市役所職員。A は上司の勧めで健康管理室を訪れ、 公認心理師 B が対応した。A の住む地域は&か月前に地震により被災 し、A の自宅も半壊した。A は自宅に居住しながら業務を続け、仮設 住宅への入居手続の事務などを担当している。仮設住宅の設置が進まな い中、勤務はしばしば深夜に及び、被災住民から怒りを向けられること も多い。A は「自分の態度が悪いから住民を怒らせてしまう。自分が我 慢すればよい。こんなことで落ち込んでいられない」と語る。その後、 A の上司から B に、A は笑わなくなり、ぼんやりしていることが多い など以前と様子が違うという連絡があった。
この時点の B の A への対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 A の上司に A の担当業務を変更するように助言する。
2 A の所属部署職員を対象として、ロールプレイを用いた研修を企画
する。
3 災害時健康危機管理支援チームDHEATに情報を提供し、対応を依
頼する。
4 A に&週間程度の年次有給休暇を取得することを勧め、A の同意を
得て上司に情報を提供する。
5 A に健康管理医産業医との面接を勧め、A の同意を得て健康管理
医産業医に情報を提供する。
― 34 ―
DKJM-午前-38

3 64 &歳半の男児 A。母親 B が A の高熱とけいれん発作を訴えて、病 院に来院し、A は入院することとなった。これまでに複数の病院に通 院したが、原因不明とのことであった。B は治療に協力的で献身的に付 き添っていたが、通常の治療をしても A は回復しなかった。B は片時 も A から離れずに付き添っていたが、点滴管が外れたり汚染されたり といった不測の事態も生じた。ある日突然、A は重症感染症を起こし 重篤な状態に陥った。血液検査の結果、大腸菌など複数の病原菌が発見 された。不審に思った主治医が B の付き添いを一時的に制限すると、A の状態は速やかに回復した。
A の状態と関連するものとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 医療ネグレクト
2 乳児突然死症候群
3 乳幼児揺さぶられ症候群
4 反応性アタッチメント障害
5 代理によるミュンヒハウゼン症候群
― 35 ―
DKJM-午前-39

3 65 &歳の男児 A、小学&年生。A は、学校でけんかした級友の自宅 に放火し、全焼させた。負傷者はいなかった。A はこれまでにも夜間 徘徊で補導されたことがあった。学校では、座って授業を受けることが できず、学業成績も振るわなかった。他児とのトラブルも多く、養護教 諭には、不眠や食欲不振、気分の落ち込みを訴えることもあった。A の家庭は、幼少期に両親が離婚しており、父親 B と二人暮らしである。 家事は A が担っており、食事は自分で準備して一人で食べることが多 かった。時折、B からしつけと称して身体的暴力を受けていた。
家庭裁判所の決定により、A が入所する可能性が高い施設として、 最も適切なものを&つ選べ。
1 自立援助ホーム
2 児童自立支援施設
3 児童心理治療施設
4 児童発達支援センター
5 第三種少年院医療少年院
― 36 ―
DKJM-午前-40

3 66 13 歳の男子 A、中学&年生。A の学校でのテストの成績は中程度 よりもやや上に位置している。試験に対しては出題される範囲をあらか じめ学習し、試験に臨む姿もよくみられる。しかし、その試験を乗り切 ることだけを考え、試験が終わると全てを忘れてしまう質の低い学習を しているように見受けられる。勉強に対しても、ただ苦痛で面白くない と述べる場面が目につき、学習した内容が知識として定着していない様 子も観察される。
現在の A の状況の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 リテラシーが不足している。
2 メタ記憶が十分に発達していない。
3 深化学習や発展学習が不足している。
4 機械的暗記や反復練習が不足している。
5 具体的操作期から形式的操作期へ移行できていない。
― 37 ―
DKJM-午前-41

3 67 21 歳の男性 A。A は実母 B と二人暮らしであった。ひきこもりが ちの無職生活を送っていたが、インターネットで知り合った人物から覚 醒剤を購入し、使用したことが発覚して有罪判決となった。初犯であ り、B が A を支える旨を陳述したことから保護観察付執行猶予となっ た。
保護観察官が A に対して行う処遇の在り方として、最も適切なもの を&つ選べ。
1 自助の責任を踏まえつつ、A への補導援護を行う。
2 B に面接を行うことにより、A の行状の把握に努める。
3 A が一般遵守事項や特別遵守事項を遵守するよう、B に指導監督を依
頼する。
4 改善更生の在り方に問題があっても、A に対する特別遵守事項を変
更することはできない。
5 就労・覚醒剤に関する特別遵守事項が遵守されない場合、A への補
導援護を行うことはできない。
― 38 ―
DKJM-午前-42

3 68 32 歳の女性 A、会社員。A は、感情の不安定さを主訴に社内の心 理相談室に来室し、公認心理師 B が面接した。職場で良好な適応状況 にあったが、&か月前から動悸をしばしば伴うようになった。その後、 異動してきた上司への苛立ちを強く自覚するようになり、ふとしたこと で涙が出たり、これまで良好な関係であった同僚とも衝突することが あった。最近では、緊張して発汗することがあり、不安を自覚するよう になった。
B が優先的に行うべき A への対応として、最も適切なものを&つ選 べ。
1 休職を勧める。
2 瞑想を教える。
3 認知行動療法を勧める。
4 医療機関の受診を勧める。
5 カウンセリングを導入する。
― 39 ―
DKJM-午前-43

3 69 16 歳の女子 A、高校&年生。A は、食欲不振、るい痩のため&週 間前から入院中である。高校に入学し、陸上部に入部した後から食事摂 取量を減らすようになった。さらに、毎朝&時から走り込みを始めたと ころ、&か月前から月経がなくなり、&か月前から倦怠感を強く自覚す るようになった。入院後も食事摂取量は少なく、「太ると良い記録が出 せない」と食事を摂ることへの不安を訴える。中学校までは適応上の問 題は特になく、学業成績も良好であった。自己誘発嘔吐や下剤の乱用は ない。身長は 159 cm、体重は 30 kg、BMI は 11.9 である。
公認心理師の A への支援として、不適切なものを&つ選べ。 1 食事へのこだわりを外在化する。
2 A の家族に治療への参加を促す。
3 部活動への葛藤について傾聴する。
4 栄養士の助力を得て食事日記を付けることを勧める。
5 点滴を受けて、栄養状態を速やかに改善するように勧める。
― 40 ―
DKJM-午前-44

3 70 72 歳の男性 A。A は、高血圧症で通院している病院の担当医に物 忘れが心配であると相談した。担当医の依頼で公認心理師 B が対応し た。A は、&年前より徐々に言いたいことがうまく言葉に出せず、物 の名前が出てこなくなった。しかし、日常生活に問題はなく、趣味の家 庭菜園を楽しみ、町内会長の役割をこなしている。面接時、軽度の語健 忘はみられるが、MMSE は 27 点であった。&か月前の脳ドックで、頭 部 MRI 検査を受け、軽度の脳萎縮を指摘されたという。
B の A への助言として、不適切なものを&つ選べ。
1 高血圧症の治療を続けてください。
2 栄養バランスのとれた食事を心がけてください。
3 運動習慣をつけて毎日体を動かすようにしてください。
4 生活習慣病の早期発見のために定期的に健診を受けてください。
5 認知症の予防に有効なお薬の処方について、医師に相談してくださ
い。
― 41 ―
DKJM-午前-45

3 71 22 歳の男性 A、大学&年生。A は 12 月頃、就職活動も卒業研究も うまくいっていないという主訴で学生相談室に来室した。面接では、気 分が沈んでいる様子で、ポツリポツリと言葉を絞り出すような話し方で あった。「就職活動がうまくいかず、この時期になっても&つも内定が 取れていない。卒業研究も手につかず、もうどうしようもない」と思い 詰めた表情で語っていた。指導教員からも、日々の様子からとても心配 しているという連絡があった。
A の自殺のリスクを評価する際に優先的に行うこととして、不適切 なものを&つ選べ。
1 絶望感や喪失感などがあるかどうかを確認する。
2 就職活動の方向性が適切であったかどうかを確認する。
3 現在と過去の自殺の念慮や企図があるかどうかを確認する。
4 抑うつ状態や睡眠の様子など、精神的・身体的な状況を確認する。 5 就職活動や卒業研究の現状を、家族や友人、指導教員に相談できてい
るかどうかを確認する。
― 42 ―
DKJM-午前-46

3 72 8歳の男児 A、小学2年生。授業についていけないという保護者 からの主訴で、児童精神科クリニックを受診した。家庭生活では問題な く、勉強も家で教えればできるとのことであった。田中ビネー知能検査 では IQ 69、Vineland-IIでは、各下位領域の v 評価点は9〜11 であっ た。
A の評価として、最も適切なものを&つ選べ。
1 知的機能が低く、適応行動の評価点も低いため、知的能力障害の可能
性が高い。
2 知的機能は低いが、適応行動の評価点は平均的であるため、知的能力
障害の可能性は低い。
3 保護者によると、家庭生活では問題ないとのことであるが、授業につ
いていけないため、学習障害の可能性が高い。
4 保護者によると、勉強も家で教えればできるとのことであるが、授業
についていけないため、学校の教授法に問題がある可能性が高い。

1

3 73 25 歳の男性 A、会社員。A は、上司 B と共に社内の相談室に来室 した。入社&年目であるが、仕事をなかなか覚えられず、計画的に進め ることも苦手で、B から繰り返し助言されているという。B によれば、 同僚にタイミング悪く話しかけたり、他の人にとって当たり前の決まり 事に気がつかなかったりすることもあり、職場の中でも煙たがられてい るという。会社以外での対人関係で困ることはない。この&か月は早朝 覚醒に悩まされ、起床時の気分も優れなかったため、会社を何日か休ん だ。BDI-IIの得点は 42 点、AQ-J の得点は 35 点であり、Y-BOCS の 症状評価リストは&項目が該当した。
A に関する見立てとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 軽度抑うつ状態
2 強迫症/強迫性障害
3 社交不安症/社交不安障害
4 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASD
― 44 ―
DKJM-午前-48

3 74 21 歳の男性 A、大学&年生。A は将来の不安を訴えて、学生相談 室を訪れ、公認心理師 B と面談した。A は、平日は大学の授業、週末 はボクシング部の選手として試合に出るなど、忙しい日々を送ってい た。&か月前にボクシングの試合で脳震とうを起こしたことがあった が、直後の脳画像検査では特に異常は認められなかった。&か月前か ら、就職活動のために OB を訪問したり説明会に出たりするようにな り、日常生活がさらに慌ただしくなった。その頃から、約束の時間を忘 れて就職採用面接を受けられなかったり、勉強に集中できずいくつかの 単位を落としてしまったりするなど、失敗が多くなった。
B の A への初期の対応として、不適切なものを&つ選べ。
1 高次脳機能障害の有無と特徴を評価する。
2 医師による診察や神経学的な検査を勧める。
3 不安症状に対して、系統的脱感作の手法を試みる。
4 現在悩んでいることを共感的に聴取し、問題の経過を理解する。
― 45 ―
DKJM-午前-49

3 75 70 歳の女性 A。A は最近、昼間の眠気が強くなったと訴える。夜 間の睡眠は&時から&時頃までで変化はなく、毎日朝夕&回 30 分程度 の散歩をしている。高血圧のため&年前から服薬しているが、血圧は安 定しており、健診でもその他に問題はないと言われている。最近、就床 すると、足に虫が這うように感じて眠れないことがある。昼間の眠気は あるが、何かをしていれば紛れる。週&回の編み物教室は楽しくて眠気 はない。食欲はあり、塩分摂取に気をつけている。
A への睡眠衛生指導上の助言として、適切なものを&つ選べ。
1 散歩は、睡眠に良い効果があるので続けてください。
2 睡眠時間が足りないので早く床に就くようにしてください。
3 昼間に何かをして眠気が紛れるのであれば心配はいりません。
4 深く眠るために熱いお風呂に入ってすぐ寝るようにしてください。 5 足の不快感のために眠れないことについては、医師に相談してくださ
い。
― 46 ―
DKJM-午前-50

3 76 &歳の男児 A。A は、実父からの身体的虐待が理由で、&か月前 に児童養護施設に入所した。A は、担当スタッフの勧めで同施設内に 勤務する公認心理師 B の面談に訪れた。担当スタッフによると、A は、 入所時から衝動性・攻撃性ともに高かった。施設内では、コップの水を 他児 C にかけたり、他児 D を椅子で殴ろうとしたりするなど、A の暴 力が問題となっていた。また寝つきが悪く、食欲にむらが見られた。B との面談で A は暴力の理由を「いつも僕が使っているコップを C が勝手 に使ったから」「D が僕の手首を急に掴んだから」と語った。また、「夜 眠れない」と訴えた。
B が初期に行う支援として、適切なものを&つ選べ。
1 遊戯療法を速やかに導入し、A に心的外傷体験への直面化を促す。 2 受容的態度で A の暴力を受け入れるよう、担当スタッフに助言する。 3 コップ等の食器は共用であるというルールを指導するよう、担当ス
タッフに助言する。
4 A の様子を観察し、A が安心して眠れる方法を工夫するよう、担当
スタッフに助言する。
5 衝動性や攻撃性が高まる契機となる刺激ができるだけ生じないよう
に、担当スタッフと生活環境の調整を検討する。
― 47 ―
DKJM-午前-51

3 77 24 歳の女性 A、小学&年生の担任教師。A の学級は、前任からの 担任教師の交代をきっかけに混乱した状態に陥った。A の学級の複数 の児童が、授業中の私語や立ち歩きなどの身勝手な行動をしていた。学 級のその他の児童たちは知らん顔で、学習にはある程度取り組むもの の、白けた雰囲気であった。A は学級を立て直したいが、どうすれば よいか分からない。
スクールカウンセラーが A に対してこの学級についてのコンサル テーションを行う際に、重視すべき事項として、適切なものを&つ選 べ。
1 保護者の意見
2 児童の家庭環境
3 個々の児童の学力
4 学級のルールの定着 5 教師と児童の人間関係
― 48 ―
DKJM-午前-52


第3回午後13 時 30 分〜15 時 30 分

3 78 公認心理師が、成人のクライエントの心理に関する情報を医療チー ムに提供する場合に事前に必要なものとして、正しいものを&つ選べ。
1 成年後見人の同意
2 クライエント本人の同意
3 医療チームが作成した手順書
4 ストレングス・アセスメント
5 シェアード・ディシジョン・メイキング

3 79 精神科領域における公認心理師の活動について、適切なものを&つ 選べ。
1 統合失調症患者に対するソーシャルスキルトレーニングSSTは、個 別指導が最も効果的とされる。
2 神経性やせ症/神経性無食欲症の患者が身体の話題を嫌う場合、身体
症状に触れずに心理療法を行う。
3 精神疾患への心理教育は、家族を治療支援者とするためのものであ り、当事者には実施しない場合が多い。
4 境界性パーソナリティ障害の治療では、患者への支援だけではなく、 必要に応じてスタッフへの支援も行う。
5 妊産婦に精神医学的問題がある場合、産科医が病状を把握していれ ば、助産師と情報を共有する必要はない。
― 1 ―
DKJM-午後-5

3 80 心理学の研究法において、質問紙法と比較したときの面接法の特徴 として、適切なものを&つ選べ。
1 臨機応変な対応が困難である。
2 回答者に与える心理的圧力が弱い。
3 回答者の個別の反応を収集しにくい。 4 データの収集に手間と時間がかかる。 5 高齢者や幼い子どもには負担が大きい。
問81 個体を最もよく識別できるように、観測変数の重みつき合計得点を 求める方法として、最も適切なものを&つ選べ。
1 因子分析
2 重回帰分析
3 主成分分析
4 正準相関分析 5 クラスター分析
― 2 ―
DKJM-午後-6

3 82 &×&のクロス集計表における&変数間の関連性を示す指標とし て、最も適切なものを&つ選べ。
1 偏相関係数
2 順位相関係数
3 積率相関係数
4 部分相関係数
5 四分点相関係数
問83 ヒトの聴覚について、正しいものを&つ選べ。
1 蝸牛にある聴覚受容器は、双極細胞と呼ばれる。
2 音源定位には、両耳間時間差と両耳間強度差が用いられる。
3 ピッチ知覚の場所説は、高周波音の知覚の説明が困難である。
4 聴覚感度は、可聴域内で周波数が高くなるほど単調に減少する。 5 主観的な音の大きさであるラウドネスの単位は、デシベルである。
― 3 ―
DKJM-午後-7

3 84 学習の生物的制約を示した実験の例として、最も適切なものを&つ 選べ。
1 E. L. Thorndike が行ったネコの試行錯誤学習の実験
2 H. F. Harlow が行ったアカゲザルの学習セットの実験 3 J. Garcia らが行ったラットの味覚嫌悪学習の実験
4 M. E. P. Seligman らが行ったイヌの学習性無力感の実験 5 W. Köhler が行ったチンパンジーの洞察学習の実験

