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rikkaに憧れてレート杯を目指した男が、rikkaと同じデッキでレート杯に出場し、rikkaと同じチームになってシャドウバースをやめた

 reina__svです。実績はレート杯1回。

 自身が最もプレイしたゲームの引退にあたり、自分語りブログを書きました。レート杯1回という唯一のアイデンティティを自己紹介に使うのもこれで最後。

 自分でも言うのもなんですが、綺麗かつ残酷な終わり方だったので良ければ読んでいってください。

※タイトルは見栄え上”rikka”としていますが、文章内では”からくり”呼びで統一しています。

※”rikka”及び”からくり”は、僕が初めて認識した時は4回連続レート杯出場の強いプレイヤーでしたが、それから3年が経ち気づいたら16回連続でレート杯出場していた激強プレイヤーのことです。

Ratings Finalを見てRatings for シャドウバースを本気で始める

 大学に入学すると共に、高校時代からエンジョイ勢として楽しんでいたShadowverseを競技的に取り組もうと思ったが、強烈な熱意もなく、少しやる気のある程度のシャドバプレイヤー生活を3ヶ月ほど過ごしていた。しかし、その年の7月に行われた”Ratings Final”の配信宅で繰り広げられたrikka vs Q&B の天狐ミラーを見てその生活は終わりを告げた。

https://www.openrec.tv/live/YoT5ya7yYVQ?t=30712
(件の試合を久々に見たが、今見ても面白かった。)

 上位のプレイヤーが「BOSナーフ前天狐ミラーは実力ゲーである」と豪語しているのを知ったのはこの大会が終わった後であり、観戦中の私はこんなにプレイングが重要なことを知らなかった。「少しやる気のある程度のシャドバプレイヤー」では一生かかっても見られない景色を見せられた結果、驚きと憧れには勝てず、これを機に私は「非常にやる気のあるシャドバプレイヤー」に変わった。

 ただ、Ratings Finalの配信終了直前まで、レートが続くのか続かないのか発表されていなかった。自分はこれまでレートを7戦しかやったことがないにも関わらず、すぐにでもレートがやりたいと思い、誰よりも続くよう願っていた。ここでレートが終わっていたら自分のやる気はどこに向けられていたか分からないが、無事に第6期レートの開催が発表された。

 そこから5パック、1年と3ヶ月の間、からくりさんをはじめとするレート杯常連のメンバーに憧れ、レート杯出場を目標にレートを取り組んだ。少しずつうまくなっていったものの、レート杯に出場することはできなかった。

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Ratings杯出場

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 本気で取り組み始めてから1年半後、Ratings for シャドウバース 第10期において目標としていたRatings杯に初めて出場する権利を得ることが出来た。

 第10期のパックはVECで、自然Bの1強環境だった。途中でアディショナルが追加されたものの全体を通して自然Bに追随するデッキは自然D、自然E、リノE、進化Rなどで、いまいちパッとしないデッキからセカンドデッキを選ぶしかなく、第10期の終了まで2日を残した時点で自身のレートは1700を切っていた。

 第10期も残り2日となる深夜0時ごろ、僕はある有名プレイヤーと対戦した。そのプレイヤーはその期明らかに調子が悪く、3日前に対戦した際のレートは決して高いものではなかった。しかし、残り2日の時の対戦では、前回の対戦より300ほどレート値が上がっており、今握ってるデッキで勝っているのは一目瞭然だった。
 握っているデッキは”アマツエルフ”。第10期のアディショナルで神鉄圧錬法が追加されたばかりのそのデッキは、動きにムラがあるため強いデッキとされていなかった。しかし、そのアマツエルフが僕が握っていた自然ドラゴンの回復を簡単に突破していった。

 僕は第9期とOJA杯の間にiDealというチームに加入していて、チーム内には名のあるプレイヤーと対戦した際の情報を貼るチャンネルがあった。
 そこに、偶然アマツエルフを握った高レートのからくりさんと直近で対戦した情報があり、都合よくデッキに入っていたカードも詳細に書かれていた。

 僕は自分の対戦とチームにあった対戦報告、この2つの情報からアマツエルフを握ろうと思った。しかし、チームにはアマツエルフをレート終盤にもなって使っている人はおらず、終盤に自分で組んだ場合間に合うかは怪しかった。
 しかし、同じチームではない中で最も親交の深かったプレイヤーが運よくアマツエルフを使っており、自分でデッキを組まずとも上の2つの情報を事細かく伝えた結果、デッキを完成させることができた。そもそもチーム外で頼れるプレイヤーが片手で収まるくらいしかいないため本当に運がよかった。そのプレイヤーから簡単なマリガンも教わり、残り2日のレートに乗り込んだ。

