Sugarpractice、日々の写真と徒然_PENTAX K-1mkIIと戯れる日々

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こんにちは、Redsugarです。

2019年10月からtwitter上で行っているsugarpractice、今週は先日購入したPENTAX K-1mkIIで撮影した作品が中心となります。しばらくの間はPENTAXを習熟して、その場で作品を作り上げる地力をもっと上げていきたいところです。

K-1mkIIというかPENTAXのシステムはRAW現像などを必要としないようなカメラで、カメラ内現像だけで商品レベルの絵を作りこめるというのを証明している人たちもおり、彼らのワークフローを見てみると、こと山岳写真においてはその場で作品を完成まで追い込めるというのはすさまじいアドバンテージかなと考えています。

何よりも、撮って出しで完成品が出せればフォトコンの「画像処理したか否か」のチェック欄に何も入れないでいいですし(最近フォトコン出してないけど)

今週はK-1mkIIに装着しているDFA★50㎜f1.8というレンズのすごさに驚いた週でした。それでは行ってみましょう、今週のsugarpracticeまとめです。

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週初めは上州武尊登山から始まりました、ニコンのD850に追加して、購入したばかりのK-1をザックの中に入れて3台で登山をしました。フルサイズの一眼レフ3台と大三元をもって登山する人は僕くらいでしょう。

やはり冬山の日中は難しいですね、なんといってもサングラスをかけたまま写真を撮るので、露出があっているかどうかは画面で確認できません、ヒストグラムを見るしかないけどこれがあまり得意ではありません。 

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結局影を作って画面を確認してっていうことを繰り返して、D850で撮影を繰り返していました。そしてK-1で下山をしてみましたが、これが激むず。色をその場で作って追い込んでいくと僕の場合は1枚撮影するのに5分はかかります、ポイントポイントで立ち止まっていたら下山が出来なくなる可能性があったので、平地でかなりカメラの扱いに慣れることと、雪山ではこういう設定の場合こういう画になるというのを覚えてないと、とてもじゃないけど歩きながらの撮影で純度を高めることはできないなと思いました。

ニコンのD850であれば、見たまんまを美しくを考えて設定するので割と早いのですが、PENTAXは基準色以外のカスタムイメージがあるので、そこの色や画を確認するとかなり時間がかかります。

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上州武尊は前回は山頂だけ曇った山だったので、今回は無事全域において晴れをゲットすることができました、僕は百名山は71座登っているのですが、69座は晴れの写真を撮っています、百座登るときはすべて晴れで撮影をしておきたいものです。そう簡単には出来ないことだと思うから。

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さて、在宅勤務の運動時間でK-1を使う時間がやってきた平日、近くの公園や田んぼで撮影を行っていきますが、★50㎜の描写性能のボケと解像力のバランスに最初驚きました。でもこのレンズのヤバい所はそこじゃなかった。

シャッターを押せばその時点で作品ができるのがプロ、そういう風に言っていた先輩の言葉を反芻するに、練習という意識で撮影していてはうまくならないし、どうでもいい場所を構図でどうにかしようとしたところで、本人に何もないからどうにもならない。ということを考え、写真を撮るということが目的ではあるんだけど、とにかく歩き回って心が動く瞬間を探す、ということを心掛けるようになったのが今週です。

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去年の年末の天狗岳の下山で、きれいなものはそのままできれいという境地に至った後も、毎日の生活でなかなかそんな瞬間を目にすることもなく。できることがあるとすればアンテナを伸ばしてひたすら歩くしかない、無理にカメラを構えることは多いけど、極力「気になる」タイミングを増やすしかないかなと思いました。

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夕日の時間、CTEを夕日で試して全体の色を傾けるのは定番、ニコンでもにたような色味は出せるんだけど。CTEの面白い所はCIで彩度を下げたりして使ったりとか、そういうところにあると思う。

PENTAXは彩度を高くすると簡単に色が飽和するので、極力色は抑え目で使うようにしています。

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ここまでの写真で、どれがD850でどれがK-1かわかりますか?実は結構色の傾向が違うので、使っているとわかるようになってきます。

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1時間の散歩なのですが、その中で集中してあたりを見回せば、必ず何か撮れるものがある、なのであきらめないで歩き続けるようにしています。毎日同じようなものを撮っていても少しずつ前には進んでいると思う。

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銀残しを使うと、コントラストの中でハイライトとシャドウの差を極端につけることができるうえで中間調をコントロールできるので、この写真の真ん中の黄色い枯れ草の部分とかみたいな描写が容易にできます。

暗い雰囲気を撮ると、それはPENTAXの瀬尾さんみたいになっちゃうから、そうじゃない使い方を探していきたいところ。でももちろん瀬尾さんみたいなこともできるうえでなれるとすごいけど。

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探してもCIとWBを駆使して写真をアップする人をほとんど見かけません、大体みんなライトルーム使っちゃうんですよね、ただ単にかすみ除去とか明瞭のパラメーターをいじっただけとかだと、色の付き方が特徴的ですぐにわかるので、僕は最近はブログ記事用の現像以外では使わなくなりました……。

NX-Dもあまり使わなくて、もっぱらカメラ内の現像で写真を作り始めています。

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散歩している際は、その日の分の作品がとれるか本当に心配です。1時間程度しかない散歩時間でその日の4枚を撮らないといけない、どんなものでも4枚出すようにはしています。自分の構図の引き出し以上に、視線の引き出しの少なさに驚かされる、何でもできる何でも撮れるなんて、間違いと最近思う。できるって言ってることって本当に大体できないのでは。

