VRはきっと流行らない

いきなり否定的タイトルになってしまったが、VR(ヴァーチャルリアリティ)について知人のゲームプロデューサーの方々と会話する機会があった。

論点は「VRは流行るのか?」

自分の結論は簡単だ「流行らない」

ここでいう「流行る」というのは、短期的な「流行」を意味してなく、「文化となりうるか否か」という意味。

VRは正直面白いと思う。今までにない体験は人を楽しませると思う。
でも、常に利用できる環境にないデバイスは、そのデバイスを利用する上で「認知する」「手に入れる」というハードルを越えなければならない。

任天堂のWiiコンはゲームの遊び方を変えた。
MSのキネクトもゲームの遊び方を変えた。

しかしMSと任天堂の戦略には圧倒的な違いがあった。
キネクトはXBOXのオプション、Wiiコンはデフォルトということ。
何よりも素晴らしかったのは任天堂の旧コントローラーを退化させた事。
複雑なボタン操作が必要なゲームは要らなものと定義したこと。
結果、MSのキネクトは話題にはなったが定着はしなかった。
任天堂のゲームはシンプルにコントローラーを振り回し遊べるゲームが定着した。

遊び方が変わるとき、それはやはりデバイスが変わるときでもある。
スマホもまたしかりゲームの遊び方が変わってきている。

でもVRはどうだろうか?
MSのキネクトときっと変わらない。PS4のVRキットもそうだし何かのデバイスのオプションという位置づけである限り、その遊びと体験はニッチな世界から飛び出る事はない。それほど新しい体験に欲がある人は少ないと思う。

さらには、Wiiは安いWiiコンを増やせば家族や友達ともその新しいゲーム体験を簡単にシェアができた。でも、VRは個人という世界から離れられないのも欠点になる。複数人がVRを使って同じ世界でゲームをする。そんな事ができる時代が来ない限り、バイラル効果も期待はできない。

だから「流行らない」と予測している。

VRが進化してオプションでないウェアラブルなデバイスが当たり前の世界になった時、初めて定着してくるのではないかと思う。

でもその世界はまだまだ先だと思われる。
きっと10年先とか、または、もっと先かもしれない。

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