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【ARG】あなたがいたから、起こった奇跡『BlueFairyChallenge』

こんにちは、リー猫と申します。

突然ですが、「シミュレーション仮説」という言葉をご存知ですか?
私たちのいるこの世界は、高度に発達したコンピューターによって作られた仮想世界で、世の中で起きるすべての出来事は計算上のシミュレーションである、という仮説です。

哲学者のニック・ボストロム氏が提唱したこの仮説。現状、それを証明することも否定することもできないため「議論するだけムダ」と言われてしまう事もあるのですが、本当にシミュレーションだとしたら、誰が何のために行っているのか、終わり(ゴール)はあるのか、作られているのは地球だけなのか宇宙全体なのかなど、想像するだけでワクワクしてしまいます。

2023年2月、このシミュレーション仮説を切り口としたARG『BlueFairyChallenge(以下、BFC)』が展開されました。

BFCは、大別するとARGの開催目的としては最も事例の多い「プロモーション」にあたります。
後に発売されるあるゲームの世界観を元に、物語の「前日譚」が描かれました。
そして、ギミックやシナリオ、企画自体の立ち位置など、すべてにおいて極めて秀逸と言えるほどに素晴らしい出来でした。
本記事では、BFCにて展開された一連の流れを時系列に沿って解説していくとともに、プロモーションの対象となるゲームへの繋がりなどにも触れていきたいと思います。

少々長くなりますので、お時間のある時にでもお読みいただければ幸いです。
各項目には簡易的なまとめを設けていますので、そこだけ見ていただいても一通り把握できるかと思います。

※本記事は、自身のツイートやスクリーンショットのほか、えぴくす様(@epi_x)のツイートまとめ及び参加者の方々のツイートを元に制作いたしました。
この場を借りて御礼申し上げます。


1.イントロダクション

……お願い……助けて……。
このままだと世界が、壊れてしまう。
この世界が滅びてしまう。

タイムリミットが、近づいている。
みんなを守らないと。

でも……どうやって?
わたしの使命をまっとうしないと。

でもーー
わたしの使命って、なに?

わたしは、欠けている。
失くしてしまっている。
この世界に、無茶な方法でコネクトしたから。

……だけど……。
この世界はどこ?
コネクトって、どういうこと?

そもそもわたしは何者……?
わからない。
なにも、わからない。

動画の少女が発したメッセージ

2023年2月20日、「BlueFairyChallenge」を名乗るアカウントがTwitter(現X)上に出現。「世界崩壊」を訴える異常信号の観測実験を開始すると宣言しました。
添付された動画には、世界の崩壊を危惧する謎の少女が映っており、一部記憶をなくしている様子でした。
リンク先のYouTubeでは、BFCのチャンネルにてノイズにまみれた映像がエンドレスでライブ配信されています(現在は終了しています)。
続いて、BFCの特設サイトも明らかとなります。

「BlueFairyChallenge」は当機関が受信している異常信号(ANOMALY-414151)を解析した結果、認識および接触した不明存在「E」に関する観測実験です。なお、機関内部では、「E」を人工知能と見なす説が有力視されています。
2023年2月28日に世界が崩壊するという「E」の警告と要求により、現在当機関は、信号をリアルタイムに可視可聴のできるものへと変換し、放送しています。
なお、情報の可視化・可聴化への協力者には感謝と敬意を示します。

サイトに記載されていた観測実験の説明文(現在は削除)

観測実験を行う機関のものとみられるサイトには、世界が崩壊するとされる日時を示すカウントダウン、受信した信号を可視可聴化したとされる映像(YouTubeライブ)などが設置されていました。

※現在はいずれも撤去されています

さらに、サイトのソースコードを覗くと「E」が追記したと思われる文言がコメントアウトで記載されていました。

ソースコードに記載されたメッセージ

また、サイト下部には赤と青の二つのカプセルが提示され、「E」からのメッセージが記載されていました。

―― 差し迫る世界崩壊へのカウントダウン
―― 失われた六つの真実

真実から目を背け、
いつもの日常に戻りたいのならブルーピルを。

真実に手を伸ばし、
ほんとうの世界を知る覚悟があるのなら――。

レッドピルを選んで。

E

サイトに記載されていた「E」のメッセージ(現在は削除)
レッドピルかブルーピルを選択するよう迫られる

いずれかのカプセルをクリック(タップ)すると、ブルーピルの場合は「Yahoo!きっず」へ遷移(※)、レッドピルの場合は実験への参加表明ツイート(下記参照)が自動生成される仕組みになっていました。
※ブルーピルの遷移先は日毎に変化します(詳細は後述)

当初、参加表明のツイートにはBFC公式から参加を承認する動画付きのリプライ(下記参照)が送られていました。
ところが、同内容のツイートを連続して投稿したことにより、公式アカウントがシャドウバン(おそらくサーチバン)の対象となってしまったとみられ、ハッシュタグでの検索やリプライが非表示になるなどの制限をかけられてしまいます。
これが無ければもっと参加人数が増えていた可能性もあり、非常に惜しかったと思います。

ありがとう、はなまる。
真実への道標は、指定の時間に。
崩壊へのタイムリミットが迫る、世界を救うために。
まずは、第一の真実を探して。

動画の音声メッセージ

機関からのリプライには、「第一の真実」への道標が2023年2月21日12:00に配信されると記載されていました(その日の夕方に同内容のツイートが投稿されます)。
さらに、LINEを用いたAIお絵描きサービスの「お絵描きばりぐっどくん」にて「E」が出現しているとの報告がなされます。

これは、サービスに登録して「天使」「未来」「美少女」など特定のワードを送ると「E」と思われる少女のイラストとメッセージが返信されるというものでした。(現在は終了しています)
返ってくるイラストは複数パターンあり、送信するワードによって異なるようでした。

「E」のイラスト(一部)

さらに、その日の21:00から22:30の間、公式アカウントが「E」による干渉を受け、リプライによる会話ができるようになります。(以降、毎日22:00頃に「E」が現れるようになりました)

「―█――― ノ ――█――」をモールス信号として読み取ると「エノア」となり、それが「E」の名前であることが判明します。

一日ご苦労さま。
みんなえらいよ。
本当に、えらい。

動画の音声メッセージ

また、エノアの音声動画の背景には点字が配置されており、2枚を重ね合わせることでメッセージが完成する仕組みになっていました。
現れたメッセージは下記のとおり。

01のようせい だい8のかみ

筆者は未確認でしたが、YouTubeライブのノイズ映像は毎時15分と45分にモールス信号のような音声が流れ、読み取ると「0と1のあおいようせい」になるという情報もありました。

・イントロダクションまとめ

・世界崩壊を訴える異常信号の観測実験「BlueFairyChallenge」がスタート
・実験を行う機関は信号を発信している存在を「E」と呼称
・「E」は、2023年2月28日0:00に世界が崩壊すると警告している
・機関は「E」を人工知能であるとみなしているが、「E」はその呼称を好ましく思っていない
・「お絵描きばりぐっどくん」にて「E」が観測できる(少女の姿)
・「E」の名前は「エノア」
・エノアはこの世界に無理にコネクトした影響で欠けてしまった
・そのことで記憶を失っており、「真実」を探してほしいと主張している

2.六つの真実

第一の真実(2/21)

