ナポリLGOの感想とか(シナリオのネタバレあります)

*ふせったーに載せていたものをnoteへ移した記事です。


まずはKP、PLともにマジでお疲れ様でした。こんなに楽しい企画をやってくださって本当に嬉しかったです。
実は前からせっかくグループ活動しているんだから、いつかTRPGやってくれへんかな~くらいの気持ちでいたんです。
ウンババ(※原始人RP)とか、CoCにしても30分くらいの「神話生物に閉じ込められたけど脱出しました!終わり!」くらいの軽~いヤツを考えていたんです。まさかこんなにガッツリTRPGやってくれると思わないじゃないですか。予想外だけど嬉しかった。そして予想以上に楽しかった。


1.ざっくり全体の感想について。

LGOは初見だったのですが、KPさんがおっしゃっていたとおり、個々の倫理観・価値観・死生観が出ざるを得ないというか、PLとPCの考えを切り離すのが難しい選択を迫るシナリオだなぁと感心しました。いままで見てきたCoCのシナリオで他にも倫理観を試されるような重い話はあったけど、あえてそれを狙っているっていう意図があるのがちょっと新鮮で。「彼らがどんな人か」を知ってもらう(及びファンの「彼らがどんな人かもっと知りたい」要望に応える)という意図があったのであれば、これはもうシナリオ選びが素晴らしい。
感動系はRPを見てて恥ずかしくなるからいやだとか、もっと自由度の高いギャグ全振りがよかったとか色々あると思いますが、私はちょうど良いバランスだったと思います。全体的にナポ男のオモシロトンチキムーヴがたっぷり詰まっているけど、ラストは本当に真剣に考えて結論を出すというギャップがすごくよかったです。
前半のショッピングモールのシーンまでは、アホアホ財閥クソデカ御曹司やユニクロ強火担や地質猫おじさんのおかげ(せい)で、CoCだって忘れかけていました。ぶっつけ本番でこんなに面白い会話がポンポンでてくるのすごい。
そしてあの爆発のシーンから、PLがちょっと慎重になりはじめたのが感じられて、「ああ^~CoC~の音ォ~^^」ってなりましたね。生放送の雑談→茶番を混ぜつつも真剣にゲームをプレイしているときの空気感になったなぁというか。
最後の選択については、各人のRP感想でも触れますけど、NPCから提示された2択(「今」この怪物を殺すか殺さないかを決断する)をどちらも選ばないという結論に至るのが彼ららしいなと思いました。「新たな生贄をささげなくてはならなくなるまでにまだ猶予があるから、ギリギリまで解決方法を模索する(だから今は殺さない)」という結論は、よく言えば優しいエンドであり、本人たちが言っていたように、悪く言えば問題の先送りなんですよ。ただ、すぎるさんが恐れていた「この先にあるのが希望なのか絶望なのか?」という疑問については間違いなく「PCは希望を捨てなかった」というエンドなんですよね。そこがすごく良かった。希望はありました。そしてシナリオのタイトル「Life goes on」を、様々な意味を拾う形で回収したと思っています。
様々な意味で、というのは、公式訳?副題?の「人生は続く」という訳(=探索者が生き残る)のほかにも意味が込められているのかなと思ったんですね。ゆずかの最期の言葉にもある「生きる」という言葉をどう捉えるかということが、最後の選択にも影響すると思うんですよ。ゆずかの最期の願いどおり「4人は助かる」という意味をとるのか、「犠牲のうえに立つ命をもって生きているとは言えない」とするのか。shu3の個人実況のラストオブアスという作品からの引用になりますが、そこに出てくる印象的な言葉に「耐えて生き抜け」というものがあります。個人的な感想ですが、私はタイトルからこの言葉と同じ意味を見出しました。
ゆずかやほかの生贄達を苦しませ続けることに耐えながら、それでも生きて、解決方法を模索し続けろということですね。考えようによってはPCにとって一番辛いエンドを選んだのかもしれません。
5時間目のプール後くらい疲れていたPLの方々もそうだと思うんですけど、視聴者にとっても、このセッションを通して色々考えることができたこと、それ自体がいい経験だったと思います。
もしこの4人の新たな冒険があるのだとしたら、見てみたいですね。


2.各人のRP及びPCについて(敬称略)

①蘭たん
果敢にRPに挑み、みんなの会話を引っ張っていくところで流石チームナポリメンズのリーダーだ!と思いました。配信の尺とか結末の面白さを人一倍気にかけていたのもリーダーらしい。
そして御曹司RPがガチで面白くてゲラゲラ笑いました。パンチライン生まれすぎィ!水の呼吸(銃撃)、3メートルの石鹸、ビニールプールくらいのハンバーガー、どれも一生笑える級。真矢を先頭に立たせるところのリアル言いくるめなんかもRP上手でしたね。特に発狂ロールの場面は、拳銃持ってるから殺人癖引いたらヤバい!の緊張感から、しょわ~ほかほか(特に害はない)(一億円のパンツのおかげで助かる)がマジで面白かった。実況で鍛えた言葉の反射神経が違う。
最後の選択については、反省会で本人が言ってたとおり、少数の犠牲で大勢が助かるなら…っていう本音と、物語の盛り上がり的にここでそれを選んではいけないのではないかというメタな葛藤がすごく伝わってきました。(多分shu3も似たような考えだったんじゃないかな?と感じた)それを、ランドレのノブレス・オブリーシュ精神に乗せたRPもよかった。最後まで話し合って、みんなの意見をまとめて、殺さないという結論をきちんとだしたのも良かった。
ランドレは突飛な言動が目立つけど良いヤツなんですよね。最初の方に冗談めかして言っていた「生きることが仕事」というのも、2週目に見るとちょっと感慨深い。ランドレはこれから一生懸命「生きること」を模索していくのでしょう。また会いたいキャラクターです。

