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ポートレート写真の各種権利とモデルリリースによる権利トラブル防止

 ポートレート写真が最近出会い系サイトに無断で使われる事例が非常に増えています。また、合成画像の顔に使用されたりして公開される事例も最近出始めています。それらを無くしていくためにも、写真の各種権利をお勉強しておきましょう。

①モデルさんが持つ権利

 ポートレートのモデルさんが持つ権利には、「肖像権」があります。これは別名、人格権やパブリシティ権とも言われます。パブリシティ権という部分では、無断でに自身を撮影されない、無断で描写されない、無断で公開されない権利を有し、財産権の側面を持ちます。ただ、人気のモデルともなると、公人と同等扱いとなり、撮影される事に肖像権の侵害と言えない場合もあるので、そこは知っておこう。

②カメラマンさんが持つ権利

 カメラマンさんが持つ最大の権利は、著作権です。これは、写真を撮影した瞬間から発生します。ポートレート写真で言えば、大きく6つの権利がカメラマンさんにあります、1つ目が無許可で印刷や複製をされない複製権、具体的には、無許可で印刷物等に使われた時に、この権利を主張して侵害であると言う事ができ、出版差し止め等が出来ます。2つ目と3つ目は、撮った写真を無許可でテレビやインターネットに流されない公衆送信権・伝達権、出会い系サイトの写真の無断使用が問題になっていますが、カメラマンさんは、この権利等を主張して、モデルさんの肖像権侵害と併せて、侵害であることをサイト管理者に通知し、管理者に削除依頼をする事ができます。4つ目は、公になってない写真を大衆に対して展示する展示権、簡単に言えば個展を開く権利ですね。5つ目は、写真を無断で再編集や改変されない同一性保持権、最近多い合成写真の無断公開がありますが、この時にこの権利を主張できる場合があります。6つ目は、二次的著作物の元となる写真を撮影した原著作物の著作者に与えられる二次的著作物の著作者の同等の権利等が与えれます。具体的に説明します。例えば、あなたが撮影した写真を元にあなた以外の誰かがアニメ風のポスターを作ったとしましょう。アニメ風にして発表した著作者が持つ著作権と同等の著作権という権利をあなたも持ちます。

③モデルリリースにおける権利トラブルの防止

肖像権利用許可書(肖像権使用同意書)・著作権利用許可書(著作権使用同意書)

 肖像権や著作権を侵害されないために、またカメラマンさんやビジネス相手とトラブルにならないために、お仕事現場では、書面によるモデルリリース契約書(肖像権の利用許可書)や著作権利用許可書等が必須になります。それをお互いが書面で確認しておくことで、安心して撮影に臨めます。写真の物は、作者がモデルさんとカメラマンさん同士の個人間で撮影する時に使えそうな書面を簡単に作成したものですが、このように書面にしておくことでトラブルを防止できます。各種権利が誰に帰属しているのか、モデルさんとカメラマンさんがお互いに守る必要がある事は何か?そして、トラブルが起きた時、どういう契約だったかが確認でき、スムーズにトラブルに対処できます。口約束ではいけません。


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