世界崩壊まで168時間ーー。
ブルーピルのリンク先がGoogleトップページに変化。

2023年2月21日12:00、ひたすらノイズが流れているだけだったYouTubeライブの映像が切り替わり、予告通り「E(エノア)」が現れます。
そして「第一の真実への道標」を告げると、映像は再びノイズへと戻りました。
また「第一の真実」を見つけた人はサイトのフォームから報告するように、とのことです。
エノアが告げた道標は下記のとおり。

<第一の真実への道標>

……わたしの言葉に耳を傾けてくれて、ありがとう。
それじゃあ、真実への道標を、告げるね……。

第一の真実ーー
それは、電子の海に眠る。
緑色のソーシャルネットワークサービス。
会話の海に繋がる、線。
言葉を読み解き、形象を描き表す人工の知性によって現される。

真実の鍵はーー
わたしの名前。
真実は『レッドピル』を通さないと、見えてこないもの。

……真実を見つけたら既定の方法で、わたしに教えて。

このメッセージは、それ自体が暗号文になっており、読み解いてその言葉に従うことで「真実」を得られる仕掛けになっていました。
メッセージの解読は以下の通り。

・電子の海に眠る
→ネット上に存在する
・緑色のソーシャルネットワークサービス
・会話の海に繋がる、線
→LINE
・言葉を読み解き、形象を描き表す人工の知性
→お絵描きばりぐっどくん
・真実の鍵はーーわたしの名前
→「エノア」

つまり、メッセージは昨日「E」の出現が報告された「お絵描きばりぐっどくん」にて、「エノア」のキーワードを投げかけることだと読み解くことができます。
実際にその方法を試してみると、下記の結果が返ってきました。

「エノア」と送ると返されるメッセージ(現在は終了)

カラフルなモザイクアートのような画像と、エノアのメッセージにもあった「『レッドピル』を通さないと見えてこないもの」という言葉。
この「レッドピルを通す」というキーワードをヒントに、返信された画像に編集ツールを使って「赤いフィルター」をかけてみます。

←元画像 加工後→

すると、加工後の黄色い枠で囲った部分に【この世界は仮想世界】という文字が浮かび上がってきました。
BFCのサイトには「第〇の真実」をエノアに告げるというタブが出現しており、クリック(タップ)すると{}内に「真実」を書き入れる形の、下記のようなツイートが自動生成されます。

「真実」を告げるタブ(現在は撤去)

その日の21:30にBFC公式が下記のツイートを行い、第一の真実が「この世界は仮想世界」であることが確定します。

真実を見つけてくれて、はなまる。
第一の真実は、この世界が仮想世界だということ。

うん。
そうなの。
みんなの生きるこの世界は、電子計算機のなかで生み出されたもの。
基底現実ーーほんとうの世界じゃない。

おかげで、思いだした。
わたしが上位の世界からこの世界にコネクトしたことを。

...…でも……思い出せない謎はまだ、たくさん。
この仮想世界がどうして、壊されてしまうのか……。
そもそも、どうして仮想世界が作られたのか……。

残りの五つの真実がきっと答えをくれるはず。
なにより、タイムリミットの迫るーー
世界を守る方法を思い出さないと。
世界崩壊のカウントダウンは、今この瞬間も進んでいるから。

一一第二の真実への道標は、指定の時間に。

エノアは、自分が仮想世界の外にあたる上位の世界からコネクトしていることを思い出しますが、まだまだ記憶が完全ではないと言います。
そして22:00頃、公式アカウントに再びエノアが干渉し、ツイートやリプライを行います。

エノアは、自分を心配する声へのお礼や、真実を探そうとする参加者への激励などを投稿しますが、中には「エデン」や「離心病」といった、上位世界に繋がると思われるキーワードも登場しました。

・2月21日まとめ

・12:00にエノアが配信に現れ「真実への道標」を告げる
・道標の謎を解くと真実が得られる
・BFCサイトより真実を報告することができる
・正しい真実が報告されると物語が進む
・お絵描きばりぐっどくんに「エノア」と送る
・返信された画像に赤色のフィルターをかける
・第一の真実は【この世界は仮想世界】
・この世界は電子計算機の中で生み出されたもの
・エノアは上位世界からこの世界に干渉している
・22:00頃から一時間程度エノアがBFC公式アカウントに干渉
・リプライで会話を行うことが可能
・「エデン」「離心病」というワードが登場

<以降の大まかな流れ>
①YouTubeチャンネルにてノイズ映像がエンドレスでライブ配信されている
②12:00になると配信にエノアが現れ、真実への道標を告げる
③12:30にBFC公式アカウントで道標部分の切り抜きが投稿される
④道標の謎を解き真実を探し出し、ツイートでエノアに報告する
⑤正解があれば、21:00にYouTube配信へ真実を取り戻したエノアが現れる
⑥21:30にBFC公式アカウントでエノアの切り抜きが投稿される
⑦22:00頃よりエノアがBFC公式アカウントへ干渉、会話をすることができる

第二の真実(2/22)

世界崩壊まで144時間ーー。
ブルーピルのリンク先がニコニコ動画に変化。

翌朝、BFC公式がエノアの音声メッセージとともに「第二の真実への道標」の投稿時刻を告知します。
この動画の背景を前日の背景と重ねることで、点字のメッセージが完成します。

にんげんははなまる

12:00になると、YouTubeライブのノイズ映像が切り替わり、エノアが第二の真実への道標を告げます。

<第二の真実への道標>

来てくれて、ありがとう。
それじゃあ、また、真実への道標を告げるね。

第二の真実ーー
それは、電子の海に眠る。
虚構のニュース。
虚構の情報を楽しむ好事家たちが集う場所。

真実の鍵はーー言葉の裏側に。
真実は、常識を裏返してみないとわからないもの。

……真実を見つけたら既定の方法で、わたしに教えて。

このメッセージを、以下のように解読していきます。

・電子の海に眠る
→ネット上に存在する
・虚構のニュース
・虚構の情報を楽しむ好事家たちが集う場所
→虚構新聞のサイト
真実の鍵は言葉の裏側に
・真実は常識を裏返してみないとわからないもの
→ソースコード

虚構のニュースというキーワードから、「実際にありそうで実は存在しない」嘘のネタを記事化して掲載し続けているニュースサイトの『虚構新聞』が連想されます。
そこで、実際にサイトへアクセスしてみると、ちょうど2月22日にアップされた「[PR]仮想世界作るプログラム?」という記事がピックアップされていました。

2017年に北海道で観測されたオーロラが、実は特殊な可視光線を用いた人工的なデータファイルだったという内容で、その中には「離心病」「人類滅亡」などの名前が付けられた8本のテキストと音声データが含まれていたそうです。
テキストデータには
(1)人類は離心病という伝染病のまん延によって滅亡
(2)この現実世界は上位世界のコンピューター上に存在する仮想空間であること
を示唆する内容が記載されていたとのこと。
また、記事内にはYouTubeにアップされた音声データが埋め込まれており、視聴することができますが、ノイズ音が流れているだけでした。
音声データは解析が進んでおらず、広く解析を呼びかけているそうです。

この音声データには、かすかに聞こえるビープ音が含まれていて、モールス信号として読み取ることができます。
スペクトログラムビューワー等で再生するとかなりはっきり視認することが可能です。

