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REICOのひとり言⑨

”REICO”のREIは”REIki”から、COは”COunseling”からとっています。

「手のひら療治」を読んで 8 (p104~p115)

手のひら療治体験録 (筆者不詳)
 
筆者が初めて江口俊博先生より「タナスエノミチ」の指導を受けたのは、24歳の時で、昭和3年9月だった。
 この日、三井氏を訪問する予定が、列車の中で三井氏に出会い、一緒に甲府の講習会に行った。そこで三井氏に合掌の方法などを教えていただき江口先生の「みちびき」に参加。
 その夜は、三井氏のお宅でくりかえし、手を握っていただいたが、なかなか感じるというところまで行かなかった。二座三座とやっているうちに、自然とわかってくると励まされ、翌日の夕刻、再び会場に行った。この日最初の人が一度で手のひらのうちが熱く感じると聞いて、(自分が鈍感なことを)心細く思ったりした。三井氏のお宅に帰ってきて、また色々教わったりして、見込みがついた。翌日帰郷の汽車の中では、ほとんど手を合わせ通しだったが、もういくら合掌しても疲れも感じないばかりか、昨夜よりよく感じるようなになった。
 9月15日、江口先生のご上京に、友とともに渋谷のお住まいを訪ねる。この夜は江口先生の手が触れるや否や、ピリピリと感じて、ようやく自信がついた。
 仰向けに寝て先生の治療を受けている友の胃を着物の上から押さえてみると、先生の手が重ねられるとともに、患部の症状が波打ってはっきりと感じられた。自分の鈍感ぶりは恥ずかしいが、広い世の中ではそう敏感な人ばかりでもないだろう。そんな人も1回2回の失敗に悲観せず、努められたなら、必ず一歩一歩上達することがあるのだと、たゆまずに進んで欲しい。
(その後「南無阿弥陀仏を唱える」ことについての親鸞の現世利益和讃などについて書かれてあり、合唱と念仏と、二つのことではなく、一つの体験に与えられた二つの「名」に過ぎないというような論が展開されていた)
 その後、自信を得てからは、すぐに祖母(当年76歳)と母(当年58歳)との慢性病治療をやった。そして筆者自身、走った時の激しい動悸や息切れの際、2分くらい心臓に手に当てていればすぐに良くなったり、原稿書いて就寝が遅くなって翌朝頭の重い時でも、静かに目をつぶって手を当てると本当に具合が良い。講義を聴きながら、書物を読みながら、胃や心臓を療治するというように、生活において「手当て」すると、数ヶ月の間に顔色がすっかり良くなったと言われた。
 その間には慶応技術精神科学研究会主催のもと同塾内に原理日本社同人の講習会を開き、前後2座6回の講習を受け、病理生理に関する一通りの説明も聞いた。また内臓各器官の位置、手の置き方などの説明材料となった僕の体は、いたる所傷だらけであることが暴露されてしまったが、それ以来、食物に対する注意と日常の治療とによって、胃もへっこんで、便通も規則的になった。
 長年の肥厚性鼻炎も鼻を押さえるばかりでなく、首筋のところに手を当てるようになって、知らず知らずのうちに治ってしまった。ただしこれには相当の日数を要した。また毎年風邪ひき名人とまで言われていたのが、1日も寝込むことなく、すべて未然に防いでしまった。
「たなすえのみち」は単なる治療法ではなく、広い意味で自然随順健康法である。病気を治すことは、病気らしい病気にさせないようにすることであり、頭が痛いとか、寒気がするとかいう程度の風邪の引きかけは、頭と悪寒戦慄の中枢(左右肩甲骨の下部を結びつける直線と脊椎との交差点くらいのところ)とに20分ばかり手を当てて、最後に精気づけを施し、布団を充分に暖かくして休ませれば半日ぐらいで全快した。
 祖母の40年代の持病で、腸の曲がり角にしこりがあるのは、小腸と横行結腸の癒着だろうと言われていた。その部分に食物がとどまるとそのしこりが固くなるので、腸のひきつりとともに邪気が発生し、腰から骨盤、また足にまで故障が生じる。それで横行結腸から下行結腸直腸へと順次に手を当てて行くと、内部が盛んにグーグーなって動き出し、翌朝には多量の便通があって快くなるので、最もひどい時でも腰部と骨盤とに補足的に手を当てるだけで足にはほとんど手を触れずに済む。にんにくを食べて腸内の固着物を排出しても同様の効果がある。
 最近、祖母が気管支カタルを患ったが、軽く見たり、総合診断怠ったりして失敗もあったが、食養会の外用解熱剤「妙水」を練って局部に塗って、その上から治療したりすると、順調に回復した。
 母は元来体質が弱く、寝込むほど悪いとこもないが、体のいたるところが悪い。右手の中指の静脈が第二節のところで膨れ上がっていて、過労と共に大きくなり疼痛を訴えるが、手を当てていると翌日は具合が良い。手を当てるでいるだけで肩先から他の所も、本人自らビリビリと感じるという 。母は腎臓の昨日に欠陥があると見当がつき、後頭部、腎臓に手を当てると心地が良いと言っていた。
 母も祖母も30年40年の持病であるから全快ということは覚束ないのであるが、この一年全く医師にかかることなく過ぎたのは、僕の家では珍しいことである。
 最後に「みちびき」が簡易であることの実例をひとつ。今年40歳になる男性が筆者から一回手を握っててもらっただけで、高熱から肺炎に進みそうな愛児(8歳)の心臓に手を当てて、1時間半ばかりの間に熱が下がるという経験をした。


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これで、8月7日までに読んだ分のまとめが終わりました。
最後の体験録は最後に名前がないので、筆者三井氏の書かれたものだと思っていましたが、はじめのところで「三井甲之氏をお訪ねするつもりで」と書かれていたので、三井氏ではないようですが、誰かは分かりませんでした。

まとめようと思うとじっくり読まないといけなくて、大変だけど当時「たなすえのみち」にかかわった人々のことが、よくわかって面白いです。



 


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