3 85 パーソナリティの理論について、正しいものを&つ選べ。
1 場理論では、環境とパーソナリティの二者関係をモデル化する。
2 期待−価値理論では、個人が生得的に有する期待、価値の観点から
パーソナリティの個人差を考える。
3 &因子理論では、&つの特性の上位に、行動抑制系、行動賦活系とい
う&つの動機づけシステムを仮定する。
4 認知−感情システム理論では、個人の中に認知的・感情的ユニットを
仮定し、パーソナリティの構造を捉える。
5 パーソナル・コンストラクト理論では、個人の中にコンストラクトと
呼ばれる単一の認知的枠組みを仮定する。
― 4 ―
DKJM-午後-8

3 86 ヒトのサーカディアンリズムと睡眠について、正しいものを&つ選 べ。
1 加齢による影響を受けない。
2 メラトニンは、光刺激で分泌が低下する。
3 時計中枢は、視床下部の室傍核に存在する。
4 睡眠相遅延後退 症候群は、夕方から強い眠気が出る。 5 ノンレム睡眠とレム睡眠は、約 45 分の周期で出現する。

3 87 社会的排斥の原因を説明する理論として、最も適切なものを&つ選 べ。
1 衡平理論
2 バランス理論
3 社会的交換理論
4 社会的インパクト理論
5 社会的アイデンティティ理論
― 5 ―
DKJM-午後-9

3 88 精神疾患の診断・統計マニュアル改訂第&版DSM-&について、 正しいものを&つ選べ。
1 機能の全体的評価を含む多軸診断を採用している。
2 次元モデルに基づく横断的症状尺度が導入されている。
3 強迫症/強迫性障害は、不安症群/不安障害群に分類される。
4 生活機能を心身機能・身体構造、活動及び参加の&要素で捉えてい
る。
5 分離不安症/分離不安障害は、「通常、幼児期、小児期または青年期
に初めて診断される障害」に分類される。

3 89 知能検査の実施について、最も適切なものを&つ選べ。
1 検査者が十分に習熟していない検査を用いることを控えた。
2 被検査者に求められたため、検査用紙をコピーして渡した。
3 客観的情報を収集するために、被検査者とのラポール形成を避けた。 4 被検査者が検査に対する先入観や恐怖心を抱かないように、事前に検
査について説明することを控えた。
5 実施時間が&時間を超え、被検査者が疲れている様子であったが、そ
のまま続けて全ての検査項目を実施した。
― 6 ―
DKJM-午後-10

3 90 MMPI の実施と解釈について、正しいものを1つ選べ。
1 各質問項目には、5件法で回答する。
2 追加尺度は、20 尺度開発されている。
3 F 尺度は、心理的防衛の高さを示している。
4 第5尺度Mf は、性別により解釈基準が異なる。
5 第0尺度Si と第7尺度Pt が 90 の場合は、精神的混乱状態と解釈
できる。

3 91 集団や組織、コミュニティにおいて、無力な状態にある人々が自ら の中に力があることに気づき、能動的にそれを使い、環境の変化を求め ていけるようになることを何というか、最も適切なものを&つ選べ。
1 自己実現
2 コーピング
3 自己効力感
4 コンピテンス 5 エンパワメント
― 7 ―
DKJM-午後-11

3 92 うつ病を疑わせる発言として、最も適切なものを&つ選べ。 1 眠る必要はないと思います。
2 いつも誰かに見られている気がします。
3 何をするのもおっくうで面倒くさいです。
4 人前で何かするときにとても不安になります。
5 鍵がかかっているかを何度も確認したくなります。

3 93 物質関連障害について、正しいものを&つ選べ。
1 物質への渇望や強い欲求を身体依存という。
2 物質の使用を完全に中止した状態を離脱という。
3 身体的に危険な状況にあっても物質の使用を反復することを中毒とい
う。
4 同じ効果を得るために、より多くの物質の摂取が必要になることを耐
性という。
5 物質の反復使用により出現した精神症状が、再使用によって初回より
も少量で出現するようになることを乱用という。
― 8 ―
DKJM-午後-12

3 94 遺伝カウンセリングにおいて、経験的再発危険率が最も重要な疾患 として、正しいものを&つ選べ。
1 統合失調症
2 ダウン症候群
3 Huntington 病
4 家族性 Alzheimer 病
5 筋緊張性ジストロフィー症

3 95 災害時の保健医療支援体制について、最も適切なものを&つ選べ。 1 災害派遣精神医療チームDPATは、都道府県医師会によって組織さ
れる。
2 災害拠点病院は、高度の医療を提供できる 400 床以上の病院の中から
厚生労働省が指定する。
3 災害派遣医療チームDMATは、各都道府県で実施する養成研修の
修了者によって構成される。
4 災害医療コーディネーターは、所定の研修を修了した者に対して厚生
労働省が付与する資格である。
5 広域災害救急医療情報システムEMISは、インターネット上で災害
時の医療情報の共有を図るシステムである。
― 9 ―
DKJM-午後-13

3 96 Clinical Dementia RatingCDRについて、正しいものを&つ選べ。 1 介護必要度に関する評価はしない。
2 質問調査による他者評価尺度である。
3 健常と認知症の境界は、0.5 点である。
4 判定には、家族からの情報は考慮されない。
5 人の見当識障害は、中等度障害と判定される。


3 97 MMSE について、正しいものを&つ選べ。
1 非言語性課題が&問ある。
2 人の見当識課題は含まれない。
3 シリアル&課題100 から&を順に引く は&回まで行う。
4 直後再生課題に続く&課題の後に、遅延再生課題が実施される。
5 直後再生課題では、全ての名称を言えるまで&回繰り返して尋ねる。
― 10 ―
DKJM-午後-14

3 98 学びは多様であるが、例えば洋裁を学ぶ際に、工房に弟子入りし、 仕上げ、縫製、裁断などの作業に従事し、やがて一人前となるような学 びを説明する概念として、最も適切なものを&つ選べ。
1 問題練習法
2 ジグソー学習 3 問題解決学習 4 正統的周辺参加 5 プログラム学習

3 99 我が国のキャリア教育において、文部科学省が示した小学校段階の キャリア発達の特徴について、最も適切なものを&つ選べ。
1 低学年では、計画づくりの必要性に気づき、作業の手順が分かる。
2 低学年では、仕事における役割の関連性や変化に気づくようになる。
3 中学年では、将来の夢や希望を持ち、実現を目指して努力しようとす
る。
4 高学年では、自分のことは自分で行うようになる。
5 高学年では、自分の長所や短所に気づき、自分らしさを発揮するよう
になる。
― 11 ―
DKJM-午後-15

3 100 教育場面におけるパフォーマンス評価のための評価指標を示すも のとして、正しいものを&つ選べ。
1 ルーブリック
2 ポートフォリオ
3 テスト・リテラシー
4 ドキュメンテーション
5 カリキュラム・マネジメント

3 101 2016 年平成 28 年 から 2018 年平成 30 年 までの少年による刑 法犯犯罪について、正しいものを&つ選べ。
1 検挙人員は減少している。
2 共犯者がいるものは 60 % 以上である。
3 検挙されたもののうち、学生・生徒は 30 % 以下である。
4 14 歳から 15 歳の検挙人員は、16 歳から 17 歳の検挙人員よりも多い。 5 殺人・強盗・放火・強制性交等強姦 の凶悪事件は 10 % 程度であ
る。
― 12 ― DKJM-午後-16

3 102 社会的勢力は、組織や集団の目標を実現するためのリーダーの影 響力の基盤となる。このうち、メンバーがリーダーに対して好意や信 頼、尊敬を抱くことで、自らをリーダーと同一視することに基づく勢力 として、正しいものを&つ選べ。
1 強制勢力
2 準拠勢力
3 正当勢力
4 専門勢力
5 報酬勢力

3 103 大脳皮質運動関連領域の構造と機能について、正しいものを&つ 選べ。
1 運動前野は、運動に対する欲求に関わる。
2 補足運動野は、運動の準備や計画に関わる。
3 一次運動野は、体幹や四肢の平衡の維持に関わる。
4 一次運動野は、Brodmann の&野に位置している。
5 一次運動野が障害されると、同側の対応する筋に麻痺が生じる。
― 13 ―
DKJM-午後-17

3 104 神経性やせ症/神経性無食欲症の病態や治療について、正しいも のを&つ選べ。
1 うつ病が合併することは少ない。
2 未治療時は、しばしば頻脈を呈する。
3 無月経にならないことが特徴である。
4 心理社会的要因に加え、遺伝的要因も発症に関与する。
5 未治療時に、しばしばリフィーディング症候群を発症する。

3 105 双極性障害について、適切なものを&つ選べ。 1 遺伝的要因は、発症に関与しない。
2 うつ病相は、躁病相よりも長く続く。
3 自殺のリスクは、単極性うつ病よりも低い。
4 うつ病相に移行したら、気分安定薬を中止する。
5 気分の変動に伴ってみられる妄想は、嫉妬妄想が多い。
― 14 ―
DKJM-午後-18

3 106 向精神薬の薬物動態について、適切なものを&つ選べ。 1 胆汁中に排泄される。
2 主に腎臓で代謝される。
3 代謝により活性を失う。
4 薬物の最高血中濃度は、効果発現の指標になる。
5 初回通過効果は、経静脈的投与の際に影響が大きい。

3 107 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律精神保健福祉法に基 づく精神障害者の入院について、正しいものを&つ選べ。
1 応急入院は、市町村長の同意に基づいて行われる。
2 措置入院は、72 時間を超えて入院することはできない。
3 措置入院は、&名以上の精神保健指定医による診察を要する。
4 緊急措置入院は、家族等の同意に基づいて緊急になされる入院をい
う。
5 医療保護入院は、本人と家族等の双方から書面による意思確認に基づ
いて行われる。
― 15 ―
DKJM-午後-19

3 108 労働基準法に基づく年次有給休暇について、正しいものを&つ選 べ。
1 雇入れの日から&か月間継続勤務した労働者に対して付与される。 2 原則として、法定休日を除き連続して&日間以上の年次有給休暇の取
得は認められていない。
3 週所定労働日数及び週所定労働時間によって、付与される年次有給休
暇の日数が異なる場合がある。
4 パートタイム労働者への年次有給休暇の付与は、法による定めはな
く、各事業者の方針によって決定される。
5 事業の正常な運営が妨げられる場合においても、労働者は希望した日
に年次有給休暇を取得することができる。

3 109 公認心理師の対応として、不適切なものを&つ選べ。
1 親友に頼まれて、その妹の心理療法を開始した。
2 カウンセリング中のクライエントに自傷他害のおそれが出現したた
め、家族に伝えた。
3 治験審査委員会が承認した第III相試験で心理検査を担当し、製薬会社
から報酬を得た。
4 カウンセリング終結前に転勤が決まり、クライエントへの配慮をしな
がら、別の担当者を紹介した。
5 &年前から家庭内暴力DVを受けているクライエントの裁判に出廷
し、クライエントの同意を得た相談内容を開示した。
― 16 ―
DKJM-午後-20

3 110 心理臨床の現場で働く公認心理師の成長モデルとスーパービジョ ンについて、不適切なものを1つ選べ。
1 自己研さんの1つとして、教育分析がある。
2 公認心理師の発達段階に合わせたスーパービジョンが必要である。
3 自己課題の発見や自己点検といった内省の促進は、スーパービジョン
の目的である。
4 M. H. Ronnestad と T. M. Skovholt は、カウンセラーの段階的な発達
モデルを示した。
5 経験の浅い公認心理師のスーパービジョンにおいては、情緒的な支え
よりも技術指導が重要である。

回答速報5

3 111 児童虐待防止対策における、児童相談所の体制及び関係機関間の 連携強化について、不適切なものを&つ選べ。
1 児童心理司を政令で定める基準を標準として配置する。
2 第三者評価など、児童相談所の業務の質の評価を実施する。
3 都道府県は、一時保護などの介入対応を行う職員と、保護者支援を行
う職員を同一の者とする。
4 学校、教育委員会、児童福祉施設等の職員は、職務上知り得た児童に
関する秘密について守秘義務を負う。
5 家庭内暴力DV対策と児童虐待対応の連携を強化し、婦人相談所や
配偶者暴力相談支援センターなどとの連携・協力を行う。
― 17 ―
DKJM-午後-21

3 112 流動性知能の特徴として、不適切なものを&つ選べ。 1 図形を把握する問題で測られる。
2 いわゆる「頭の回転の速さ」と関連する。
3 学校教育や文化的環境の影響を受けやすい。
4 新しい課題に対する探索的問題解決能力である。 5 結晶性知能と比べて能力のピークが早期に訪れる。

3 113 A. D. Baddeley のワーキングメモリ・モデルのサブシステムとして、 誤っているものを&つ選べ。
1 感覚貯蔵
2 音韻ループ
3 中央実行系
4 エピソード・バッファ 5 視空間スケッチパッド
― 18 ―
DKJM-午後-22

3 114 U. Neisser が仮定する&つの自己知識について、不適切なものを &つ選べ。
1 公的自己
2 概念的自己
3 対人的自己
4 生態学的自己
5 拡張的/想起的自己

3 115 発達障害のある子どもの親を対象としたペアレント・トレーニン グについて、不適切なものを&つ選べ。
1 育児から生じるストレスによる悪循環を改善する。
2 対象は母親に限定していないが、参加者の多くは母親である。
3 親と子どもが一緒に行うプレイセラピーを基本として発展してきた。 4 子どもへの関わり方を学ぶことで、より良い親子関係を築こうとする
ものである。
5 注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HDのある子どもの親に
有効である。
― 19 ―
DKJM-午後-23

3 116 動機づけ面接の基本的スキルとして、不適切なものを&つ選べ。 1 クライエントが今までに話したことを整理し、まとめて聞き返す。 2 クライエントの答え方に幅広い自由度を持たせるような質問をする。 3 クライエントの思いを理解しつつ、公認心理師自身の心の動きにも敏
感になる。
4 クライエントの気づきをより促すことができるように、言葉を選んで
聞き返す。
5 クライエントの話の中からポジティブな部分を強調し、クライエント
の価値を認める。

3 117 公認心理師が留意すべき職責や倫理について、不適切なものを& つ選べ。
1 心理的支援に関する知識及び技術の習得など資質向上に努めなければ
ならない。
2 法律上の「秘密保持」と比べて、職業倫理上の「秘密保持」の方が広い概 念である。
3 心理的支援の内容・方法について、クライエントに十分に説明を行 い、同意を得る。
4 心理状態の観察・分析などの内容について、適切に記録し、必要に応 じて関係者に説明ができる。
5 クライエントの見捨てられ不安を防ぐため、一度受理したケースは別 の相談機関に紹介リファー しない。
― 20 ―
DKJM-午後-24

3 118 児童虐待の防止等に関する法律児童虐待防止法が施行された 2000 年平成 12 年 から 2018 年平成 30 年 までの間、児童相談所にお ける児童虐待相談対応件数は年々増加しているが、その背景として想定 されるものの中で、不適切なものを&つ選べ。
1 警察との連携強化により、警察からの通告が急増した。
2 児童相談所全国共通ダイヤルの運用などにより、社会的意識が高まっ
た。
3 相談対応件数全体におけるネグレクトによる通告件数の割合が急増し
た。
4 子どもの面前の家庭内暴力DVが心理的虐待に含まれるようになっ
た。
5 きょうだい児への虐待は、他のきょうだい児への心理的虐待であると
みなされるようになった。

3 119 学級経営について、不適切なものを&つ選べ。
1 学級集団のアセスメントツールには、Q-U などがある。
2 学級経営には、教師のリーダーシップスタイルの影響が大きい。
3 学級づくりの&つの方法として、構成的グループエンカウンターがあ
る。
4 学校の管理下における暴力行為の発生率は、小学校より中学校の方が
高い。
5 問題行動を示す特定の児童生徒が教室内にいる場合、その児童生徒の
対応に集中的に取り組む。
― 21 ―
DKJM-午後-25

3 120 慢性疲労症候群について、不適切なものを&つ選べ。 1 男性より女性に多い。
2 筋肉痛がよくみられる。
3 睡眠障害がよくみられる。
4 &か月以上持続する著しい倦怠感が特徴である。
5 体を動かすことによって軽減する倦怠感が特徴である。
問121 発達障害者支援法について、不適切なものを&つ選べ。 1 発達支援には、医療的援助も含まれる。
2 支援対象には、18 歳未満の者も含まれる。
3 支援対象には、発達障害者の家族も含まれる。
4 国の責務の他に、地方公共団体の責務も定められている。
5 支援は、個々の発達障害者の性別、年齢及び障害の状態に関係なく、
一律に行う。
― 22 ―
DKJM-午後-26

