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【第一夜】海と山の往復書簡 2022.08.10

日常に余白が生まれたら、歩くことと読むことを、何よりもこころの糧としてしまう。

そんな腰の重い僕に、場所を飛び越えさせるもの。

それは「ひと」でした。

"青" をこよなく愛し、"言葉" に自らを委ねるそのひとを、話す前から僕はどことなく近くに感じていて、話してみると、やはり近くに感じたのでした。

自分の脳内に溢れる混沌をそのまま垂れ流しにできる相手は、そう多くないのです。

そんなあなたと、こうして言葉を交わせることは、無上の喜びです。

相手を見ていながらも、自分を見つめている。会話の速度では叶わない深さから掘り出される言葉が、矛盾した営みを同時に成り立たせる。

手紙とは、そんな稀有な空間だと思います。

さて、秩父に移住して間もない僕が、福井に辿り着いたのは、およそ1ヶ月前のことでした。もう1ヶ月です。早いものですね。

ぼくが直面したのは、ありったけの「海」でした。

自然はいつだって、ちっぽけな僕たちを抱擁します。

人間の醜い日常を覆い隠し、全ての根源に立ち還らせるもの。その手触りは、海と山とでまったく異なり、とても興味深かったのです。

そこで、この書簡を「海と山の往復書簡」と呼ぶことにしてみました。

……少し言葉を急いでしまったかもしれません。

まだ第一夜です。慌てずにいくことにしましょう。

”青”が好きなあなたの眼には、”海”はどのように映っているのでしょう。気になるところです。

そのお話も、おいおい聞かせてください。

2022.08.10

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