見出し画像

三四郎のオールナイトニッポンの嫌なところ(2020/03/27, テレビ東京三宅氏へのイジり)

面白い番組なんだけどね(言い訳)(毎週聴いてる)

 以前人から「三四郎のオールナイトニッポン(当時ゼロ)についてどう思うか」というようなことを聞かれたときに、「水準に達していないところがある」と偉そうに言ったことがありました。茶飲み話の中だったんで許してください。
 僕、お笑いわりかし好きな人間なんですけど、自分がお笑い的な何かを『面白くない』と思ったとして、それを直接「面白くない」って発言することを意識して避けてるんですよ。いつからか。自分がそれを矢だと思っていなくても、矢にして自分で刺してしまうこととかあるし、あと単純に「お笑いに厳しいお笑いファン」って気持ち悪いじゃないですか。逆に言うときは自分の中で何か固まっているときに言っております。

 そういう茶飲み話を数年前にして、つい先日の放送回が、僕が常々三四郎のオールナイトニッポンを聴いているときに『はーやだやだ』と思うところが結集されていたので、ちょっとメモしとこうかなと思ったのでした。僕が嫌だってだけの話ですので。前置きをしました。

 大体面白いんですよ、この放送。僕が15歳だったら毎週夢中で聴いていたような気がする。だから毎週大体聴くのは聴くんですけど、拒否反応起こすポイントはずっと変わってないのよな。

03/27の放送:テレビ東京三宅氏に対するイジり

(上記38:50-)

 2020/03/27放送に、二人が仕事上付き合いのあるテレビ東京三宅氏(画像)について「B'zの稲葉そっくり」「熱い人」「自分が演出担当なのに番組収録中ずっと泣いてた」「青春高校(番組名)の最終回に放送時間30分(恐らく通常の収録時間が40分)に対して210分カメラを回した(略して『5倍強回した』と複数回表現)」等話していわゆるイジリをしておりました。

(3/27の放送中のイジリ一例)
・三宅さんがターミナル(映画)の主人公なら5倍強空港にいるだろうし、ずっと泣いてるだろうね
・どうぶつの森で借金返済したら泣くし、借金も5倍返す
・YouTubeのいいねボタンを5回押して、一時的に解除になった時は泣く
・家でシコるとき、いつもの5倍着こんで、50分かけてシコって泣く

 そうしたイジリが番組中盤から終了まで広げられて、この週の柱のうちの一本になっておりました。面白かったです。

04/03の放送:放送を受けた三宅氏からのメール

41:05 三宅氏からメール①

メール:先週(03/27)の放送でイジっていただきありがとうございます。しかし、もやもやとしていたところがあります。オールナイト放送翌々日に放送された『ガキの使いやあらへんで 三四郎小宮24時間インタビュー』内で、小宮さんが『無能なスタッフほど多くカメラを回す』と話しておられた点についてです。先日の「青春高校」で長くカメラを回したのは撮影できるところが多くあったからで、意味があったと考えております(大意)
(メールを受けて大体のやりとり)
小宮
:なげーな。
相田:打ちながら泣いてんじゃねーか。
小宮:なんでこんなDMで送ってくんの。そもそも相田はLINE知ってるでしょ。
相田:いつも番組で(三宅氏の)名前出したら放送後にLINE来るのに、先週は来なかった。イジられたから怒ってんのかな。傷ついたのかな。番組を超えて、ガキの使いで『無能なスタッフほど長回しする』って言ったから、「俺のことだ」ってなったんじゃないかな。
小宮:ツイッターとかで放送後エゴサーチして、『小宮のガキ使の発言、あれ三宅のことじゃね』みたいなつぶやきを見つけて「うわぁぁぁ!ダメだ!」ってなって。
相田:メンタル弱いな!アッハッハッハ!
小宮:いや、ガキ使のことは三宅さんのことじゃないから。青春高校は2年間の集大成の収録で感動的だったし、三宅さんが5倍長く撮ったのを悪いと思ってないから。ガキの使いは青春高校の前の収録だったし。
相田:ガチフォローやめろよ。アッハッハ!これ聴いてまた傷ついてるよ。熱い奴ってナイーブよね。くじかれたとき、自分のせいになっちゃう。『俺のことだ』って。俺は結構会うから、今度会うとき気まずいよ。
小宮:ちょっとナイーブすぎない?なんでこっちがこんな考えないといけないんだよ。ジョークジョーク!おもしろおもしろ!
(CM明け)
メール:(三宅さんのメールを受けて)三四郎オールナイト初期に、テレビ東京双津氏より似たような抗議メールがきたけど、(ゴッドタンは)こういうスタッフばっかなんですか(大意)
相田:まあそうか、俺らが悪いか。ナイーブ連中だから。
小宮:俺ら悪くないよ。いやいや、「ジョークとかも言いません」とかなっちゃうから。
相田:メールを送らせないといけないようになった俺らが悪かったよ。ハッハッハ。

 三宅氏からのメールに、三四郎の二人が、三宅氏が本気で傷ついたっぽいニュアンスを感じたため、フォローの発言をするなど。個人的に、僕も三宅氏の焦りや傷つきをメールの中で感じました。

1:19:26 三宅氏からメール②

メール:ガキの使いの件、自分のことではないということを聴けて安心しました。裏方なのでイジられることに慣れておらず、過剰反応してしまいました。(メール一部、大意)
小宮:かわいいなおい!ハイハイわかったごめんな!一緒に風俗行くか!
相田:もうなんも言えねえよこんなの来たら!

