人工林の現状と土壌流出

画像1 戦後、農林省の植林政策により広葉樹が伐採され、その後に針葉樹であるスギとヒノキが植林されました。その結果日本の森林における人工林の割合は4割となりました。しかし安価な輸入材に押され国産木材は価格競争力を失い林業は衰退、人工林は放置される結果となりました。その結果人工林内はどのような状況になっているかといいますと、一言で林床は砂漠化していると言ってもいいような状況かもしれません。
画像2 下の画像で土壌流出の様子が分かると思いますが、人工林内の林床は植生がなく、土砂量出を防止する土留めなどが至るところで施行されています。自然林であれば必要のない砂防ダムも建設されています。しかしそれでも雨水によって徐々に土壌が失われている現実があるようであり、それは林内の源流部の渓流を見れば分かります。杉やヒノキなどの木々も高さの割に細々しい印象で、土壌は思っているよりも痩せてしまっているのではないかという印象を持ちました。
画像3 一枚目画像の看板は「針葉樹林と広葉樹林の混交林整備」というもので、林内の一部を広葉樹に置き換えようという取り組みを掲示するもののようです。ただし目的は平成16年の台風災害を踏まえた防災対策とのことです。
画像4 源流部で渓流のはずですが、結構荒れています。
画像5 川床に土砂が堆積していることが分かります。
画像6 水質は汚いという感じではなくても、川床が泥のようになっているだけで綺麗なようには見えません。
画像7 泥色の川床
画像8 ここは割と地面に日照が届くようですが、基本的に杉・ヒノキ人工林は林床に日光が届かないものとされるようです。
画像9 参考までに自然林のある場所の渓流。「八ヶ岳 赤岳までの登山道」https://www.photo-ac.com/main/detail/28137026
画像10 「木谷沢渓流のせせらぎ2」https://www.photo-ac.com/main/detail/27767226&title=%E6%9C%A8%E8%B0%B7%E6%B2%A2%E6%B8%93%E6%B5%81%E3%81%AE%E3%81%9B%E3%81%9B%E3%82%89%E3%81%8E%EF%BC%92
画像11 葉の生い茂る高さでは緑に見えても地面は灰色の世界ということがわかります。
画像12 山の麓の河川上流部。(35.007937, 134.902052)
画像13 ここより上流部には家屋が1000戸か2000戸あるくらいと思いますが既に澄んではいないですね。
画像14 山麓の製材所