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何もしないを求めて。浜比嘉島との出逢い


距離感がうまくいかない。
何か葛藤を抱える毎日。
始めた時には終わりを考えていて、終わった時には既に次の始まりを考えている。
自分も、周りの人をまで急かし、罪悪感に苛まれる。

そんな日々を過ごす私は、ここに行けばどこかに置き忘れてきてしまった豊かさに触れることができるんだ、とそう直感的に感じて沖縄行きのチケットを取った。
それが目に見ない磁石に、まるで引き寄せられたみたいな旅の始まりになった。


むわっとした空気と共に思わず「あっつ!」と声がでる。
ふと東南アジアに住んでたことを思い出しながら、なんだか懐かしい気持ちになる。
27度。湿気に包まれ思わず笑みが溢れる。
日本の四季は美しい。それでもずっと夏の国を選んで住んできたほどにこの空気が愛しいと思える。
スタート地点。私にとってはまさにそんな雰囲気。
身体が覚えているこの感覚が、あの頃の日々を思い出させる。
確かにあった幸せと胸が詰まるような切ない出来事なんかを思い出してはぽけっとにそっとしまう。
やっぱりたまにはぽけっとから取り出してみるんだ、だって積み重ねてきたつみきのひとつだから、と那覇空港を歩く。


そんな場所、沖縄でまた新しいような懐かしいような一歩を踏み出す。
神の島と呼ばれる、浜比嘉島で。

一目で吸い込まれた海と空

あたたかく、懐かしくもあるtotono house吉本家。
空気、温度、色。歴史のなかで、とても愛され大切に大切にされてきた場所であることが伝わる。
なにかとてつもない大きくあたたかな、”まる”みたいな感じ。
その”まる”の隣にそっと立ち、すっと入ってしまうようなオーナーのいっちゃん。
私をここに連れてきてくれた、感覚的にぴたっとはまるおにちゃんもまた、気づいたらその”まる”のなかにいる。
まる=えん(縁・円・宴)にしていくことが人生のミッションであるような、それがおにちゃん。出逢ったときにそう感じ、引き出された直感は間違っていなかったと、”まる”に沿ったおにちゃんを見て思う。

だいすきなおにちゃん

浜比嘉島で過ごす時間は….…うーん時間、ではない。totono houseに〝在る〟そんな言葉がいいかもしれない。
浜比嘉島に在ることは、ただそれだけで満たされるような感覚。気持ちよく、私のままで、そのままで、在ること。
いっちゃんプロデュースのテントサウナがまた、在ることを思わせる。
その言葉の定義は?どうしてそう思うの?
問う、ことで深まりまた空のようなグラデーションをもちながら新しい色に染まっていく自分との対話、ときにはtotono houseに在る人同士での対話が、小さくとも確実な一歩をつくっていく。

サウナの中でも話が止まらない私たち

夜には焚き火を。
揺らぐ火は人の心を穏やかにする。少しずつ溶かしていくような、あたたかな灯と、飛んで弾けながらも自然に溶け込む音が、私たちのまるをまたアツくする。
ふと、歴史のうえにある焚き火を思う。
何万年も前から人はこうして火を囲ってまるをつくってきたのではないか。
またひとつ、忘れてた何かの一片を思い出す。
日付けをまたぐと満月が見えた。
この日、朝から恵まれたお天気とは言えなかったけど、今、夜空に浮かぶ満月を見上げたら、それでもう十分だった。



私のストーリーを抱きしめてくれたみんな、ありがとう。

なぜ、気を抜いたら涙がでてしまうような
なぜ、言わずに我慢してびびっているような そんな日々を、また過ごしていたのだろう。
もっと自分を、もっと心で、
イマココに在るすべてを苦しいほどに抱きしめる方が
そうやって涙することのほうが
私はよっぽど生きているんじゃないだろうか。
いつもまた気づいたところからスタートだ

そんな当たり前のことであっても
キセキのような出逢いの紡ぎと
今在る場所への移動距離と
導かれる感覚への信念と
その全てがないと成り立たないのだ

それほどに人は、地球が、かけがえなく、尊い。と感じる私で在ることが嬉しい。そう在るジブンでありたい。

会いたい人に会えるのは当たり前じゃないということを改めて思う。
一人一人のストーリーからなる日々が重なったキセキなんだと。
よわさが目立つときの私は、こうして人と人との巡り合わせや再会を通してしなやかさに磨きをかける。
ぽきっと折れずに今日も生きているのは、真っ直ぐではなくしなやかにそり返ったりまた戻ったりすることができるからなんだと。そうした巡り合せを引き寄せることも、また私の生き方なんだと。

浜比嘉島にて
那覇のvida locaにて



東京に着いた。
終電だというのに電車には人がたくさん乗っている。
何より、寒い。分かってはいたはずなのに、やっぱり寒い。
それでも立ち止まらずに歩く浜比嘉島と出逢った私。
今多分、絶対良い顔をしている。


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