 三宅氏から当日中のイジりを受けて返信のメール。番組のノリであることが理解できて安心した内容と、理解できなかったことへの反省の内容が書かれてあります。

1:42:05 三宅氏からメール③

 (番組ノリに馴染んだ内容なので省略)

強者から弱者へのイジりだった?

 冒頭、この番組について数年前に「足りないところがある」とか茶飲み話でぶっこいたこと、自分で発言しといて、その当時『あんまり言うべきでは無かったな』とあとで思って、嫌な覚え方してたんですよ。
 何に「足りないところがある」と思ったのかというと、特にコンビのブレーンである小宮氏のほうのお笑い感覚が、バラエティやお笑いを『こういうものでしょ』とメタ的に語ることを隠さない、ところだったんですよ。
 僕は「それをするには早いのではないか」「『早いのではないか』と思えない感覚に、足りなさがある」と番組を聴いていて思ったのでした。ちなみに僕、三四郎のお二人と同い年なんですけど。

 ご存じの通り、三四郎はゴッドタンの「この芸人知ってんのか」でフックアップされて、ブレイクに至ったんですけど、実際にブレイクに至った理由って、趣味色の強いお笑いではなく、商品としてのお笑いへ理解度と傾倒が強く、適性があったからだったと思うわけです。小宮氏は特にその意識が強くて、現在は同時間帯のオールナイトの先輩であるオードリーから「天才」というイジられ方をしてるくらい、お笑いに向いている方なのだと思います。
 小宮氏自身が育てて掴んだその感覚がリアルなんだろうし、実際に評価されることが多く、適性があるために、それを容易に言語化して番組中にも話したりする。僕は三四郎小宮氏がお笑いの原則を語るのって、『まだ早いのでは』と思ってました。その原則は、決して唯一の正解ではないと思っているのが一つあるし、それを語ることは面白さを損なったり、語るのだとしてもキャリアとデリケートなタイミングが必要になるからです。が、小宮氏にとって、実際に仕事をやれている(恐らく)ことが、発言を止め発想を生まないんだろうなあと思いました。

 その結果が、三宅氏とのコミュニケーション不足からくる、イジりと悪口の線引きができなかった、上記2週のやりとりだと思うんです。
 いや、別にね、番組中で大問題になってたとか、ネットで荒れたとかそういうことじゃないんですけどもね。僕が常々感じてた番組と三四郎に対する足りなさが、僕にとって嫌な形で顕在化した、というだけの話です。

 小宮氏にとって「お笑いの理解度について説く」ということは、他の多くの人に対して容易にリードをとれる行為ですし、番組に人気があることで、この感覚を加速させているように思います。
 これが、「他人をイジる笑いがありかなしか」みたいな、もうあんまり話す気も起きない議論についての、現場からのすごく雑なアンサーになってしまってるのが、僕にとって『嫌』なんすよね。つまり「必要だからやるよ」っていう小宮氏の絶え間ない(恐らくは無自覚の)表明なんですわ。

 今回の場合、三宅氏と三四郎の間で「この人はこのくらいのイジりに耐えられるだろう」というコミュニケーションが取れていない状態で、現場におけるお笑いエリートたる三四郎が、現場におけるお笑いアマチュアたる三宅氏に対してイジりを行い、①のメールを受けて耐えられなかったのを見て「アマチュアだからそりゃそうか!できると思って見込んだけど!」と実質言い放ち、②のメールを受けて『お笑いをやれなかったことを反省させる』という形で実質屈服させたわけです。

 これ、嫌じゃないですか。すげえ嫌な完結じゃないですか。僕はこの点に関して「三宅勘鈍いなガハハ!」って無邪気になれないんですよ。僕は、タレントが、対象の一般人が楽しめない状態でイジることって、結構な手落ちだと思うんですよ。

 三四郎のオールナイトは、大小あれど、これがちょくちょく出てくるんです。小宮氏はもちろんそうなんですけど、相田氏も結構あんのよなー。反論できない、ショウビズの場じゃないところで起こった何かに対して、『とにかく対象に強く当たる』ってことで話のくびれを作ろうとすること。それが確かに面白さを作ってる側面もあるんだけど、言いっぱなしだとしたら酷い、っていう領域に踏み込んでるところも多い。

 ここから先の段落で、お笑いにおけるイジり云々の是非についてダラダラ書きたい気持ちになっているんですけど、さすがに長すぎるので今回これで終わっておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?