3 122 学校教育法施行規則において、小学校及び中学校のいずれにも設 置が規定されていないものを&つ選べ。
1 学年主任
2 教務主任
3 保健主事
4 教育相談主任
5 進路指導主事
問123 保護観察所の業務として、不適切なものを&つ選べ。 1 精神保健観察を実施する。
2 仮釈放者に対する保護観察を実施する。
3 遵守事項違反による仮釈放の取消しを行う。
4 保護観察に付された者に対する恩赦の上申を行う。
5 少年院に入院中の少年に対する生活環境の調整を実施する。
― 23 ―
DKJM-午後-27

3 124 チーム医療について、最も適切なものを&つ選べ。
1 多職種でのカンファレンスは、議論や検討の場ではない。
2 医療に従事する多種多様な医療スタッフが、場所を共有する。
3 患者自身がチームの意思決定や治療選択に関わることはない。
4 各職種の機能と役割について、互いに知っておくことが必要である。

3 125 J. E. Marcia が提起した自我同一性地位について、正しいものを& つ選べ。
1 同一性達成型とは、人生上の危機を経験し、職業などの人生の重要な 領域に積極的に傾倒している地位である。
2 早期完了型とは、人生上の危機を発達早期に経験し、職業などの人生
の重要な領域に積極的に傾倒している地位である。
3 モラトリアム型とは、人生上の危機を経験しておらず、職業などの人
生の重要な領域に積極的に傾倒していない地位である。
4 同一性拡散型とは、人生上の危機を経験していないが、職業などの人 生の重要な領域に積極的に傾倒しようと努力している地位である。
― 24 ―
DKJM-午後-28

3 126 DSM-&の急性ストレス障害Acute Stress Disorderについて、 正しいものを&つ選べ。
1 主な症状の&つに、周囲または自分自身の現実が変容した感覚があ る。
2 心的外傷的出来事は、直接体験に限られ、他者に生じた出来事の目撃
は除外される。
3 &歳以下の場合、死や暴力、性被害などの心的外傷体験がなくても発 症することがある。
4 心的外傷的出来事の体験後、&週間以上症状が持続した場合は心的外 傷後ストレス障害PTSDに診断を切り替える。

3 127 作業同盟治療同盟 に関する実証研究について、正しいものを& つ選べ。
1 作業同盟が強固であるほど、介入効果は良好である。
2 作業同盟の概念には、課題に関する合意は含まれない。
3 作業同盟の効果は、対人プロセス想起法によって測定される。
4 作業同盟が確立していることは、心理療法の介入効果の必要十分条件
である。
― 25 ―
DKJM-午後-29

3 128 感情と文化の関連性について、不適切なものを&つ選べ。
1 各文化にはそれぞれ特異な社会的表示規則があり、それによって感情
表出が大きく異なり得る。
2 社会的構成主義によれば、それぞれの文化に固有の感情概念や感情語
によって、感情経験が大きく異なり得る。
3 日米比較研究によれば、見知らぬ他者と同席するような状況では、概
して日本人は表情が乏しくなる傾向がある。
4 日本で優勢とされる相互協調的自己の文化では、米国で優勢とされる
相互独立的自己の文化に比して、怒りや誇りが経験されやすい。

3 129 副交感神経系が優位な状態として、正しいものを&つ選べ。 1 血管拡張
2 血糖上昇
3 瞳孔散大
4 胃酸分泌の減少
5 消化管運動の亢進
― 26 ―
DKJM-午後-30

3 130 生物心理社会モデルに共通する考え方を含んでいるものとして、 適切なものを&つ選べ。
1 DSM-&
2 HTP テスト
3 洞察の三角形
4 Cannon-Bard 説
5 国際生活機能分類ICF

3 131 むずむず脚症候群について、正しいものを&つ選べ。 1 妊婦に多い。
2 鉄欠乏性貧血患者に多い。
3 運動によって症状は増悪する。
4 早朝覚醒時に出現する異常感覚が特徴である。
5 選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRIによって症状が改善する。
― 27 ―
DKJM-午後-31

3 132 アルコール依存症の離脱症状について、正しいものを&つ選べ。 1 過眠
2 幻視
3 徐脈
4 多幸
5 けいれん

3 133 高齢者に副作用の少ない睡眠薬として、適切なものを&つ選べ。 1 バルビツール酸系薬剤
2 フェノチアジン系薬剤
3 オレキシン受容体拮抗薬
4 メラトニン受容体作動薬
5 ベンゾジアゼピン受容体作動薬
― 28 ―
DKJM-午後-32

3 134 社会状況の変遷によって、子どもの不登校もその発生や捉え方も 変遷してきた。この不登校の現象について、適切なものを&つ選べ。
1 1960 年代に、ニューカマー家庭の不就学が問題となった。
2 1980 年代の詰め込み教育の時代に、学校恐怖症が発見された。
3 1990 年前後のバブル経済の時代に、登校拒否という言葉が生まれた。 4 2000 年代の児童虐待防止法改正以降、居所不明児が注目された。
5 現在、不登校の子どもを対象とする特別の教育課程を編成することが
できる。 注:「児童虐待防止法」とは、「児童虐待の防止等に関する法律」である。

3 135 健康日本 21第二次 において、こころの健康として数値目標が設 定されている精神障害として、適切なものを&つ選べ。
1 依存症
2 気分障害
3 適応障害
4 発達障害
5 不安障害
― 29 ―
DKJM-午後-33

3 136 &歳の女児 A。A は離婚した母親 B と共に、B の実家で祖父母や 叔母と住んでいる。実家の敷地内には、伯父夫婦やいとこが住んでいる 家もある。昼過ぎから深夜にかけて仕事に出ている B に代わり、祖父 母や叔母がときどき農作業の手を休めて、A の世話をしている。いと こたちが学校や幼稚園から帰宅すると、A は年長のいとこに見守られ、 ときには抱っこされながら、夕食までの時間を過ごしている。
A に対する養育の解釈として、最も適切なものを&つ選べ。 1 クーイング
2 コーチング
3 マザリーズ
4 ミラーリング 5 アロマザリング
― 30 ―
DKJM-午後-34

3 137 30 歳の男性 A、会社員。独身で一人暮らしである。A は、職場で の不適応感を訴えて精神科を受診した。幼少期から心配性と言われてき たが、ここ半年ほどでその傾向が一層強まってきた。仕事で失敗した り、失業したりするのではないか、重大な病気にかかっているのではな いかなど気になって仕方がない。自分でも心配しすぎだと分かってはい るが、いらいらし、仕事にも集中できず、疲労がつのる。寝つきも悪 く、しばしば早朝に覚醒してしまうこともある。
医師から A の状態をアセスメントするよう依頼された公認心理師が、 A に実施するテストバッテリーに含めるものとして、最も適切なもの を&つ選べ。
1 AQ-J
2 CAPS 3 GAD-& 4 LSAS-J 5 Y-BOCS
― 31 ―
DKJM-午後-35

3 138 37 歳の男性 A、会社員。A は、大学卒業後、製造業に就職し、約 10 年従事したエンジニア部門から&年前に管理部門に異動となった。 元来、完璧主義で、慣れない仕事への戸惑いを抱えながら仕事を始め た。しかし、&か月前から次第に仕事がたまるようになり、倦怠感が強 まり、欠勤も増えた。その後、&か月前に抑うつ気分と気力の低下を主 訴に精神科を受診し、うつ病と診断された。そして、抗うつ薬による薬 物療法の開始と同時に休職となった。しかし、主治医による外来治療を &か月間受けたが、抑うつ症状が遷延している。院内の公認心理師に、 主治医から A の心理的支援が依頼された。
このときの A への対応として、最も優先されるべきものを&つ選べ。 1 散歩を勧める。
2 HAM-D を行う。
3 うつ病の心理教育を行う。
4 認知行動療法の導入を提案する。
5 発症要因と症状持続要因の評価を行う。
― 32 ―
DKJM-午後-36

3 139 87 歳の女性 A。A は、軽度の Alzheimer 型認知症であり、日常 生活において全面的に介助が必要である。特別養護老人ホームのショー トステイ利用中に、介護士 B から虐待を受けているとの通報が、同僚 から上司に寄せられた。施設の担当者が A に確認したところ、B に太 ももを平手で叩かれながら乱暴にオムツを替えられ、荒々しい言葉をか けられたとのことであった。A は、夫と死別後、息子夫婦と同居した が、家族とは別の小屋のような建物で一人離れて生活させられていた。 食事は、家族が気が向いたときに残り物を食べさせられ、食べ残すと強 く叱られたことも、今回の調査で判明した。
A が B と家族の双方から受けている共通の虐待として、最も適切な ものを&つ選べ。
1 性的虐待
2 経済的虐待
3 身体的虐待
4 心理的虐待
5 ネグレクト
― 33 ―
DKJM-午後-37

3 140 75 歳の男性 A。A の物忘れを心配した妻の勧めで、A は医療機関 を受診し、公認心理師 B がインテーク面接を担当した。B から「今日は 何日ですか」と聞かれると、「この年になったら日にちなんか気にしない からね」と A は答えた。さらに、B から「物忘れはしますか」と聞かれる と、「多少しますが、別に困っていません。メモをしますから大丈夫で す」と A は答えた。
A に認められる症状として、最も適切なものを&つ選べ。 1 抑うつ状態
2 取り繕い反応
3 半側空間無視
4 振り返り徴候
5 ものとられ妄想
― 34 ―
DKJM-午後-38

3 141 16 歳の男子 A、高校&年生。A は、友達と一緒に原動機付自転車 の無免許運転をしていたところを逮捕され、これを契機に、教師に勧め られ、スクールカウンセラー B のもとを訪れた。A には非行前歴はな く、無免許運転についてしきりに「友達に誘われたからやった」「みんな やっている」「誰にも迷惑をかけていない」などと言い訳をした。B は、 A の非行性は進んでいるものではなく、善悪の区別もついているが、 口実を見つけることで非行への抵抗を弱くしていると理解した。
B が A の非行を理解するのに適合する非行理論として、最も適切な ものを&つ選べ。
1 A. K. Cohen の非行下位文化理論 2 D. Matza の漂流理論
3 E. H. Sutherland の分化的接触理論 4 T. Hirschi の社会的絆理論
5 T. Sellin の文化葛藤理論
― 35 ―
DKJM-午後-39

3 142 55 歳の男性 A、会社員。A の妻 B が、心理相談室を開設してい る公認心理師 C に相談した。A は、元来真面目な性格で、これまで常 識的に行動していたが、&、&か月前から身だしなみに気を遣わなくな り、部下や同僚の持ち物を勝手に持ち去り、苦情を受けても素知らぬ顔 をするなどの行動が目立つようになった。先日、A はデパートで必要 とは思われない商品を次々とポケットに入れ、支払いをせずに店を出 て、窃盗の容疑により逮捕された。現在は在宅のまま取調べを受けてい る。B は、逮捕されたことを全く意に介していない様子の A について、 どのように理解し、対応したらよいかを C に尋ねた。
C の B への対応として、最も優先度が高いものを&つ選べ。
1 A の抑圧されていた衝動に対する理解を求める。
2 A の器質的疾患を疑い、医療機関の受診を勧める。
3 A に内省的構えを持たせるため、カウンセリングを受けるよう勧め
る。
4 A に再犯リスクアセスメントを実施した後、対応策を考えたいと提
案する。
5 A の会社や家庭におけるストレスを明らかにし、それを低減させる
よう助言する。
― 36 ―
DKJM-午後-40

3 143 20 代の男性 A、会社員。A は、300 名の従業員が在籍する事業所 に勤務している。A は、うつ病の診断により、&か月前から休職して いる。現在は主治医との診察のほかに、勤務先の企業が契約している外 部のメンタルヘルス相談機関において、公認心理師 B とのカウンセリ ングを継続している。抑うつ気分は軽快し、睡眠リズムや食欲等も改善 している。直近&週間の生活リズムを記載した表によれば、平日は職場 近くの図書館で新聞や仕事に関連する図書を読む日課を続けている。職 場復帰に向けた意欲も高まっており、主治医は職場復帰に賛同してい る。
次に B が行うこととして、最も適切なものを&つ選べ。
1 傷病手当金の制度や手続について、A に説明する。
2 A の診断名と病状について、管理監督者に報告する。
3 職場復帰の意向について管理監督者に伝えるよう、A に提案する。 4 職場復帰に関する意見書を作成し、A を通して管理監督者に提出す
る。
5 A の主治医と相談しながら職場復帰支援プランを作成し、産業医に
提出する。
― 37 ―
DKJM-午後-41

3 144 35 歳の男性 A、会社員。A は、製造業で 1,000 名以上の従業員が 在籍する大規模事業所に勤務している。約&か月前に現在の部署に異動 した。&か月ほど前から、疲労感が強く、体調不良を理由に欠勤するこ とが増えた。考えもまとまらない気がするため、健康管理室に来室し、 公認心理師 B と面談した。A は B に対して、現在の仕事を続けていく 自信がないことや、部下や後輩の指導に難しさを感じていること、疲労 感が持続していることなどを話した。前月の時間外労働は約 90 時間で あった。
このときの B の対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 面談内容に基づき、A に休職を勧告する。
2 A の上司に連絡して、業務分掌の変更を要請する。
3 医師による面接指導の申出を行うよう、A に勧める。
4 積極的に傾聴し、あまり仕事のことを気にしないよう、A に助言す
る。
5 急性のストレス反応であるため、秘密保持義務を遵守して A の定期
的な観察を続ける。
― 38 ―
DKJM-午後-42

3 145 20 歳の女性 A、大学&年生。A は「&か月前くらいから教室に入 るのが怖くなった。このままでは単位を落としてしまう」と訴え、学生 相談室に来室した。これまでの来室歴はなく、単位の取得状況にも問題 はみられない。友人は少数だが関係は良好で、家族との関係にも不満は ないという。睡眠や食欲の乱れもみられないが、同じ頃から電車に乗る ことが怖くなり、外出が難しいと訴える。
公認心理師である相談員が、インテーク面接で行う対応として、不適 切なものを&つ選べ。
1 A に知能検査を行い知的水準を把握する。
2 A が何を問題だと考えているのかを把握する。
3 A がどのような解決を望んでいるのかを把握する。
4 恐怖が引き起こされる刺激について具体的に尋ねる。
5 恐怖のために生じている困り事について具体的に尋ねる。
― 39 ―
DKJM-午後-43

3 146 55 歳の男性 A、会社員。A は、意欲や活気がなくなってきたこと から妻 B と共に受診した。A は&か月前に部長に昇進し張り切って仕 事をしていたが、&か月前から次第に夜眠れなくなり、食欲も低下し た。仕事に集中できず、部下に対して適切に指示ができなくなった。休 日は部屋にこもり、問いかけに何も反応しないことが多くなり、飲酒量 が増えた。診察時、問診に対する反応は鈍く、「もうだめです。先のこ とが見通せません。こんなはずじゃなかった」などと述べた。血液生化 学検査に異常所見はみられなかった。診察後、医師から公認心理師 C に、B に対して家族教育を行うよう指示があった。
C の B への説明として、不適切なものを&つ選べ。
1 薬物療法が治療の&つになります。
2 入院治療が必要になる可能性があります。
3 できる限り休息をとらせるようにしてください。
4 今は落ち着いているので自殺の危険性は低いと思います。 5 気晴らしに何かをさせることは負担になることもあります。
― 40 ―
DKJM-午後-44

3 147 12 歳の女児 A、小学&年生。A は、&月初旬から休み始め、10 月に入っても登校しなかったが、10 月初旬の運動会が終わった翌週か ら週に一度ほど午前 10 時頃に一人で登校し、夕方まで保健室で過ごし ている。担任教師は、A と話をしたり、保護者と連絡を取ったりしな がら、A の欠席の原因を考えているが、A の欠席の原因は分からない という。スクールカウンセラー B が A と保健室で面接した。A は「教 室には絶対に行きたくない」と言っている。
B の A への対応として、不適切なものを&つ選べ。
1 可能であれば保護者に A の様子を尋ねる。
2 A がいじめ被害に遭っていないかを確認する。
3 家庭の状況について情報を収集し、虐待のリスクを検討する。
4 養護教諭と連携し、A に身体症状がないかどうかを確認する。
5 A が毎日登校することを第一目標と考え、そのための支援方法を考
える。
― 41 ―
DKJM-午後-45

3 148 A 社は、新規に参入した建設業である。最近、高所作業中に作業 器具を落下させる事例が立て続けに発生し、地上で作業する従業員が負 傷する事故が相次いだ。そのため、事故防止のための委員会を立ち上げ ることになり、公認心理師が委員として選ばれた。委員会では、行政が 推奨する落下物による事故防止マニュアルが用いられている。
事故防止の仕組みや制度の提案として、不適切なものを&つ選べ。 1 マニュアルの見直し
2 規則違反や不安全行動を放置しない風土づくり
3 過失を起こした者の責任を明らかにする仕組みづくり
4 過去のエラーやニアミスを集積し、分析する部門の設置
5 従業員にエラーやニアミスを率直に報告させるための研修
― 42 ―
DKJM-午後-46

