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【柔道コラム】全日本学生体重別団体優勝大会の感想

おはようございます。
LGBTQライターのなつめれいなです。

12月8日・9日の2日間、兵庫県尼崎市のベイコム総合体育館にて、全日本学生柔道体重別団体優勝大会(男子23回・女子13回)が開催されました。

オミクロン株が発生するなど、日本国内でも新型コロナウイルスの収束が見えない中、最善の予防対策を取った中で開催されたことに感謝します。全日本学生柔道連盟の皆さま、および参加された選手の皆さま、お疲れさまでした。

体重別団体とは?

男女各7階級ごとにわかれ、7人の団体で勝敗を競う大会です。

7階級で各最大2名、合計で最大14名登録。そのうち7人を選んで試合をします。

第1回大会は男子が1999年、女子は2009年に全日本学生柔道女子選抜体重別団体優勝大会が開催。2010年からは、男女合同で行われています。

大会のルール

ここからは大会のルールについて説明します。

女子団体戦

下記7階級から、2名以内の選手を登録(出場は1名)。

●48kg級
●52kg級
●57kg級
●63kg級
●70kg級
●78kg級
●78kg超級

計量時に測定された体重が、該当する階級より1階級重い階級に申し込むことが可能です。
また、本大会における登録階級より1階級重い階級で出場することができます。

なので、最大2階級上の階級で出場が可能です。

男子団体戦

下記7階級から、2名以内の選手を登録(出場は1名)。

●60kg級
●66kg級
●73kg級
●81kg級
●90kg級
●100kg級
●100kg超級

計量時に測定された体重が、該当する階級より1階級重い階級に申し込むことが可能です。
また、本大会における登録階級より1階級重い階級で出場することができます。

なので、最大2階級上の階級で出場が可能です。

選手の配列順について

選手の配列順は、1日目・2日目が抽選で決定されます。それぞれの抽選結果は、下記のとおりでした。

女子団体戦

【1日目】

●先鋒:63kg級
●次鋒:78kg超級
●五将:70kg級
●中堅:78kg級
●三将:57kg級
●副将:52kg級
●大将:48kg級

【2日目】

●先鋒:52kg級
●次鋒:70kg級
●五将:48kg級
●中堅:78kg超級
●三将:78kg級
●副将:57kg級
●大将:63kg級

男子団体戦

【1日目】

●先鋒:73kg級
●次鋒:60kg級
●五将:100kg超級
●中堅:81kg級
●三将:100kg級
●副将:90kg級
●大将:66kg級

【2日目】

●先鋒:73kg級
●次鋒:100kg超級
●五将:81kg級
●中堅:60kg級
●三将:66kg級
●副将:100kg級
●大将:90kg級

女子団体戦

女子団体戦の試合結果と感想です。

試合結果

優 勝:環太平洋大学(中四国)
準優勝:帝京大学(東京)
第三位:東海大学(東京)
    明治国際医療大学(関西)
第五位:山梨学院大学(関東)
    桐蔭横浜大学(関東)
    筑波大学(関東)
    淑徳大学(関東)

※詳細結果については、後ほどリンクを貼ります。

女子団体戦感想

決勝は、準決勝で東海大学に逆転勝ちした環太平洋大学と、初戦となった龍谷大学戦で代表戦の末に勝ち上がった帝京大学との対戦でした。

結果としては、次鋒の70kg級、中堅の78kg超級、副将の57kg級でしっかりと勝ちきった、環太平洋大学が3-0で完勝。4大会ぶり5回目の優勝を飾りました。

優勝大会では2013年以来優勝がない同校ですが、やはり選手層は厚いですね。

ポイントを取るべき選手が、しっかり取りきって優勝しました。

帝京大学は、2015年大会以来5大会ぶりの優勝を狙いましたが、一歩及びませんでした。

副将戦は、残り10秒のところで立ち姿勢のまま関節を取った(脇固め)として反則負けになりましたが、これが1点リードされた状態でまわってきていたとしたら、無理して攻めなかったのかなと思います。

