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維新の統一地方選前半戦の結果の総括と後半戦

1.統一地方選前半戦の結果

統一地方選前半戦では9つの知事・政令市長選、41の道府県議選と17の政令市議選が行われ、日本維新の会は合計263人が当選しました。
各地域ごとの結果を評価しました。

各党の統一地方選前半戦の当選者数

1.北海道 150点

北海道議選では僅か6票差で共産党下し、1議席。さらに札幌市議選では6人擁立して5人が当選しました。北海道は参院選においても比例得票率は全国の中でも低い部類であり、更に唯一19年の参院選から得票率が減少した都道府県です。北海道では1議席も確保できない可能性が非常に高いと思っていましたが、予想に反して計5議席も獲得しました。期待値をいい意味大きく外してきたので150点。

2.山形県 50点

山形県は山形市に1人を擁立するも大差で敗戦しました。山形県で候補者が出るのは国政維新分裂以降だと初めてのことです。山形県は維新という名前自体の浸透が必要なレベルです。擁立できたこと自体は評価して50点。

3.栃木県 普通

栃木県は宇都宮市で参院選で維新で戦ってくれた大久保裕美さんが挑戦され当選されました。参院選比例や定数、また柏倉票もいくらかあることから1議席は獲得は有力でしたが、きっちり1議席を確保出来ました。問題は後半戦です。宇都宮市(定数45)で公認2人推薦1人の計3人で挑みます。

4.群馬県 当然

群馬県では元衆院議員の宮崎たけしさんが前橋市から挑戦し当選されました。知名度は言わずもがな、衆院議員時代の地盤の前橋市からの挑戦でしたので上位で当選されました。

5.埼玉県 65点

埼玉県では県議選で草加市で1人当選、さいたま市議選では4議席獲得しました。草加市は参院議員の青島健太さんの地元であり、また、立憲の候補の動きが良くなかったことも要因のようです。県議選は川口市、越谷市では落下傘であることが大きなマイナスになっていたように思います。しかし、事前の予想では県議選0議席の可能性、さいたま市議選でも1議席なんていう話もあったので、完全に良くないという結果とは言えないので65点。

6.千葉県 75点

千葉県では県議選は松戸市の1議席、千葉市議選の計5議席を獲得しました。松戸市は現職の方で入党された方ですが、TOP当選を果しています。千葉市議選では5人中4人が当選しており、単独推薦の花見川区の桜井たかしさんを含めば5人で交渉会派となり代表質問等を市長にできるようになります。市議選は当選率も高く健闘したので75点。

7.神奈川県 70点

神奈川県では神奈川県議選で6議席、横浜市議選で8議席、川崎市議選で7議席、相模原市議選で4議席を獲得しています。議席が伸びないという予想もありましたが、神奈川県議会、横浜市議会、川崎市議会で交渉会派になっています。しかし、接戦で落としたところが非常に多い印象です。神奈川県議選は鶴見区、青葉区、港南区、中区。横浜市議選は港北区が共倒れになっています。接戦をものにできなかったので70点。

8.新潟県 80点

新潟県では新潟市議選で2議席を獲得しました。前回投稿した参院選比例と擁立数から地方選の得票率をたたき出し、議席予想したものでは中央区の1議席のみでしたが、西区でも2人擁立で1人当選できました。統計学的にも明らかな上振れで80点。

9.富山県・石川県・福井県 0点

定数二桁の選挙区に擁立していたが議席の確保はならなかったです。そのような自治体は他にも多数あるが、北陸は衆院選では好調だったことを加味すれば取りたかったところです。一番問題なのは参政党が躍進しているところもマイナス点なので0点。

10.長野県 20点

長野県では長野市や松本市などで擁立していたが議席獲得とはいかなかった。長野市も序盤は当選圏に入っていたが無所属議員の活動が活発になるにつれて当選圏から離れていきました。支部の歴史は長いがなかなか厳しい状態が常に続いているので20点。

11.静岡県 40点

静岡県では駿河区や葵区で擁立していたが議席獲得とはいかなかったです。静岡新聞では駿河区での議席獲得が近づいてきたという報道もあっただけにあっと一歩が手が届かなかったです。定数は4、5の選挙区であることは加味して40点。

