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ミネストローネ

いわゆる一つの「食べず嫌い」で 小さなころから苦手だったトマト

だけど君がいつも美味しそうに食べるから 僕も試してみようと思ったんだ

 「そのままじゃちょっとハードル高いでしょ?」って

君が作ってくれるのは 温かなスープ

じっくり手間暇かけて煮込まれてく 特製ミネストローネ 

すっかりいつもの夕飯の時刻は過ぎてしまったけどね 

大丈夫 出来るまでちゃんと待ってるから 

気にしないで だけど ちなみにあとどのくらい?


「お口に合うといいんですが」なんて 急にかしこまって言わないでよ

一口目そんなに見られていたら 笑っちゃってちっとも食べられないよ

ほら やっぱり平気だし 素直に「美味しい」んだけど

感想はもうちょっともったいぶっていたいんだ

ゆっくり浸み込んでゆく 君のその優しさとミネストローネ 

うっかり褒めてしまったら 明日から大変なことになるんだろうね

大丈夫 確かめなくたっていいから

ただ今このひと時を もう少し味わっていたいだけ


ゆっくり浸み込んでゆく 君のその笑顔とミネストローネ

とっくに本当は気付いていた いつかこんな日が来るんじゃないかってね

大丈夫 これからは食べられるから

もう嫌いじゃないよ だけど 次のステップは また今度にしない?


もうお腹いっぱい

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