 結果、残りの2日を、Tier1の自然ビショップと相方のアマツエルフでレートに取り組んだ僕は、レート杯に出場することが出来た。2つの情報から組んでもらったデッキは実際にからくりさんが使用していたデッキとは1枚しか違わなかった。そして、奇しくも自然ビショップの相方がアマツエルフでレート杯を決めたのは、デッキを公開したプレイヤーにおいては自分とからくりさんの2人だけだった。

 非常に出来すぎだったし、後にからくりさんからも「あれは出来すぎでしょ。」と言われたレート杯までの道のりだった。


iDeal|rikka 爆誕

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 第10期から2期連続でのレート杯を目指した私は、いろいろあって魂の一戦に挑むことになるも敗北。レートが強いと呼ばれる人たちの最大の理由であり、自分としても意識していた連続レート杯出場を逃した。

 そんな第11期のオフシーズン、からくりさんがTwitterにて突然調整窓・チームのゆるぼ٩(๑>◡<๑)۶を始めた。
 大物プレイヤー争奪戦の比喩を野球しか持ち合わせていなかったシャドバ界隈はドラフトだのFAだので例えを交えつつちょっとしたお祭り騒ぎになった。
 自分が所属していたアマチュアチーム"iDeal"はそこそこ強いチームの上、非常に活発でShadowverseの話だけをしているようなチームだった。(雑談は別にするしお固いチームではないが)他の強いチームと比較した結果、獲得のチャンスはあると思ったし、何より自分はからくりさんと一緒のチームでプレイしたかった。イチローに憧れて野球始めたならイチローと同じチームで野球してみたいでしょそりゃ。自分も野球以外の比喩持ち合わせてなかったのは置いといて、「出来るなら入ってほしいよね」みたいなメンバーが多かった中、自分は「絶対に欲しい」と強く主張した。からくりさんが入ったとしても、チームが壊れない確信があったし、自分の欲を除外したとしても得しかない話だと考えていた。自分の熱意に感化されたのもあって、チーム全体で動いてくれた結果、最終的に自分は熱意だけで、ちゃんと内容を整えるのに関しては大人メンバーに頼る形となった。感謝。
 結果的に僕の願いは叶い、からくりさんがiDealに入ることが決まった。


想像上の神様が現実の神様になる

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 同じチームになって、いろいろなことを知った。初めて同じ画面を見ながらプレイを話していた時は、見えている世界が違いすぎて自分の考えてなさを思い知らされたし、話す中でどんな風にShadowverseを取り組んでいるのかを知った。レート期間はレートをして休憩でレート配信を見て、情報共有のために通話に来ていた。私生活のことはよく分からなかった。何歳なのかも職業もどこに住んでるのかもなんとなく分かって、なんとなくしか分からなかった。オフで人と会う気が1ミリもなく、締め切り守れないだとかの人間的にダメな話を誰かがすると「普通でしょ。」っていうような、完璧じゃない人間だということだけが分かった。

 そして、からくりさんがどのような過程でレート杯に出ているのかを知ってしまった。
 まず、単純な試合数がレートをしっかりやってる人間と比べても多かった。iDealは僕が所属している間レートの勝利数ずっと5番目以内に入っているようなチームで(13期は前後半共に2位だった)、そもそも毎期の一人平均試合数が約200戦と明らかに一人当たりの試合数が多いチームだった。その中でからくりさんは12期前半から13期後半までの4回中、3回試合数が最多だった。除外された1回は150試合で70%オーバーの勝率を出してレート杯に出場した時だ。
 シャドバ界隈には「レート杯に出れるまでやる」というプレイヤーがごくわずか存在するが、からくりさんはその最終形態で、前半戦はレート杯出場を決めれませんでした!!って時は500戦で60%以上の勝率を出したうえで無理だからの諦めだった。

 13期に関してはからくりさんでもレート杯に出るのは難しいのではと思ってしまうほど、実力通り勝つのが大変な期間だったが、それは全くの杞憂に終わった。ただ、「杞憂に終わった」というのは外から見えた結果でしかなく、僕には「前後半戦合わせて1000戦を超える試合をして、勝率62%を出した上でなんとか杞憂に終わらせた。」というのが正しく見えた。