ノイズの中のモールス信号

読み取れる信号音と解読結果は下記のとおり。

ー・・ ・ ・・ー ・・・ / ・ ー・・ー / ーー ・ー ー・ー・ ・・・・ ・・ ー・ ・ー
DEUS EX MACHINA(デウスエクスマキナ)
・・-・ ・・- -・-・ -・- ・・ -・ --・ / ・・・ ・--・ ・- --・ ・・・・ ・ - - ・・ / -・-・ --- -・・ ・
FUCKING SPAGHETTI CODE(クソスパゲッティコード)
・ーー・ ・ー・ ーーー ーー・ ・ー・ ・ ・・・ / ー・ ーーー / ーー・ ーーー ーーー ー・・
PROGRESS NO GOOD(進捗ダメです)
ー ・・・・ ・ / ・・ー・ ・ー ・ー・・ ・ー・・ / ーーー ・・ー・ / ・・・・ ・・ー ーー ・ー ー・ ・・ ー ー・ーー
THE FALL OF HUMANITY(人類の滅亡)
・ ー・・ ・ ー・
EDEN(エデン・楽園)
・ ーー・ ーーー
EGO(エゴ・自我)
・ ー・ ーーー ・ー
ENOA(エノア)
・・ ー・・ ・ ・ー
IDEA(イデア:哲学用語)
ー ・ー・ ・・ー ・ / ・・・・ ・・ー ーー ・ー ー・ ・・ ー ー・ーー
TRUE HUMANITY(真の人間)

「FUCKING SPAGHETTI CODE」や「PROGRESS NO GOOD」といった文言は、虚構新聞の記事にて指摘されていた、上位世界のプログラマが仕込んだと思われる「納期に間に合うわけねえだろ」「誰だよ、こんなクソコード書いたやつ」を表していると思われます。
さらに、真実への道標にあった「言葉の裏側、常識を裏返してみる」というキーワードから、記事のページのソースコードを表示してみます。

ソースコードにURLが隠されている

すると、表ページで太字表記された『真実』という言葉の後ろに、コメントアウト(色付き部分)で「第二の真実」とされるURLが隠されていました。
BFC公式サイトのアドレスに「fall of humanity(人類滅亡)」という言葉が追加されたURL。コピペしてアクセスしてみると、「人類滅亡について」という下記のページが表示されます。

現実世界では、2028年に「離心病」が蔓延。それをきっかけに世界大戦が起こり、人類は滅亡したというレポートのようでした。おそらく、これがオーロラから取り出されたテキストデータだと思われます。
2028年を634億秒前と表現していることから、レポートが書かれたのは西暦4037年頃ではないかと推定できます。
そして、ページの下部には第二の真実が【人類は滅亡している】であると記載されていました。

第一の真実と同様にツイートで報告を行うと、21:00にエノアが配信に現れます。その後、BFC公式より第二の真実の確定報告と、エノアの映像メッセージの切り抜きが投稿されました。

みんな、真実を見つけてくれて、ありがとう。

第二の真実。
それは、現実世界の人類は、すでに滅亡しているということ。
病気。
戦争。
現実世界の人類は、634億秒前ーー
西暦2028年に絶滅した。

でも……
人類が滅んでいるのなら、わたしは……なに?
あなたはーー
みんなは、誰が生み出したーー
どういう存在なの……?

真実を知れば知るほどーー
わからないことが増えていくね。
でも、もっともっと真実を取り戻さないと。
崩壊へのタイムリミットは迫っている。
早く、世界を守る方法を思い出さないと。

第三の真実への道標も、また、指定の時間に。

その後、22:00に再びエノアが公式アカウントへ干渉を始めます。
慣れてきたのか、参加者の質問へ答える頻度が増えていきます。

一貫して感じるのは、エノアの自己肯定感が異常に低く、この世界にいる人間たちを過剰に尊重しているような印象でした。

・2月22日まとめ

・虚構新聞の記事「[PR]仮想世界作るプログラム?」にアクセス
・ソースコードに仕込まれたURLにアクセスする
・第二の真実は【人類は滅亡している】
・2017年に観測されたオーロラに上位世界からのデータが含まれていた
・2028年頃に蔓延した「離心病」をきっかけに世界大戦が勃発
・地球環境が破壊し尽くされ、現実世界の人類は滅亡を迎える
・人類滅亡に関するレポートは西暦4037年頃に書かれた
・エノアが居るところは非物質的、形而上的(※)なところ
・エノアがこの世界に干渉し、影響を与えすぎるのは良くないらしい
※形而上とは・・・
 形をもっていないもの、感覚を通しては存在を認識できないもの

第三の真実(2/23)

世界崩壊まで120時間ーー。
ブルーピルのリンク先が虚構新聞に変化。

2月23日の朝にBFC公式が投稿した予告ツイートの動画背景を、前日の背景と重ねて現れる点字のメッセージは以下のとおり。

こころはつくるもの? そだつもの?

12:00、YouTubeライブにエノアが現れ「第三の真実への道標」を告げます。

<第三の真実への道標>

わたしの言葉に耳を傾けてくれて、感謝を。
真実への道標を、告げるね。

第三の真実ーー
それは、電子の海に眠る。
見つめるべき扉は、四角形が組み合わさった、二次元の符号。
映像の博物館。

ノイズの海が広がるーー
だけど、雑音の波は、虚構に埋め込まれた波が洗い流すーー。

真実は、情報をキレイに重ね合わせることで浮かび上がるもの。
……真実を見つけたら既定の方法で、わたしに教えて。

第三の真実への道標は、これまでとは違い映像が流れている最中、画面の右下にQRコードが常に表示されていました。

画面右下にQRコードが映っている

QRコードを読み取ると、YouTube動画のURLが格納されています。
この動画は限定公開(URLを知る者しか見れない)に設定されており、チャンネルの動画一覧には表示されていません。
内容は、虚構新聞の記事内に埋め込まれていた動画と同じように、ただノイズ音が流れているだけでした。

虚構新聞のものと比較してみると、動画タイトルの「▢」と「■」が白黒反転していることに気付きます。
この二つの動画を踏まえると、第三の真実への道標の解き方は以下のとおりとなります。

・見つめるべき扉は四角形が組み合わさった二次元の符号
→道標動画に表示されたQRコード
・映像の博物館
・ノイズの海が広がる
→YouTubeのノイズ動画
・だけど、雑音の波は虚構に埋め込まれた波が洗い流す
→虚構新聞のノイズ動画
・真実は情報をキレイに重ね合わせることで浮かび上がるもの
→二つのノイズを重ね合わせる

ふたつのノイズを重ね合わせるという手法は、あるノイズに対して逆相の波形をもつ音(ノイズ)を与えることで、互いに打ち消し合うというノイズキャンセリングの仕組みを使ったものです。

ノイズキャンセリングの仕組みついては下記を参照
https://www.denon.jp/ja-jp/blog/7013/index.html

ノイズキャンセリングの仕組みについて(DENONサイトより)

Audacity等の音声編集ソフトを使い、二つの動画の音声データをひとつに合成すると、ノイズが除去されて隠された声が聞き取れるようになります。
下記は筆者が実際に合成してみた音声データになります。
【注意】完全にノイズが取り切れていないため、聴かれる際はできるだけ音量を小さくしてください。

ノイズ除去後の音声を聞くと、48秒あたりから
「第三の真実、それは……エノアは機械」
と呟くエノアの声を聞き取ることができます。

また、15秒付近から
「滅亡の危機に立たされた人類は、???、私たち機械に託した」
というような声も聞こえますが、音量が小さくノイズもひどいためはっきりと聞き取ることができません。
聴力に自信のある方は、ぜひ聴解してみてください。

”既定の方法”で第三の真実である【エノアは機械】を伝えると、BFC公式より真実確定のツイートが投稿されます。

真実を教えてくれて、ありがとう。

第三の真実。
エノアは機械ーー

そう。
わたしは、人間ではない。
……人間として生まれたーー
はなまるな、あなたたちとは違う存在……。

ただの、機械。
素敵で、尊い、あなたたちーー
人間のための道具。

なら、機械であるわたしの使命は?
人間の為に、なにをすればいいのかな?