②すぎる
杉岡はもうほとんど素のすぎるで、チンピラ設定を生かせているかはよくわからなかったんですけど、KP演じる女の子にガチ照れしたりするところが面白かった。真矢への絡みRPも良かった。NPCへの働きかけがあると色々引き出せていいよね。
出目が非常に安定していて、そのおかげでサクサク進めたところも良かったです。初期値聞き耳成功なんかも、本当にダイスの女神に愛されていたなと思いました。実はファンブルも期待していました。次の機会があったぜひ!(じゃあくなめつき)
おそらくゆずかちゃんと一番仲良しになっていた杉岡というPCが発狂ロールで忘却を引いたのはマジですごかったです。すぎるがいるとドラマが生まれる。ナポリの宝や。
最期の選択については、逆裁・アンテ・デトロイト・ドキ文などの個人実況を見た人ならわかると思うんですが、そりゃあすぎるはハッピーエンドを求めるよな、と思いました。それをちゃんと言葉にして「今結論を出したくない、あきらめたくない」と言ってくれたからこそ、最後の選択が変わったんだと思います。それを真剣に聞いてくれる他の3人も良かった。
杉岡はこのセッションの主人公キャラ、MVPと言っても過言ではないでしょう。今後は情報を集めるために組の力も使っていくのかな。杉岡の組での出世にも期待。

③hacchi
ちょっとRPに照れてる感もあったけど、相変わらず語彙力が冴えわたっていました。さてはTRPGにめちゃくちゃ向いているな?特に早口エアリズム解説おじさんの食い気味の返しが天才過ぎました。そしてプリクラをキーアイテムとして使うという発想が本当に、本当に素晴らしかった。あの場面は本当にドラマティックで、手に汗握りました。
蜂谷のキャラは、「色々と不安定」の紹介文どおり、いきなりカッとなった後に言いすぎちゃったな…と落ち込むPRがナイスでした。ナポキスのラテ死さんをマイルドにした感じか。親と不仲で友達いない蜂谷を志流沢教授が気に掛けるシーンが好きで、こうやって設定は生え、キャラに命が吹き込まれていくんだなあと思いました。
最期の選択については、PLとしての本音で話しているのかなと強く感じました。渡院長への指摘も真っ当で、まさに「生殺与奪の権を他人に与えるな」っていう話なんですよね。お前が始めた物語だろうと。そこを指摘してくれてスッキリしました。ただ、一番渡院長のことを考えたのもhacchiさんなんだろうなと思いました。医師としての向上心と腕があるならそれで患者を救えばよいという厳しい指摘も、優しさですよね。それ以上の、オカルトめいた力で人を救うことは医師の使命の範疇ではないよと。
続きが気になる、二次創作したいと言ってくれたのもうれしかった。豚畜生先生の新作お待ちしてます。

④shu3
やべーやつの本領発揮。口数は多い方ではないけども、一言一言がパワーワードで本当に面白い。土食いだしたムーヴでめちゃくちゃに笑いました。地質ヨシは積極的に使っていきたい。「世界が終わるとしたら…」の質問は多分キャバクラのお姉さんに聞く世間話くらいのノリだったんだろうけど、LGOの先を知ってる方はドキッとしたのかも?
志流沢は終始ネッチョリしている変人教授になってしまいましたが、物腰柔らかなところと、確信にせまる本の解読で英語技能が光ったのがゆうちゃんだったので最終的に好きになりました。
スマホで時間確認を提案したりハワイちゃんをロビーから追い出したりしたRPが良かったです。慣れたらもっとおもしろいRPしてくれそうだなと思いました。
最期の選択のときのshu3のRPについては、反省会で言っていた「自分が本当にあの場にいたとして、綺麗事を言えるか考えてしまった」という言葉がすべてを表していると思います。多分誰もが頭をよぎる「単純に死を選ぶのは怖い」っていうのを口に出してくれて、私だけじゃなかった~!って安心しました。チャコタに生贄をささげることで助かった人が何人いるのか聞いたのも、客観的に判断する材料を欲しがっている感じがしました。すごく真剣に考えていたと思います。そして「小指の約束」、このキーワードがでてきたのが個人的に一番グッときました。
それから「足掻くのはタダ」ね。shu3の個人実況見た人ならわかってくれると思うんですけど、やりこみの人が想定する「足掻く」のレベルって多分一般的に想像するよりずっと厳しいものだと容易に想像できるんですよ。このシナリオの後に、ゆずかを救って4人が生き残るのはまさに地獄を超えたノーフューチャーモード。志流沢教授がshu3ばりの根性を持っているのであれば、あるいはクリアすることができるかもしれません。


3.ナポリの男たちTRPG配信について
4周年の臨時企画としてお出しされたこの企画、新しい事へのチャレンジとして活動の幅を広げる意義もあったのかなと思いました。ナポリテンやYouTubeへの移行とかもそうですけど、このグループは新しい事へのチャレンジに積極的なところも大きな特長です。そして、試行錯誤を繰り返して成功させていることが本当にすごい。
そして、TRPGにチャレンジできた要因として、ナポキス・雄すぎ・ナポンヌなどのRP系企画の積み重ねもあるのかなあと思いました。結成当初だったら絶対にできなかったと思います。お互いの特徴を理解してネタを振ったり、話をよく聞いて意見をまとめたり、もちろんゲームを楽しんだり、いつもやっていることの延長線上にTRPGの配信があったのかなと。面白かった。
いずれ別のTRPGリプレイ動画があがる可能性もあるとのことで非常に楽しみにしています。


KPを務めてくださったぱぱびっぷさんやイラストを担当してくださったリーさんにも感謝です。
激重クソ長文になってしまいました。本当にありがとうございました。