3 149 17 歳の女子 A、高校&年生。A は、自傷行為を主訴に公認心理師 B のもとを訪れ、カウンセリングが開始された。一度 A の自傷は収束 したが、受験期になると再発した。A は B に「また自傷を始めたから失 望しているんでしょう。カウンセリングを辞めたいって思ってるんで しょう」と言うことが増えた。B は A の自傷の再発に動揺していたが、 その都度「そんなことないですよ」と笑顔で答え続けた。ある日、A は ひどく自傷した腕を B に見せて「カウンセリングを辞める。そう望んで いるんでしょう」と怒鳴った。
この後の B の対応として、最も適切なものを&つ選べ。
1 再発した原因は B 自身の力量のなさであることを認め、A に丁重に
謝る。
2 自傷の悪化を防ぐために、A の望みどおり、カウンセリングを中断
する。
3 再発に対する B の動揺を隠ぺいしたことが A を不穏にさせた可能性
について考え、それを A に伝える。
4 自傷の悪化を防ぐために、B に責任転嫁をするのは誤りであると A
に伝え、A 自身の問題に対する直面化を行う。
― 43 ―
DKJM-午後-47

3 150 &歳の男児 A、小学&年生。A は、注意欠如多動症/注意欠如多 動性障害AD/HDと診断され、服薬している。A は、待つことが苦手 で順番を守れない。課題が終わった順に担任教師 B に採点をしてもら う際、A は列に並ばず横から入ってしまった。B やクラスメイトから注 意されると「どうせ俺なんて」と言ってふさぎ込んだり、かんしゃくを起 こしたりするようになった。B は何回も A を指導したが一向に改善せ ず、対応に困り、公認心理師であるスクールカウンセラー C に相談し た。
C が B にまず伝えることとして、最も適切なものを&つ選べ。
1 学級での環境調整の具体案を伝える。
2 A に自分の行動を反省させる必要があると伝える。
3 A がルールを守ることができるようになるまで繰り返し指導する必
要があると伝える。
4 A の年齢を考えると、この種の行動は自然に収まるので、特別な対
応はせず、見守るのがよいと伝える。
― 44 ―
DKJM-午後-48

3 151 50 歳の女性 A、看護師。A は看護師長として、職場では部署をま とめ、後進を育てることが期待されている。これまで理想の看護を追求 してきたが、最近は心身ともに疲弊し、仕事が流れ作業のように思えて ならない。一方、同居する義母の介護が始まり、介護と仕事の両立にも 悩んでいる。義母やその長男である夫から、介護は嫁の務めと決めつけ られていることが A の悩みを深め、仕事の疲れも影響するためか、家 庭ではつい不機嫌になり、家族に強く当たることが増えている。
A の事例を説明する概念として、不適切なものを&つ選べ。 1 スピルオーバー
2 エキスパート・システム
3 ジェンダー・ステレオタイプ
4 ワーク・ファミリー・コンフリクト
― 45 ―
DKJM-午後-49

3 152 16 歳の男子 A、高校&年生。A は、スクールカウンセラー B の いる相談室に来室した。最初に「ここで話したことは、先生には伝わら ないですか」と確認した上で話し出した。「小さいときからズボンを履く のが嫌だった」「今も、男子トイレや男子更衣室を使うのが苦痛でたまら ない」「こんな自分は生まれてこなければよかった、いっそのこと死にた い」「親には心配をかけたくないので話していないが、自分のことを分 かってほしい」と言う。
B の A への初期の対応として、適切なものを&つ選べ。
1 A の気持ちを推察し、保護者面接を行い A の苦しみを伝える。
2 性転換手術やホルモン治療を専門的に行っている病院を紹介する。 3 誰かに相談することはカミングアウトにもなるため、相談への抵抗が
強いことに配慮する。
4 クラスメイトの理解が必要であると考え、B から担任教師へクラス全
体に説明するよう依頼する。
5 自殺のおそれがあるため、教師又は保護者と情報を共有するに当たり
A の了解を得るよう努める。
― 46 ―
DKJM-午後-50

3 153 14 歳の男子 A、中学&年生。A について担任教師 B がスクール カウンセラーである公認心理師 C に相談した。B によれば、A は小学 校から自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害ASDの診断を 受けているとの引継ぎがあり、通級指導も受けている。最近、授業中に A が同じ質問をしつこく何度も繰り返すことや、寝ている A を起こそ うとしたクラスメイトに殴りかかることが数回あり、B はこのままでは A がいじめの標的になるのではないか、と危惧している。
C の対応として適切なものを&つ選べ。
1 保護者の了解を得て主治医と連携する。
2 周囲とのトラブルや孤立経験を通して、A に正しい行動を考えさせ
る。
3 A から不快な言動を受けた子どもに、発達障害の特徴を伝え、我慢
するように指導する。
4 A の指導に関わる教師たちに、A の行動は障害特性によるものであ
ることを説明し、理解を促す。
5 衝動的で乱暴な行動は過去のいじめのフラッシュバックと考え、過去
のことは忘れるように A に助言する。
― 47 ―
DKJM-午後-51

3 154 中学校の担任教師 A。A は、同じ部活動の女子中学生&名につい て、スクールカウンセラー B に、次のように相談した。&名は、&か 月ほど前から教室に入ることができずに会議室で勉強しており、A が 学習指導をしながら話を聞いていた。先日、生徒たちの表情も良いた め、教室に入ることを提案すると、&名は「教室は難しいが、放課後の 部活動なら見学したい」と言った。早速、A が学年教師の会議で報告し たところ、他の教師から「授業に参加できない生徒が部活動を見学する のは問題があるのではないか」との意見が出された。
この場合の B の対応として、適切なものを&つ選べ。 1 部活の顧問と話し合う。
2 A に援助チームの構築を提案する。
3 B が学年教師の会議に参加して話し合う。
4 学年教師の会議の意見に従うよう A に助言する。
5 A がコーディネーターとして機能するように助言する。
― 48 ―
DKJM-午後-52

第4回午前10 時 00 分〜12 時 00 分

4 1 公認心理師法について、正しいものを&つ選べ。

1 公認心理師登録証は、厚生労働大臣及び総務大臣が交付する。

2 公認心理師が信用失墜行為を行った場合は、登録の取消しの対象とな

る。

3 公認心理師登録証は、公認心理師試験に合格することで自動的に交付

される。

4 公認心理師の名称使用の停止を命じられた者は、30 万円以下の罰金

に処される。

5 禁錮刑に処せられた場合、執行終了後&年を経過すれば公認心理師の

登録は可能となる。

4 2 身体損傷により病院に搬送された患者で自損行為の可能性が疑われ る場合、緊急に確認するべき事項として、優先度の低いものを&つ選 べ。

1 自らの意思で行ったかどうかを確認する。

2 致死的な手段を用いたかどうかを確認する。

3 明確な自殺の意図があったかどうかを確認する。

4 背景にストレス要因があったかどうかを確認する。

5 明確な致死性の予測があったかどうかを確認する。

― 1 ―

DKJM-午前-5

4 3 大学の学生相談室のカウンセラーである公認心理師が、学内の保健 管理センターの精神科医、障害のある学生を支援するコーディネー ター、ハラスメント相談員やクライエントの所属学部の指導教員などと 連携して行う支援について、最も適切なものを&つ選べ。

1 相談の秘密を守るため、できるだけ連携せずにすむ支援方法を工夫す

る。

2 情報の取扱方法について、情報共有する関係者の間で合意形成の必要

はない。

3 支援に関わる関係者と情報共有することをクライエントに説明し、同

意を得る。

4 個人情報保護の観点から、情報共有する関係者は学校に雇用された教

職員である必要がある。

5 説明し同意が得られた後は、情報共有の在り方に関するクライエント

の要望は受け付けない。

4 4 心的過程の「全体」や「場」を重んじ、集団力学誕生の契機となった心 理学の考え方として、最も適切なものを&つ選べ。

1 構成心理学

2 比較心理学

3 行動主義心理学

4 新行動主義心理学

5 ゲシュタルト心理学

― 2 ―

DKJM-午前-6

4 5 観測値として、&、&、&、&、&が得られたとき、値が 6.6 とな る代表値小数点第&位を四捨五入 として、正しいものを&つ選べ。

1 中央値

2 幾何平均

3 算術平均

4 相乗平均

5 調和平均

4 6 因子分析による解析を計画している調査用紙の回答形式として、最 も適切なものを&つ選べ。

1 順位法

2 一対比較法 3 自由回答法 4 評定尺度法 5 文章完成法

― 3 ―

DKJM-午前-7

4 7 P. Wall と R. Melzack のゲートコントロール理論が、元来、対象と していた感覚として、最も適切なものを&つ選べ。

1 温覚

2 嗅覚

3 痛覚

4 触圧覚

5 自己受容感覚

4 8 大人の攻撃行動を観察していた幼児が、その後、同じ攻撃行動を示 した。この過程を示す用語として、最も適切なものを&つ選べ。

1 洞察学習

2 モデリング

3 嫌悪条件づけ

4 シェイピング

5 オペラント条件づけ

― 4 ―

DKJM-午前-8

4 9 C. R. Rogers のパーソナリティ理論の特徴として、最も適切なもの を&つ選べ。

1 自己概念を扱う。

2 精神−性発達を扱う。

3 パーソナリティ特性を&因子で捉えている。

4 リビドーの向かう方向で内向型と外向型に分類している。

5 パーソナリティ特性を外向−内向と神経症傾向という&軸で捉えてい

る。

4 10 失読と失書について、最も適切なものを&つ選べ。 1 純粋失書では、写字が保たれる。

2 失読失書の主な責任病巣は、海馬である。

3 純粋失読の主な責任病巣は、帯状回である。

4 失読失書では、なぞり読みが意味の理解に有効である。

5 純粋失読では、自分が書いた文字を読むことができる。

― 5 ―

DKJM-午前-9

4 11 集団や社会の多くの成員が、自分自身は集団規範を受け入れていな いにもかかわらず、他の成員のほとんどがその規範を受け入れていると 信じている状況を指す概念として、最も適切なものを&つ選べ。

1 集団錯誤

2 集合的無知

3 集団凝集性

4 少数者の影響

5 内集団バイアス

4 12 知覚の老化の説明として、正しいものを&つ選べ。 1 温度感覚の閾値が下がる。

2 嗅覚の識別機能が低下する。

3 高音域に先行して低音域の聴取が困難になる。

4 近方視力が低下する一方、遠方視力は保たれる。

5 明所から暗所への移動後における視覚の順応時間が短くなる。

― 6 ―

DKJM-午前-10

4 13 DSM-&の神経発達症群/神経発達障害群に分類される障害とし て、正しいものを&つ選べ。

1 素行症/素行障害

2 脱抑制型対人交流障害

3 神経性やせ症/神経性無食欲症

4 解離性同一症/解離性同一性障害

5 発達性協調運動症/発達性協調運動障害

4 14 DSM-&の心的外傷およびストレス因関連障害群に分類される障害 として、正しいものを&つ選べ。

1 適応障害

2 ためこみ症

3 病気不安症

4 強迫症/強迫性障害

5 分離不安症/分離不安障害

― 7 ―

DKJM-午前-11

4 15 TEACCH の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 青年期までを支援対象とする。

