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「女性ならでは」って何だろう

無意識の偏見

発表された第二次岸田再改造内閣は、19人の閣僚のうち、女性を5人起用。
3割目標を達成したいんだろうけど、6人にしないと3割にはならない。

岸田総理の記者会見発言(13日)。

「ぜひ女性ならではの感性や共感力を十分発揮していただきながら、仕事をしていただくことを期待したい」。

びっくりするよね?!
ジェンダーギャップ指数125位(146カ国中)の日本だから納得?

SNS X(旧Twitter)では「女性ならでは」がトレンド入り。
「男性には『男性ならではの感性や共感力に期待している』などと表現しない」
「男性には共感力がないの?」
「女性ならではの感性とかまだ公式の場で言っててビビる」
「男性には男性ならではの役割何て期待されないのに、女性になるとなっぜ急にジェンダーに沿ったアウトプットが期待されるのか」
もう批判が多くて、安心した(笑)

「女性ならでは」っていういけどさ、
そういう「感性」や「共感力」って
具体的には何なんでしょう。

「女性には女性らしい感性があるものだ」
と思っている人がまだまだ多いようなのですが、
そういった女性の感性も共感力も、
「女の子だから」
「女なんだから」と言われて、
嫌でも、周りを気にして、
男よりでしゃばらないように、遠慮して
気を遣うように、育てられた結果だと私は思う。
もう後天的に身に着けざるをえなかったもの。

「女性ならでは」って、
いわゆる「女子力」とかいうのと同じで、
これで言われる力って、
料理・裁縫・掃除・いわゆる家事全般、
ほかにも育児・介護といったケア労働、
これって、
人としての「生活力」であって、男女でわけることじゃないし、
女だからって押し付けられてきた雑務で、
現状、男性よりも女性の方が経験値があるだけだと思う。
それが証拠に、料理も裁縫も極めて職業になれる性別は、
シェフ、テーラー、パテシエ、これまでほとんど全部が男性だ。

きょうだいが多い家によっては、
長男長女と呼ばれる人たちは、妹たちや弟たちの世話をする。
それは世話好きなのではなく、
下の子のめんどうをみざるをえない状況、環境にあるせい。

男女のステレオタイプを強化する言葉

「感性」とか「共感力」は、絶対に男女という性別に関係がない。

そういうものを「女性ならでは」と性別でくくってしまうと、
「私は感性と共感力があるから女だ」とか
言い出す男が出てくるからやめてほしい。
スカートはいて、髪を伸ばして、化粧をしても、男は男だから。
レースやフリルが好きで、着たくても、男は男だから。
言葉遣いを柔和にしても、男は男だから。

っていうか、いまどき、
女言葉といわれる「てよだわ(※)」、いまだに使う女って、
洋画のダメな翻訳とか、架空世界のお嬢様とか令嬢ぐらいじゃねえの?
※「てよ」→よくってよ。ですのよ。「だわ」→そうだわ、いますわ、ですわ。みたいなやつ。
こういういわゆる「女言葉」って、否定が全然強くならないんだよね。
「やめろ!」が「やめて」になるし、
「よせ!」が「よして」になるし、
「ッざけんな!」が「ふざけないで」になる。
これまで女は言葉からも強さを奪われてきたんだよね。

ジェンダーフリーやジェンダーレスを進めたいのに、
一部のトランスジェンダーのせいで、
ジェンダー(社会的性別役割)が強化されるの、本当にムカつく。

性別で雑にくくると、
女性の管理職や政治家とかが増えない理由に
「女性はリーダーに向かない」
「女性が望んでいない」と言う人が出てくる。

どうしてそうなるのか、はっきりした原因がある。
だってそもそも女には機会が与えられてない。
ほんとうに、つい最近まで、いや場所によっては今でも、
「女に学問は必要ない」と言われているわけ。
弟のために進学をあきらめる姉とか、まだ実在する。

どうしてかというと、
男には男で「男は稼いで所帯をもって一人前」みたいな
無意識の偏見(価値観)が植え付けられて育っているから。

結婚したがる男は多いみたいだけど、
それは好きになった女性がいるからじゃなくて、
男社会で一人前と思われたいから。
「妻帯者」という称号のために妻を所有したいだけ。
いわゆるトロフィーワイフ。
家政婦兼セックスドールがほしいんだろうなって思うよ。
だって本当に妻を愛しているなら、
妻の体調を気遣って、思いやって
子育ても家事も率先してやるはずだろ?
妊娠して産む以外は男だって子育てできるんだからさ。

結婚するのがフツウ。
子どもを持つのがフツウ。
そもそもフツウって何?
そんなに大事?

そういえば私は、高校生の時、
海外留学経験のある男の先輩に、
「オマエは海外ではモテるけど、
日本では絶対にモテない」と言われたことがある。
自分の考えをはっきり持って、
男の先輩にも自分の意見を言い返す私は珍しかったようだ。

男も女も、自分の中にある、男らしさとか女らしさ、
性別で雑に分けようとする無意識の偏見に気付いて、
考えをあらためていきたいね。




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