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【柔道コラム】全日本学生体重別柔道選手権大会の感想

こんばんは。
LGBTQライターのなつめれいなです。

11月25日~26日に、千葉ポートアリーナで全日本学生体重別柔道選手権大会が行われました。

テレビでの中継が12月5日だったので、感想を書くのもこれに合わせた次第です。

女子個人戦

女子個人結果は、こちらを参照してください。

環太平洋大学と山梨学院大学が3階級ずつ、帝京大学が1階級で優勝という結果でした。

内訳は下記のとおりです。

環太平洋大学:48kg級、52kg級、78kg級
山梨学院大学:57kg級、70kg級、78kg超級
帝京大学:63kg級

特に注目した選手は?

特に目を惹いたのは、78kg超級の高橋瑠璃選手。彼女の父親は、国士舘中学・高校、中央大学、旭化成で活躍した、100kg超級の高橋宏明さんです。彼女自身も、父親譲りの大外刈を得意にしています。

試合を見る限り順調に成長しているようです。超級は、東京五輪金メダルの素根輝選手や児玉ひかる選手など有力選手も多くいますが、高橋選手もそこに続いてもらいたいですね。

全体の感想

女子は地方ごとの差は少なく、地方大学出身の選手も勝ち上がりやすい傾向にあります。

階級で要注目だったのは、52kg級。準決勝進出者が全員環太平洋大学の選手でした。先日の団体(優勝大会)はベスト8で破れたものの、有力選手も多く、体重別団体での活躍が楽しみですね。

また、山梨学院大学も先日の優勝大会では準決勝敗退、これまで10年(大会)連続で続いてきた決勝進出を福岡大学に阻まれました。しかし、こちらも同じく高校時代から注目されてきた選手も多く、体重別団体での活躍を期待します。

東海大学は今大会、57kg級と63kg級で準優勝が最高でしたが、こちらも有力選手を多数集めており、団体戦で強さを発揮します。

体重別団体優勝大会では、この3校による競り合いが期待できるでしょう。

男子個人戦

男子個人戦の結果は、こちらを参照してください。

こちらは、優勝者がバラけました。

東海大学と國學院大學が2階級ずつ、鹿屋体育大学、日本大学、天理大学が1階級ずつ分け合った形です。

内訳は、下記のとおりとなります。

東海大学:73kg級、100kg超級
國學院大學:66kg級、90kg級
鹿屋体育大学:60kg級
日本大学:81kg級
天理大学:100kg級

上位は有力校に集中するも、地方勢の健闘が見られた

男子は有力選手が特に関東・東京に集中していることもあり、この2地区は特に実力差は少ないですね。

一方で、個人戦は地方の大学に在籍している選手の活躍にも注目しています。今大会では、60kg級の福田大悟選手(鹿屋体育大学・九州)が優勝、66kg級の杉浦冬唯(愛知大学・東海)が準優勝しました。

100kg級の植岡虎太郎選手(天理大学・関西)は、準決勝までの5試合を素晴らしい内容で勝ち上がりました。特に準々決勝で当たったB強化選手でもある関根聖隆選手(筑波大学・関東)との試合では、小内刈で技有を奪うなど絶好調。

決勝はC強化選手の中野智博選手(早稲田大学・東京)。果敢に攻め続け、2分すぎに背負投で一回転させて優勝しました。

選手が特に関東・東京の大学に集中しやすいこともあり、地方の大学は団体戦でなかなか勝ち上がれません。実際、先日の優勝大会では、鹿屋体育大学が3回戦進出、天理大学が準々決勝進出したのが最高だったことを考えると、なおさらです。

そんな中で、決勝に進出した三人に拍手を贈ります。

優勝者で注目した選手は?

優勝者で注目したいのは、73kg級の内村秀資選手と100kg超級の松村颯祐選手(ともに東海大学)、90kg級の押領司龍星選手(國學院大學)の3選手です。

内村選手は、試合の中で動きながらいろいろな技を出し、相手に攻めるスキを与えません。上で戦うには、投げきる技が必要ですが、それを身につければ十分に戦えると思います。

90kg級の押領司選手は、背負投に切れ味があります。高校時代からこの技を武器に勝ち上がる選手でした。國學院大學進学後も順調に成長しており、まさに「軽量・中量級の育成に強い國學院大學」を体現する存在といえるでしょう。

決勝進出した中西一生選手(国士舘大学)も敗れはしたものの、本戦ではお互いによく攻めており、今後の躍進に期待します。ふたりにとって同じ階級にいる村尾三四郎選手が強敵ですが、切磋琢磨してもらいたいですね。

100kg超級の松村選手は、体の柔軟性が武器で器用な柔道をする選手です。特に内股や足車の切れ味は抜群で、時おり引っこ抜くような裏投げを豪快に決めてくるので、対戦相手もやりにくいと思います。

海外勢が実力をつけてきたこともあり、日本の重量級は2008年の北京以降オリンピック・世界選手権で苦戦が続いている状況です。

同世代には松村選手を筆頭に、同じ東海大学で同級生の中島大貴選手、1学年下には天理大学の中野寛太選手、2学年下には国士舘大学の斉藤立選手と高橋翼選手がいます。どの選手もケガに気をつけて、今後の精進に期待したいと思います。

男子体重別団体に向けて

体重別団体は、関東・東京の大学が有力となるでしょう。

昨年度優勝校の東海大学を筆頭に、準優勝の国士舘大学。体重別団体で存在感を発揮する、日本体育大学と國學院大學の2校。筑波大学、明治大学、日本大学、天理大学といった名門校も虎視眈々とタイトルを狙う混戦状況。

ここであげた大学の中から、優勝校が出ると予想されます。

最後に

全日本学生柔道体重別団体優勝大会は、12月8日~9日に尼崎市のベイコム総合体育館で行われます。今大会から2週間ちょっとしかないので、調整も大変でしょう。

オミクロン株も出ているので、新型コロナウイルスにはもちろんのこと、ケガに気をつけて乗り切ってもらいたいですね。


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