12.岐阜県 60点

支部が誕生して間もない岐阜。岐阜市、各務原市で擁立したが、岐阜市は接戦ではあったが議席獲得とはならず。支部が誕生して間もないので甘めに60点。

13.愛知県 10点

県議選に6人、名古屋市議選に9人の候補者を擁立した愛知県だが、名古屋市議選の名東区の1議席にとどまりました。河村たかし市長の強さは健在で減税日本は議席を伸ばしていました。名古屋市議選では減税日本から追い出された現職が4人いたものの現職は落選だった。今回の維新の統一地方選において唯一現有議席減になってしまいました。減税日本は強かったが千種区は最後まで接戦だっただけに取りたかったところ。それも含めて10点。

三重県 20点

三重県は名張市など3選挙区に擁立したものの議席を獲得できなかったです。しかし、問題はこの前半戦ではなく、後半戦。この三重県では後半戦の候補者が1人もいないのです。津市など大きな都市でも基礎自治体選挙があるにもかかわらず1人もいないのは疑問が残るので20点。

滋賀県 50点

滋賀県は県議選では大津市、湖南市、草津市で議席獲得をし、3議席を獲得しました。近畿地方の中ではかなり物足りない結果となってしまいました。やはり、野党系が強く維新の選択肢の必要性が相対的に低下しているのも要因の1つと言えます。3議席は取れたので50点。

京都府 120点

京都府では左京区の1人を除いて当選、大きく議席を伸ばしました。京都府議会でも交渉会派となります。京都市議選では会派を組む京都党も1議席増の5議席を獲得、会派で15議席獲得し、自民党に次ぐ議会第二会派になりました。特に京都市では財政問題という大きな争点が維新の必要性を大きくさせた要因です。ここの差が滋賀県との差とも言えます。素晴らしいの一言で120点。

大阪府 150点

大阪府では大阪府知事、大阪市長で勝ち、大阪府議会、大阪市議会の過半数を確保しました。堺市議選では18議席を獲得しました。大阪府議選では河内長野市以外の全ての選挙区を獲得するという大躍進となりました。大阪市議選も予想よりも大きく議席を伸ばして46議席を獲得しました。これ以上ない素晴らしい結果ですが、堺市議選では1増止まりなので200点はあげれず150点。

兵庫県 70点

兵庫県では県議選では大躍進して21議席、神戸市議選でも議席を伸ばし15議席を獲得しました。県議選では1人区の芦屋市でも議席を獲得するも、前回獲得した三田市は議席を落とす結果になりました。ただ、神戸市内の2人区では自民党候補を落選に追い込むなど全ての神戸市内の選挙区で当選しました。神戸市議選は北区で共倒れが発生しています。票割りに大きな課題が見える結果となっていたので今後の課題になりそうです。三田市と北区があるので70点。

奈良県 160点

奈良県では維新初の大阪以外での公認首長が誕生、更に奈良県議選では1人区以外の候補者が全員当選する結果となりました。はっきり言ってこれ以上ない結果となりました。奈良市選挙区では票割りが難しいとされていましたが、その様な心配は必要なく、上位で当選となっています。生駒市の定数4人に対して2人当選したことも凄いので160点。

和歌山県 100点

和歌山県は後半戦こそ本番ですが、前半戦では和歌山市で2議席、無投票で橋本市で議席獲得しました。和歌山市は3人でした一人は票割りが難しく2人当選でした。票数的に2議席がやっとだと思っていたので100点。

岡山県 100点

岡山市議選に1人擁立し、しっかり当選できました。これ以上の結果はないので100点。

広島県 90点

広島県では市議選の候補3人が全員当選できました。1議席も取れない可能性もあったので非常に大きい3議席です。しかし、県議選では定数が最も多い福山市が無投票、維新は候補者がいませんでした。無投票になったのは維新の責任もあるので90点。

徳島県 100点

徳島県で県議選で1議席を獲得しました。可能性があるのも徳島市だけだったので十分。100点。

香川県 70点

香川県では坂出市の1議席を獲得しました。自民党独占を崩す1議席でした。しかし、高松市で議席を取ることが出来ず。国民民主が強いですが、1議席は獲得できたので70点。

愛媛県 普通

愛媛県では直前に維新に復帰された西岡新さんが今治市で当選されたのみとなりました。松山市では議席を獲得できませんでした。定数が多すぎると消去法で維新を選ぶ人が限りなく少なくなるので逆に厳しい戦いになるように感じます。

福岡県 120点

福岡県では県議選では3議席、福岡市議選では7議席を獲得しました。県議選では3人区で農政連推薦(実質自民)の候補を破っての当選。福岡市議選では東区で2人当選、城南区以外の全ての区で当選しており大躍進となりました。堀本氏の不祥事もありながら議席の伸び悩みの可能性もありましたが大きく伸ばしたので120点。