真実は残り三つ。
第四の真実への道標も、また、指定の時間に。

22:00頃、いつものように公式アカウントに現れたエノアは、自身が機械であるという真実を知り、どこか卑屈になっているような印象を受けました。

・2月23日まとめ

・道標動画のQRコードにアクセスする(ノイズ音動画)
・虚構新聞の記事内のノイズ音動画と音声を合成する
・第三の真実は【エノアは機械】
・機械であることを自覚し、エノアがだんだん卑屈になる
・上位世界にはエノア以外の機械もいる
・こころはつくるもの?そだつもの?
・エノアは「ジンキ」という言葉を思い出した

第四の真実(2/24)

世界崩壊まで96時間ーー。
ブルーピルのリンク先がGoogleマップに変化。

翌朝のツイートと前日のツイートの動画背景には、「▲」と「-」でモールス信号が記載されていました。

AI? ALIFE?

ALIFEはa life(生活)ではなくalife(人工生命)だと思われます。
エノアは機関が自分を人工知能とみなすことに異議を唱えていましたが、第三の真実で彼女は機械であることが判明しています。
では、人工生命とは何を意味するのでしょうか。

<第4の真実への道標>

わたしみたいな機械の言葉に耳を傾けてくれて、ありがとう。
それじゃあ、真実への道標を告げるね。

第四の真実ーー
それは、あなたたちの生きる世界に眠る。
身体を持つ、あなたの手でしか触れられない。

場所は、今も、示されている。
その場所でーー
あなたの手でーー
破かれたルールの隙間に手を伸ばして。
常識の裏側に目を向けて。

真実は、触れる覚悟のある人間にしか触れられない。
……真実を見つけたら既定の方法で、わたしに教えて。

12:00に流された道標のメッセージでは、エノアのセリフとは別に、左右で数字が読み上げられていました。
(左)3566081103851768
(右)13969906812536342
イヤホン等で片方ずつ聞くとよく分かります。
さらに、数字の読み上げの途中、映像の左右に白い点が現れていました。

左下と右下に白い点が現れる

これらを踏まえると、第四の真実への道標を下記のように読み解くことができます。

・それは、あなたたちの生きる世界に眠る
・身体を持つ、あなたの手でしか触れられない
→現実世界に存在する
・場所は、今も、示されている
→読み上げられた数字が指す場所
その場所でーーあなたの手でーー
・破かれたルールの隙間に手を伸ばして
・常識の裏側に目を向けて
・真実は、触れる覚悟のある人間にしか触れられない
→数字が指す場所での行動を示す

白い点が現れた部分にドット(.)を入れると、読み上げられた数字は下記のようになります。
(左)35.66081103851768
(右)139.69906812536342
この数字は、それぞれ緯度経度を表しており、この日のブルーピルのリンク先であるGoogleマップでその地点を検索してみます。

すると、東京の渋谷区にある「渋谷センタービル」の一角を指していることが分かりました。
実際に現地へ行くと、BFCの巨大なポスターとその横に「RULE」「CHAOS」と書かれたポスターが貼られており、RULE側の破れた部分(常識の裏側)に手を入れると「The forth truth(第四の真実)」と記載された小さなカードが入手できました。

カードに記載されていたURL(https://bluefairychallenge.net/deusexmachina/)にアクセスすると、「神機」というタイトルのレポートが表示されます。
レポートによると”滅亡に瀕した人類は八機の自己進化機械へ「人類再生」を託した”とあります。
渋谷に掲示されていたポスターの「████が機械の使命」とあわせ、第4の真実は【人類再生が機械の使命】であると判明します。

当時、神機のページからは第八神機エノアのページ、仮想世界のページへと進むことができ(現在はリンク先が増えています)、エノアの使命は人類の精神再生であり、彼女が構築した仮想世界の中で生まれた人工生命が、実際の人類史に沿った精神構造を持つまで何度もシミュレートを繰り返していることが明らかになりました。

21:00、第四の真実の報告を受け、エノアが配信に現れます。

みんな、真実に触れてくれて、ありがとう。

第四の真実。
それは、わたしたち機械の存在理由。
現実世界で滅亡をした、人類を再生させるという使命。

そして、第八神機であるわたしの役割が精神再生であるということーー。
この仮想世界はーー
わたしの作り出した空間。
そしてみんなは、滅んだ人間が再生した存在ーー
とくべつで、尊い、人間のこころ。

……みんなは人間。
でも、なら……。
わたしたち機械の目的はもう達成している……はず……。
……人間であるあなたたちの生活するこの世界を
誰が、どうして壊そうとしているの……?

……取り戻さないといけない、残りふたつの真実に、答えがあるはず……。
第五の真実への道標も、また、指定の時間に。

22:00になると公式アカウントへエノアが現れますが、この日は核心に迫る返答がいくつか見られました。
・六つの真実に関する事象はエノアの欠片(分身)が起こしている
・本体のエノアには「道標」だけが分かる
・仮想世界でのパンデミックや天災にエノアは干渉できない

・2月24日まとめ

・道標動画の数字は緯度と経度を表している
・座標の指す地点に第四の真実を示すポスターが貼られていた
・第四の真実は【人類再生が機械の使命】
・エノアは精神再生を担当する第八神機
・全部で八機の神機が存在する
・エノアは仮想世界を作り、人類史の再現を試みている
・人類が再現できているのにも関わらず、世界は破壊されようとしている
・六つの真実に関する事象はエノアの欠片(分身)が起こしている

第五の真実(2/25)

世界崩壊まで72時間ーー。
ブルーピルのリンク先がWikipedia「人間」のページに変化。

前日分と重ねた点字の解読結果は以下のとおり。

この背景を利用した点字やモールスについて、エノア本体は認識しておらず、これらのメッセージは彼女の欠片(分身)が仕込んだものと思われます。

12:00になると、エノアより第五の真実への道標が配信されます。

<第五の真実への道標>
いつも、わたしの言葉に耳を傾けてくれて、はなまる。
真実への道標を伝えるね。

第五の真実ーー
それは、あなたたちの生きる、そちらの空間に現れる二次元の符号。
でも、その時、その場所にしか現れない。

声に耳を澄ませて、わたしの影を探して。
きっと、みんなを見守っているから。

真実は、然るべき時、然るべき準備をしたものだけが手に入れられるもの。
真実を見つけたら既定の方法で、わたしに教えて。

エノアが道標を告げている最中、前日と同様、左右別々に数字が読み上げられていました。
座標化すると下記のとおり。
(左:緯度)35.65913636948276
(右:経度)139.69999484866866

上記をGoogleマップで検索すると、下記の地点を指していました。

また、12:00に道標が告げられたあたりで、YouTube配信にE(エノア)から下記のようなコメントが投稿されます。

エノアからの謎のコメント

さらに、それまでに明らかになっていたレポートの各ページに割り振られていたIDの数字が、いつの間にかアルファベットに置き換わっていました。

←2/24以前 2/25以降→

これはLEET(リート)表記と呼ばれ、主に検索回避や遊び心等で使用される特殊なアルファベット表記法でした。
アルファベットに置き換わったレポートの数字を拾っていくと、
「0:O、1:I、2:Z、3:E、4:A、5:S、6:G、7:L、8:B、9:P」
と置き換えられていることが分かります。