2 生活や学習の環境を構造化する。

3 被虐待児を主な支援対象とする。

4 標準化された統一的な手順を適用する。

5 視覚的手がかりを使わずにコミュニケーションを支援する。

4 16 脳損傷者に対する神経心理学的アセスメントで使用される検査の説 明として、最も適切なものを&つ選べ。

1 HDS-R の成績が低下している場合、遂行機能障害が疑われる。 2 RBMT は、手続記憶の障害を検討するために用いられる。

3 SLTA には、非言語性の認知検査も含まれる。

4 WAIS-IVの数唱の成績は、注意障害の程度を知る助けになる。 5 WCST は、失認症を評価する検査である。

― 8 ―

DKJM-午前-12

4 17 H. S. Sullivan の「関与しながらの観察」を深めていくために必要な ことについて、最も適切なものを&つ選べ。

1 自分の中立的な立ち位置が揺れ動かないよう努めること

2 自分のその場での言動と関係付けてクライエントの反応を捉えること 3 自分の主観に現れてくるイメージをもとにしてクライエント理解を進

めること

4 観察の精度を高める道具として、標準化された検査の導入を積極的に

進めること

5 これまでのやりとりの流れから切り離して、今ここのクライエントの

感情を理解すること

4 18 心理療法における「負の相補性」の説明として、最も適切なものを& つ選べ。

1 セラピストとクライエントが、お互いに過去の誰かに関する感情を相

手に向けること

2 セラピストの働きかけに対して、クライエントがその方針に無意識的

に逆らおうとすること

3 セラピストが言葉で肯定的なことを言いながら態度が否定的なとき、

クライエントが混乱を示すこと

4 セラピストが4 題の言語化を試み続ける中で、クライエントが行動に

よって4 題を表現しようとすること

5 クライエントが敵意を含んだ攻撃的な発言をしてくるのに対して、セ

ラピストが同じ敵意を含んだ発言で応じること

― 9 ―

DKJM-午前-13

4 19 産後うつ病の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 双極性障害との関連は少ない。

2 有病率は約10%から15%である。

3 マタニティー・ブルーズと同義である。

4 M-CHAT がスクリーニングに用いられる。

5 比較的軽症がほとんどで、重篤化することはない。

4 20 職場復帰支援について、最も適切なものを&つ選べ。

1 産業医と主治医は、同一人物が望ましい。

2 模擬出勤や通勤訓練は、正式な職場復帰決定前に開始する。

3 傷病手当金については、職場復帰の見通しが立つまで説明しない。 4 職場復帰は、以前とは異なる部署に配置転換させることが原則であ

る。

5 産業保健スタッフと主治医の連携においては、当該労働者の同意は不

要である。

― 10 ―

DKJM-午前-14

4 21 2018 年平成 30 年 時点において、児童養護施設における入所児童 の特徴や傾向として、正しいものを&つ選べ。

1 入所児童は、年々増加している。

2 家族との交流がある入所児童は、半数を超える。

3 被虐待体験を有する入所児童は、半数に満たない。

4 幼児期に入所し、18 歳まで在所する児童が年々増加している。

5 入所児童の大学・短期大学などへの進学率は、おおむね 60 % 以上で

ある。

4 22 感覚運動学習について、最も適切なものを&つ選べ。

1 運動技能学習の効果は、短期的である。

2 感覚運動段階は、児童期の特徴である。

3 感覚運動学習は、感覚系と運動系による連合学習である。

4 一定の休憩を入れて運動技能を学習する方法は、分習法である。

5 感覚運動学習においては、課題にかかわらず全習法が効果的である。

― 11 ―

DKJM-午前-15

4 23 ユニバーサルデザインの考え方に基づいて、授業を実施する場合に 重要な視点として、最も適切なものを&つ選べ。

1 同化

2 熟達化

3 焦点化

4 体制化

5 符号化

4 24 保護観察所において生活環境の調整が開始される時期として、正し いものを&つ選べ。

1 家庭裁判所の審判が開始される時点

2 医療及び観察等の審判が開始される時点

3 矯正施設から身上調査書を受理した時点

4 矯正施設において、仮釈放仮退院 の審査を始めた時点

5 矯正施設から仮釈放仮退院 を許すべき旨の申出が行われた時点

― 12 ―

DKJM-午前-16

4 25 ホルモンの作用の説明として、正しいものを&つ選べ。 1 メラトニンは睡眠を促す。

2 インスリンは血糖値を上げる。

3 副腎皮質ホルモンは血圧を下げる。

4 プロラクチンは乳汁分泌を抑制する。

5 抗利尿ホルモンは血中のナトリウム濃度を上げる。

4 26 くも膜下出血の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 脳梗塞に比べて頻度が高い。

2 症状は 24 時間以内に消失する。

3 緩徐に進行する頭痛で発症する。

4 高次脳機能障害の原因ではない。

5 脳動脈瘤の破裂によって起こる。

― 13 ―

DKJM-午前-17

4 27 アルコール健康障害について、正しいものを&つ選べ。 1 コルサコフ症候群は、飲酒後に急性発症する。

2 アルコール幻覚症は、意識混濁を主症状とする。

3 アルコール性認知症は、脳に器質的変化はない。

4 離脱せん妄は、飲酒の中断後数日以内に起こる。

5 アルコール中毒において、フラッシュバックがみられる。

4 28 &型糖尿病の高校生の治療における留意点として、最も適切なもの を&つ選べ。

1 運動は禁止である。

2 食事療法により治癒できる。

3 &型糖尿病に将来移行するリスクが高い。

4 治療を受けていることを担任教師に伝える必要はない。 5 やせる目的でインスリン量を減らすことは、危険である。

― 14 ―

DKJM-午前-18

4 29 せん妄について、適切なものを&つ選べ。 1 小児では発症しない。

2 注意の障害を呈する。

3 早朝に症状が悪化することが多い。

4 予防には、補聴器の使用を控えた方がよい。

5 予防には、室内の照度を一定にし、昼夜の差をできるだけ小さくする

ことが有効である。

4 30 特定健康診査と特定保健指導について、正しいものを&つ選べ。 1 公認心理師は、特定保健指導を行うことができる。

2 特定健康診査は、介護保険法に基づく制度である。

3 76 歳以上の者は、特定保健指導の対象とならない。

4 一定の有害な業務に従事する者は、特定保健指導を受けなければなら ない。

5 特定健康診査は、要支援状態にある 40 歳以上の者を対象として実施 される。

― 15 ―

DKJM-午前-19

4 31 医療法で規定されている医療提供施設として、正しいものを&つ選 べ。

1 保健所

2 介護老人保健施設

3 市町村保健センター

4 地域包括支援センター

5 産業保健総合支援センター

4 32 精神障害などにより、財産管理などの重要な判断を行う能力が十分 ではない人々の権利を守り、支援する制度を何というか、正しいものを &つ選べ。

1 医療観察制度

2 介護保険制度

3 成年後見制度

4 障害者扶養共済制度

5 生活福祉資金貸付制度

― 16 ―

DKJM-午前-20

4 33 労働基準法が定める時間外労働の上限規制として、正しいものを& つ選べ。

1 原則として、月 60 時間とする。

2 原則として、年 360 時間とする。

3 臨時的な特別な事情がある場合には、年 960 時間とする。

4 臨時的な特別な事情がある場合には、月 150 時間休日労働含む とす

る。

5 臨時的な特別な事情がある場合には、複数月平均 120 時間休日労働

含む とする。

4 34 心理支援におけるスーパービジョンについて、誤っているものを& つ選べ。

1 スーパーバイジーの職業的発達に適合させることが望ましい。

2 スーパービジョンの目的の&つに、特定のスキルの熟達がある。

3 後進の指導に当たる立場では、スーパービジョンの技能を学ぶことが

望ましい。

4 スーパービジョンの目的の&つに、心理療法理論の臨床場面への応用

と概念化がある。

5 スーパービジョンとは、スーパーバイジー自身の心理的4 題を扱うカ

ウンセリングのことである。

― 17 ―

DKJM-午前-21

4 35 医療におけるアドバンス・ケア・プランニングACPについて、 誤っているものを&つ選べ。

1 話し合いの内容を文章にまとめ、診療録に記載しておく。

2 話し合いの構成員の中に、親しい友人が含まれることがある。

3 患者の意思は変化する可能性があるため、話し合いは繰り返し行われ

る。

4 患者の意思が確認できない場合は、担当医療従事者が本人にとって最

善の方針を決定する。

5 患者と多職種の医療・介護従事者、家族等の信頼できる者と今後の医

療・ケアについて十分な話し合いを行うプロセスである。

4 36 H. P. Grice の会話の公理maxims of conversationに該当しないも のを&つ選べ。

1 根拠があることを話す。

2 場の雰囲気に配慮する。

3 過不足なく情報を伝える。

4 その時の話題に関連したことを言う。

5 曖昧な表現を避け、分かりやすく情報を伝える。

― 18 ―

DKJM-午前-22

4 37 成人のクライエントに対して行う心理検査の目的として、不適切な ものを&つ選べ。

1 クライエントによる自己理解や洞察を深める。

2 セラピストのセラピー継続への動機づけを高める。

3 クライエントに関わるスタッフの支援の手がかりとする。

4 セラピストがクライエントの理解を深め、支援の方針を決定する指標

にする。

5 セラピストとクライエントの間で、コミュニケーションやセラピーを

深める道具とする。

4 38 M. E. P. Seligman が提唱する PERMA のそれぞれの頭文字の意味 として、誤っているものを&つ選べ。

1 P はポジティブな感情を表す。 2 E は力を獲得することを表す。 3 R は他者との良い関係を表す。 4 M は生きる意味を表す。

5 A は達成を表す。

― 19 ―

DKJM-午前-23

4 39 T. L. Beauchamp と J. F. Childress が提唱した医療倫理の&原則に 該当しないものを&つ選べ。

1 正義

2 説明

3 善行

4 無危害

5 自律尊重

4 40 児童の権利に関する条約子どもの権利条約に含まれないものを& つ選べ。

1 生命に対する固有の権利

2 残余財産の分配を受ける権利

3 出生の時から氏名を有する権利

4 自由に自己の意見を表明する権利

5 できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利

― 20 ―

DKJM-午前-24

4 41 医師から依頼を受け、MMSE を実施・解釈し報告する際の公認心 理師の行動として、不適切なものを&つ選べ。

1 被検査者の実際の回答内容を解釈に含める。

2 検査時の被検査者の緊張や意欲についても解釈に含める。

3 カットオフ値を上回った場合は、認知症ではないと所見を書く。

4 総得点だけでなく、被検査者が失点した項目についても報告する。

5 被検査者が難聴で口頭による実施ができない場合は、筆談による実施

を試みる。

4 42 適性処遇交互作用について、誤っているものを&つ選べ。 1 指導方法や学習環境のことを処遇という。

2 統計学的には交互作用効果によって検証される。

3 学びの成立に影響を与える個人差要因を適性という。

4 学習者の特徴によって教授法の効果が異なることを指す。

5 他者の援助と学習者の4 題解決との中間領域にみられる。

― 21 ―

DKJM-午前-25

4 43 学校にピアサポート・プログラムを導入する目的として、不適切な ものを&つ選べ。

1 思いやりのある関係を確立する機会を提供する。

2 公共性と無償性という基本を学ぶ機会を提供する。

3 学校のカウンセリング・サービスの幅を広げる機会を提供する。

4 リーダーシップ、自尊感情及び対人スキルを向上させる機会を提供す

る。

5 傾聴や4 題解決スキルなど他者を援助するスキルを習得する機会を提

供する。

4 44 免疫担当細胞に含まれないものを&つ選べ。 1 単球

2 好中球

3 赤血球

4 B細胞 5 T細胞

― 22 ―

DKJM-午前-26

4 45 犯罪被害者等基本法に関する記述として、誤っているものを&つ選 べ。

1 犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が被害を受けたときから &年間までの間に講ぜられる。

2 犯罪被害者等が心理的外傷から回復できるよう、適切な保健医療サー ビスや福祉サービスを提供する。

3 犯罪被害者等のための施策は、国、地方公共団体、その他の関係機 関、民間の団体等との連携の下、実施する。

4 刑事事件の捜査や公判等の過程における犯罪被害者等の負担が軽減さ

れるよう、専門的知識や技能を有する職員を配置する。

5 教育・広報活動を通じて、犯罪被害者等が置かれている状況や、犯罪 被害者等の名誉や生活の平穏への配慮について国民の理解を深める。

4 46 公認心理師が、クライエントに心理療法を行う場合、インフォーム ド・コンセントを取得する上で、最も適切なものを&つ選べ。

1 公認心理師が考える最善の方針に同意するように導く。

2 深刻なリスクについては頻度が低くても情報を開示する。

3 心理療法についての説明はクライエントにとって難解なため、最小限

に留める。

4 クライエントに対して不利益にならないように、心理療法を拒否した

ときの負の結果については強調して伝える。

― 23 ―

DKJM-午前-27

4 47 公認心理師の基本的なコンピテンシーについて、最も適切なものを &つ選べ。

1 科学的な知見を参考にしつつも、直観を優先して判断する。

2 要支援者への関わり方や対応の在り方を自ら振り返って検討する。 3 普遍的な視点に立ち、文化的背景を考慮せず、要支援者を同様に扱

う。

4 専門職としての知識と技術をもとに、最低限の実践ができるように

なってから職業倫理を学ぶ。

4 48 ストレンジ・シチュエーション法におけるアタッチメントの類型の 説明として、最も適切なものを&つ選べ。

1 回避型は、養育者との分離場面で激しく泣きやすい。

2 安定型は、養育者との分離場面で泣きの表出が少ない。

3 無秩序・無方向型は、養育者との再会場面で激しく泣きやすい。

4 アンビバレント型は、養育者との再会場面でしばしば激しい怒りを表

出することがある。

― 24 ―

DKJM-午前-28

4 49 いじめ防止対策推進法について、正しいものを&つ選べ。

1 学校は、いじめ4 題対策連絡協議会を置くことができる。

2 学校は、いじめの防止に資するものとして、体験活動等の充実を図

る。

3 学校は、地方公共団体が作成した、いじめ防止基本方針を自校の基本

方針とする。

4 学校は、いじめ防止等の対策を推進するために、財政的な措置を講ず

るよう努める。

4 50 心理的支援活動の理論化について、最も適切なものを&つ選べ。 1 参加的理論構成者は、理論化を専門に行う。

2 地域援助においては、参加的理論構成者としての役割が必要になる。 3 臨床心理面接の事例論文においては、一般化に統計的手法が必須であ

る。

4 量的データを扱う際には、研究者のリフレクシヴィティreflexivity

が重要である。

― 25 ―

DKJM-午前-29

4 51 個人情報保護について、誤っているものを&つ選べ。

1 本人の同意があれば、当該本人に関する個人データを第三者に提供で

きる。

2 クライエントが公認心理師に対する信頼に基づいて打ち明けた事柄

は、個人情報に該当しない。

3 個人情報には、指紋や DNA の塩基配列など身体に固有の特徴を符号

化したデータも含まれる。

4 個人情報取扱事業者は、その取扱う個人データについて、安全管理の

ために必要な措置を講じなければならない。

4 52 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法 律が示す、職場におけるセクシュアルハラスメントの防止対策につい て、誤っているものを&つ選べ。

1 労働者がセクシュアルハラスメントに関して事業主に相談したこと等

を理由とした不利益な取扱いを禁止する。

2 紛争調整委員会は、セクシュアルハラスメントの調停において、関係

当事者の同意を得れば、職場の同僚の意見を聴取できる。

3 労働者の責務の&つとして、セクシュアルハラスメント4 題に対する 関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うことを 定めている。

4 事業主は、他社から職場におけるセクシュアルハラスメントを防止す

るための雇用管理上の措置の実施に関して必要な協力を求められた場合

に、応じるよう努めなければならない。

― 26 ―

DKJM-午前-30

4 53 要保護児童対策地域協議会について、正しいものを&つ選べ。 1 対象は、被虐待児童に限られる。

2 構成する関係機関は、市町村と児童相談所に限られる。

3 関係機関相互の連携や、責任体制の明確化が図られている。

4 要保護児童対策地域協議会における情報の共有には、保護者本人の承

諾が必要である。

5 被虐待児童に対する情報を共有することにより、児童相談所によって

迅速に支援を開始できる。

4 54 マインドフルネスに基づく認知行動療法として、適切なものを&つ 選べ。

1 内観療法

2 応用行動分析

3 弁証法的行動療法

4 アサーション・トレーニング

5 アクセプタンス&コミットメント・セラピーACT

― 27 ―

DKJM-午前-31

4 55 我が国における子どもの貧困4 題について、適切なものを&つ選 べ。

1 学力達成や教育機会に対する影響は小さい。

2 貧困と児童虐待の発生には、関連がみられる。

3 子どもの貧困と関連する4 題は、顕在化しやすい。

4 貧困状態にある母子世帯の&割以上が、生活保護を受給している。 5 生活保護を受給する家庭で育った子どもは、出身世帯から独立した後

も生活保護を受給する割合が高い。

4 56 特別支援教育の推進について平成 19 年&月、文部科学省 が示す 特別支援教育コーディネーターの役割として、適切なものを&つ選べ。

1 保護者に対する学校の窓口となる。

2 特別支援教育の対象となる児童生徒を決定する。

3 特別支援教育の対象となる児童生徒に対して、直接指導を行う。

4 特別支援教育の対象となる児童生徒について、学校と関係機関との連

絡や調整を担う。

5 外部の専門機関が作成した「個別の教育支援計画」に従い、校内の支援

体制を整備する。

― 28 ―

DKJM-午前-32

4 57 司法場面における認知面接で、面接者が被面接者に対して求めるこ ととして、適切なものを&つ選べ。

1 文脈の心的再現

2 視点を変えての想起

3 毎回同じ順序での想起

4 確信が持てる内容を選んで話すこと

5 話す内容に矛盾があればその都度説明すること

4 58 治療と仕事の両立支援について、適切なものを&つ選べ。

1 仕事の繁忙などが理由となる場合には、就業上の措置や配慮は不要で

ある。

2 労働者の個別の特性よりも、疾病の特性に応じた配慮を行う体制を整

える。

3 事業場における基本方針や具体的な対応方法などは、全ての労働者に

周知する。

4 労働者本人からの支援を求める申出がなされたことを端緒に取り組む

ことを基本とする。

5 労働者が通常勤務に復帰した後に同じ疾病が再発した場合には、両立

支援の対象から除外する。

― 29 ―

DKJM-午前-33

4 59 ストレッサー、ネガティブな自動思考以下「自動思考」という。及 び抑うつ反応の&つの変数を測定した。ストレッサーは、調査前の出来 事を測定した。変数間の相関係数を算出したところ、ストレッサーと抑 うつ反応の相関係数は 0.30、ストレッサーと自動思考の相関係数は 0.33、自動思考と抑うつ反応の相関係数は 0.70 で、いずれの相関係数 も有意であった。パス解析を行ったところ、ストレッサーから自動思考 への標準化パス係数は 0.31 で有意であり、自動思考から抑うつ反応へ の標準化パス係数は 0.64 で有意であり、ストレッサーから抑うつ反応 への標準化パス係数は 0.07 で有意ではなかった。

以上の結果から解釈可能なものとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 自動思考は、抑うつ反応に対して影響を与える説明変数ではない。 2 抑うつ反応は、ストレッサーに対して影響を与える説明変数である。 3 ストレッサーは、抑うつ反応に対して自動思考を介して影響を与えて

いる。

4 自動思考が根本的な原因として、ストレッサーと抑うつ反応の両方を

説明している。

5 抑うつ反応に対して、ストレッサーと自動思考は対等に説明する変数

となっている。

― 30 ―

DKJM-午前-34

4 60 32 歳の女性 A、&歳の子どもの母親。A は、市の子育て支援セン ターで、公認心理師 B に育児不安について相談した。&年前に結婚に より仕事を辞め、&年半前から夫の転勤で C 市に住んでいる。夫は優 しいが、仕事が忙しいため、A は一人で家事や育児を行うことが多い。 知り合いや友人も少なく、育児について気軽に相談できる相手がおら ず、孤独感に陥るという。B は A に対し、地域の育児サロンなどに参 加し、育児や自分の気持ちについて話すなど、子育て中の母親との交流 を提案した。

B の A への提案のねらいとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 感情制御

2 グリーフケア

3 情緒的サポート

4 セルフ・モニタリング

5 ソーシャル・スキルズ・トレーニングSST

― 31 ―

DKJM-午前-35

4 61 &歳の男児 A、幼稚園児。A が&歳のときに、おやつが準備され るのを待てずに手が出てしまう、&歳下の弟とのきょうだいげんかが激 しいといったことを母親が心配し、教育センターの公認心理師に相談す るために来所した。A には、母子関係の4 題や発達的なつまずきはみ られなかったため、月に&度の相談で経過をみていたところ、&歳の誕 生日を過ぎた頃から、弟とのけんかが減った。おやつもすぐに食べずに 待てるようになったとのことである。

A の状態の背景に考えられる心理的発達として、最も適切なものを &つ選べ。

1 共同注意

2 自己抑制

3 脱中心化

4 メタ認知

5 アタッチメント

― 32 ―

DKJM-午前-36

4 62 22 歳の男性 A、大学&年生。公認心理師 B が所属する大学の学生 相談室に来室した。A は、&つの企業の就職面接に応募したが、全て 不採用となり、就職活動を中断した。その後、就職の内定を得た友人が 受講している授業に出席できなくなり、一人暮らしのアパートにひきこ もり気味の生活になっている。A は、「うまく寝付けなくなって、何事 にもやる気が出ず、自分でも将来何がしたいのか分からなくなって絶望 している」と訴えている。

B の A への初期対応として、最も適切なものを&つ選べ。 1 就職活動を再開するよう励ます。

2 抑うつ状態のアセスメントを行う。

3 保護者に連絡して、A への支援を求める。

4 発達障害者のための就労支援施設を紹介する。

5 単位を取得するために、授業に出席することを勧める。

― 33 ―

DKJM-午前-37

4 63 公認心理師 A が主演者である学会発表において、実験結果の報告 のためのスライドを準備している。実験の背景、目的、結果、考察など をまとめた。A は他者の先行研究で示された実験結果の一部を参考論 文から抜き出し、出所を明らかにすることなく自分のデータとして図を 含めてスライドに記述した。

このまま発表する場合、該当する不正行為を&つ選べ。 1 盗用

2 改ざん

3 ねつ造

4 多重投稿

5 利益相反

― 34 ―

DKJM-午前-38

4 64 28 歳の女性 A。A が生活する地域に大規模な地震が発生し、直後 に被災地外から派遣された公認心理師 B が避難所で支援活動を行って いる。地震発生から約&週間後に、A から B に、「地震の後から眠れな い」と相談があった。A の家は無事だったが、隣家は土砂に巻き込ま れ、住人は行方不明になっている。A はその様子を目撃していた。A によれば、最近崩れる隣家の様子が繰り返し夢に出てきて眠れず、隣家 の方向を向くことができずにいる。同居の家族から見ても焦燥感が強く なり、別人のようだという。