しかし、副将の大森朱莉選手はまだ1年生。今後の精進次第では、十分にトップを狙えるはずです。今回の反省を活かして、頑張ってもらいたいと思います。

男子団体戦

男子団体戦の結果と感想を書きます。

試合結果

優 勝:東海大学(東京)
準優勝:明治大学(東京)
第三位:日本大学(東京)
    国士舘大学(東京)
第五位:國學院大學(東京)
    日本体育大学(東京)
    帝京科学大学(東京)
    天理大学(関西)

※詳細結果については、後ほどリンクを貼ります。

男子団体戦感想

準々決勝進出校のうち、7大学が東京、天理のみが他地区(関西)でした。

決勝は、準決勝で日本大学との代表戦を制して勝ち上がった東海大学と、準々決勝の天理大学、準決勝の国士舘大学との試合を2-1の接戦で勝ち上がった明治大学との対戦。オーダーで見ると、前半戦に取れる選手が集まった東海大学、後半戦にポイントが期待できそうな明治という構図でした。

結果としては、先鋒と次鋒で2点を取った東海大学がそのまま2-0で勝利して、2大会連続12回目の優勝を飾りました。

当たり前ですが、団体戦の鉄則は取るべき選手がきっちり勝つこと。これは無差別の優勝大会でもいえることですが、体重別団体でも同じことです。配列順は抽選で決まるので、どこを重視すべきなのかは当日までわかりません。

最終的には、ポイントを期待できる3人のうち2人が取りきった東海大学が、後半戦に強い選手が集まった明治大学をしのいで勝ちきったという感じでした。

特に出色の出来だったのが、100kg超級の松村選手と、73kg級の内村選手。松村選手は、支釣込足でうまく揺さぶって技有を取ると、前に出てきたところを内股で合わせて一本勝ち。内村選手は、日本大学との代表戦で巴投による技有、決勝でも同じ技で技有による優勢勝ちをおさめ、優勝に貢献しました。

上位校の力量差は小さいので、勝負どころで勝ちきれるかどうかで変わったという感じですね。

全体の感想

全体としては、男女とも東京・関東勢が強かったですね。

地方の奮起を期待

その中でも、先日の個人戦で60kg級で優勝者を輩出した鹿屋体育大学と、66kg級で準優勝者を輩出した愛知大学が2回戦で対戦。接戦を制した鹿屋体育大学が3回戦に進出したのが最高でした。

特に男子団体戦は、地方の大学が勝ち上がるのが難しくなっています。そんな中でも、地方の大学が頑張っていました。

有力選手が関東・東京の大学に固まるのは仕方ないでしょう。しかし、大阪産業大学の内村直也監督のように、他地区の大学で強化に取り組む方も増えつつあります。

ぜひ、頑張ってもらいたいですね。

延長戦について

代表戦は、引き分けに終わった中から、抽選で選ばれた階級の選手が対戦です。

最初から時間無制限のゴールデンスコア形式で行われるので、技によるポイントが入るか、累積指導(指導3)による反則負けが宣告されるまで続きます。

男子では、3回戦の国士舘大学-筑波大学戦、準決勝の東海大学-日本大学戦などで行われました。特に前者は、国士舘大学の三谷大選手と筑波大学の湯本祥真選手が、25分弱の延長戦を戦い抜いた大接戦でした。

今大会が行われたのは冬ですが、夏場に行われる大会だったら脱水になる人も出るのかなと思います。

それだけ選手間の力量差が少ない証左ですね。しかし、時間無制限の延長戦には賛成するとしても、これだけ長い延長戦が続くのは大変でしょう。その試合だけで6試合分やるわけなので。

2分×2を1セットなどのようにすればどうか

これは、あくまでも個人的な意見ですが、時間無制限で延長戦をやるなら、2分×2セットなどのように区切りをつけて、それを無限に行う方式のほうが合っていると思います。

例えば、2分×2を1セットにして延長戦を行い、セット終了後にポイントが差がついていたら試合終了。一本、もしくは指導3がたまったらその時点で終わる形式にするイメージですね。そのほうが技による決着がつきやすいのかなと思います。

指導について

また、累積指導できれば4に戻したほうがいいですね。3だと中途半端だし、中間がないので、試合がせわしなくなりますね。

最後に

世界選手権や五輪で行われる男女混合団体のように、決着がつくまで行われる団体戦はハラハラ・ドキドキして面白いのは確かです。

しかし、やはり引き分けがあったほうがより楽しめるのかなと思いました。

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