赤い公園全曲考察55「サイダー」(猛烈リトミック)

亀田誠治師匠プロデュース、チャイムの音から始まるのザ・青春ソング。亀田さんへのオーダーは、「この曲、けいおん。女子高生、胸キュンだから」。津野ライナーノーツによれば「この夏、初めて夏っていいなって思えたきっかけの曲」。アルバムに先駆けて先行配信もされて、MVのキャッチコピー募集だの特設サイトだの生放送だのいろいろやってました(そしてそのMVも特設サイトもちゃんと完成しなかった、という事実を忘れない)。曲を作ったのはずいぶん前だけど、歌詞がストレートすぎて一度ボツになり、最近(リリース当時の)になって書き直した、らしい。

まず、疾走感がある曲なのに緩急がついてるのがすごい。あとキャッチーなメロディーと、普通じゃないコード感がうまく融合してるのもすごい。そして印象的なギターのリフが、2番の頭にベースで出てくるっていう工夫もすごい。バンドだけじゃなくチャイムの音とかコーラスもいい(チャイムは最初で鳴り終わってると思わせといて、実は鳴り終わってないのが歌詞とも連動してる)。

歌詞もすごい。学生生活を「履き古してる白いシューズの退屈な行列」と表現するところ。サビの一言めを「ざらついた舌」っていう一見汚いような単語にしたところ。「サイダー」と「ダサイな」で韻を踏むっていう発想。全ての着眼点がすごいと思います。

(でもケチつけるわけじゃないけど、「サイダー」って「いちご」とか「ハンバーグ」「ショートホープ」みたいな津野さんの好物だとは思わないから、何かタイアップを狙っててダメだったんじゃないかななんて邪推をしてしまいます。しかしこの曲も休止中に出来た曲だそうで、「きっかけ」や「カウンター」などと同じ時期に出来たとは思えないような曲です。)

↑いつまで「キャッチコピー募集中」なんだろ笑

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