こわいの源

2020年10月10日 21:59

先日シャッフルで流れてきた音楽が、
「こわい」という話になりました。

「こわい」というか何だかコチラの内臓をえぐられるような音楽だったんです。
若干ヴァイオレントにも聞こえる。

ヒカシューという80年代の日本のバンドなんですが。

最近アングラなものにほとんど触れなくなって、思い出したことがありました。

音楽だけでなく映画とか文章を読んで、
「こわい」と思う自分の気持ちの源が知りたくて、
そう思わせてくれるものに昔はよく触れていたなあと思ったのです。

舞踏、ノイズミュージック、フリージャズ、ハードコア、戦前のブルース、
70年代の日本のアングラ映画とか好んで触れていた。
「こわい」というか何か自分に強烈なものを残してくれるものほど、
「本質」というように考えていたところもある。

20代前半にはポップミュージックをやる人たちを見て、
「本質がわかっていない」などといきった見方をしたりもしていました。
そういう人は大体決まってロン毛でブーツカットのパンツを履いていますが、
ぼくも大体そんな感じでした笑。
高円寺の超アングラな箱に入り浸って、心を震わせてくれるものを求め続けていた。
お金ないから酒はあんまり飲まず、タバコも吸わず、ストイックにアングラ芸術を求めていました。
自分はいま世界で一番面白いシーンにいる、と信じていたし、実際とても面白かった。
ほとんど売れた人がいないので、ほとんどみんな辞めていったけれど。

先日、今月末にフェスティバルトーキョーで上演される、ダンスグループ「モモンガコンプレックス」さんの
舞台の音楽の演奏（録音）をしました。
それの中に、10分間ドラムで即興演奏をやってほしいという依頼があった。
10分も即興をやるなんて久しぶりだったんだけれど、
すんなりと呼吸をするように、眠たくなってお布団に滑り込んでシーツが気持ちいいな、
と思うような感覚で演奏ができた。
演奏が終わったときに周りにいた人たちにめちゃめちゃ誉められた。

いまわざわざ即興演奏を人前でやろうとはそんなに思わないけれど、
「おれ、やっぱこういうの好きなんだな」と思ったんです。
売れなきゃ食えない、と思って、20代後半から、アングラな過去を消すように生きてきたような感もあるんだけれど
（かといって全然メジャー指向でもない笑）
「自分ってそういう人なんだな」このアンビバレントな感じ。とまた一段階気付いたのでした。

こういうことって繋がるんですよね。
こういうのも増えてゆきそうな。。