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【今週の出来事】
18日(水)Department of PoliticsのInduction
19日(木)Digital Security Induction、MPA Induction


Department of PoliticsのInduction

修士・博士課程の学生を対象に、Department(学部)全体に共通する事項について説明があった。
Head of Department(学部長)によるウェルカムトーク、出席の記録の仕方や、健康管理、Supervisionについての説明など。

Supervisionとは、コースの期間中、学生一人一人にSupervisorたる教員が割り当てられ、勉強していく中で困ったことがあったら相談できるよ、というもの。要は、日本の大学で言うところの指導教官。
Dissertation(修士論文)を書くにあたっては、それぞれの学生のテーマによって、また別途Dissertation専門のSupervisorが割り当てられるらしい。

Departmentの説明が一通り終わると、ちょっとした学生同士の顔合わせの時間が設けられた。

ヨーク大学のDepartment of Politicsは随分と守備範囲が広いようで、政治学(Politics)はもちろん、国際関係学(International relations)、人権学(Human Rights)、政治経済学(International Political Economy)など、様々なコースを専攻する人たちと顔を合わせた。

人数は、ちゃんと数えてないけど、おそらく90人前後。
体感では、学部卒からそのまま院へ上がってきた人たちが6割、社会人経験ありが4割くらい。
そのため全体的な年齢層は若めだが、30代・40代もそれなりにいて、かなり少数だが50代?という人もいる。

国籍比率では、アジア系多め。
圧倒的大多数の中国人(全体の3~4割)、多数のタイ人と韓国人、あとは少数のイギリス人、そのほかは国籍はバラバラ、といった感じだろうか。

上記以外の国だと、アメリカ、イタリア、ブラジル、トルコ、サウジアラビア、アゼルバイジャン、マレーシアから来た人たちと会話した。(思っていた以上にアメリカ人もいる。)

学生のレベルも、振れ幅が広そうだなという印象。
コンサル出身だとか元政府職員、元軍人、純粋に学問しに来ている人(主に年齢の高い層)や、現役の公務員もいるし、一方で、政治や行政なんて全然知らない、という学生も一定数いる。

私が出願した大学の中で、唯一、出願に際して「サンプルエッセイ」の提出を求められたのがこのヨーク大学だった。
そのため、ある程度入学者にフィルターがかかっているかと思いきや、サンプルエッセイの存在を知らない学生もおり、どうやらちゃんと抜け道も用意されているらしい。

ちなみに、日本人の学生は私以外にもう一人。
現役の公務員の方で、この方から学べることも多そうだ。

Inductionが終わると、Supervisorとの顔合わせ。
名前の確認と、「どこから来たの?」とだけ聴かれておしまい。

それが終わると、懇親会。Department of Politicsのオフィスの前でアルコールなしのドリンクが振舞われ、各々グラスを片手に学生や教員と懇親を深めていた。


Digital Security Induction

ヨーク大学では、デジタルツールなしで学生生活を送ることは出来ない。
講義やセミナーの情報は全てポータルから配信されるし、各種手続きや、エッセイの提出、大部分の書籍やジャーナルへのアクセスも電子媒体を通じて出来てしまう。

それゆえ、当然学生にもリテラシーが求められる。
ウイルスや詐欺に気を付けようとか、パスワードを定期的に変えようといった、どこの組織や企業でも教わる最低限のことはもちろん、AIやVPNへの言及があったのは、私が学部生として大学に通っていた頃と比べて、時代が変わったということを感じた。

このInductionでは、論文を作成するにあたって、どの程度であればAIを使用してよい、これ以上はいけない、という点が明確に示された。

簡単に言うと、AIを使用してよい部分はかなり限定的で、検索代わりにAIを使う、AIに参考文献を提示してもらう、といった程度で、それ以上はダメであるし、AIも完全ではないので信頼しすぎてはいけないとのことだ。

VPNに関して言えば、ヨーク大学の電子情報システムは、ほとんどをGoogleのプラットフォームに依拠している。
中国を筆頭に、一部Googleを使えない国があり、そういった国から来ている学生は、自国へ帰国して論文を執筆しようと思っても、提出できないという事態に陥ってしまう。

大学としては、コースが完全に終わるまでヨークに滞在することを推奨(想定)しているが、一応の対策として、学生向けのVPNを無料で提供している。

このVPNを使えば、世界中どこにいても、ヨーク大学のキャンパスからインターネットへアクセスしているという仮想の状況で、インターネットを使用することができる。
とりあえず、私もラップトップとスマホにそれぞれインストールだけはしておいた。


MPA Induction

続いて、Master of Public Administration(MPA)のコースを学ぶ人向けのInduction。

本コース選択者は、Department全体の約半分くらいの人数といったところで、ざっと見40人くらいという印象。

大半は中国人で、あとはタイ人、中東系、イギリス人が各数名ずつ、それから我々日本人が2人。あとは、インド・パキスタン系の見た目の人が1人いたが、もしかしたらイギリス人かもしれない。

コースで絞られた途端、学生の国籍の幅が一気に狭まった。

こちらのInductionでは、コースがどのようなモジュール(授業)で構成されているかについてや、出席の記録、成績評価の方法などについて説明があった。

成績評価の基準について、「今年から採点方法が変わった」という説明があり、これまでいろいろな方の留学体験記やブログなどで拝見したものとは若干異なっている。

もともと、

Distinction: 70%以上
Merit: 60~69%
Pass: 50~59%
Fail(不可): 49%以下

という採点基準だったようだが、今期からは、

Exceptional/Outstanding: 80%以上
Excellent: 70~79%
Good: 60~69%
Satisfactory: 50~59%
Unsatisfactory(不可): 49%以下

と、なったようだ。
これがヨーク大学だけの基準なのか、他の大学も同じように変わっているのかは、定かではない。

修士課程の場合、ほとんどすべてのモジュールで、エッセイ(論文)による評価だが、中にはわずかにグループワークを評価に含むものや、ポッドキャストによる評価という珍しいモジュールもある。(私は選択しなかった)

修士論文は、Policy reportによる方式で、通常のアカデミックなDissertationよりもempiricalなのだそうだ。…よくわからないけど。
字数は10,000~12,000字。おそらく他の大学の同じコースの修論よりも、量は少なめと思われる。



ちなみに、私がSemester 1(9月から1月末まで)に履修するモジュールは次の3つである。

Theories of the Policy Process(必修)
Leading & Managing Change(必修)
Global Governance(選択)

それぞれのモジュールで、Lecture(講義形式)が週1時間、Seminar(ゼミ形式)が週1.5~2時間、時間割に組み込まれている。

この他に、Academic skills workshopなる、よくわからないが、「アカデミックスキルをブラシュアップしよう!」的なワークショップが毎週1.5時間あるようだ。

次週から、いよいよ本格的に授業が始まる。


【来週の予定】
23日(月)Academic skills workshop, Leading & Managing Change (Lecture), Theories of the Policy Process (Lecture)
25日(水)Global Governance (Lecture)
26日(木)Global Governance (Seminar), Leading & Managing Change (Seminar)
27日(金)Theories of the Policy Process (Seminar)



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