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かが屋のキングオブコント2022ネタになんとも言えない違和感を覚えたヲタクの感想

KOCが終わりましたね。
KOCって何のこと?と頭をひねっているそこのあなた。KOCとは、「キングオブコント」の略です。年に1度の、コント王者を決める秋の祭典。
おかげさまで、9月が来るとKOCの開催時期が気になりはじめる体質に成り下がりました。歳時記に秋の季語で「コント」が掲載される日もそう遠くないでしょう。そんな日は来ないか。

今年のKOCには10組の挑戦者が参加し、優勝したのはビスケットブラザーズでした。おめでとう。おめでとうございます。

さて、この10組の挑戦者の中には私の大好きなコンビ、「かが屋」がいたわけです。もう正直好きすぎて緊張して笑うどころじゃなかった。笑ったけど。今日はそんな、大好きなかが屋について、語っていこうと思います。かが屋好きな人も嫌いな人も知らない人もどんとこい!の気持ちでひたすら語り明かすヲタク文章なので、どうぞ好きなタイミングで回れ右してくださいな。

キングオブコントのネタを見終わった後、一抹の消化不良を感じた

かが屋の出順は3番目。最初が不利と言われるお笑いの賞レースではやや不利くらいの位置。悪くないぞ、と私は固唾を飲んでふたりの出番を見守っていました。

舞台に照明がついて、そこからはもう、笑って、笑って、審査員の表情を見て安堵して、そしてまた笑って。本当に面白かった。とても面白いコントだった、というのは間違いない、とヲタク目線でも深く納得しました。かが屋を好きで良かった、この舞台をリアルタイムで見られて良かった、と心の底から感じました。

なのに。見終わった後の私には、どこか消化不良が残りました。面白かったのになぜ、どうして。グルグル考えた結果、かが屋のネタを見終わった後には、ほぼ必ず「特別な満足感」と出会っていたことに気がついたのです。

かが屋とはどんなコンビなのか

その「特別な満足感」について語り出す前に、かが屋を知らない人たちに、彼らがどんな人たちかを知っていただきたい。そのためには「見てくれ」としか言えないので、まずは私の一番好きなネタを見てください。

もう私はこのネタでかが屋のすべてが語れる、と思っています。かが屋の代表作。かが屋の集大成。私はこのネタを超えるネタを見るためにかが屋を見続けていると言っても過言ではありません。

見終わったあなたに問いたい。今、どんな気持ちですか。(ツイッターの『いま、何してる?』みたいだね)

私は初めてこのネタを見た後、嬉しくて、楽しくて、切なくて、たった5分ちょいのネタを見たとは思えない感情の動きに襲われました。エモ嬉し面白かった、という出会ったことのない感情に戸惑いを隠せませんでした。

かが屋に出会うまでは、好きなコント師はさらば青春の光、かもめんたる、東京03と言っていました。(今も好きですが)この3組も「面白い」以外の感情を、「面白い」とともに引き起こしてくれる人たちであるからこそ好きだったんだなと改めて感じています。

お笑いというのは結構意地悪な視点で切り取られた面白さを持つものも多く、自分の中に潜む「性格の悪さ」と向き合わされることもしばしばです。展開にイライラしたり、人間の底知れなさや気持ち悪さ、恐ろしさなどを通して笑うことになることも多く、ポジティブな感情だけで見終わることはとてもとても少ないものだったりします(そしてそこが、一部の人たちとお笑いというジャンルが全く相容れないことの原因だとも思います)。

でも、かが屋は違うのです。なんかもう、終わった後「あー…なんか幸せだな…嬉しいな…あと面白かったな…」という感情が残る、不思議なコンビです。舞台の上の数分間には哀愁や、時には人間のちょっと滑稽な部分も描かれているのに、二人の人間に対する視線にある「愛」の深さが理由なのか、どこにも嫌な気持ちが湧かないのです。

「愛」っぽいコントを置いておきます。私が一番病んでた時期に毎朝聞いていたコントです。「イヤホン」を見てもう少しだけかが屋を知りたくなったあなたに向けて。

あと、「なんか好きになっちゃう」人を描くのもうまいです。この「なんか好きになっちゃう」のせいで、終わったあとすごく幸せなのかもしれない。
↓なんか好きになっちゃう人

本当は「合唱祭」「文化祭の準備」「終電逃しちゃった」「面白い男の人が好き」あたりも好きです。でもほら、あんまりヲタクが勧めすぎると良くないじゃないですか。この辺りで勘弁してやります。

あ、そうそう忘れてましたが髪の長い方が賀屋(かや)さん、髪の短い方が加賀(かが)さんです。この順番で紹介するとわかりにくいですが、加賀+賀屋で「かが屋」なんですね。

かが屋はキングオブコントでどんなネタをやったのか

さて、ここからが本題です。この、素敵なコントを日々量産しているかが屋は、2022年キングオブコント決勝戦に出場していました。そこで「S」というネタを披露したわけです。

ええ、KOCをご覧になった方はもういいよ、と思ってらっしゃると思いますが、念の為この8分verも見てほしい。結構印象が違うんじゃないだろうか、と思うので。

キングオブコントの決勝戦では、このネタの4分ver(約半分)が披露されました。いや、本当に良かったんですよ。4分verも。

特に面白い部分や展開に必要な部分だけにするために無駄な部分を削ぎ落としたのが、4分verでした。それ単体で見たら、4分ネタなのかな、と思うくらいのスムーズな出来栄えで、プロの努力って本当にすごいよね…。

でも、私は8分verの方が好きでした。「無駄」って無駄じゃないんだなって改めて感じました。8分verを見て、「あぁ、これが本当のかが屋なんだな」と謎の「納得」を得ました。勝手に。

まず、私自身は、このかが屋のネタにおける最大のポイントは「キャラクターの奥行き」「賀屋さんの女性役の可愛さ」「加賀さんの演技力」だと思っています。この3つの相乗効果が、私たち観客に「この舞台上にいる人たち、なんか好きだな」という気持ちを引き起こすわけです。

笑いにはそこまで繋がっていない、賀屋さん(S女性)の「博士か!」という全く不慣れなセリフ、大将にパワハラを疑われた時の慌てっぷりあたりが、賀屋さんという人の「真面目さ」、そしてその真面目さが彼女にこんな行動をなさしめているという、可愛さを裏づけるわけです。加賀さんの戸惑いももっと自然だし、二人とも全体的にマジで自然。

私の消化不良の原因は、舞台上の二人をKOCでは「なんか好きだな」と思い切れなかったところにありそうです。KOCの4分間は、「なんか好きだな」という感情を引き起こすためにはかなり短い時間だから、言うてもある程度はせんない部分があるわけですが、かが屋がいつか4分間であらゆる人に「なんか好きだな」という感情を生成させるネタを作る境地に至ったら、さすがに優勝しちゃうんとちゃうかな、と思っています。ファンなので。まぁ優勝しなくてもテレビで見かけるだけで嬉しいけどね。

そしてファンなんてほっといても勝手についてくるので、我々のことなんか微塵も考えずにネタ作ってほしい。マジで1ミリたりともノイズになりたくない。なのにちょっとノイズになりそうな文章書いちゃった。好きすぎて消化不良になっちゃったんだもん、許して。

これからもかが屋らしさをゴリゴリ追求しすぎながら、私たちを幸せな気分にさせてください。でも、無理しないで、幸せに生きてください。前者が厳しければ後者だけでも叶えてください。もうファンが二人に望むことはそれだけなので。本当に。

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