新曲"WORSHIP"と信仰について語ります。

regulusです。

本日、自身7枚目のアルバム"Absolute Zero"より、新曲"WORSHIP"を投稿いたしました。
今回はこの曲についてお話をさせていただきたいと思うのですが、まず内容に触れる前に、僕がYouTubeのコメント欄に書いた発言をお読みください。

I'm non-religious and don't believe in any particular god.
私は無宗教で、特定の神を信じてはいません。

However, I do understand very well that each of us, as human beings, can run out of space mentally or seek help from someone else.
しかし、人間である私たち一人一人が精神的に限界に達したり、誰かに助けを求めたりすることがあることはよく理解しています。

It's fine if the situation is one where we can talk to someone about it, but if that doesn't happen either, we eventually create such a presence within ourselves.
誰かに相談できるような状況なら良いですが、それも叶わない場合は、結局は自分の中にそのような存在を作ってしまうのです。

There is a God in each of us, even if it doesn't have a unique name attached to it.
例えそれに固有の名前がついていなくても、それぞれ私たちの中に神が存在するのです。

Fortunately, so far I haven't faced any problems with COVID-19, but I understand that there are people all over the world who are in a different situation.
幸いなことに、今のところ新型コロナウイルス感染症によって私は何かしらの問題に直面してはいませんが、世界中には違う状況に置かれている人たちがいることを理解しています。

This song is from my next album "Absolute Zero," and it follows its story. But at the same time, I tried to make this song that would be supportive of people in the real world.
この曲は次のアルバム『Absolute Zero』に収録される曲で、その物語を踏襲しています。しかし同時に、現実の世界にいる人たちを支えられるような曲にもしようと考えました。

Worship the God you believe in.
自分にとっての神を崇拝すること。

Pray for someone who is important to you to be saved.
自分にとって大切な人が救われるように祈ること。

Even the God that doesn't exist in this world will show up inside of us if it's to make room for our heart that's on the verge of breaking down.
この世には存在しない神でも、心が壊れそうになっている私たちの心の居場所を作るためなら、私たちの中に現れてくれるはずです。

I think it depends on the person and what that "God" is.
その「神」が何なのかは人によって違うと思います。

This is not a song to tell you that it's going to be okay.
この曲は、大丈夫だよと言うための歌ではありません。

It's not even meant to comfort people who are facing an unbearable reality.
耐え難い現実に直面している人を慰めるためのものでもありません。

Just remember that if you are feeling yourself being torn down, there is a place for your heart.
ただ、自分自身がボロボロになっていると感じている人には、心の拠り所があるということを忘れないでください。

This song is available for free download in MP3 format.
この曲はMP3で無料でダウンロードできます。

I hope we will soon be able to live a peaceful life again.
一日も早く、また平穏な生活が送れるようになることを願っています。

以上がYouTubeに載せたコメントとその訳になります。

コメントにも書いたように、僕は無宗教ですし特定の神も信じていません。

強いて言えばお葬式などで仏教の様式を目にする程度で、結局それも形式的にそれに倣っているだけで、自分にとってどこか遠くのものだと感じざるを得ません。

亡くなった祖父の仏壇に手を合わせる時も、やはり宗教的ではなく、祖父の写真と自分の中に在る祖父との思い出に手を合わせているのです。

世界には多くの宗教があり信者も同様に多いですが、逆に僕と同じような日本人の方も多いのかなという印象はあります。

しかし、ここ何年か以下のようなアーティストの音楽をよく聴くようになりました。

Leeland, Lincoln Brewster, UPPERROOMなどなど…

元々、本当にただ純粋に音楽として好みで聴いているだけでした。もちろん今でも動機の大部分はそうですが。

しかし、特にライブ映像を見ていると、観客が祈りを捧げるように音楽に陶酔する姿や、観客に音楽を届けているアーティストの姿、それから画面に出てくる歌詞、そういった全てがただ音楽として良いというだけでなく、それとは別の何かとして心に訴えかけてくる気がしました。

キリスト教の音楽なので、頻繁にJesusやChristと名前が出ますが、僕にとってそれ自体は意味のあるものではありません。"There is power in the name of Jesus"などと言われても、正直それはピンと来ません。

厳密に言えば「神(GOD)」という言葉自体、僕も便宜的に使っているだけで、正確に言い表せている言葉ではないと思います。僕が言いたいのは、「他に手段が無くなった時、最終的に自分を救う形のない唯一の存在」のことで、いわゆる他力本願とか神頼みとかとも違います。

本当にどうにもならなくなった時、絶望して諦めるしかないのか?と言ったら、そうではないという意味です。

僕は今まで、ずっとずっと、「心」というものについて考えてきました。作曲を始めた最初期は、中学・高校生くらいの子供だったので青春真っ盛りな曲を作っていましたが(苦笑)、大学に入ったくらいの時期からは、「生きることと死ぬこと」とか「人間が人間足り得ること」とかそういうことばかりに思考を巡らせるようになりました。

前回の"Borderline"の記事でも書いたように、アルバム"Absolute Zero"で考えている「罪」というものも結局のところ「心」のことなんだと思います。そういう意味では、神に懺悔して罪を赦してもらうという気持ちは理解できる部分があります。

そして、"Absolute Zero"の着想自体は6枚目のアルバム"Wisteria"を作った後くらいから考えていたので昨年からなのですが、そういった中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が起こりました。

幸いなことに、現在のところ自分を含め身近な人に問題は起きていません。しかし、ニュースやSNSで入ってくる情報、世界各国の映像、自身の生活においての様々な変化、色々なものを見てそれでも何もせず傍観するのは何か違うなと感じました。

世の中には、医療従事者として直接的に人を助けてくださる方もいらっしゃいますし、寄付などによって間接的に(あるいはこれも直接的なのかもしれませんが)人を助けてくださる方もいらっしゃいます。

自分は自分のやり方で、そう考えたらやはりクリエイターなので、作品を作ることで助けになることをしたいと思い、今回の"WORSHIP"を作りました。ただ結局、僕は世の中のほぼ全ての人々にとって他人じゃないですか。この文章を読んでくださっている方にとっても他人です(知り合いでなければ)。

大丈夫だよ、元気出していこう!みたいな曲、それはそれで良いんですが、僕がそれを書いたところで「いやお前誰やねん」ってなるかなって思うんです。道端で凹んでいたとして、知らないおじさんに大丈夫だよとか言われても「ありがとうございます(…いや誰やねん)」ってなると思うんですよね。

だから先述の通り、この曲は大丈夫だと言う曲でもなければ、慰めるための曲でもありません。

ただ伝えたいのは、もうどうにもならないと感じた時でも、心が壊れそうに、ボロボロになった時でも、その心に拠り所はあるのだということ。

そういう意味で、自分にとっての神に救いを求めるということは、無宗教の僕でも同様に理解できることだし、皆さんに伝えられることだと思います。「お前誰やねん」な僕に大丈夫だとか言われるのではなくて、個々人で、拠り所を見出してもらえたらいいかなと、そう思います。

以下に"WORSHIP"の歌詞を載せます。

歌詞 ※繰り返し部分は省略

独りきりで抱えている
胸の痛みがずっとまだ
消えやしない消せもしない
私を縛る鎖

I worship you every day
You're breaking every chain
君を取り戻せやしないけど
I worship you every time
You're saving every heart
光の射す方へと手を伸ばして

MY GOD, MY GOD
MY GOD, MY GOD

耐えられないほどの痛み
心を壊すゆっくりと
救われると願う祈り
声が聞こえるきっと

2020.06.02 regulus

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