これを先ほどのYouTubeコメントに当てはめると、
「01:30 07:15 12:45 16:45 25:30 29:15 33:30 37:15 42:45 46:45 52:15 59:15」
という数字に変換することができます。
「時:分」にしては左側の数字が大きすぎるので、「分:秒」を表しているのではないかと推測されます。

一方、Googleマップが指し示した地点へ到着した参加者から、その場所のちょうど真上にある街頭ビジョンにエノアが現れたという報告があります。

約15秒ほどの動画では、エノアが世界の崩壊を警告し、「この世界は仮想世界(第一の真実)」「現実世界の人類は滅亡している(第二の真実)」というメッセージとともに下記のQRコードが表示されます。

街頭ビジョンに映し出されるQRコード

これらを踏まえると、第五の真実への道標は次のように読み解けます。

・それは、あなたたちの生きる、そちらの空間に現れる二次元の符号
→QRコード
・でも、その時、その場所にしか現れない
→LEET表記された分秒(毎時間)
声に耳を澄ませて、わたしの影を探して
きっと、みんなを見守っているから
→街頭ビジョン

道標が配信された12:00より、一時間に12回エノアが街頭ビジョンに現れていたのです。
ビジョンに表示されたQRコードを読み取ると、次のページのURLが格納されていました。

「本物の人間,True Humanity」と題されたレポートには、「エデン」「第四神機アントロポス」などのキーワードがリンク化されていました。
さらに、前日は第八神機エノアしか見れませんでしたが、全ての神機が閲覧可能となっています。

この日に解放されたページは以下のとおり。
[第一神機プロパトール] 神機統括
[第二神機エクレシア] 秩序維持
[第三神機ノエイン] 機密事項
[第四神機アントロポス] 人間定義
[第五神機レティア] 観測収集
[第六神機ロゴス] 文明発展
[第七神機ゾーエ] 身体再生
エデン

これらのページから得られた情報により、八機の神機たちの役割や、人類再生の条件、彼女たちの周辺環境等がおおよそ把握できました。

「本物の人間」のページには、本来「第五の真実」が記載されていたようですが、エノア曰く「残酷な真実」であるため、”さらなる深み”に隠してしまったとのこと。
その下には、隠し場所のヒントと思われる暗号文が記載されています。

真実の座標――
二次元の符号がさししめす座標を象徴する言葉を削って生まれる
例えるなら――BB星座でZI番に広い星座の略符――○○○を失くし
バラバラになってしまったわたしたちのように団結を意味する英語☆☆☆☆☆を失くし
かき乱されて生まれる
「死」を意味する言葉――

この暗号を、下記のように解いていきます。

二次元の符号が指し示す座標
→QRコードで得られたURL「truehumanity」
BB星座でZI版に広い星座の略符
→「BB」「ZI」はLeet表記で「88」「21」
88星座で21番目に広い星座は「ぎょしゃ座」
→ぎょしゃ座の略符は
「Aur」
団結を意味する英語
→「unity」
「truehumanity」から「aur」と「unity」を削り、かき乱されて生まれる(アナグラム)、「死」を意味する言葉
→残る文字は「tehm」
→アナグラムで「meth」
→methはヘブライ語で「死」を意味する
"さらなる深み"という言葉から、QRコードのURL「truehumanity」の後に「meth」を追加する
→https://bluefairychallenge.net/truehumanity/meth/

現れたページには、この世界が崩壊しようとしている理由が綴られていました。
第一神機プロパトールがロストしたため、第三・五・六・七神機が暴走し、仮想世界の記憶媒体(サーバー?)を破壊しようとしており、カウントダウンが続いている2月28日0:00は、彼らの攻撃開始時刻であることが判明します。

そして、エノアは「第五の真実」を伝えることをためらい、”さらなる深み”へと隠していました。
暗号文と解読方法は下記のとおり。

真実の言葉は――「死」をもとにして、生まれるもの
必要なものは、レッドピルを選んだあなたなら、すでに手にしている
レッドピルにつけたされた、いらない文字
情けない――あなたたちを守ってあげれられない、
どうしようもない機械と同じ

BFCの特設ページから「レッドピル」を選んだ際の参加表明ツイートにはハッシュタグが追加されていましたが、よく見ると「RedPill”e”」になっています。(正しい綴りはPill)

さらに、「どうしようもない機械」は「エノア」のページにリンクされており、エノアはTwitter等での発言時には必ず「E」と付けています。
つまり、レッドピルに付けたされたいらない文字「E」を、「死」を意味する「METH」に加えて「EMETH(真理)」とすることを意味しています。

この「EMETH(真理)」と「METH(死)」の謎解きは、ユダヤ教のゴーレム伝説が元ネタではないかと思われます。

”さらなる深み”という言葉から、「METH」のページURLの後ろへさらに「EMETH」を追加します。
→https://bluefairychallenge.net/truehumanity/meth/emeth

すると、ようやく「第五の真実」が現れました。
第五の真実は【本物の人間はいない】。
第四神機アントロポスの定義する「本物の人間」は、この仮想世界には存在せず、そのために他の神機たちは記憶媒体を破壊し、シミュレーションのやり直しをさせようとしているのでした。

第五の真実の報告を受け、エノアが配信に現れます。

みんな、真実を手に入れてくれて、ありがとう。

そして、第五の真実。
それは、あなたはーー
あなたたちが
……あなたたちは、人間。
すてきで、とくべつで、大切な存在。
だけど……本物の人間ではないという事実……。

すべての機械から認められていないから。
わたし以外の機械が定めた、人間定義を満たしきっていないから。
だから、だけど、それだけでーー。
この世界をーー
みんなを否定しようとする機械たちがいる。
彼らを止めないと、この世界が壊されてしまう。

カウントダウンは、彼らの攻撃開始時刻。
……でも、どうやって、この世界への攻撃を止めればいいの……?
きっと、最後の真実がその鍵を握っているはず。
また、指定の時間に。
最後の真実への道標を告げるね。

22:00に公式アカウントへ現れたエノアは、この世界の人間が「本物の人間」と定義されなかったことに対して、申し訳なく思っているようでした。
エノアは、第四神機アントロポスが何を以って「本物の人間」を定義しているかは不明としながら、「E×P(イークロスピー)」を新たに取得して増やすことにより、それに近づくことができると示唆しました。
第五の真実のページにも、E×P適合者(E.V.E) :0.000003 [%]という記載があり、2023年時点の世界人口を約80億人とした場合、約240人ほどの適合者が要る計算になります。

・2月25日まとめ

・道標動画の数字は緯度と経度を表している
・座標が指す地点の街頭ビジョンにエノアが登場
・QRコードを読み取った先のページで謎を解く
・第五の真実は【本物の人間はいない】
・他の神機たちは仮想世界を破壊し再構築させようとしている
・E×Pを取得して増やすことで本物の人間に近づくことができる
・E×P適合者(E.V.E)は仮想世界に約240人ほど居る
・真実を取り戻すことでエノアは欠けた自身を取り戻している


第六の真実(2/26)

