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野性爆弾と私。

私が野性爆弾の存在を知った頃。

大阪ではそこそこ名が知られていたものの、基本、コアな男性お笑いファンばかりで、私のようなファンはきっと稀有な存在だったと思う。

野爆がまだ上京してくる前だったし、芸風は今とほとんど変わらないものの、当時からハチャメチャで、「面白いけど、売れないだろうな」というのが本音だった。

「先見の明」の記事で少し触れたが、まさか野性爆弾が売れる日が来るなんて、思いもしなかった。

たまたま当時ハマっていた次長課長が出演していた野爆うめだ@Fandangoの動画を観て、その芸風に衝撃を受けつつ、なんとも言いがたい魅力を感じた。

特にロケは、くぅちゃん(私の中ではくっきーというよりもくぅちゃん呼び歴の方が長いので、しっくりくる)が素人相手にとんでもないボケを連発し、ロッシーはそれに突っ込むでもなく、たまにくぅちゃんよりも爆弾発言をしたりと、まさに野爆の真骨頂。

調べたら色々なロケ映像が出てくると思うので、ぜひ見て欲しい。

のちに次長課長井上さんと出演していたTV番組の中で、井上さんはくぅちゃんのことについて、こう語っていた。

「誰よりも常識人だからこそ、そこ(常識)から外す術が上手い」

なるほど。言い得て妙だ。

他の芸人さんの話だと、裏では礼儀正しく、めっちゃ良い人らしい。

あんなハチャメチャにできるのは、逆に常識を知らないとできない。外してギリギリ面白いラインを常に攻めている。

野性爆弾というと、くぅちゃんのイメージが強いと思うが、ロッシーもなかなかのキャラである。

水曜日のダウンタウンでかなり良い人キャラな面と天然な感じはなんとなく知られたようにも思うが、ロッシーの天然ぶりは、あんなものではない。

実際にお子さまが誕生してからは名前を聞かなくなったが、「ほうほう」の存在は衝撃的だった(気になる人は調べてみて)。かなり昔のマンスリーよしもとで天然の芸人さんの特集が組まれたことがあり、その表紙がロッシーだったほど、エピソードも豊富だし、実はくぅちゃんよりもヤバい人なのである。

そんな野性爆弾に激はまりしていたのが、野爆が上京してきた時に月1でルミネでやっていたライブに毎月行っていた時。

「タタミ夫さんとハラワタ苦子ちゃん」

「日本横断じゅうたん太郎」

タイトルからして野爆ワールド全開だが、内容も野爆ワールド全開。

もうハチャメチャすぎて、ほぼ内容を思い出せないが、くぅちゃんの白塗りモノマネのきっかけになった、美川さんの映像を見れたり、ルミネの3分の1くらいしかいなかったお客さんとあの時間を共有できたことは、今考えるとすごく貴重で幸せなことだった。

メンバーは野爆に加え、売れる前のピース、解散してしまったカナリア、Bコース、よくセットでTVに出ていたガリットチュウ福島さん+熊谷さんという、不思議な組み合わせだが、とんでもない笑いの数々を生み出していた。

謎のドラマと大喜利がメインといえばメインだが、個人的には、開演前に会場内に流れていた音楽からすでに心を掴まれていた。

しばらくの間、「し~じみ、し~じみ、し~じみとネギのお~みそ汁~♪」「魚のハラワタ、魚のハラワタ、魚のハラワタ、よう食わ~ん♪」とかのフレーズがずーっと頭の中をループしていた。

知ってる人は、上記のフレーズがメロディ付きで再生されるだろう。(知らない人はなんのこっちゃだと思うが)

そんなライブもいつしか終わりを迎え、というか、どう終わったのかも覚えていないが、このメンバーでのライブは、場所と様式を変えて、肉糞歌劇団という名で神保町で時々お芝居?をするライブに変わった。

その頃には私も社会人になり、転勤したりしていたので、なかなか生でお目にかかる機会も減ってしまっていた。

そんな中。

気がつけば白塗りモノマネで注目され、あれよあれよという間に世間に知られるようになっていった。

嬉しい気持ちと、ちょっと寂しい気持ち。

私が面白い、好きだと言っている芸人さんはだいたい売れる(「先見の明」の記事参照)ので、時々友人から、次くるのは誰?とかも聞かれるが、野爆に関しては、正直ファンを名乗って良いものか、色々な意味で迷い、人によって言ったり言わなかったりがあった。

でも。

ようやく好きな芸人さん=野性爆弾と胸をはって言える時代がきた。

他の芸人さんがよく、野爆のことを「ようやく時代が追いついた」と言っているが、正直、ちょっと野爆が頑張って世間に寄せてる感じも0ではない。

もちろん、やっていることは昔と変わらないが、全て出しきれているかというと、そうではないと思う。

というか、一般の人の目に触れる中で、野性爆弾の全てを出しきるのは不可能だろう。野爆の魅力はこんなものではない。

ちょっとでも野性爆弾に興味を持った人がいたのなら、ぜひ深掘りしてほしい。

面白い!

という人と

やばい!無理!

という人と、両極端になると思う。

真のお笑い好きの人ならば、きっと好きになる。EXITきっかけでお笑い好きになった、みたいな人にはちょっと厳しいかもしれない。

が、2人の人柄とか本当の魅力を正しく知れば、きっと好きになれる。

…はず。

最近、全然生で観ておらず、野爆の話を書いていたら、めちゃめちゃ観たくなってきてしまった。

とりあえず、野爆DVDinDVDでも観るか。

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