見出し画像

維新が地域政党連盟をつくることできない理由

日本維新の会は大阪府・大阪市を中心に地方議会を他の野党と比べても大きく注力しています。また、地方から唯一できた政党です。地域政党連盟は支持者に関わらず、多くの人が一度は考えたことでしょう。実際に維新は19年から20年頃にかけてそのようなことをしていましたがいつの間にかなくなってしまいました。何故、無くなってしまったのでしょうか?

1.19年参院選の地域政党連携

かつて、全国多くの維新は地域政党との連携を強く深めていました。鈴木宗男さんと音喜多政調会長は当時それぞれ、新党大地、あたらしい党の代表でした。(宗男さんは現在も)、さらに下地幹郎さんのそうぞう、松沢成文さんの神奈川力ともそれぞれの代表が維新入りして連携を深めていました。また、減税日本とはW公認や選挙協力が行われ、統一地方選では名古屋市議選では維新は擁立せず、県総支部が減税候補を推薦していました。

2.瓦解の原因

この連携はいつの間にか無くなっていきました。まず、神奈川力ですが、そもそも神奈川力には地方議員がおらず、松沢さんの個人の政治団体過ぎなかったです。小さくなった希望の党もですが基本的に維新と変わらないものになってしまいました。次にそうぞうですが、こちらはある程度の議員数を誇っていましたが、下地さんが19年12月にカジノ収賄事件にからみ中国企業から金銭の授受があったことが発覚。政治資金収支報告書にも記載がなく、党が除名処分となりました。その結果沖縄の地方議員は全て下地さんに付いて行き、沖縄から維新が無くなってしまい、またそうぞうとの関係も断ち切ることになりました。あたらしい党の場合では音喜多さんが当選後、多くの時間を維新の党務や維新の議員としての活動に割いていました。その結果としてあたらしい党の議員の不満もあり離党者も出ていました。結局は千代田区議補選の候補者の言動の責任をとり辞任、党員から党友に変更となり党人としては維新の活動に専念していくことになりました。減税日本の場合はここ最近まで協力関係にありましたが、減税日本と杉本さんによる総支部の減税による乗っ取り騒動が起こり結局は本部が減税の吸収を迫ったところ、拒否したため連携は無くなりました。

3.地域政党連盟が絶対に成功しない

地域政党連盟は絶対に成功しないと断言できるのは日本維新の会の成り立ちを見れば明らかです。
元々国政維新は大阪維新の国政進出によってできたものです。維新の規約上地域政党という枠組みがあり承認されれば維新の地域政党として認定されることなっています。それに唯一該当するのが大阪維新です。これまで連携はこの地域政党に入れることを目標としたものでした。
唯一地域政党となっている大阪維新の会は実際には日本維新の会大阪府総支部の全員が大阪維新の会の一員です。
日本維新の会は大阪維新の会の国政・全国版という形とも取れます。
考え方が似ている地域政党は多々ありますが、維新の地域政党になることは維新の下部組織になるのではないか、成り立ちから見れば大阪維新の下部組織とも捕らえられてしまうことに抵抗感が非常に高いと思います。
また、維新の総支部との関係性も考える必要があります。似た者同士が2つもいるのかという話です。もし、地域政党になった場合、総支部と地域政党は地方議員を両方抱えますが方針はほぼ同じになるわけです。一方で総支部が地域政党に合流すること、また、逆もですがそれは吸収合併であり、総支部側、また地域政党側のどちらかが無くなることになります。それはどちらかの議員が政策の違いから反対するでしょう。また、共存することに合意しても力をつけたいがために地域政党と総支部の力関係上どちらかが吸収するということを画策する議員もいるでしょう。
そして、根本的な話ですが、維新の地域政党になりたいなら全員が維新に入党すれば完成するのです。わざわざ地域政党連携をする必要性がないのです。もし、地域政党連盟は作りたいなら大阪維新と国政維新は完全に切り離し、さらに国政維新は一旦解体し、国政のみを担当する党をつくる必要性があります。そうしないと、総支部の地方議員と地域政党の地方議員という謎の関係性を維持せざるを得なくなります。地方議員は全員地域政党であれば問題ないのです。ただ、維新に現状そうするメリットはほぼないのでこのようなことは難しいと言えます。

4.まとめ・あとがき

地域政党連盟は総支部が存在している以上地方議員での対立を生む可能性が非常に高いと思われます。
新党大地だけが現在も連携が続いているのは維新の地方議員が全くいなかったことや新党大地自体は国政政党要件を満たせなくなった経緯から北海道の維新の地域政党として国政の発言力を維持することがベストだったのだと思います。
都ファと地域政党として連携するとしてもやはり都議会与党の力は強く、減税のようなことになり兼ねないのと、彼らには大阪の政党という見立てをしてくることから連携できてもぎくしゃくしてしまうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?