Mr.Children 桜井和寿という男
桜井和寿は、歌の上手い教祖である。
歌が上手いだけではない。
心揺さぶるメロディー、歌詞、旋律やコード進行などもまさに匠な楽曲ばかり。
楽曲を歌唱抜きのオルゴール音で聴いたとしても、その音の匠な作り込みはとても聴きごたえがある。
この世にもし桜井和寿という人間が存在していなかったら…この世の中は随分と違っただろう。音楽界の文化はもちろん、ミスチルの音楽に心揺さぶられた人達、救われた人達の人生をも変わっていたかもしれない。
計り知れない貢献度。それは彼の使命だったのだと。
そんじゃそこらの、ただのミュージシャンとは桁が違うレベルで。
クオリティが高いといえば、椎名林檎なども浮かぶけれど、彼女は"天才的な才能がある"けれど、世の中への貢献度が高いというわけではない気もする。
サザンオールスターズの桑田佳祐も、独特の世界観でたくさんの人を魅了してやまない天才で、心をポッと色気のあるピンクに染めてくれるような、エンタメ性の高い音楽も多くある。これぞラブソング!と言われるど真ん中のラブソングも世に送り出せる一方、そうくるか!というテクニックを見せつけられることもあり、サザンの世界は本当に"大人の愉しみ"そのもののような気がする。
そういう意味では、文化の一つを作り上げているとも言えるので、世の中にも貢献していると感じる。ただ、サザンの世界は誰にももはや真似することのできない孤高なる存在であるのに対し、ミスチルの世界は皆が憧れ真似する人が後を絶たない。ミスチルも、海外のアーティストに憧れ、真似ている部分もあるのかもしれないけれど、それにしても、四半世紀以上、こうして支持され続け、かつ、匠な楽曲を作り続けていることは、才能の業に他ならない。
どちらかというと、落ち込んだ時に聴きたいと思う。その世界に、没頭したいと思う。
彼の存在こそ、まるで宗教のように、教祖の綴る言葉のように、皆が信仰してしまう力がある。人間界に泳ぐ感情や社会の不条理を描き、嘆き、救いの光を模索する、そんな葛藤が刻まれた歌詞。心に残る旋律とメロディー、ひっかかるコード進行、その全てが絶妙。洗脳された信者は多数。私もその一人である。
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