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半年記念

一人暮らしを始めてあと数日で半年が経とうとしているいま、毎夜起こる不思議な現象を書き残しておこうとnoteをひらいてみました。


わたしの入眠儀式(かっこよく言うとナイトルーティーン)は電気を全て消して適当なasmrを流す。

よくわからない海外のコスメをかき混ぜたり潰したりする音や、ただの焚き火の音。特に雨の音なんてとても最高。
そんな音たちのおかげで毎日心地よく眠れているものです。
思考がふわふわとしはじめたあたり、枕元で再生するその音とは違う方向から
「バキッ」という割れるような、ときには「パンッ」と破裂するような大きな音が眠りの世界への道を妨げてくるのです。いつもびっくりして身体が引き戻される。


それがもし何かの怪奇的な現象だった場合、知らないでいることの方が良かったりするし(この家は気に入っているし)特に気に留めることなく過ごすことにしていたのですが、ちょうど半年という記念に、思い切って正体を暴いてやろうと決めたのです。たとえそれが、現世に未練がある魂であったとしても、この家の名義はわたしなのでね。


しかし、色々調べた結果、どうやら正体は「家鳴り(やなり)」というものなんだそうで、怪異やポルターガイストなどの怪奇現象ではなく(オカルト的にはそういった言われ方もあるようですが)木造住宅の場合、建材につかわれる木材が大気中の水分を吸ったり放出することで室内の調湿を行うと同時に、木そのものも伸びたり縮んだりを繰り返し、わずかなひび割れやねじれをおこすときに鳴るのだそう。
新築の家に多いらしい。なるほど。


とにかく現世に未練がある魂と同居している可能性は低そうでよかったです。

とは言ってみるものの、実際に自分の目で見ないと信じることができなくて、子供の頃に流行っていたトイレの花子さんだって当時はわたしも御多分に洩れず怖がっていたものだけど、でも大人になった今でも花子さんにはまだ遭遇していないし結局は自分に見えないものは自分にとって必要のないものなのかもしれないなあとも思ったりし始めているのです。

でも、いつか、もし、出逢ってしまったときにはあまり動じずにいたいなあとずっと思っている。聞いてみたいこともいくつかあるのでおおらかに構えていたいと常日頃から思っています。きっと口は固いだろうから思い切って誰にも言えないような悩み事を相談するのもいいかもしれない。


音は目に見えないものですので、実際のところは木造の軋みなのかオカルティックなものなのかは定かではないけど、どちらにしてもこの家は気に入っているのでしばらく一緒に住ませてもらいます。これからもよろしくね。

今日もそろそろ鳴る頃でしょう。

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