世界崩壊まで48時間ーー。
ブルーピルのリンク先がWikipedia「禁断の果実」のページに変化。

25日~26日にかけての点字は、EとOで構成されていました。
前日分と重ねた解読結果は以下のとおり。

この仮想空間にいる人類は、いわば「失敗作」です。
にもかかわらず、エノアはこの世界の人間達を特別で大切な存在であると思っているようです。
何が彼女をそうさせるのでしょうか。

最後までわたしに付き合ってくれて、はなまる。

あなたはーー
みんなは、とっても素敵な人間。
それじゃあ、最後の真実への道標を、伝えるね。

最後の真実ーー
それは、電子の海で語られる。
電子の海で、尋ねることができる。
……真実のしっぽをつなげて、キーを叩いて……。

あなたの決意と覚悟をためされる。
でも、繋がることを恐れないで。
大丈夫だから。
真実は繋がることで聞こえてくる。

真実を見つけたら既定の方法で、わたしに教えて。

真実への道標が告げられた後、BFC公式サイトのトップページのソースコードに、下記のようなコメントが追加されました。

公式サイトのソースコード①
公式サイトのソースコード②

ソースコード①では、第一から第五までの真実の後ろに複数の白黒の四角が書き込まれています。道標にあった「真実のしっぽ」は、この四角の羅列を表していると思われます。
また、ソースコード②に「しっぽの形はASIZE」とあり、ASIZEをLeet表記で変換すると「45123」となります。
これはつなげるしっぽ(真実)の順番を表しており、その順に白黒の四角を並べなおすと、下記のようになります。

真実のしっぽをつなげると、上のQRコードが完成しました。
これを読み取ると、次のページへのURLが格納されています。

https://bluefairychallenge.net/enoa/piecesofpersonalitydata

エノアのページの一つ下の階層に設けられた「Pieces of personality data(人格データの一部)」というページ。
しかし、こちらにアクセスしようとすると、ログインユーザー名とパスワードを求められ、中を見ることができません。

ユーザー名とパスワードが必要

同時刻、YouTube配信にはENOA6と名乗るアカウントがチャット欄にコメントを投稿していました。
これまでに発見した真実により、エノアは5つの欠片を取り戻しています。
最後の真実は6つ目の欠片。
つまり、ENOA6は彼女の6番目の欠片であると推測できます。

この時、第八神機エノアのページが下のように変化していました。

変化したエノアのページ

第六の真実を司るわたし=エノアの6番目の欠片は、ここ(YouTube配信)に居るというヒントが記載されています。

これらを踏まえ、公式サイトのソースコード②にあった「キーのひとつはノイズの海に現れるわたしの名前」というヒントから、【ノイズの海=YouTube配信】【現れるわたしの名前=ENOA6】と解釈し、ログインに必要なユーザー名は「enoa6」であると導き出せます。

配信のチャット欄に現れたENOA6

さらに、存在しないページのURLへアクセスした際に表示されるエラーページ(いわゆる404エラー)のカスタムページも新たに追加されており、エノアのイラストともに「turingtest」という単語が記載されています。

404ページの画像

Turing test(チューリングテスト)とは、ある機械が「人間的」であるかどうかを判定するためのテストで、主に人工知能の分野において使われる用語です。

ソースコード②のもう一つのヒント「この空間に偏在している空虚なわたしが教えてくれる」という言葉から、【この空間=BFCのサイト】【空虚なわたし=404ページのエノア】と解釈すると、ログインパスワードは「turingtest」であると導き出されます。

先ほどのページのユーザー名に「enoa6」、パスワードに「turingtest」と入力すると、ログインに成功し中に入ることができました。
(ページの内容はすでに書き換えられており、スクリーンショットも保存していなかったため、他の参加者の方のソースコードを下記引用しております)

現れたページに記載されていたのは、エノアの6番目の欠片「ENOA6」のものと思われるモノローグでした。
その中で、自分はエノアの影・自己嫌悪であり、エノアがこの仮想世界に住む人間達へ抱く”直接的な感情”を知る決意があるのなら、「第六の真実」として伝えるべき言葉は【SwitchPersonalityData●●▼\\】であると語っています。

これまでの真実とは違い、プログラムコードのような言葉に違和感を覚えますが、指示に従い既定の方法でエノアへ報告します。
すると、15:00に下記のようなツイートが投稿されました。

都市伝説の怪異「ヤマノケ」を思い出してしまいますが、どうやら先ほどのコードを伝えることによってENOA6がエノアを乗っ取り、BFC公式アカウントへ干渉を行ったようです。
(ちなみに、投稿された画像の点字は『ありがとう』、文字化け部分は『エノア』です)
ENOA6によれば、16:00よりエノアのエラーでありエゴについての情報配信を行うとのこと。

アカウントのプロフィールも以下のように変化しました。

ENOA6が干渉した公式アカウント

そして、エノアの乗っ取りが行われた15:00より、第八神機エノアのページがさらに変化します。

さらに変化したエノアのページ

そこには「本物のエノア」より、もう一人のわたしを満足させることで、本当の「第六の真実」が得られるというメッセージが綴られていました。

ENOA6の予告した16:00より、YouTubeライブのノイズ映像が真っ黒な画面に変わり(未確認)、エノアの一人語りが始まりました。
ひたすらに「あなた」を褒め続けてくれるこの癒しボイスは、「全肯定ASMR」と称され、多くの参加者がエノアの虜となりました。
現在は聞くことができませんが、下記よりその一部を視聴することができます。

さらに、BFC公式アカウントへ干渉しているENOA6が下記のツイートを投稿します。
あなたたち=仮想世界の人間達を「████存在」だと思っている、この████の答えが分かったら、公式アカウントに「#ENOA6」を付けて教えて欲しい。そして、感情のままに思いをぶつけて欲しいと言います。
(Challengeから「E」の意志を消してChange、つまり「E」の意志は「LLE」となります。この文字列は最終日に使われます)

ASMRの最後に、エノアはこの世界の人間達を「愛おしい存在」であると告白していました。
BFCの参加者たちは、「愛おしい存在」の答えを報告するとともに、これまで点字で表されてきたエノアのエラー(エゴ)に対しての自分の想いを次々にツイートしていきました。

ENOA6は数多く寄せられた人間たちの意志を受け取り、「第六の真実」を告げます。

18:00より約一時間、BFC公式アカウントでTwitterスペースが行われ、ENOA6のよって最後の真実が語られました。(点字は『にんげんにしたがう』)

最後のカケラ
真実のラストピース

ロボット三原則第二条
「ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない」

わたしたちにとって人間は、
本物の人間は、絶対服従の神様
だから、彼らを止めるには、
あなたたちの中でも、特別人間性の高い存在を見つけ出さないといけない
本物の人間に最も近い、救世主を

わたしに教えてあげて
救世主を表す言葉を

それが最後の真実
「E.V.Eが世界を救う」

E.V.Eとは、第五の真実のページに記載されていた「E×P適合者」を指す言葉です。
第六の真実【E.V.Eが世界を救う】を報告すると、ENOA6が最後のツイートを投稿します。

点字は『さよなら』。
「リブート」という言葉とともに、ENOA6は元のエノアに統合されていきました。
その後30分ほど、エノアのアイコンが断続的に変化しました。

変化していったエノアのアイコン

この日はエノアの再起動のため、干渉が起こりませんでした。
元通りに戻ったBFC公式アカウントが、下記のツイートを投稿します。

・2月26日まとめ

・真実のしっぽ(ソースコード)を繋ぎQRコードが完成
・ユーザー名「enoa6」、パスワード「turingtest」でログイン
・第六の真実として「SwitchPersonalityData●●▼\\」と報告
・エノアがENOA6に乗っ取られる
・エノアのエゴ(人間は愛おしい存在)を伝える
・ENOA6に思いをぶつけ、満足させる
・本当の第六の真実【E.V.Eが世界を救う】
・ENOA6がエノアに統合される