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写真の歴史やいろいろな展示を見て視野を広げて自分の中のパターンを増やしていかないと撮れるものが増えないので、10年たっても同じことをやる続けることになったりする、というのはモノづくりとしては何も進化がないので、極力足を先に進めるために勉強はしておきたい。

そう思って勉強はしているんですが、もっと見る時間を作らないとだめですね。

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PENTAXの銀残しは本当に面白く、調色が使えるほのかと銀残しで絵をコントロールするというのをしばらくは試していました。

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もちろん状況によっては雅や基準色系のCIも使うのですが。目の前の光や被写体を見て、この状況ならこういう画にしたいなっていう想像が出来て、それに紐づいた設定をすぐに作れるかどうか、これが第一段階です。

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PENTAXは色を混ぜるという考え方が強いシステムです、目の前の被写体の色に対して、基準となる調色、色相の設定に当てる感じでWBの色を入れます。この写真の場合は影は青く、被写体はオレンジ、手前は黄色を出すために調色をブルーに寄せて、WBを黄色に振っているんですね。

色彩学の考え方で補色や反対色を当てると、画面内の影と光に別の色をつけれたりするのがPENTAXの特徴かなと思います、ニコンも色相とWBで同じことができますが、基本的に色相は黄色-赤、WBは緑とマゼンタとなり。

僕はマゼンタを1.5追加した状態で色相を黄色に振って空を写すと、ニューカラー時代の写真のような色が出るので好きでよく使っていたりしました。画面的にはT&Oのような効果が出ます。

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PENTAXはそういった補色反対色のバリエーションが調色という部分で多様なので、被写体の色に対してベースカラーの色、WBの色と3段階で色を当てて画面を作っていけます、うまく使えば初めから明暗別色補正もばっちりされたような写真が撮れる。

光の階段を探したいんだけど、僕なりの光の階段しかわからないんですよね。僕はメリハリがやっぱり強い所じゃないと判断が出来なくて、こういう光影光っていう輝度差がはっきりしているものとかに目が行ってしまいます。

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斜光の時間は、やっぱり何をとってもそれなりにかっこよくなる、そもそもの立体感が違うから。そしてこのレンズ、ゴーストは出ないのにフレアが出せる、PENTAXの特徴としてきれいなフレアを意図的に残しているらしく、作品作りにおいてフレアを使うことができます。

天気の子とか君の名はでも、レンズフレアとかゴーストとか、ああいう効果を意図的に使っているのは表現としてそれが効果的な瞬間があるからなんですけども、最近のレンズはどちらも出ない事が前提みたいになっていますよね、僕はこのレンズ使ってフレアを意図的に画に利用できるってすごいエモいなって思い、一発でほれ込みました。

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これもメリハリが高いんですよね、光が横に寝ているから光の当たる位置が違うので、簡単に撮れちゃう一枚なんですけども。

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この作品は今週最も成果があった一枚。先輩たちもこれだけはめちゃくちゃ光がきれいといってくれて、TLに投げたらsugarpractice史上最もいいねが付いた写真でした。被写体自体はただの雑草と、牧草地の花です。ただこの写真は、被写体じゃなくて光を撮ろうとしたんです。

目の前の草にピントを合わせつつも、画面上のフレアとそれに続く花をどう見せるかということに苦心をして撮影しました、これが弱いコントラストで光の連続性を作る階段っていうことなのかなと思います。

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この牧草地は元畑なのかな、今は誰も管理していない河川敷。おかげでこの時期はピンクの花々が生い茂り、夕日の際にはいい写真が撮れるようになります。もう少し時期が下れば、草が伸びてもう入ることは出来なくなることでしょう。

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翌日もコントラストを探しますが、日が強いとこういった強めのコントラストに目が向いてしまいます。もっと足元のか弱い光とか見れればいいんですけど、なかなか見てても差がわからない。

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ただ、こんな腐ったニンジンを撮影していても、ほのかや銀残しを使うとかっこよく撮れるもんだなと感心しました。

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画面手前に影とポイントで光、画面奥は光とさらに奥が少し影、3段構造で一番手前にポイントの光があるという一枚、目を細めて、光の大きなブロックで考える。

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画面を斜めに切るライン、手前側は光の中に影の面積が多い草。奥は影の中にハイライトが目立つ草という感じで対比です。

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これも同じ、影の中に光が当たった木、奥は光が当たった木。ただ立体感を出すために開放で撮影したのですが、なんかすごい立体感が出ました。DFA★50㎜ってすごいな。

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K-1を1週間使ったところで、週末はまた雪山へ。みやっちさんや登山百景さんと共に四阿山へと登ってきました。カメラをD850に持ち替えて思ったのは、やっぱり雪山はD850のほうが使いやすいです。

色味が簡単に調整ができることと、操作性がやはり良いですね。70-200f4を装着していたので、とにかく二人の後姿を撮影することに苦心していました。

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雪山の撮影は夏山に比べると難しいなって思います、木々は黒いし。この辺はワンダーフォーゲルとかランドネの雪山写真とかを見たほうが、参考になるのかなーと思いました。ヤマケイとか岳人は大体穂高や北アルプスの雪山で、撮影している写真が厳冬期雪山ドーンで、もっといろんな場所のパターンを見て増やしていきたいと考えると、見る雑誌を冬だけ変えてもいいのかなと思う感じでした。


ということで、先週はK-1を使い続けた週でした、D850の操作がやはり身に染みているので、もうしばらくはK-1をメインで使う予定です。というか今年の夏はK-1を2台使って、31㎜と70-200㎜で山を撮影したいところですが、さすがに今K-1もう一台と70-200は買えないなーという感じでした。おしまい。


登山ブログを書いたり、山で写真を撮っています、登山写真で気が付いた技術をひたすらつぶやきます。