B の A への対応として、最も優先されるものを&つ選べ。

1 ジョギングなどの運動を勧める。

2 生き残った者の使命について話し合う。

3 リラックスするために腹式呼吸法を指導する。

4 行方不明になった住人が必ず発見されると保証する。

5 現地の保健医療スタッフに情報を伝えることへの同意を得る。

― 35 ―

DKJM-午前-39

4 65 70 歳の女性 A。長男、長男の妻及び孫と暮らしている。A は、& 年ほど前に軽度の Alzheimer 型認知症と診断された。A は、診断後も 自宅近所のスポーツジムに一人で出かけていた。&か月ほど前、自宅を リフォームし、収納場所が新たに変わった。それを機に、探し物が増 え、スポーツジムで使う物が見つけられなくなったため、出かけるのを やめるようになった。A は、物の置き場所をどう工夫したらよいか分 からず、困っているという。

A に対して行うべき非薬物的介入として、最も適切なものを&つ選 べ。

1 ライフヒストリーの回想に焦点を当てた介入

2 日常生活機能を補う方法の確立に焦点を当てた介入

3 有酸素運動や筋力強化など、複数の運動を組み合わせた介入

4 物事の受け取り方や考えの歪みを修正し、ストレス軽減を図る介入 5 音楽を聴く、歌うなどの方法によって構成されたプログラムによる介

― 36 ―

DKJM-午前-40

4 66 67 歳の男性 A、税理士。重度認知症の母親 B と二人で暮らしてい る。A は、B の介護をしながら税理士の仕事をしている。A は、&年 前から集中力や思考力が低下して、仕事が捗らなくなった。ミスも増え たため、仕事を辞めようかと悩んでいた。物忘れ、不眠、食欲低下につ いてもかなり心配していた。A は、現在の状態が B の初期症状と類似 しているのではないかと心配し、医療機関を受診した。A は、手段的 日常生活動作IADLに4 題はなく、HDS-R は 29 点、老年期うつ検 査-15-日本版GDS-15-Jは13 点であった。

診断として疑われる A の状態として、最も適切なものを&つ選べ。 1 うつ病

2 パニック症

3 前頭側頭型認知症

4 Lewy 小体型認知症

5 心的外傷後ストレス障害PTSD

― 37 ―

DKJM-午前-41

4 67 小学&年生のある学級では、&学期の始めから学級での様々な活動 に対し積極的で自主的に取り組む様子がみられた。そこで、児童のやる 気をさらに高めるために、児童が行った活動に点数をつけて競わせるこ とが試みられた。その結果、&学期になると、次第に点数のつかない活 動では、児童の自主的な取組がみられなくなり、&学期になるとさらに その傾向が顕著になった。

この現象を説明するものとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 学級風土

2 遂行目標

3 期待価値理論

4 ピグマリオン効果

5 アンダーマイニング効果

― 38 ―

DKJM-午前-42

4 68 45 歳の男性 A、小学校に勤務しているスクールカウンセラー。A が勤務する小学校では、「ともに学び、ともに育つ」という教育目標のも とで、「支え合う学級集団づくり」に取り組んでいた。A は、&年生の 担任教師からクラスの児童同士の人間関係の改善や児童相互の理解を豊 かにするための授業を実施してほしいと依頼を受けた。そこで、A は 児童がより主体的・対話的で深い学びができるように、アクティブラー ニングを取り入れた授業を行うことにした。

A が行うアクティブラーニングの視点を用いた指導法として、最も 適切なものを&つ選べ。

1 児童の個性に合うように、複数の方法で教える。

2 学習内容が定着するように、内容を数回に分けて行う。

3 全員が同じ内容を理解できるように、一斉に授業を行う。

4 全員が正しく理解できるように、原理を積極的に解説する。

5 具体的に理解できるように、例話の登場人物のセリフを考えさせる。

― 39 ―

DKJM-午前-43

4 69 16 歳の男子 A、高校&年生。万引きにより逮捕され、少年鑑別所 に収容された後、家庭裁判所の審判により保護観察処分となった。A は、審判終了後すぐに母親 B と共に保護観察所に来た。A の居住する 地域を担当している保護観察官 C が、初回の面接を行うことになった。 審判直後であり、家庭裁判所からは、氏名、年齢、非行名、遵守事項に 関する意見など、最小限の情報が届いている。

C の初回面接における対応方針として、最も適切なものを&つ選べ。 1 特別遵守事項を設定する。

2 担当する保護司が同席できるよう手配する。

3 保護処分の決定に対する抗告について説明する。

4 関係構築を優先し、家族関係や成育歴についての質問は控える。

5 家庭裁判所において既に確認されているため、事件内容についての質

4 は控える。

― 40 ―

DKJM-午前-44

4 70 製造業 A 社は、これまで正社員の大半が男性であった。ここ数年 の労働力不足を背景に、様々な人材を登用する機会を模索している。女 性の管理職の増加を目指したキャリアコンサルティングの実施、外国人 社員に伴って来日した配偶者の採用に加え、社内に障害者支援委員会を 設置して精神障害者の就労支援を行うなど、個々の違いを認め、尊重 し、それらを組織の競争優位性に活かそうとする取組を行った。その取 組をきっかけとして、女性社員、高齢者や国籍の異なる社員なども少し ずつ増えて、今では属性の異なった人と協働する機会が増えている。

この A 社の取組を全体的に表すものとして、最も適切なものを&つ 選べ。

1 コンプライアンス

2 キャリアマネジメント

3 ポジティブアクション

4 アファーマティブアクション 5 ダイバーシティマネジメント

― 41 ―

DKJM-午前-45

4 71 39 歳の男性 A、会社員。A は、中途採用で入社して 10 年目になる が、これまで会社内での人付き合いは良好で、安定した仕事ぶりから上 司の信頼も厚い。最近になり、A は、キャリアに希望が持てないと企 業内相談室に来室した。「今この会社を辞めたら損失が大きいので、こ の先も勤めようと思う」と述べる一方で、「この会社を離れるとどうなる か不安である」、「今この会社を辞めたら生活上の多くのことが混乱する だろう」と述べた。

A の発言内容から考えられる A の組織コミットメントとして、最も 適切なものを&つ選べ。

1 規範的コミットメント

2 行動的コミットメント

3 情緒的コミットメント

4 存続的コミットメント

5 態度的コミットメント

― 42 ―

DKJM-午前-46

4 72 53 歳の女性 A。もともと軽度の弱視がある。大学卒業後、管理栄 養士として働いていたが、結婚後、出産を機に退職し、その後、職には 就いていない。&年前に一人娘が就職し一人暮らしを始めた頃から、抑 うつ的になることが増え、身体のほてりを感じることがしばしばあり、 頭痛や倦怠感がひどくなった。また、これから何をしてよいのか展望が 持てなくなり、不安な状態が続いていた。しかし、最近、かつて仕事で も趣味でもあった料理を、ボランティアで 20 歳から 30 歳代の女性らに 教える機会を得て、彼女らとの会話を楽しみにするようになっている。

A のここ数年来の心身の状態として、該当しないものを&つ選べ。 1 更年期障害

2 空の巣症候群

3 アイデンティティ危機

4 生成継承性generativity

5 セルフ・ハンディキャッピング

― 43 ―

DKJM-午前-47

4 73 50 歳の女性 A。抑うつ気分が続いているために精神科に通院し、 院内の公認心理師 B が対応することになった。&か月前に A の 17 歳の 娘が交際相手の男性と外出中にバイクの事故で亡くなった。事故からし ばらく経ち、A は、事故直後のショックからは一時的に立ち直ったよ うに感じていたが、&か月ほど前から次第に抑うつ状態となった。「ど うしてあの日娘が外出するのを止めなかったのか」と自分を責めたり、 急に涙があふれて家事が手につかなくなったりしている。

B の A への対応として、不適切なものを&つ選べ。

1 悲しみには個人差があるということを説明する。

2 娘の死を思い出さないようにする活動がないか、一緒に探索する。 3 A が体験している様々な感情を確認し、表現することを援助する。 4 子どもを亡くした親が体験する一般的な反応について、情報を提供す

る。

5 娘が死に至った背景について、多様な観点から見直してみることを促

す。

― 44 ―

DKJM-午前-48

4 74 35 歳の女性 A、公立中学校のスクールカウンセラー。近隣の中学 校で、いじめが原因と疑われる生徒の自殺が起きた。A は、教育委員 会から緊急支援のために当該中学校に派遣された。A は、緊急支援の 内容を事前に校長と相談した上で、介入を行うこととなった。中学校の 現在の様子は、生徒の保健室の利用が増えてきており、生徒や保護者の 間では、自殺についての様々な臆測や噂も流れ始めている。

A が行う緊急支援として、不適切なものを&つ選べ。

1 動揺している生徒に対して、個別に面接を行う。

2 動揺している保護者に対して、個別に面接を行う。

3 教師に対して、自身の心身のケアについての心理教育を行う。

4 自殺をした生徒に対するいじめの有無について、周囲の生徒から聞き

取りを行う。

5 教師に対して、予想される生徒のストレス反応とその対処についての

心理教育を行う。

― 45 ―

DKJM-午前-49

4 75 70 歳の女性 A。A は、A の夫である会社役員の B に付き添われ、 開業している公認心理師 C のもとを訪れた。B によると、A は自宅近 くのスーパーマーケットで大好きなお菓子を万引きし、店を出てから食 べているところを警備員に発見されたとのこと。A は、「万引きはその ときが最初で最後であり、理由は自分でもよく分からない」と述べると ともに、同居している半身不随の B の母親の介護を一人で行っている ため自分の時間を持てないことや、B が介護は A の仕事であると言っ ていることへの不満を述べた。A と B は、C に対して A が二度と万引 きしないようになるための助言を求めている。

C の A への理解として、不適切なものを&つ選べ。

1 A は、窃盗症の疑いが強い。

2 A は、ストレスへの対処力が弱まっている。

3 A と B の夫婦間コミュニケーションが不十分である。 問A にとっては、B の母親の介護が負担になっている。 5 A に器質的疾患があるかどうかを確認する必要がある。

― 46 ―

DKJM-午前-50

4 76 20 歳の女性 A、大学&年生。A は、母親 B と精神科を受診した。 B によると、A は、&か月前に親友が交通事故に遭うのを目撃してか ら、物音に敏感になり不眠がちで、ささいなことでいらいらしやすく、 集中力がなくなったという。一方、初診時に A は、「事故のダメージは ない。母が心配し過ぎだと思う」と声を荒げ、強い調子で B や医師の話 をさえぎった。医師の依頼で、公認心理師 C が A の状態把握の目的で 心理検査を施行した。検査用紙を渡すと、A はその場で即座に記入し た。結果は、BDI-IIは 10 点、IES-R は&点であった。

C が A の心理検査報告書に記載する内容として、最も適切なものを &つ選べ。

1 心理検査の得点や B の観察、A の様子からは、PTSD が推測される。 2 心理検査の得点からは A の PTSD の可能性は低いため、支援や治療

が必要なのは過度に心配する B である。

3 心理検査の得点からは PTSD の可能性が高いが、A が否定している

ため、結果の信ぴょう性に問題がある。

4 心理検査の得点からは PTSD の可能性は低いが、その他の情報と齟

齬があるため、再アセスメントが必要である。 注:「PTSD」とは、「心的外傷後ストレス障害」である。

― 47 ―

DKJM-午前-51

4 77 &歳の男児 A、小学&年生。A は、スクールカウンセラー B の相 談室の開放時間に、よく訪れていた。最近、A が学校に連絡なく&日 間欠席したため、担任教師と一緒に B が A 宅を家庭訪問した。A は、 アパートの階段下に座っていたが、最初、B らの質問に何も答えなかっ た。やがて、「お父さんがお母さんを叩いている。家ではけんかばかり だし、僕も叩かれることがある」と話した。「他の人にけんかのことを話 すとお父さんとお母さんに叱られる」とも訴えた。

B や学校がとるべき初期対応として、適切なものを&つ選べ。

1 A の両親と面談をして、信頼関係の構築を図る。

2 A に両親のけんかの原因や頻度などを詳しく質問する。

3 児童虐待の確証を得られるよう、近隣住民から情報収集をする。

4 A から聞いた発言やその際の表情・態度をそのまま記録しておく。

5 校内で協議の上、市町村の虐待対応担当課又は児童相談所に通告す

る。

第4回午後13 時 30 分〜15 時 30 分

問78 公認心理師が担当する成人のクライエントに関する情報を、本人の 同意なく開示することについて、秘密保持義務違反に当たるものはどれ か、最も適切なものを&つ選べ。

1 クライエントが、友人に危害を加える可能性が高い場合、当事者に知

らせる。

2 クライエントが、&歳の娘の育児を放棄している場合、児童相談所に 通報する。

3 所属する医療チーム内で、クライエントの主治医及び担当看護師と情 報を共有する。

4 クライエントが、自殺を企図する可能性が高い場合、同居している保

護者に連絡する。

5 別居中の母親から音信不通で心配していると相談された場合、クライ

エントの居場所を教える。

問79 教育相談の現場での遊戯療法において、小学&年生の女子 A が、 「授業が分からない」、「友達がいなくて学校に居場所がない」、「お父さ んがお布団に入ってくる」、「おばあちゃんが入院中で死なないか心配」 と話した。

公認心理師として、最も優先的に考慮するべきものを&つ選べ。 1 Aの学力

2 A の祖母の病状

3 A の父親の行動

4 A の学校での居場所

5 A のソーシャル・スキル

― 1 ―

DKJM-午後-5

問80 傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行 うことを業とする職種として、正しいものを&つ選べ。

1 看護師

2 介護福祉士

3 社会福祉士

4 理学療法士

5 精神保健福祉士

問81 A. Ellis が創始した心理療法として、最も適切なものを&つ選べ。 1 行動療法

2 精神分析療法

3 ゲシュタルト療法

4 論理情動行動療法

5 クライエント中心療法

― 2 ―

DKJM-午後-6

問82 観察者の有無が作業に及ぼす影響をみる実験において、参加者を作 業時に観察者がいる群といない群に分け、各群の参加者に単純課題条件 と複雑課題条件の双方を課した。

この結果の分析方法として、最も適切なものを&つ選べ。 1 &要因混合分散分析

2 &要因被験者間分散分析

3 &要因被験者内分散分析

4 複数個の&要因被験者間分散分析

5 複数個の対応のある平均値の t 検定

問83 他者と比べて、自分についてよりポジティブな判断を行うかどうか を検討する目的で研究を行う。他者に対する性格の評定と自分に対する 性格の評定を同時に得る場合に、両者の評定を行う順序について適用す べき方法は何か、最も適切なものを&つ選べ。

1 一定化

2 バランス化

3 マッチング

4 ランダム化

5 カウンターバランス

― 3 ―

DKJM-午後-7

問84 色覚の反対色過程と関連するものとして、最も適切なものを&つ選 べ。

1 中心窩の存在

2 色の残効の生起

3 桿体細胞の存在

4 色の恒常性の成立

5 二色型色覚者の存在

問85 ある疾病において、「10 % が死亡する」と表現した場合のほうが、 「90 % が生存する」と表現した場合よりも、リスクが高く感じられる。 このことを表す用語として、最も適切なものを&つ選べ。

1 連言錯誤

2 確証バイアス

3 アンカリング効果

4 フレーミング効果

5 利用可能性ヒューリスティック

― 4 ―

DKJM-午後-8

問86 認知言語学の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 生成文法理論をもとに構築されている。

2 言語習得における経験の役割を重視する。

3 言語に特化した認知能力を強調する立場をとる。

4 言語的カテゴリーには、明確な境界線があるとみなす。

5 ゲシュタルト心理学でいう「図と地」の概念には、否定的である。

問87 A. H. Maslow の欲求階層説において、最も下位の欲求として位置 付けられるものはどれか、適切なものを&つ選べ。

1 安全の欲求

2 自尊の欲求

3 生理的欲求

4 自己実現の欲求

5 所属と愛の欲求

― 5 ―

DKJM-午後-9

問88 「感情は覚醒状態に認知的評価が加わることで生じる」とする感情理 論として、最も適切なものを&つ選べ。

1 A. R. Damasio のソマティックマーカー説

2 P. Ekman、C. E. Izard の顔面フィードバック説 3 S. Schacter、J. Singer の&要因説

4 W. B. Cannon、P. Bard の中枢起源説

5 W. James、C. Lange の末梢起源説

問89 情動について、最も適切なものを&つ選べ。

1 情動処理の脳内部位は、主に下垂体後葉である。

2 情動麻痺は、不可逆的な情動の麻痺状態である。

3 特別な対象を持たない不快な感情と定義されている。

4 情動失禁とは、喜びの感情や興味が失われた状態である。 5 脳内で他者の行動を模倣するミラーニューロンが関与する。

― 6 ―

DKJM-午後-10

問90 親密な対人関係の説明原理として、最も適切なものを&つ選べ。 1 社会的絆理論

2 社会的学習理論

3 社会的交換理論

4 社会的比較理論

5 社会的アイデンティティ理論

問91 L. Kohlberg の道徳性の発達理論において、「近所のおばあさんは、 いつもお菓子をくれるから良い人である」という判断に該当する発達段 階として、適切なものを&つ選べ。

