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全日本学生柔道優勝大会男女団体戦感想

11月13日・14日の2日間、千葉ポートアリーナで同大会が開催されました。

本来であれば6月に開催される予定だった本大会でしたが、緊急事態宣言などの関係で11月に延期、実に2年半ぶりの開催となった形です。

女子団体戦実施形式

女子団体戦の実施形式は下記のとおりです。

【女子団体戦】

●3人制(体重無差別)
●5人制(先鋒・次鋒:57kg以下、中堅・副将:70kg以下、大将:体重無差別)

女子団体戦の5人制は、大将以外の4人に体重制限のあることが特徴です。なので、大将以外の4人にポイントを取れる最悪でも引き分けに持っていける選手を揃えられるかがカギとなります。

3人制は先に2勝、5人制は先に3勝すると勝利です。

男子団体戦実施形式

【男子団体戦】


●7人制(体重無差別)

男子団体戦の7人制は、現在は大学の大会でしか見られなくなりました。選手の並びは、下記のとおりです。

●先鋒
●次鋒
●五将
●中堅
●三将
●副将
●大将

先に4勝すると勝利が決まります。

女子団体戦試合結果

さて、それぞれの試合結果は下記のとおりです。

【女子3人制】

優 勝 皇學館大学
準優勝 別府大学
第三位 九州共立大学
    慶應義塾大
※決勝は1-0

【女子5人制】

優 勝 東海大学
準優勝 福岡大学
第三位 龍谷大学
    山梨学院大学
※決勝は3-1

【女子団体戦感想】

女子を見ると、3人制は地方の大学が元気でした。
ベスト4に残ったのは、九州地区が2校、東海地区と東京が各1校。
部員が集まりにくいこともあるのかもしれませんね。

ここで力をつけて部員を集め、将来的には5人制に挑戦してもらいたいです。

5人制は、この何年かは関東・東京勢が優勢でした。
しかし、今年はこの6年決勝に進出していた山梨学院が準決勝で敗退、勝った福岡大学が上がってきました。

決勝では東海大学に敗れましたが、日下部基栄監督(シドニーオリンピック・柔道57kg級銅メダル)が鍛え上げたいいチームです。

女子も、関東・東京に優秀な選手が集まりやすくなって久しいのは確かです。それでも、入ってきた学生を鍛えて、地方の大学が勝ち上がってきたことに意味があります。

特に、目を引いたのが福岡大学の1年生、小齊穂奈美選手。強豪の富士学苑高校(山梨)で鍛えた寝技は威力抜群なので、これからが楽しみですね。

今回は残念な結果でしたが、彼女が勝ったことは大きいと思います。来年以降も優勝を目指してもらいたいですね。

男子団体戦結果

【男子団体】

優 勝 東海大
準優勝 筑波大
第三位 日本体育大
    国士舘大
第五位 天理大
    明治大
    東洋大
    日本大
※決勝は5-0

【男子団体戦感想】

男子団体戦は7人制の体重無差別で行われます。
もう一つの特徴が、12人の選手から1試合ごとに選手を変更できる点。
いかにうまく休ませながら5試合~6試合を戦うかがカギです。

8強の顔ぶれを見ると、東京が6校、関東・関西が各1校で、圧倒的な東京・関東優位という結果になりました。

優勝した東海大学でしたが、準決勝の日本体育大学との試合は先行される苦しい展開。

次鋒と五将で2勝(ともに技ありでの勝ち)されてしまいます。

中堅で1勝(一本勝ち)を取り返すものの、三将で取られて(一本)1-3。

相手は技ありでの2勝+一本での1勝、自軍は一本での1勝のみなので、残った副将と大将は2勝しないと負けてしまうわけです。

わかりやすく書くと、こうなります。

●1勝1分以下→日体大の勝ち
●2試合とも技あり勝ち→代表戦
●一本勝ちを含む2勝→東海大の内容差勝ち


実際の試合ではどうなったかというと、副将の村尾三四郎選手が大外刈で一本勝ち、大将の中島大貴選手が体落での技あり勝ちの2勝を挙げ、内容差で辛くも勝利しました。

決勝の筑波大学との試合は、準決勝の苦戦が嘘のように次々とポイントを重ねて終わってみれば5-0の圧勝でした。

全体の総括

最終的に東海大学を苦しめたのは日体大。その日体大と準々決勝で戦った明治大学は代表戦で惜敗したわけですが、それでも同じようになるとは限らないのが団体戦の難しさ。

選手との相性もあるので、配列順がカギを握ります。

そういう意味では、配列の妙を感じました。

女子団体戦3人制優勝の皇學館大学、5人制優勝の東海大学。
男子団体戦で優勝した東海大学のみなさん、おめでとうございます。

最後に

月末は学生体重別選手権(個人戦)、12月中旬には尼崎で体重別団体優勝大会、該当者は全日本ジュニア、全日本選手権、年明け1月中旬は講道館杯と3ヶ月間で立て続けに試合があります。

参加される選手の皆さんは、体調管理に気をつけてください。

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