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【コパ・デル・レイ準々決勝 2nd leg】バルセロナvsセビージャを見て感じたサッカーの原点

「今、もし誰か会いたい人に会えるとしたら、僕はメッシに会いたい。」

僕は普段、海外サッカーを見ない。専ら興味があるのはJリーグであることが理由であるが、たまに見るとしたらプレミアくらいなもので、「海外サッカーにわか」といって、等しいかもしれない。バルセロナが強いのは知っている。長年継承しているクラブカラーも、おおよそ把握している。でもバルセロナに今どんな選手がいて、今どんなサッカーをしているのか…僕は詳しい事を知らない。

僕は試合分析が好きだ。試合分析をする過程で今まで沢山の試合を見て来た。そして最近になって強く感じている事がある。

「僕はもうサッカー観戦初心者ではない。」

これをどのように捉えるのか、それは読者の皆さんに任せよう。ただ、僕はこれを「悲しい事」であると感じている。最近、これを強く感じたのは、2018年10月16日埼玉スタジアムで開催された日本代表vsウルグアイの試合を現地で見た時である。一つ一つの何気ないプレーに目を輝かせ、歓声をあげる観客たち。その中で、目の前で名選手たちがプレーするのを間近で見ながらも心が動かない僕…。そう、何試合も見てきて、大体のプレーの予測が付くようになってしまったのである。そうすると、心は動かない。だって、予想外な事は起きないのだから。

話を元に戻そう。アウェイでの戦いで、0-2で敗れたバルセロナ。ホーム・カンプノウに帰ってきて迎えたコパ・デル・レイ準々決勝・第2戦。結果から先にお伝えすると、6-1(2戦合計6-3)で勝利し、バルセロナが準決勝に駒を進めた。

圧巻だった。前半で2点を奪い、2戦合計スコアをタイに戻す。その後相手にPKを与えるもGKシレッセンがビッグセーブでチームを助け、そのままの勢いで後半に4得点を挙げ快勝した。

中でもバルセロナの2点目をもたらした、アルトゥールのスルーパスは見事の一言だった。思わず声が出た。僕たちは基本的に中継で、「鳥の目」になってサッカーを見ている。だから、パスコースを実際にプレーしている選手達より容易に見つけることができる。それでも、あのパスコースはリアルタイムで見つける事が出来なかった。「鳥の目」でも探すことができなかった、最善の一手を見せてくれたのだ。心が動いた。しかし、そんなアルトゥール以上に僕の心を動かしてくれた選手がいた。メッシだ。

彼のボールタッチはまるで異次元だった。中盤でボールを受けて、相手の敷いたブロックに対して勇猛果敢に仕掛けていく。ボールを取られない。そうかと思えば、「え?そんなところに出すの?」というような場所にパスコースを見つけてチャンスメイクする。凄いの一言だった。

でも、走りはしない。攻→守の切り替え(ネガティブトランジション)なんて皆無である。それでも彼のプレーに期待感を持ち、次のプレーを見たいと渇望してしまう。ボールと共に生きる。これがフットボーラーだと言わんばかりのプレーを見せてくれた。

気がつけば、僕は、サッカーをたくさん見るようになる前のようなワクワクした気持ちでバルセロナのサッカーを、メッシのプレーを見ていた。

「一つ一つのプレーに目を輝かせ、夢を見る。そうか、これがサッカーの醍醐味か。」

サッカーに出会った時のあの頃の感じを取り戻せた。そんなことを考えていたら、駄目押しの6点目をメッシが奪い、試合の終わりを告げる笛の音が画面を通して聞こえて来た。

最近、自己紹介する場面があり、そこで僕はとても困ったことがあった。それは、

「今一番会ってみたい人は誰?」

という質問に対して答えられなかったことである。現代サッカーを牽引しているペップ・グアルディオラやユルゲン・クロップ。戦術的ピリオダイゼーションを考案したビトール・フラデ。サッカーに関わらずたくさんの人が頭をよぎったものの、しっくりくる答えは見つからなかった。だから僕は、こう答えた。

「今会いたい人は頑張って考えたんですけど、いませんでした。」

1番つまらない答えを出してしまった。解答を聞いた人もビックリの答えだろう。「いや、誰でもいいから適当に答えなよ。」と思ったに違いない。でも、今ならはっきりとその答えを言える気がする。

「今、もし誰か会いたい人に会えるとしたら、僕はメッシに会いたい。」

【最後に】
読んで頂きありがとうございます。いや〜一度こういう小説チックなものを書いてみたかったんですよね。僕個人的には欲求が満たされて、とても満足してます。お付き合い頂いた皆様には感謝しかありません!

この試合、VARという視点でも楽しめるので、最後にそれだけ伝えさせてください。

66分。メッシが中央をドリブル突破し、左サイドのコウチーニョにパスを出します。コウチーニョは仕掛けてクロス。そのボールが相手(セビージャ)選手の腕に当たってハンドを要求。そこでハンドは取られることなくプレーは続き、コウチーニョはボールロスト。そのままボールはラインを出ることなく、GKのシレッセンへ。すると、シレッセンがミスキックしてセビージャ選手にボールが渡る。その流れでセビージャが1点を返す。

という一連の流れがありました。映像を確認すると、間違いなくボールは腕に当たっています。それが実際はハンドだったか否かは置いておいて、仮にゴールが認められた後にVARで一つ前のバルセロナのPKが認められていたら。セビージャの得点はなかったことになっていたでしょう。(実際にはハンドは認められず、セビージャの得点のまま、試合は再開されました)正にVARの穴だと思います。前から指摘されていたことですが、実際に目の当たりにすると興ざめというか。「難しいな」というのが、正直な感想でした。

これを読んで気になった方は、DAZNで確認できる間に、是非チェックしてみてください。

お付き合い頂き、ありがとうございました。

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