 私は、これまではからくりさんがどのようにしてレート杯に出ていたのかをちゃんと想像してこなかった。Twitterに投稿される戦績のスクショを見て、今期も勝ったのかという結果を無機質に知るだけだった。しかし、同じチームになって同じ期間で自分もレートに取り組んだ結果、苦しんでいる経過と、費やしている時間の量を知ってしまった。
 ただ、ここで勘違いしてほしくないのはからくりさんは圧倒的に強いプレイヤーであるということ。当然、簡単に勝つ期間は簡単に勝つ。自分は簡単には勝たないし、簡単に勝つプレイヤーが勝たない13期の光景が僕にとっては非常に重いものだった。

 想像上の神様は自分より優れていることだけが確かな、不確かな存在だけど、直視した現実の神様とは距離感がなんとなく掴めてしまった。才能もプレイ時間も敵わない神様にも血が流れていて、その神様が全力を出して戦っているのを見て、「あー敵わないな。」と思ってしまった。

 13期後半戦の終盤、からくりさんがレート杯をほぼ確定させた後、ふと自分は今期レート杯に出れなかったらShadowverseをやめるのかもしれないと悟った。それを意識した途端、全く勝たなくなった。勝てていたら話は違っただろうが木端微塵に終わった。
 自分がこれ以上の力を出せる自信がないうえに、これ以上の力を出した上でもがいている憧れのプレイヤーの姿を見てしまって体の力が抜けた。レート杯にまた出ることは現実的ではなく、これまで以上が必要になった時に絶望を感じた。これはレートを全力で取り組むのをやめるしかないなと思った。


余生

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 「レートを全力で取り組むのをやめるしかないなと思った。」と2行上で書いたが、元々は「レートをやめるしかないなと思った。」という一文だった。文章はあまり完成していなかったが、このブログの骨組みの段階は13期が終わった時点でとうに出来上がっていた。しかし14期、僕は結局レートをやめることが出来なかった。
 単純に「試合数減らしてそこそこ勝ててそこそこ楽しめるなら続けれるかも。」という意図はあったが、やめるタイミングを逃した言い訳に限りなく近いものだった。
 普通の扇風機は「強・中・弱・切」のスイッチがある。多分人間のやる気の出し方は、3段階なんて区切らずとも色々調節が出来るのだろう。しかし、「強・切」しかスイッチがない自分の性格では、そこそこ楽しむで続けるのは無理だろうと分かっていた。

 さらに、からくりさんと同じチームになって半年、どうやら僕はからくりさんと似たようなデッキタイプが得意なことを知ったのもシャドバをやめれない一因となった。
 からくりさんを超えることを諦めて、金魚の糞をやってみるのもいいのかなとちょっと思った14期は、結果的に後1勝でレート杯に出れる段階まで行けてしまい、そこそこ勝った部類の戦績となった。そこそこで続けるのは無理だと思っていたけれど、もしかしたら、そこそこで楽しめるくらいには上手くなったのでは????




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 ただの勘違い。余韻で回っていただけの羽はそう時を待たずして停止する。


 ちゃんと負けた。こんなにちゃんと負かすなら前期なんで勝たせてくれたの???とも思ったけど、まあそんなもんだよねとも思った。下手くそな延命治療で中途半端に余命が伸びただけだった。


最後に

 iDealというチームにとってからくりさんが加入したことは非常に大きかった。というか、からくりさんが入っていなかった場合どうなっていたのだろうか。欲しいと言った自分は英断も英断。元々アクティブで強いチームだったが、さらにアクティブでさらに強いチームになった。自分の一番の功績かもしれない。

 3年も競技的に取り組んだ上に、その前からプレイしていたのにも関わらず、結局シャドウバースが好きなのかは分からなかった。ただ、私にとってシャドウバースとはレートで、レートで勝つことを諦めた瞬間に私がシャドウバースをやる意味はなくなった。今期の新カードをほとんど知らないどころか、前期のアディショナルカードも分からないほどスパっとやめた。

 「からくりさんと同じチームにならなければよかったな。」というブログではない。どのみちどこかでこのゲームはやめていたし、からくりさんと同じチームにならなければ、やめるタイミングを逃し続けたかもしれない。介錯をからくりさんにしてもらえたことを嬉しく思う。



 始まりも全盛期も最後もたった一人のプレイヤーの影響によって成立したのがちょっと綺麗だなと思ったので書きました。

 どれくらいの人間の心に届くかは分かりませんし、自分に向けた文章でしかないと思います。
 今期のレートも終わり、今後どうしようかなって思ってる人に少しでも響くといいなと思いつつ、そこまで響いてほしくないとも思っています。


 レート杯出場を目標に全力で取り組んでいる人をこれからも応援しています。

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