はじめての査読

「Invitation to Review」とメールが届いた. ハゲタカジャーナル系からはわんさか来るが, 今まで応じたことはない. 

今回は自分が投稿中のジャーナルからの査読依頼だった. 実は今そのジャーナルに1本投稿中でむしろ自分の査読を待っている段階だった. 「自分の査読は終わっていないのに他人の査読をやってよ」という流れ…
面白そうなのでついつい中を覗いてしまった. 

テーマは自分が得意とする分野だった.
この関連は何本かpublishされているが, このジャーナルではない.
メジャーな題材ではないので依頼してくる辺り, 誰かが裏で指名したんじゃないかと思う.

というわけで査読なるものをはじめることとした.

査読の経験はないのでこんなこともあろうかと買っておいた本を引っ張り出す.

医学論文査読のお作法


科学を育む 査読の技法〜+リアルな例文765


基本的には研究デザインについてコメントを残した. 
あまり重箱の隅を突くようなことはしたくないが, 査読者側になると細かいところがよく目に付く!
作業時間はざっと約1日である. 
もちろん英語で書いたので, 念の為英文校正にお願いする.
査読を引き受けるとこういう出費があるのだと気づく. 
1回あたり約1日と約1万円…今まで敵だと思ってた査読者の先生たち…ごめんなさい…
というわけで査読依頼から約1週間でeditorに戻す. 

論文は一人の天才が書いたとしても無数の穴が出てくるので, それをいろんな人たちの目で埋めていく作業が必要なんだなと. その最後の砦が査読者で, 自分が通してしまうと…という恐ろしさの感情がちょっと怖かった.
査読者も人間なんだなと改めて思う.

なお, この記事は査読からかなり時間を置いて掲載した.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?