見出し画像

スラップバック・ディレイ超入門~安うまディレイでの設定方法も解説

スラップバック・ディレイとは?

スラップバック・ディレイというのは、ごく短いディレイ・タイムで、基本単発(多くても2~3回)のディレイ音を、原音に近いバランスで、返すセッティングの事です。

これをかけて、ちょっとミュート気味に弾くと、ロカビリーみたいな雰囲気が出て、なかなかカッコ良いです。

また、これは、リバーブの中の初期反射音(部屋にあたって跳ね返ってくる音)のみを取り出したものなので、ちょっとしたリバーブ感・部屋鳴り感を演出することもできます(これもまたカッコ良いです)。
※リバーブは、初期反射音+残響音によって形成されます。

上記のような内容は、ググったら結構出てくるのですが、ディレイタイム設定やら、具体の機種での設定などはなかなかまとまっていなかったので、この記事でまとめてみようと思います。

まずは動画でイメージを!

上記のようなスラップバック・ディレイですが、イメージの良く分かる動画がありましたので、まずこれを見ていただければと。

エレハモの商品紹介動画で、「JHSペダルのJoshScottの熱烈なリクエストに応えて、MikeMatthewsが商品の復刻を決めた!」というイカした設定の動画ですが、その商品というのがスラップバック・ディレイ専用のディレイSlap-Back Echoなので、これを見ることでスラップバック・ディレイのイメージが明確になります。

スラップバック・ディレイの設定方法(概論)

ディレイ・タイム

上記のSlap-Back Echoのディレイタイムが、45ms(short)・65ms(midium)・100ms(long)の3パターン固定であることからも分かるように、40ms~100msくらいの間に設定にするのが基本です。

これ以上短いと、人間の耳では識別しにくくなり、逆にこれ以上長いと取ってつけたようなわざとらしさを感じます。

※20msくらいにすると、スラップバックというよりダブリングになります。

フィードバック

基本は単発(1回のみ)・ロカビリー感を出す場合も単発・部屋鳴りを出したい場合は2~3回というイメージです。

エフェクト・レベル

原音よりちょっと小さいくらいのレベルにします(レベル結構高めです)。尚、部屋鳴り感を得る目的で、フィードバックも2~3回に設定した場合は、エフェクトレベルをもうちょっと下げた方がはまります。

安うまディレイでのセッティング

上記で理屈は分かったとして、自分の手持ちのディレイでやろうとしたら…ん?どうやって設定するの??ってことになる方も多いかと思います。

世の中に出回っているディレイは、ディレイタイムを数値で設定できるディレイばっかりじゃありませんからね!

そこで今回の記事では、ディレイタイムをつまみで設定する機種で、かつコスパに優れているので持ってる人も多いかな?と思う2機種(Effects BakeryのFrench Bread Delayと、IbanezのADMINI)で、具体のセッティングを見てみたいと思います。

Effects Bakery French Bread Delayでのスラップバック・ディレイ

こちらの機種については、ディレイタイムについて、最大500msまでというコメントがあるのみで、最小のディレイタイムに関する記載がありません。

そこで、ディレイタイムを数値指定できるBOSS DD-200と並べて踏み比べつつ...で測ってみたのですが、最小ディレイタイムは100ms程度の設定になっているようです(...そんなに自信はないけれど)。

Effects Bakery French Bread Delayでのスラップディレイ設定

なので、上記の写真のように、ディレイタイム最小・リピート最小で、BLEND2時くらい(この機種は結構原音比率が高めに設定されているようです)にして頂けるとええんやないかと思います。

Ibanez ADMINIでのスラップバック・ディレイ

こちらの機種については、ディレイタイムが20ms~600msまでという発表になっています。

じゃあ、40ms・100msがどの辺にあたるのかといいますと…これまたBOSS DD-200との踏み比べで確認しましたところ、以下のようなイメージでした。

ADMINIで40ms
ADMINIで100ms

まあ、バックリ言うとディレイタイムは、9時ちょい下を中心とした範囲みたいなイメージでしょうか?

リピートは最小・ブレンドは11時辺りが適正値だと思われます(40msでの写真は、ディレイタイムの聴き取りのために上げたまま写真を撮っちゃってました)。

上記2機種でのセッティングについての補足

いずれについても、ディレイタイムは、まあ、目安にしておいてください。気合いを入れるなら、DAWに録って波形で検証して...とかも出来るんでしょうけど、最終どのみち目分量ですからね。

ブレンドについては、ギターの違い・アンプの違いなんかで聴感上の効果も違うはずです。こちらもまあ、目安ということで。

リピートについては、最小値一択でOKです。サクッと行きましょう。

尚、2機種(正確には3機種)並べて比べると、同じディレイでも個性が出ますね~。いずれ、各々の機種のレビューなんかも書いてみたいと思います。

この記事のまとめ

この記事では、スラップバック・ディレイについて、原理・効果から、実際の機種(コスパの良い2機種)を想定したセッティング例までを解説させていただきました。

スラップバックの効果を最大限に生かそうとすると、ロカビリー系リックが弾けたりした方が良いわけで、「理屈を知ったら直ぐに使いこなせる」というものではありませんが、ハマるとなかなか効果がある手法ですので、これを機会に試していただけると、私としても嬉しいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?