1 法と秩序の志向性

2 社会的契約の志向性

3 罰と服従への志向性

4 対人的同調への志向性

5 報酬と取引への志向性

― 7 ―

DKJM-午後-11

問92 サクセスフルエイジングの促進要因として、最も適切なものを&つ 選べ。

1 防衛機制の使用

2 ライフイベントの多さ

3 ソーシャル・コンボイの維持

4 タイプ A 行動パターンの獲得

5 ワーク・エンゲイジメントの増加

問93 世界保健機関WHOによる国際生活機能分類ICFの説明として、 正しいものを&つ選べ。

1 分類対象から妊娠や加齢は除かれる。

2 医学モデルと心理学モデルに依拠する。

3 社会的不利が能力障害によって生じるとみなす。

4 生活上のプラス面を加味して生活機能を分類する。

5 心身機能・構造と活動が、それぞれ独立しているとみなす。

― 8 ―

DKJM-午後-12

問94 G. Bateson の二重拘束理論に関連する概念として、最も適切なもの を&つ選べ。

1 三角関係

2 両親連合

3 世代間境界

4 ホメオスタシス

5 メタ・コミュニケーション

問95 手話をコミュニケーション手段とする被検査者に WAIS-IVを実施 する。回答場面におけるやりとりに際して、結果に影響が出ないように 注意を必要とする下位検査として、最も適切なものを&つ選べ。

1 符号

2 類似

3 パズル

4 行列推理

5 バランス

― 9 ―

DKJM-午後-13

問96 パーソナリティ障害に適用するため、認知行動療法を拡張し、そこ にアタッチメント理論、ゲシュタルト療法、力動的アプローチなどを組 み込んだ統合的な心理療法として、最も適切なものを&つ選べ。

1 スキーマ療法

2 対人関係療法

3 動機づけ面接

4 問題解決療法

5 アクセプタンス&コミットメント・セラピーACT

問97 心理療法における効果検証に用いられる方法として、最も適切なも のを&つ選べ。

1 主成分分析

2 クラスター分析

3 ランダム化比較試験

4 コレスポンデンス分析

5 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ

― 10 ―

DKJM-午後-14

問98 病初期の Alzheimer 型認知症の所見として、最も適切なものを& つ選べ。

1 徘徊

2 錐体外路症状

3 着脱衣の困難

4 遠隔記憶の障害 5 同じ話の繰り返し

問99 教育評価について、最も適切なものを&つ選べ。

1 教育評価は、全国統一の基準に基づく。

2 カリキュラム評価は、ルーブリックに基づく。

3 カリキュラム評価の対象には、部活動が含まれる。

4 教育評価の対象には、潜在的カリキュラムが含まれる。

5 カリキュラム評価の対象には、学習者の学習・成長のプロセスが含ま

れる。

― 11 ―

DKJM-午後-15

問100 情状鑑定に関する説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 簡易鑑定として実施される。

2 行動制御能力の有無や程度を評価する。

3 理非善悪の弁識能力の有無や程度を評価する。

4 量刑判断を行う上で考慮すべき事項について評価する。

5 裁判所から依頼されることはなく、被告人の弁護人からの依頼による

私的鑑定として実施される。

問101 ストレスチェック制度について、最も適切なものを&つ選べ。

1 産業医は、ストレスチェックの実施責任を負う。

2 派遣労働者のストレスチェックの実施義務は、派遣元事業者にある。 3 ストレスチェックの実施に当たり、事前に労働者全員から同意をと

る。

4 ストレスチェックは、&年ごとに&回実施することが定められてい

る。

5 ストレスチェックの対象は、ストレスチェックを希望した労働者であ

る。

― 12 ―

DKJM-午後-16

問102 動機づけ理論の説明として、最も適切なものを&つ選べ。

1 D. C. McClelland の目標達成理論では、課題への不安や恐怖を示す回

避動機によって動機づけが低下すると考える。

2 E. A. Locke の目標設定理論では、難易度の低い目標を設定した方が

動機づけが高まり、業績の向上につながると考える。

3 E. L. Deci の認知的評価理論では、金銭などの外的報酬により、内発

的動機づけが高まると考える。

4 F. Herzberg の&要因理論では、会社の衛生要因を改善しても動機づ

けは高まらないと考える。

5 V. H. Vroom の期待理論では、管理監督者の期待が高いほど、労働者

の動機づけが高まると考える。

問103 メニエール病の説明として、最も適切なものを&つ選べ。 1 めまいは一過性で反復しない。

2 めまいは難聴や耳鳴りを伴う。

3 めまいの持続時間は数秒である。

4 めまいを起こす疾患の中で最も頻度が高い。

5 過換気をきっかけにめまいが始まることが多い。

― 13 ―

DKJM-午後-17

問104 統合失調症の特徴的な症状として、最も適切なものを&つ選べ。 1 抑えがたい睡眠欲求が&日に何度も起こる。

2 自分の考えが周囲に伝わって知られていると感じる。

3 毎回同じ道順を辿るなど、習慣への頑ななこだわりがある。

4 暴力の被害に遭った場面が自分の意思に反して思い出される。

5 不合理であると理解しているにもかかわらず、打ち消すことができな

い思考が反復的に浮かぶ。

問105 依存を生じやすい薬剤として、適切なものを&つ選べ。 1 抗認知症薬

2 抗てんかん薬

3 三環系抗うつ薬

4 非定型抗精神病薬

5 ベンゾジアゼピン系抗不安薬

― 14 ―

DKJM-午後-18

問106 抗認知症薬であるドネペジルが阻害するものとして、適切なもの を&つ選べ。

1 GABA 受容体

2 NMDA 受容体

3 ドパミントランスポーター 4 アセチルコリンエステラーゼ 5 セロトニントランスポーター

問107 児童福祉法に定められているものとして、正しいものを&つ選べ。 1 保護観察

2 合理的配慮

3 子どもの貧困対策

4 児童福祉施設における体罰の禁止

5 日本にいる子どもとの面会交流を実現するための援助

― 15 ―

DKJM-午後-19

問108 少年法について、正しいものを&つ選べ。

1 少年とは、18 歳に満たない者をいう。

2 少年の刑事処分については、規定されていない。

3 14 歳に満たない者は、審判の対象とはならない。

4 審判に付すべき少年とは、刑罰法令に触れる行為を行った者に限定さ

れている。

5 少年事件は、犯罪の嫌疑があるものと思料されるときは、全て家庭裁

判所に送致される。

問109 医療関係者が患者から取得した個人情報の開示について、本人の 同意を得る手続が例外なく不要なものを&つ選べ。

1 財産の保護のために必要がある場合

2 公衆衛生の向上のために特に必要がある場合

3 医療法に基づく立入検査など、法令に基づく場合

4 本人の生命、身体の保護のために必要がある場合

5 児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合

― 16 ―

DKJM-午後-20

問110 チームアプローチをとる際の公認心理師の姿勢として、不適切な ものを&つ選べ。

1 自分の役割と限界を自覚する。

2 チーム形成の目的や、支援方針を共有する。

3 チーム内のスタッフ間の葛藤や混乱を整理する。

4 チームアプローチのためには、社会人としての常識を必要とする。 5 チームアプローチであっても、職務に関する問題は、専門家として責

任を持って一人で解決を図る。

問111 認知的不協和が関わる現象として、不適切なものを&つ選べ。 1 顕示的消費

2 禁煙の困難さ

3 説得や依頼における段階的要請

4 入会におけるイニシエーション

5 既に購入した製品のパンフレットや広告の閲読

― 17 ―

DKJM-午後-21

問112 味覚の基本味に含まれないものを&つ選べ。 1 塩味

2 辛味

3 酸味

4 苦味 5 うま味

問113 心理的アセスメントにおけるインフォームド・コンセントの説明 として、不適切なものを&つ選べ。

1 被検査者が幼い場合には、保護者に情報提供をする。

2 検査をいつでも途中でやめることができることを伝える。

3 検査がどのように心理的支援に活用されるかについて説明する。

4 心理的支援に否定的な影響が想定される場合、検査の性質の一部を伏

せて実施する。

5 被検査者に説明する際には、被検査者が理解できるような言葉にかみ

砕いて情報を伝える。

― 18 ―

DKJM-午後-22

問114 アウトリーチ多職種による訪問支援 の説明として、不適切なも のを&つ選べ。

1 多職種・多機関でのチーム対応が求められる。

2 虐待事例における危機介入で用いられる手法の&つである。

3 支援者が自ら支援対象者のもとに出向く形態の支援である。

4 対象者のストレングスの強化より病理への介入が重視される。

5 対象者の多くは、自ら支援を求めない又は求められない人である。

問115 心身症に含まれないものを&つ選べ。 1 緊張型頭痛

2 過換気症候群

3 過敏性腸症候群

4 起立性調節障害

5 心気障害病気不安症

― 19 ―

DKJM-午後-23

問116 災害支援者を対象とするストレス対策として、不適切なものを& つ選べ。

1 生活ペースを維持する。

2 業務のローテーションを組む。

3 住民の心理的反応に関する研修を行う。

4 ストレスのチェックリストによる心身不調の確認を行う。

5 話したくない体験や気持ちについても積極的に話すように促す。

問117 複雑性悲嘆に対する J. W. Worden の悲嘆セラピーの原則や手続と して、誤っているものを&つ選べ。

1 故人の記憶を蘇らせる。

2 悲しむのをやめたらどうなるかを一緒に考える。

3 喪失を決定的な事実と認識することがないように援助する。

4 故人に対するアンビバレントな感情を探索することを援助する。 5 大切な人がいない状況での新たな生活を設計することを援助する。

― 20 ―

DKJM-午後-24

問118 緊急一時保護が必要であると児童相談所が判断する基準に該当し ないものを&つ選べ。

1 保護者に被虐待歴がある。

2 子どもへの性的虐待の疑いが強い。

3 子どもに重度の栄養失調が認められる。

4 保護者が子どもを殺してしまいそうだと訴えている。

5 保護者が暴力を振るうため帰りたくないと子どもが訴えている。

問119 学習障害について、誤っているものを&つ選べ。

1 特別支援教育の対象とされている。

2 特定の領域の学業成績が低くなりやすい。

3 計画の立案が困難であることにより特徴付けられる。

4 必要に応じて、頭部画像検査などの中枢神経系の検査が用いられる。 5 聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のも

のの習得と使用に著しい困難を示す。

― 21 ―

DKJM-午後-25

問120 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等 に関する法律医療観察法について、誤っているものを&つ選べ。

1 通院期間は、最長&年以内である。

2 社会復帰調整官は、保護観察所に置かれる。

3 精神保健観察は、社会復帰調整官が担当する。

4 入院施設からの退院は、入院施設の管理者が決定する。

5 心神喪失等の状態で放火を行った者は、医療及び観察等の対象とな

る。

問121 うつ病で減退、減少しないものを&つ選べ。 1 気力

2 喜び

3 罪責感

4 思考力 5 集中力

― 22 ―

DKJM-午後-26

問122 公認心理師が、小学校高学年を対象に 30 分程度のいじめ予防プロ グラムの実践を依頼された。実施するプログラムを作成・評価する際の 留意点として、不適切なものを&つ選べ。

1 小学校の教師に対して説明責任を果たす。

2 当該小学校におけるいじめ事象を聞き取る。

3 実践したプログラムの終了後に形成的評価を行う。

4 アクションリサーチの観点からプログラムを実施し、評価する。 5 参加児童に対して質問紙調査を実施し、アウトカムを査定する。

問123 倫理的ジレンマがより強まるものとして、最も適切なものを&つ 選べ。

1 輸血が必要な患者が、宗教上の理由で輸血を拒否している場合

2 疼痛緩和が必要な患者に、医療チームが疼痛コントロールを行う場合 3 医療チームが、新規の治療技術について臨床倫理委員会に申請してい

る場合

4 多職種でコミュニケーションの必要性を認識し、意思疎通を図ってい

る場合

― 23 ―

DKJM-午後-27

問124 ヒトの知覚の特徴として、最も適切なものを&つ選べ。

1 欠損した情報を補わずに知覚する。

2 感覚刺激が継続して呈示される場合、感度は一定である。

3 音を聞いて色を感じ取るなど、&つの物理的刺激によって複数の感覚

知覚が生じることがある。

4 対象の特性を保持して知覚できるのは、対象からの感覚器官に与えら

れる刺激作用が変化しない場合である。

問125 人を対象とした心理学研究の倫理に関する説明として、最も適切 なものを&つ選べ。

1 効率的に研究を進めるために、協力が得られやすい知人を研究対象に

する。

2 自発性が保証された状況下で、対象者からインフォームド・コンセン トを取得することが求められる。

3 研究計画の立案や研究費の獲得、研究の実行など、個人で複数の役割

を担う多重関係は回避すべきである。

4 研究過程で収集した対象者の情報は、データのねつ造ではないことの 証明として、研究終了後にすべて公表する。

― 24 ―

DKJM-午後-28

問126 アルコール依存症について、最も適切なものを&つ選べ。 1 不安症とアルコール依存症の合併は少ない。

2 アルコール依存症の生涯自殺率は、約&% である。

3 アルコール早期離脱症候群では、意識障害は起こらない。

4 脳機能障害の予防に、ビタミン B&の投与が有効である。

問127 学生相談で語られることの多い、学生生活サイクル上の課題の説 明として、最も適切なものを&つ選べ。

1 入学期は、対人関係をめぐる問題が相談として語られ、学生生活の展

開が課題となる。

2 中間期は、無力感やスランプなどが相談として語られ、自分らしさの

探求が課題となる。

3 卒業期は、研究生活への違和感や能力への疑問が相談として語られ、

専門職としての自己形成が課題となる。

4 大学院学生期は、修了を前に未解決な問題に取り組むことが相談とし

て語られ、青年期後期の節目が課題となる。

― 25 ―

DKJM-午後-29

問128 A. Bandura の理論において、自己効力感self-efficacyを高める 方法として、最も適切なものを&つ選べ。

1 モデリング

2 タイムアウト

3 ホームワーク

4 トークン・エコノミー

問129 心理検査結果を報告する際の対応として、不適切なものを&つ選 べ。

1 クライエントが得意とする分野も記載する。

2 報告する相手によって、伝え方を工夫する。

3 クライエントが検査を受ける態度から推察できることを記載する。 4 検査の記録用紙をコピーしたものを、そのままクライエントに渡す。

― 26 ―

DKJM-午後-30

問130 仕事と生活の調和推進のための行動指針で設けられた、「多様な働 き方・生き方が選択できる社会」に必要とされる条件や取組として、不 適切なものを&つ選べ。

1 パートタイム労働者を正規雇用へ移行する制度づくりをすること

2 就業形態にかかわらず、公正な処遇や能力開発の機会が確保されるこ

3 育児、介護、地域活動、職業能力の形成を支える社会基盤が整備され

ていること

4 子育て中の親が人生の各段階に応じて柔軟に働ける制度があり、実際

に利用できること

問131 学校教育に関する法規等の説明として、誤っているものを&つ選 べ。

1 学校教育法は、認定こども園での教育目標や教育課程等について示し

ている。

2 学習指導要領は、各学校段階における教育内容の詳細についての標準

を示している。

3 教育基本法は、憲法の精神を体現する国民を育てていくための基本理

念等について示している。

4 学校保健安全法は、学校に在籍する児童生徒・教職員の健康及び学校 の保健に関して示している。

― 27 ―

DKJM-午後-31

問132 ケース・フォーミュレーションについて、適切なものを&つ選べ。 1 クライエントの意見は反映されない。

2 個々のクライエントによって異なる。

3 精神力動的心理療法では用いられない。

4 クライエントの問題に関する仮説である。

5 支援のプロセスの中で修正せずに用いられる。

問133 感染症の標準予防策について、適切なものを&つ選べ。

1 全ての患者との接触において適用される。

2 個人防護具を脱ぐときは、手袋を最後に外す。

3 手袋を外した後の手洗いや手指の消毒は、省略してもよい。

4 電子カルテ端末を用いて情報を入力するときは、手袋を外す。 5 個人防護具は、ナースステーション内の清潔な場所で着脱する。

― 28 ―

DKJM-午後-32

問134 社会的養護における永続性パーマネンシー について、正しいも のを&つ選べ。

1 里親委託によって最も有効に保障される。

2 選択最適化補償理論に含まれる概念である。

3 対象がたとえ見えなくなっても、存在し続けるという認識である。 4 国際連合の「児童の代替的養護に関する指針」における目標である。 5 子どもの出自を知る権利を保障できる記録の永年保存が求められる。