長崎県 20点

長崎県で長崎市で共倒れが発生して議席を獲得することはできませんでした。確かに、党員数がかなり多い(4年前の兵庫の党員数ぐらい)とのことですが、やはり公認候補の最初の選挙だったので1議席を硬く確保したかったところです。20点。

熊本県 60点

熊本県では県議選では熊本第二選挙区、市議選では中央区で議席を確保しました。しかし、松野明美さんが県議時代の選挙区の熊本第一選挙区では議席を獲得できませんでした。その第一選挙区内の市議選も中央区のみとあまり物足りない結果となってしまったので60点。

大分県 100点

大分県では大分市で議席獲得を獲得できました。市議を長く続けてられた方を立ててしっかり当選できました。これ以上の結果はないので100点。

宮崎県・鹿児島県 50点

宮崎県・鹿児島県では議席の獲得とはなりませんでした。定数は非常に多いですが、消去法で維新を選ぶ人は限りなく少なくなることが逆に選挙を難しくしているように思います。この地域は再始動したばかりなので50点。

総論

厳しい戦いなったところとなってないところには以下のような共通点が見えました。

1.落下傘候補
2.定数が少ない選挙区または、大きすぎる選挙区
3.争点が明確になっていないところ
4.組織力の小ささ

この4点で言い切れると思います。1つ目の落下傘候補ですが、とくに関東では落下傘候補が多く、その多くが落選しています。やはり、地域の代表を決める選挙なので落下傘は国政選挙以上に厳しい戦いになっています。2つ目の定数ですが、定数1の選挙区は当然支持率が低いところでは当選できませんが、定数が多すぎるところで取れていないのは、維新という選択肢が消去法で選ばれている地域と言えます。逆に消去法で維新しかいない選挙区は当選する可能性が高いと思われます。少し前の茨城県議選でもそうでしたし、今回の香川県議選の坂出市選挙区もそうでした。自民党以外の選択肢が維新しかないとき、維新は消去法で選択しやすいものと思われます。定数が多すぎるところではそもそもの候補者数が多いので消去法で選ぶ人が少なくなるので、維新じゃないとダメだという人がいなければ票は少なくなってしまいます。3つ目ですが、争点が明確になっていないところだと維新でなければならない理由がどうしても薄れてしまい、他の党、候補でよいという話になってしまいます。神奈川県では知事選の候補者を擁立することも検討されていました。もし、神奈川県でそれなりの知事候補を擁立できていれば、より躍進できた可能性は高いです。4つ目の組織力ですが、これに関してはどうしようもないところではあります。ただ、自民系無所属出身の候補はかなり選挙に強く、第3極出身者との力の差は歴然のように思います。新潟では比例の期待以上に議席をとれているのはやはり、大阪以外の維新では珍しく、自民系出身者で作られているところにあると思います。

2.前半戦の予測との比較

参院選の比例と擁立者数から今回の統一地方選の議席数を予測した記事を前回投稿しましたが、議員のみで前半戦で279人が当選すると予測しました。今回当選したのが議員のみ260人です。予測では無投票選挙区の分は予測していないのでその分を考えると実際には-30人の差がありました。票割りや共倒れを加味しても-25人程度です。中選挙区の補正R2が81.8%、1人区はR²が62%だったので下振れながらも全体では予測の範囲内の結果となっています。

3.後半戦の予測と目標達成の実現性

前回出した記事では後半戦では248議席の獲得が濃厚であると見ています。その後も公認決定者がいくらかいますので250議席程度の獲得の可能性が高いです。精度は大選挙区の後半戦は補正R2は8%程度なのでより正確かと思います。あと164議席が必要ですが、それは悠々獲得できます。問題は地方議員・首長が700人を超えるかどうかが争点です。実際のところ維新の党勢を考えれば、現在擁立しているところに関しては1人は必ず当選できるようなところです。1人しか擁立していない選挙も多くあるのでその分は当選できると思いますので、前半戦よりは難易度が低いところは多いです。また、地方議員600人は特別党員になることが条件であり、特別党員になられるのであれば現在無所属の方でもカウント対象であり目標達成はかなり簡単です。

4.まとめ

前半戦を通じて躍進したところ、躍進できなかったところの差が出てきたと思います。その差を埋めることが全国政党への道です。後半戦も多くの議員が誕生することを願っています。

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