赤い公園全曲考察58「お留守番」(猛烈リトミック)

アルバム内で唯一の(というか赤い公園で今のところ唯一の)蓮沼執太さんプロデュース曲。NYの蓮沼さんとテレビ電話でやり取りしたらしい。プロデュースって遠隔でもできるもんなんですね。前半は打ち込みで、後半からバンドが入ってくる珍しい構成の曲。

作ったのは18~19の時で、津野ライナーノーツを要約すれば、「小さいころの留守番が苦手で、算数ドリルをやっててもすぐ終わって暇になっちゃう。暇で考え事をしてるうちに眠りに落ちて、白昼夢を見るような瞬間を表現できたらいいな」という曲だそうです。はい、もう考察の必要はないですね。津野さんは家で留守番することが多かったのかな。

でも、白昼夢に落ちた時、怒りを両手に被せていたり、光を跳ね返したりしながら、歩いたり進んだりしているのは不思議で。普通に不思議な夢を見ているだけなのか、(現実ではいい子だけど)夢の中でだけはダークサイドな子だったのか、謎の多い歌詞でもあります。まさに「白昼夢ゅーじっく」。(「すきまにおちる」と似た歌詞として「今日と明日の隙間に滑り落とした日々」という素晴らしい表現が「ソナチネ」に登場するけど、こちらはこちらで意味深。津野さんにとってきっと隙間とは落ちるもの)(あと1番と2番で歌詞の区切れ方が違うのが面白い。ぜひ歌詞カードか歌詞サイト見ながら聴いてください)

蓮沼さんのアルバム「windandwindows」にはインストバージョン(「
Orusuban -instrumental “Akai Ko-en”」)が収録。津野さんの(一番上の)お兄さんのお店に会いに行ったら、この曲がミスチルの「Q」っぽくて一番好きだとおっしゃっていました。たしかに「CENTER OF UNIVERSE」っぽいかな。最後だけ三拍子になるところがかっこいいです。


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