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蝋引きの総手縫いダレスバッグ

今回は蝋引き革で

再びダレスバッグを作成しました。
前回は藍染の牛革でしたが、今回は蝋引きの牛革を使用しています。

因みにこちらが藍染革のダレスバッグです。

制作過程

先ずは口枠の作成です。
アルミ板を切断し設定した寸法通りに曲げていきます。
革と異なる素材の加工には若干緊張します。

口枠が出来たらハンドルの成形です。
市販の金属等の芯を使う事なく、積み重ねた革を削り出して芯材を作り、その上から薄く漉いた革を被せて縫い合わせます。
一番時間の掛かる工程ですが、鞄の使い心地に大きく影響するパーツなので
焦らず慎重に形を出します。

がっしりとした剛性感を有しつつ当たりが優しく手に馴染むハンドルです。
是非一度手に取って確かめて頂きたいですね。

ハンドルの次は内装です。
今回は内貼りにオレンジ系のアメ豚を用いています。


ファスナーはYKKエクセラです。


各ポケットは全て裏にアメ豚を貼ってヘリ返しています。
目打ちはフランスのブランチャード製をメインに使っています。

内装が完成したら胴とマチの加工です。

胴とマチを貼り合わせて縫製、その後口枠を貼り合わせて縫製したら完成です。



今回は本体を縫い上げるのにどれ位の時間が掛かるのか計ってみようと思いミシンになったつもりで集中して縫い進めました。
その結果、前後の胴を縫うのに3時間半掛かりましたが、これを今より短縮するのはかなり難しいなぁと感じた次第でした。
そして画像は有りませんが、この後コバを仕上げました。
染料で染めてフノリ等を使い繰り返し磨き捻を入れて完成です。

各部の画像



手縫いで一番気を付けなければならないのは裏側のステッチの乱れです。
予め目打ちで付けた縫い穴の目安を手に持った菱キリで一箇所づつ貫通させながら縫い進める必要が有ります。
表側は目打ちをトレースするだけなのでさほど乱れる事は有りませんが、裏側は菱キリを刺す角度が狂うとステッチラインが乱れて無残な事になってしまいます。
この蝋引き革は割と縫いやすかったのですが、前回作成した藍染革のダレスバッグは3倍ぐらい苦労した記憶があります...

こちらは付属品です。
カードホルダーがどことなくユーモラスな表情をしているように見えます。

こちらのバッグは完成後に銀座タニザワ様へ発送しました。
ReiLeatherへの直接の御注文でも作成可能です。
詳細はreileather@gmail.comまでお問合せ下さい。

お知らせ

下記ECサイトでは革製品を販売中です。
オーダーメイドや革製品の修理の御相談はreileater@gmail.comまでお願い致します。

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最後までご覧いただき有難う御座いました。
また次回の更新でお会い出来る事を楽しみにしております。

ReiLeather山田智之

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