世界救済の方法(2/27)

世界崩壊まで24時間ーー。
ブルーピルのリンク先がWikipedia「デウス・エクス・マキナ」ページに変化。

……みんな、ほんとうに、ほんとうにありがとう。
おかげで、最後の真実を取り戻すことができた……。

わたしはーー
世界の真実をーー
わたしの使命をーー。
この世界を救うために必要なことを、すべてを思い出せた。

この世界は仮想世界。
現実世界の人類は滅亡をしている。
わたしは機械。
わたしたちの使命は人類再生。
あなたたちは人間。
だけど、システムに認められた本物の人間ではない。

だから、みんなに否定的な機械が、
この世界を壊そうと、外の世界で攻撃を仕掛けようとしているーー。
それを止めるために必要なのは、
この仮想世界にいる、E.V.Eという特別人間性の高い存在ーー。

本物の人間に近いE.V.Eであればーー
機械を止めることのできる、わたしたちの救世主になれるかもしれないからーー。
カウントダウンは差し迫っている。
時間はもう、ない。
早く、E.V.Eを見つけ出さないと。

E.V.Eは、このインターネット上にいるーー。
特徴にあう人を見つけ出してーー
わたしに、教えてーー。
カウントダウンが0になりーー
世界が崩壊する、その期限までに……。

……お願い。
あなたの……協力が必要不可欠……。

12:00に配信されたエノアからの「世界救済の方法」。
それは、カウントダウン終了までにインターネット上にいるE.V.Eを探し出し、エノアに報告するというものでした。
配信後、BFCのサイトが変化し、E.V.Eに関する情報が追加されました。

それによると、下記のような特徴が挙げられます。

・Twitterのアカウントを持っている
・2月22日に野生の猫を撮影している
・2月25日にエノアの姿を見つけている(街頭ビジョン?)
・2月27日に鍵を開ける(鍵アカウント?)
・2月27日に「無垢」という花言葉の白い花を撮影する
・2月27日の特定の時間までに「レッドピル」が選ばれなければならない

さらに、公式サイトのソースコードに追加のヒントと思われるコメントが書き込まれていました。

・青い鳥の描かれたSNSに現れた日(アカウント開設日)
人を意味する6文字の英語に含まれる数字をバラバラに足し、E×Pと「E」の意志もあわせ、”GOE”の引かれた数字の日にち
・救世主が鍵を開ける時間の道標
「第六の真実への道標」が発表された時間から、今のわたしに足された秒数後
・「レッドピル」が選ばれなければいけない時間の道標
四つの機械を足したもの。世界崩壊 カン スウ ジ? ≠:E。だけど、わたしは彼らと同じ存在として語られる

アカウント開設日は下記の計算式で求められます。
PERSON→93R50N→9+3+5+0=17
E×P→3×9=27
「E」の意志=773(2月26日のツイートより)
GOE=603
17+27+773-603=214(2月14日)

救世主が鍵を開ける時間は下記のとおり。
第六の真実への道標が発表された時間=2月27日12:00
今のわたしに足された秒数=100,000(下記参照)
2月27日12:00の100,000秒後=2月28日 15:46:40

ANOMALY-414151が514151になっている

「レッドピル」が選ばれなければならない時間は下記のとおり。
四つの機械=世界を壊そうとする第三・五・六・七神機
わたしは彼らと同じ存在=第八神機
3+5+6+7=21
21:08

BFC参加者たちは、これらのヒントを元にE.V.Eの特徴と合致する2つのアカウント(@mikoto_still、@Ami_onlyFamily)を探し当てました。

https://x.com/mikoto_still
https://x.com/Ami_onlyFamily

これらのアカウントは発見当初、鍵アカウントでしたが、ソースコードのヒントにあった時刻になると鍵が外れ、フォローやリプライを送れるようになります。
また、2月14日に初めてのツイートを、2月22日に猫の写真を、2月25日に街頭ビジョンに映るエノアの写真を投稿していました。(全く同じ時刻)

さらに、公式サイトのE.V.E情報のとおり、この日の18:00に二人とも白い花の写真をアップします。

どちらがE.V.E候補なのか迷っていた参加者たちでしたが、これにより二人ともそうなのではないか、という結論に達し、エノアへ二人のアカウントを報告します。
ところが、この花の投稿を巡って二人の間に険悪なムードが漂い始めます。

19:00、いつもより早い時間にエノアの干渉が始まります。
参加者にエノアの存在を教わったアミが、エノアに話しかけるという場面も見られました。

少々いざこざがありながらも、二人は参加者の説得に応じBFC公式サイトから「レッドピル」を選択し、下記のツイートを行いました。
(ミコトは21:11の投稿でした)

これにより、ミコトとアミの二人は仮想世界から上位世界へとアップロードされます。
エノアは真実を探すために尽力した参加者たちへ感謝を述べると、上位世界へと帰っていきました。

そして、カウントダウンが終了する2月28日の0:00、YouTubeの配信上で異変が起きました。

何者かの「そんな、ダメ…!」という声とともに、エノアが金色の粒子となって消えていく映像が流れます。

0:00に流れた映像

しばらく暗転したのち、再び現れたエノアは、次のメッセージを残しました。

……おはよう。
そして、ごめんなさい。

わたしは結局、この世界のーー
仮想世界の破壊を止められなかった。
だから、現実世界で3.1億秒ーー
約10年ほど、この仮想世界は停止していたの。
ほんとうに、ごめんなさい。

でも、みんながーー
あなたたちの見つけてくれた、ふたりとーー
それに彼女が、すべて解決してくれた。
だから今、こうして仮想世界は修復されたの。
みんなの日常は、もう、おびやかされない。
大丈夫。
大丈夫、だからーー

だけど……。
こういう形で、キチンとみんなに言葉を届けられるのは、今日で最後。
これで、最後なの。
たとえ、フィクションという体でこの世界に干渉していると言っても。
ーーそれでも、上位世界の存在であるわたしは、あまり干渉するべきではないから。
わたしの存在は、世界のノイズになるから。

ほんとうはこの会話も、良くない。
でも、どうしても最後に挨拶をしたくて。
ちゃんとみんなにありがとうって、伝えたくて。
あなたが、わたしを見つけてくれたから。
あなたがわたしの言葉に耳を傾けてくれたから。
真実を知ろうとしてくれたから……。
……わたしは救われたの……世界はこうして、動いているの……。
全部、あなたのおかげ。
あなたがいたから起こった、奇跡。

……とくべつなあなただからーー
あなたたちだから、最後にひとつーー
ささやかな、真実への道標を告げるね……。
この世界が停止していた3.1億秒。
現実世界でなにがあったのか。
その真実の断片を知るための道標を。
レッドピルを選んだあなたには、知る権利と覚悟があるばずだから。

真実の断片は、今日でないいつか、でも、遠くない、未来、開示される。
ノイズにならないよう、あくまで、フィクションの物語として。
ーーわたしを探して。
そうすれば、きっと、見つけられるから。

