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ことばの花、一輪どうぞ-五行歌集 text by Reika

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私が作った五行歌を集めています。
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2019年12月の記事一覧

[20190821五行歌]

北国の夏の川べり 戦火や 天災を慰める 花火ほど 何故(なにゆえ)こんなに美しいのか

羽田怜花
5年前
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[20190821五行歌]

「あなたが好き好き大好き」と 部屋の真ん中で叫んでも 「愛してる」は叫んでない 好きと愛し…

羽田怜花
5年前
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[20190817五行歌]

あなたに私の 気持ちを伝えるのが 夏休みの宿題です 八月三十一日までに 終わるのでしょうか

羽田怜花
5年前
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[20190812五行歌]

生殖機能が停止しても あなたを見つめる瞳に 「好き」を乗せる 女の情念(こころ)は まだ止ま…

羽田怜花
5年前
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[20190921五行歌]

宅配便の二トン車で 弁当箱の角(かど)に 隠れたタコさんウィンナーを いかつい男が フォーク…

羽田怜花
5年前
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[20190812五行歌]

冷蔵庫の麦茶が マッハのスピードでなくなる どうせなら同じ勢いで あの人へ矢を放ってよ 恋の…

羽田怜花
5年前
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ふたりきりの夜に

初めてあなたの 指にぶつかる あったかくって 雪の手のわたしが 触れてもいいですか 触れ方も 触れられ方も 忘れてしまったけれど あなたとならば それもいいかも おたがいの 皮膚の温度で 季節の移ろいを知る 休日前の夜を 今日からひとり占めする 肩の上を あなたの指が滑る 涼やかな空気と 皮膚の温度が混じる 今宵のプロローグ 柑橘系(シトラス)のわたしと 草木系(ハーブ)のあなた 違う香りを身につけた ふたりの肌のあいだで 化学反応が始まる あなたの太い指が 肩の上