データで見る大リーグの特異性

アメリカンフットボール(NFL)、バスケットボール(NBA)、野球(MLB)の三つはアメリカで人気のある競技ですが、そこにアイスホッケーを加えたものをアメリカの四大スポーツというそうですね。

私は以前から大リーグ(メジャーリーグ、MLB)に違和感を抱いていたこともあり、様々なことを数値化してグラフにしてみることにしました。特に何がそこまで人々をMLBに惹きつけるのかということを探れればと思います。

まず一般的には最も人気があるのはNFL、次にNBA、そしてMLBという順とされています。しかし競技の人気度といっても様々な要素があり、観客動員数や入場チケット販売額、視聴率などが考えられます。しかし観客動員数という要素一つだけを見るなら人気が低いはずのMLBはNBAの2倍~3倍の観客を動員しており、その割にはダラダラと観戦するMLBの観客に対してより小さい競技場ながらびっしり観客が入り、とても熱狂する観客といった印象の違いがあり、競技場の収容人数の違いなどの影響はあるでしょう。

そこで凡その人気度を測る指標として利用できるものに「スポーツ賭博における利益額」というものがあるようで、今回はそれを基に大リーグの特異性を可視化してみることにします。

なお「スポーツ賭博における利益額」とは以下のページが詳しいようで

ラスベガスが所属するネバダ州のカジノ業界を監視している当局が、州内の各カジノの売上などを逐一集計しており、スポーツの種類ごとに集計された利益のデータも管理している。

https://www.lvtaizen.com/1327/

【アメリカの4大プロスポーツ MLB、NBA、NFL、NHL の人気の順番は?】

つまり賭けられた金額ではなく賭博業者側の「利益」ということになりますが、その利益に影響する的中率とオッズが各競技によって大きく違うではないことから、十分に人気の指標と見なせるでしょう。更にお金を賭けるという文字通りにお金のかかっていることですから、詳しくなければ賭けない=よく観戦しているとも言えるでしょう。

まず各種の値をまとめたものがこちらです。

NFL(ナショナルフットボールリーグ)、NBA(ナショナルバスケットボールアソシエーション)、MLB(メジャーリーグベースボール)における年俸や賭博で上がる利益など

左端の項は各競技を、その右に年ごとの各種値を示しています。左端の一つ右が各競技で上がる賭博利益、その右が人気率(賭博利益総額における各競技の利益割合)、次に登録選手数、次に平均年俸、次に平均年俸を賭博利益(人気)で割った値(AS/賭博利益)としました。賭博利益総額における各競技の利益割合(人気率)をグラフにするとこのようになります。

賭博利益から推定される各競技の人気率

やはり世間で言われているとおり多少の入れ替わりはあってもNFLが最も人気があるということが推測されます。珍しいのは2020年で、コロナ禍による無観客試合となったことが影響したと考えられますが(その期間や規模は各競技でまちまちですが)屋内で行われるNBAの観戦を控えようとする人が多かったことは想像できますが、屋外で行われるはずのMLBの下がり方が非常に顕著です。さらにNFLでも同じく無観客試合が行われたにもかかわらず額が上がっているのは妙な印象を受けます。もしかすると2020年の値には〈少なくとも〉放送での観戦が好まれる傾向が反映されているかもしれません。

次のグラフは平均年俸を賭博利益(人気)で割った値で、この値は選手が受け取っている年俸が人気に比してどのくらい高いか(いわば年俸額の高さの「法外」性)を示す値となります。グラフにするとこのようになります。

NFL、NBA、MLBにおける高年俸係数(高いほど選手が人気に比して高い年俸をもらっていることになり、意味としては「法外に
に」高い度合いとなります)

つまりこの値が高いほど人気がないわりに選手の年俸が高いことを表します。ただNBAの場合は登録選手数が少ないことによって年俸が高くなる傾向があるそうで、それが反映されているでしょう。

以下蛇足かもしれませんが、平均年俸に登録選手数を掛けた値(各団体が選手に支払う総額)を賭博利益(人気)で割った値のグラフ。

平均年俸に登録選手数を掛けた値(各団体が選手に支払う総額)を賭博利益(人気)で割った値のグラフ

一つ上のグラフが「選手一人あたり」の高年俸係数なのに対してこちらは「全ての選手を合算した」高年俸係数ということになります。このグラフから読み取れることはMLBだけが更に高くなっており、MLBは業界全体としても人気の無い割には選手に支払っている総額が多いということが読み取れます。

なぜそうなるのかという理由は様々考えられますが、貧富の格差が拡大して底辺層が苦しむなかで特定の人種(MLBはNFLやNBAと比べて白人が多い)を優遇しようという意図が背後にありそうであり、そういったことに批判的な態度で挙げるとするなら、まず野球は他の二つと違って純粋な実力だけで結果の出る競技ではなく、バッターを打たせるかどうかは投手次第ということがあります。デッドボールを当てることもできる。そして投手が三振に仕留められるかどうかもバッターの打ち返す意志一つでなんとでもなるでしょう。私などは大リーグは如何に「華麗に」空振りをする競技か、というように見てます。大リーグの観客は投手がばったばったと打者をねじ伏せることに多いに盛り上がり、下手に打って出塁などすると不満そうな顔をするなど、なぜか?「見に来たいが」早く帰りたいという不思議な心理があるのかもしれません。近年はイチローをはじめとする日本人選手などが真面目に取り組むようになり、それ以前よりも試合時間が長くなっているかもしれず、それが人気低迷に拍車をかけているのかもしれません。あくまで個人的見解です。

近年オリンピックなどでもあまり難易度が高くなかったりそれほどの努力を必要としない競技が採用されることが増えている印象で、ドーピングの問題などもありますが運営側は如何に白人を勝たせるかに腐心しているとしか思えない。

最後に最も高い年俸を受け取るべきは最も苦しい競技を行う選手であり、それはおそらくマラソンだろうというのが個人的な見解ですが、そうなると白人は全く勝てなくなるということは容易に想像できます。つまりMLBは自ずと「優生保護思想」や「白人優越主義」の考えを含むことになりますが、こういったナチスのやったようなことが社会で平然として行われているということはとても怖いことではないかと思います。ナチスとMLBの違いはそれを宣言してからやったかそうでないかという違いしかないのではということが、貧困層が存在することによって言えるかもしれません。我々は西側陣営で経済繁栄を享受してきたこれまでの世界観におけるアメリカに対する評価を180度変える必要に迫られているでしょう。