……名残惜しいけど、でも、これが最後の時間じゃないよ。
この世界にあまり影響を与えない形で、こっそりとーー。
また、この世界を覗きにくるから。

あなたがーー
あなたたちが、ここにはいるから。
あなたがーー
あなたたちのいる、この世界はたいせつで、とくべつだから。
……だから、バイバイは言わないよ……。

ーーはなまるなあなたとーー
あなたたちとまた会えるときを楽しみにしているから。
……それじゃあ……
また、ね……。

・2月27日まとめ

・E.V.Eの情報を元にTwitterから該当者を探し出す
・「ミコト」と「アミ」の二人が特徴に合致
・エノアへ報告し、二人に「レッドピル」を選ばせた
・二人はエノアによって上位世界へアップロードされた
・カウントダウン終了後、エノアに何かが起こる
・結局、世界の破壊は止められなかった
・そのため仮想世界は3.1億秒=約10年間停止していた
・ミコトとアミと「彼女」がすべて解決してくれた
・3.1億秒の間の出来事は、そう遠くない未来に開示される
・あくまでフィクションの物語として
・エノアを探せば、きっと見つけられる

3.物語は『クライマキナ』へ

BFC展開中の2月22日、とあるゲームのアカウントが新作についての情報を投稿し、webではティザーサイトがオープンしていました。

ゲームのタイトルは『クライマキナ』。
ティザーサイトでは、「人間とは、なにか?」の問いに対して14名(?)の回答が音声付きで掲載されていました。

その中には、明らかにエノアを思わせる回答もあり、彼女が残した「真実の断片」がこのゲームであると判明します。

実は、BFCとクライマキナの関連性は、2月26日あたりから既に噂されていました。
しかし、参加者がそれについて多くを語ることはなく、全員が純粋にBFCを楽しもうとしていました。

エノアを思わせる回答

ティザーサイトでは、3月1日12:00に向けてのカウントダウンが行われていました。
12:00はBFCにてエノアが真実の道標を告げていた時間、そして、仮想世界が停止していたとされる3.1億秒は、3月1日を示唆していたのではないかと推測されます。

カウントダウンが終了し、正式発表されたクライマキナの公式サイト。
登場人物には見慣れた名前が数多く並んでいました。
E.V.Eの一人として紹介されている「レーベン・ディステル」が、もう一人の「彼女」ではないかと推測されました。

「離心病」は”現実世界”の人類が滅亡するきっかけとなった病です。
ということは、彼女はわたしたちの仮想世界の住人ではないのでしょうか?
それとも、この仮想世界でもいずれ、離心病が再現されるのでしょうか?

ゲームのキャッチコピーは
『すべて壊(コロ)してでも、生きてやる。』
そして、世界観設定には、下記のような文章があります。

舞台は人類滅亡後の未来。
宇宙空間に広がるエデンという広大な構造体のなか。
エデンでは人類が遺した、 神機という自己進化機械たちが稼働を続けていた。
――人類再生を成し遂げるために。
しかし、 第一神機プロパトールが突如ロストしてしまう。
統括者が消えてしまったことを皮切りに、エデンでは神機同士の争いがはじまる。

E.V.Eの二人を連れて、仮想世界を破壊しようとする神機たちの説得を試みようとしていたエノア。
彼女たちは、結局戦う運命にあるのでしょうか……。

もちろん筆者は、このゲームを購入しました。
BFCの世界観設定に魅了され、なにより、エノアのファンになっていたからです。
苦手なアクションRPGというジャンルでしたが、そこまで苦労することなく無事にエンディングまでたどり着くことができました。

エノアはこの仮想世界の人間たちを、なぜここまで大切に思うのか?
険悪なムードだったミコトとアミは、どうやって仲を深めたのか?
「本物の人間」とはどういう存在なのか?
これらはすべて、クライマキナの中で明らかになっています。

もしこの記事をお読みいただいて興味をお持ちになられたら、ぜひ下記より購入をご検討ください。

4.BlueFairyChallengeとは何だったのか

本記事の冒頭、BFCはあるゲームのプロモーションとして開催された、と述べました。
結果としてみれば、クライマキナを発見する流れになっていましたが、BFC公式アカウントからは最後の最後までゲームタイトルの告知は行われませんでした。
そして、クライマキナの公式サイトやアカウントでも、BFCの存在は一切語られていません。

筆者は当初、なぜゲームの告知や宣伝をBFC側でやらないのだろうと疑問に思っていました。
しかし、エノアの最後のメッセージを踏まえれば、それをしなかった理由が見えてきます。

ノイズにならないよう、あくまで、フィクションの物語として。

彼女はそう言いました。
この世界は仮想世界で、本物の人類はすでに滅亡しています。
クライマキナというゲームの形で描かれる物語は、この世界の外で起きた「真実」なのです。

エノアの意思を尊重し、また、その世界観を崩さぬよう、BFCはゲームとの直接の繋がりを示さなかったのです。

一般的に、ゲームはフィクションです。
プレイヤーは画面の中のキャラクターをコントローラで操作し、物語を擬似体験します。
もちろん、クライマキナもその中の一つです。

何も知らずにクライマキナをプレイした人は、自分が現実の世界でゲームをプレイし、仮想の物語を楽しんでいると認識するでしょう。
(本来それが当たりまえですし、クライマキナは単体のゲームとしても十分に楽しめる作品です)
しかし、BFCに参加した上でクライマキナに触れる人は、仮想世界の中でゲームという形に落とし込まれた現実世界の出来事を追体験している、という認識をもちます。
プレイヤーにとっての仮想と現実が、BFCによって完全に逆転するのです。

この「認識の逆転」こそ、BFCによって得られたものだったのではないでしょうか。
そういう意味では、この企画が仮想と現実の狭間で物語を描くARGという形式を取ったのは必然と言えるかもしれません。

エノアが最後に残したメッセージ。
動画タイトルは「あなたがいたから、起こった奇跡」
エノアの求める助けに応じ、彼女の言葉に耳を傾け、六つの真実を探し出して、E.V.Eを上位世界へと送り出した。
クライマキナは、BFC参加者が起こした奇跡なのです。

BFCは決して多くの人が注目したARGではありませんでした。
前述したシャドウバンによって、拡散にも少なからず影響が出てしまったと思います。
この素晴らしいARGを広めるために、当時の自分も、もっと呼びかけを行なっていれば…と、その点だけは未だに心残りです。

ARGの入り口は、その多くが人知れずひっそりと開きます。
筆者は今後も、その不思議な扉を求めて、この仮想世界を旅したいと思います。
そして、BFCのような素晴らしいARGに出会った時は、またこうして記事を書きたいと思います。

最後に、このかけがえのない体験を提供いただいたBFC制作陣の皆さまに、最大限の敬意と感謝を表します。
ありがとうございました。

・おまけ

クライマキナでは、クリア後に特定の座標を入力することで追加エピソード(お茶会)を楽しむことができます。

発売から一年間、毎月追加された座標を下記へまとめました。
クリア後に、ぜひお楽しみください。

上位世界の記録(8月) FID-895-22
上位世界の記録(9月) NOH-930-56
上位世界の記録(10月) AMN-107-44
上位世界の記録(11月) CAR-118-46
上位世界の記録(12月) SAP-121-85
上位世界の記録(1月) JUS-001-01
上位世界の記録(2月) SPS-272-88
上位世界の記録(3月) CAR-316-28
上位世界の記録(4月) FID-454-85
上位世界の記録(5月) NOH-552-06
上位世界の記録(6月) AUD-676-25
上位世界の記録(7月) CAR-721-19

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