Chants of Sennaar 備忘録①(※ネタバレ有)

こんばんは。

今年のゲーム初めはこちら、「Chants of Sennar」でした。

様々な人と言葉を交わし、文脈から単語を類推。それらを埋めて塔の秘密に迫っていく謎解きゲームです。

正直言ってプレイ直後じゃ書ききれないほどの名作でした。
でも感動しまくったので、熱いうちに出来るだけ打っておこうと思います。

良かったところ

1.魅力的な世界観

このゲームの一番の良さを伝えるならば「圧倒的な世界観の作りこみ」だと思います。
未知の空間をひたすら突き進むこのゲーム、「その謎を解き明かしたい!」と強く心に訴えかけるのは神秘的な空間設計でした。

各階層における民独自の文化・世界観は、それぞれが持つ「そこにしかない謎」であり、他階層との「分離」でもあります。
このゲームは終盤までそれぞれの階層が断絶しているわけですが、それによるゲームシステムに絡めたステージごとの「新鮮な謎解き」は非常に素敵でした。
ある程度のマップの探索も必要なわけですが、描かれている世界・思想が好きすぎて「この世界に行きたいなあ」と思うほどでした。個人的には兵士エリアの鐘の場所が好きです。

2.つながる点と点

このゲームのテーマは「言語解読」です。
各ステージで登場する言語を、「人との会話」から、「近くにあるもの」から、時には「過去に学んだ言語」から類推していきます。
他にもnoteを書いている方がよく言及される「単語の構造」なども役に立つので、色々手数で勝負できます。
違う場所・時間軸での点と点がつながるときの快感は、「これ以上ない最高のひらめき」でしょう。

3.丁寧なUI

遊んでいてストレスを感じにくい設計だったと思います。
通れる場所にカーソルを合わせると「扉」に変化し、アイテムが使用できる際は「歯車」に。
ゲームシステム上日本語を使えないのでその分シンプルで分かりやすいUIになっていたなと。情報量が多い謎解きゲームにおいて非常に楽しめる設計だったと思います。
(過去回想で早送りが出来たらちょっと嬉しかったかも)

4.退廃からの脱却

個人的に一番好きなポイントです。
最後のシーンは覚えていますでしょうか?

主人公が門に戻ってきたら両端からロボットが現れ気絶、何事もなく目が覚めたと思ったらBAD END。
その後始まりの地で目を覚まし、召使と共にモンスターを倒して機械を停止させると、まさかの「機械から目を覚ます自分」に戻るという流れ。

おそらくロボットに電撃を浴びせられた後、悪夢の映像を見続けさせられたのでしょう。しかし、モンスターを倒すことにより自力で目を覚ますことが出来たという。

これらを考察としてまとめるカギになるのは「モンスターの存在意義」です。

各層の民の言葉を通訳した後各地を回ることで、それぞれの民が協力して何かを成している姿が見受けられます。
その1シーンに「錬金術師の研究室」です。
捉えられたモンスターを研究しているシーンなのですが、画面左下を見るとそこには「モンスター→人」の図が描かれていました。

ここから分かるのは「モンスターは元々人であったこと」です。
であれば「孤独の民が他を断絶するために人をモンスターに作り替え、寄せ付けないようにした」のではないでしょうか?
事実、調和を果たす主人公に対して怒りの表情で色々邪魔をしてきたこともありますしね。
(ただその場合吟遊民と錬金術師の間にモンスターが蔓延っていることが不一致な気もするのでプレイしなおして再考察します。)

そうであるとするならば、主人公のモンスターの打倒は「孤独な民の退廃的な思想からの脱却」となるわけです。
閉ざされた安全な世界は安心できますが、現状維持は退廃をもたらします。それによっておこる塔の崩壊に恐れをなした人が、主人公に託したわけですね。
プレイ時は結構パニックでしたが、振り返って凄い素敵だなと思いました。


こんなところですかね。
あと一点好きな点があるのですが、それは各言語の解読をじっくり終えたタイミングでまとめようかなと思います。

長くなりましたがこれにて備忘録①は終了です。再度プレイしたらまた書こうと思います。
改めて、このような素敵なゲームに出会えてよかったです。
作ってくれた作者様と、積みゲー多き僕に「やっとけ」と背中を押してくれた友人に感謝を。

個人製作でこういう作品を作りたいなという気持ちになったので、notionにメモだけ残して寝ようと思います。

それではまた。

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