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友人の屈託の無さに感動した話(別れ話の直後に、最後に一度だけヤラせてと懇願された友人)

何度も何度も蘇る記憶ってありますよね。 もう40年も前の事なのに…。

大学時代、仲の良い友人が数人いたのですが、その中の一人に「いいとこのお嬢様風」の人がいました。(残念ながら今は連絡すら取り合っていません)

お嬢様「風」というのは失礼かもしれません。 正真正銘のお嬢様だったと思います。後にお父様は大会社の重役になったし、お母様もお姫様のようにおしとやかで美しい方でした。

住んでいた場所も誰もが憧れる、都内のとある住宅街。

彼女は優しくてのびのびとしていて頭脳明晰で、その上美しくて….。

彼女が高校の頃から付き合っていた彼氏も「いいとこのお坊ちゃん」で、親に買ってもらったヨットを乗り回し、二人ともいつも日焼けしていました。 お金の話をするのは下品かもですが、ヨットって維持費だけでもすごい金額ですよね?

二人は誰もが羨む仲の良いカップルで、ほぼ毎日会っていたようです。

しかし、そんな仲良しカップルに終わりが来てしまったのです。 大学を卒業して彼女は商社に就職しました。 商社っていうのは「キラキラした男」がわんさかといる職場なんですねえ。 彼女を通して商社マンについて色々知る事ができました。

彼女はそんなキラキラした商社マンの一人と恋に落ち、ヨットの彼氏と別れる事を決意。

別れを告げた時の事を後で私に話してくれました。

「二人で泣きながら別れ話をしたの。 で、君の幸せのためだったら僕は身を引くよって言ってくれたの」

なんだか若大将シリーズの加山雄三さんみたいじゃないですか! (若い人には若大将シリーズと言ってもわからないと思いますので、ぜひググってみてくださいね)

彼女はさらに続けます。

「彼ね、”別れるけど、最後に一度だけヤリたい” って言ったの。 彼を嫌いになって別れるわけじゃないからOKしたんだ」と。

彼女は屈託のない笑顔で私にそう言いました。

こんな事をさらっと言えますか? なんて素直で邪気のない、美しい性格なんでしょう。 私は感動しまくりました。 彼女と友達でいられて本当に良かった! そう心から思いました。

正真正銘のお嬢様って多分こんな感じなんでしょうね。 卑屈になったり人を過剰に嫌ったり恨んだり過剰に自己嫌悪に陥ったりせずに、自分に起こる様々な出来事をさらっと受け入れてしまえるような屈託の無さを持っているのでは。

彼女は今どうしているのでしょう。いつか会える日が来るといいのですが。

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