赤い公園全曲考察25「交信」(今更/交信/さよならは言わない)

ドレミファソラシで7音、シャープフラット入れても12音しかないのにどうして音楽は尽きないんだろうと思います。白鍵しか使ってないのに何だろうこの新しくて懐かしいイントロは。

福岡へ行く車の中でメロディーと詩が自然と降りてきた、と津野さんは言ってたような気がします。タワーレコードのbounce誌には「赤い公園版Hey Jude」と評され、キュウソネコカミのヤマサキセイヤさんやストレイテナーのホリエアツシさんがお気に入りの一曲に挙げていて(カタカナばっかり…)ホリエさんは「天才かよ、ビビりました」と言ってました。それに対して津野さんは「自分の中では変わってない方の曲だと思ってました」。赤い公園のファンで知られるWエンジンのチャンカワイさんもこの曲が好きで、「ミュージックランチャー」でチャンさん自ら歌詞を解説して本人たちを唸らせてました。

Aメロの1回目と2回目はほとんど歌詞が同じだけど、歌詞カードを見れば最初はひらがな、2回目は漢字混じりで、こどもから大人への成長を感じます。この曲は、こどもの頃は感じられたのに、大人になったら感じられなくなった大切な何かについて歌ってると思う。何かって何だろう?初めて食べるものがおいしかったとか、一人で風呂に入るのが怖かったとか、何でもいいと思います。あの頃は世界がすっごく広かったのに、いつのまにか窮屈になった気がします。

大人になりSOS(=モールス信号でトトトツーツーツートトト)を発するくらい現実に疲れた時に、ふとこどもの頃はこんなんじゃなかったのになって思い出すんだと思う。あるいは、こどもの頃はこんなんじゃなかったのになって思う時に、自然とSOSのサインが出ちゃってるのかもしれない。でもまたいつでも何度でもやり直せばいい。この曲からはそんなメッセージが出てるような気がしてます。

津野さんはインタビューで、「昔、家族で住んでいた家とか、学校に行く途中の“入っちゃいけません”って札が掲げてある森とか、そういう絵が断片的に並んでいる曲」と言っています。

交信については、発表前に津野さんから「交信のヒント」というのが紹介されました。

MVは今更の続きと、アニメバージョンの2つがあって、100点満点で5000点付けたいくらい良い。自分だったら曲もビデオも国宝に指定して後世に語り継ぎたい。そのくらい素敵で素敵で素敵な曲です。


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