問135 パニック発作の症状として、適切なものを&つ選べ。 1 幻覚

2 半盲

3 現実感消失

4 前向性健忘

5 心拍数の増加

― 29 ―

DKJM-午後-33

問136 20 歳の女性 A。A は、無謀な運転による交通事故や自傷行為及び 自殺未遂でたびたび救急外来に搬送されている。また、A は交際相手 の男性と連絡が取れないと携帯電話を壁に叩きつけたり、不特定多数の 異性と性的関係を持ったりすることもある。現在、救急外来の精神科医 の勧めで、公認心理師 B による心理面接を受けている。初回面接時に は、「B さんに会えてよかった」と褒めていたが、最近では、「最低な心 理師」と罵ることもある。A は、礼節を保ち、にこやかに来院する日も あれば、乱れた着衣で泣きながら来院することもある。心理的に不安定 なときは、「みんな死んじゃえ」と叫ぶことがあるが、後日になるとその ときの記憶がないこともある。

DSM-&の診断基準に該当する A の病態として、最も適切なものを &つ選べ。

1 双極I型障害

2 素行症/素行障害

3 境界性パーソナリティ障害

4 反抗挑発症/反抗挑戦性障害

5 解離性同一症/解離性同一性障害

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DKJM-午後-34

問137 30 歳の男性 A、会社員。喫煙をやめたいが、なかなかやめられな いため、会社の健康管理室を訪れ、公認心理師 B に相談した。B は、A が自らの行動を観察した結果を踏まえ、A の喫煙行動を標的行動とし、 標的行動の先行事象と結果事象について検討した。

先行事象が、「喫煙所の横を通ったら、同僚がタバコを吸っている」で あるとき、結果事象として、最も適切なものを&つ選べ。

1 喫煙所に入る。

2 タバコを吸う。

3 同僚と話をする。

4 自動販売機で飲み物を買う。

5 コンビニエンス・ストアでタバコを買う。

問138 28 歳の男性 A、会社員。A は、最近、会社に出勤できなくなり、 産業医から紹介されて公認心理師 B のもとを訪れた。A は、人前に出 ることはもともと苦手であったが、&年前に営業部署に異動してからは 特に苦手意識が強くなり、部署内の会議への参加や、上司から評価され るような場面を避けがちになった。B が実施した心理検査の結果、 BDI-II の 得 点 は 32 点、MAS の A 得 点 は 32 点、L 得 点 は & 点、 LSAS-J の総得点は 97 点であった。

A のアセスメントとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 顕在性不安が強い。

2 抑うつ状態は軽度である。

3 軽度の社交不安が疑われる。

4 重度の強迫症状がみられる。

5 好ましく見せようとする傾向が強い。

― 31 ―

DKJM-午後-35

問139 27 歳の男性 A、中学校教師。A は、スクールカウンセラー B に、 担任をしているクラスの生徒 C のことで相談を持ちかけた。A による と、C は、授業中に A に対してあからさまに反抗的な態度をとるとい う。それにより、授業を中断しなければならない場面が何度もあった。 他の生徒の不満も高まってきており、学級運営に支障を来し始めてい る。A によると、C の行動の原因については全く見当がつかず、疲弊感 ばかりが増している状態であるとのこと。

B の A へのコンサルテーションにおける対応として、最も適切なも のを&つ選べ。

1 具体的な行動は提案しない。

2 具体的かつ詳細な質問を行う。

3 心理学用語を用いて説明する。

4 なるべく早く解決策を提案する。

5 A の気持ちを長期間繰り返し傾聴する。

― 32 ―

DKJM-午後-36

問140 65 歳の女性 A、夫 B と二人暮らし。A は、半年前から動作が緩 慢となり呂律が回らないなどの様子がみられるようになった。症状は 徐々に悪化し、睡眠中に大声を上げ、暴れるなどの行動がみられる。 「家の中に知らない子どもがいる」と訴えることもある。B に付き添わ れ、A は総合病院を受診し、認知症の診断を受けた。

A に今後起こり得る症状として、最も適切なものを&つ選べ。 1 反響言語

2 歩行障害

3 けいれん発作

4 食行動の異常

5 反社会的な行動

― 33 ―

DKJM-午後-37

問141 &歳の男児 A、小学&年生。入院治療中。A は、気管支喘息と診 断され通院治療を受けていた。喘息発作で救急外来を受診したとき、強 引に押さえられて吸入処置を受けた。それを機に、吸入器を見ると大泣 きするようになり、自宅での治療が一切できなくなった。そのため、発 作により、救急外来を頻回に受診するようになり、最終的に入院となっ た。医師や看護師が吸入させようとしても大泣きして手がつけられず、 治療スタッフが近づくだけで泣くようになったため、主治医から公認心 理師に心理的支援の依頼があった。

A に対して行う行動療法的な支援の技法として、適切なものを&つ 選べ。

1 嫌悪療法

2 自律訓練法

3 エクスポージャー

4 バイオフィードバック

5 アサーション・トレーニング

― 34 ―

DKJM-午後-38

問142 54 歳の男性 A、会社員。仕事への興味の減退を主訴に心理相談室 に来室した。A は、大学卒業後、技術系の仕事に就き、40 歳代で管理 職になった。&か月前にゴルフ友達が亡くなったのを機に不眠傾向とな り、かかりつけ医から睡眠薬を処方された。しかし、症状は改善せず、 体調不良を自覚して検査を受けたが異常は指摘されなかった。清潔な身 なりで礼容は保たれているが、張りのない声で、「楽しい感情が湧かな い」、「ゴルフが大好きだったのに行く気がしない」、「ふさぎ込んでいる ので家庭の空気を悪くして申し訳ない」と述べた。飲酒習慣は晩酌程度 という。

最も優先して確認するべき A の症状を&つ選べ。 1 易疲労感

2 希死念慮

3 自信喪失

4 早朝覚醒

5 体重減少

― 35 ―

DKJM-午後-39

問143 25 歳の男性 A、消防士。妻と二人暮らし。台風による大雨で川が 大規模に氾濫したため、A は救出活動に従事した。当初は被災住民を 救出できたが、&日目以降は遺体の収容作業が多くなった。&日目を過 ぎた頃から、同僚に、「自分は何の役にも立たない。何のために仕事を しているのか分からない。家ではいらいらして、妻に対してちょっとし たことで怒り、夜は何度も目を覚ましている」と話した。心配した同僚 の勧めで、A は医療支援チームの一員である公認心理師 B に相談した。

この段階での B の A への対応として、最も適切なものを&つ選べ。 1 もう少し働き続ければ慣れると伝える。

2 職業の適性に関する評価が必要であることを伝える。

3 家庭では仕事のつらさについて話をしないよう勧める。

4 他の消防士も参加できるデブリーフィングの場を設ける。

5 急なストレス状況でしばしばみられる症状であることを伝える。

― 36 ―

DKJM-午後-40

問144 12 歳の女児 A、小学&年生。A に既往歴はなく、対人関係、学業 成績、生活態度などに問題はみられなかった。しかし、ある日授業中に 救急車のサイレンが聞こえてきたときに、突然頭を抱え震えだした。そ の後、A はかかりつけの病院を受診したが、身体的異常はみられな かった。A はそれ以降、登校しぶりが目立っている。保護者によると、 &年前に、家族旅行先で交通死亡事故を目撃したとのことであった。A や A の家族は事故に巻き込まれてはいない。スクールカウンセラーで ある B は、教師の校内研修会で A への対応に役立つような話をするこ とになった。

B が提示する内容として、最も適切なものを&つ選べ。 1 発達障害への対応

2 曖昧な喪失へのケア

3 心理的リアクタンスの理解

4 トラウマ・インフォームド・ケア

5 反応性アタッチメント障害の理解

― 37 ―

DKJM-午後-41

問145 14 歳の男子 A、中学&年生。A は、生後間もない頃から乳児院で 育ち、&歳で児童養護施設に入所した。保護者は所在不明で A との交 流はない。A はおとなしい性格で、これまで施設や学校でも特に問題 はみられなかったが、中学&年生の冬休み明けからふさぎ込むことが増 えた。ある日、児童指導員 B に対して、「どうせ仕事なんだろう」、「な ぜこんなところにいなくてはいけないんだ」と言いながら暴れた。また、 「生きている意味がない」とメモを書き残して外出し、A が育った乳児 院の近くで発見された。A の態度の変わりように困った B は、施設内 の公認心理師 C に A への対応を相談した。

C の B への助言・提案として、最も適切なものを&つ選べ。

1 A の自立支援計画の策定を始めるよう助言する。

2 児童相談所に里親委託の検討を依頼するよう提案する。

3 A が自分を理解してもらえないと感じるような、B の対応を改善する

よう助言する。

4 A には注意欠如多動症/注意欠如多動性障害AD/HDの疑いがある

ため、医療機関の受診を提案する。

5 信頼できる大人との日常生活の中で、A が自分の人生を自然に振り

返ることができるような機会が大切になると助言する。

― 38 ―

DKJM-午後-42

問146 30 歳の女性 A、小学&年生の担任教師。A は、&学期開始から 10 日後、同じ小学校のスクールカウンセラーである公認心理師 B に次 のように相談した。A が担任をしている学級では、&学期の終わり頃 から児童 C が悪口を言われており、休むこともあったという。&学期 になっても、C への悪口が続いており、登校しづらくなっている。

いじめ対応の基本を踏まえて、B が最初に確認することとして、最も 適切なものを&つ選べ。

1 学級経営の方針

2 C の合計欠席日数

3 小学校周辺の地域の状況

4 A の児童全般への関わり方 5 学級における児童全体の様子

― 39 ―

DKJM-午後-43

問147 40 歳の男性 A、小学&年生の担任教師。A は、スクールカウンセ ラーである公認心理師 B に学級の状況について相談した。A の学級で は、児童同士が罵り合ったり、授業中の児童の間違いを笑ったりするこ とがたびたび起きている。学級の児童の多くが、自分の感情を直接、他 の児童にぶつけてしまうため、トラブルに発展している。A は、児童 の保護者数名からこの件について対応するよう要望されており、A 自 身も悩んでいるという。

B の A への提案として、最も適切なものを&つ選べ。 1 WISC-IV

2 道徳教育

3 スタートカリキュラム

4 メゾシステムレベルの介入

5 ソーシャル・スキルズ・トレーニングSST

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DKJM-午後-44

問148 35 歳の男性 A、会社員。A は、不眠を主訴として勤務する会社の 相談室を訪れ、相談室の公認心理師 B が対応した。A によると、最近、 A はある殺人事件の裁判員となった。裁判は&日間のうちに&回実施 される。裁判開始前から A は守秘義務の遵守が負担となっていたが、 &回目、&回目の裁判の後はほとんど眠れなかったという。B は A の 気持ちを受け止め、不眠に対する助言をしたが、A は、「裁判は残り& 回あるが、どうすればよいか」と、B にさらに助言を求めた。

B の A への助言として、適切なものを&つ選べ。

1 裁判所に連絡するよう伝える。

2 理由や詳細を述べることなく辞任ができることを伝える。

3 具合の悪い日は、補充裁判員に代理を務めてもらうよう伝える。

4 評議を含め裁判内容については、親しい友人か家族に話を聞いてもら

うよう伝える。

5 評議を含め裁判内容についてのカウンセリングは、裁判終了後に可能

になると伝える。

― 41 ―

DKJM-午後-45

問149 73 歳の男性 A、大学の非常勤講師。指導していた学生に新型コロ ナウイルスの感染者が出たため、PCR 検査を受けたところ、陽性と判 定され、感染症病棟に入院した。入院時は、38 °C 台の発熱以外の症状 は認められなかった。入院翌日に不眠を訴え、睡眠薬が処方された。入 院&日目の夜になり突然、ぶつぶつ言いながら廊下をうろうろ歩き回 る、病棟からいきなり飛び出そうとする、などの異常行動が出現した。 翌日、明らかな身体所見がないことを確認した主治医から依頼を受けた 公認心理師 B が病室を訪問し、A に昨夜のことを尋ねると、「覚えてい ません」と活気のない表情で返事をした。

B の A へのアセスメントとして、最も適切なものを&つ選べ。 1 うつ病

2 せん妄

3 認知症

4 脳出血

5 統合失調症

― 42 ―

DKJM-午後-46

問150 20 歳の男性 A、大学&年生。A は、大学入学時に大学の雰囲気に なじめずひきこもりとなった。大学の学生相談室への来室を拒否したた め、A の両親が地域の精神保健福祉センターに A のひきこもりについ て相談し、両親が公認心理師 B と定期的な面接を行うことになった。 面接開始後、&年が経過したが、A はひきこもりのままであった。A は、暴力や自傷行為はないが、不安や抑うつ、退行現象がみられてい る。留年や学業継続の問題については、両親が大学の事務窓口などに相 談している。最近になり、両親が精神的な辛さを訴える場面が多くなっ てきている。

B の A や A の両親への支援として、不適切なものを&つ選べ。

1 自宅訪問を行う場合、緊急時以外は、家族を介して本人の了解を得る。

2 ひきこもりの原因である子育ての問題を指摘し、親子関係の改善を図る。

3 家族自身による解決力を引き出せるよう、家族のエンパワメントを目指す。

4 家族の話から、精神障害が背景にないかを評価する視点を忘れないようにする。

5 精神保健福祉センターや大学等、多機関間でのケース・マネジメント会議を行う。

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DKJM-午後-47

問151 20 歳の男性 A、大学&年生。A は、最近授業を欠席することが多 くなり、学生課から促され、学生相談室の公認心理師 B のもとを訪れ た。A は大学&年生になってから、携帯端末を使用して、夜遅くまで 動画を視聴したり、友人とやりとりをしたりすることが多くなった。そ れにより、しばしば午前の授業を欠席するようになっている。どうして も出席しなければならない授業があるときは、早く起きるために寝酒を 使うこともある。A の表情は明るく、大学生活や友人のことを楽しそ うに話す。

B の A への助言として、不適切なものを&つ選べ。

1 昼休みなどに軽い運動をしてみましょう。

2 寝酒は睡眠の質を下げるのでやめましょう。

3 毎朝、決まった時間に起きるようにしましょう。

4 寝る前は携帯端末の光などの刺激を避けましょう。

5 休みの日は十分な昼寝をして睡眠不足を補いましょう。

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DKJM-午後-48

問152 10 歳の女児 A、小学&年生。A は、自己主張の強い姉と弟に挟ま れて育ち、家では話すが学校では話さない。医療機関では言語機能に異 常はないと診断を受けている。A は、幼なじみのクラスメイトに対し ては仕草や筆談で意思を伝えることができる。しかし、学級には、「嫌 なら嫌と言えばいいのに」などと責めたり、話さないことをからかった りする児童もいる。A への対応について、担任教師 B がスクールカウ ンセラー C にコンサルテーションを依頼した。

C の B への助言として、不適切なものを&つ選べ。

1 A の発言を促す指導は、焦らなくてよいと伝える。

2 できるだけ A を叱責したり非難したりしないように伝える。

3 A が話せるのはどのような状況かを理解するように伝える。

4 A の保護者と連絡を密にし、協力して対応していくように伝える。 5 交流機会を増やすため、A を幼なじみとは別の班にするように伝え

る。

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DKJM-午後-49

問153 40 歳の男性 A、会社員。A は、まじめで責任感が強く、人望も厚 い。最近、大きなプロジェクトを任された。それにより、A は仕事を 持ち帰ることが増え、仕事が気になり眠れない日もあった。納期直前の ある日、他部署から大幅な作業の遅れが報告された。その翌日、A は 連絡なく出勤せず、行方不明になったため、捜索願が出された。&日 後、職場から数十 km 離れた A の実家近くの駅から身分照会があり発 見された。A はこの数日の記憶がなく、「気がついたら駅にいた。会社 に迷惑をかけたので死にたい」と言っているという。

会社の健康管理部門の A への対応として、誤っているものを&つ選 べ。

1 安全の確保を優先する。

2 できるだけ早期に健忘の解消を図る。

3 専門医に器質的疾患の鑑別を依頼する。

4 内的な葛藤を伴っていることに留意する。

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DKJM-午後-50

問154 &歳の男児 A。18 歳の母親 B は、医療機関に受診のないまま緊急 の分娩により A を出産した。分娩自体は正常で、A の健康状態に問題 はなかったが、母子の状態が安定するまで医療機関に入院となった。医 療機関から連絡を受けた児童相談所が B との面談を実施したところ、B は精神的に安定しているものの、A を養育する意思がなかった。また、 経済的な問題もみられ、A の父親も不明であった。A を養育すること が可能な親族も見当たらない。

この時点で考えられる主な措置先を&つ選べ。 1 乳児院

2 里親委託

3 一時保護所

4 児童自立支援施設 5 母子生活支援施設

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