♯181 ナポリマダミスSHOW2感想とか(ネタバレあります)

*ふせったーに載せていたものをnoteに移した記事です。

♯181 ナポリマーダーミステリー「SHOW2」感想~
核心的なネタバレ含むので、未視聴の方は絶対先に視聴してください
(ラストに自分なりのストーリー解釈というかまとめがある メモ程度)
好きが溢れた。ナポリがTRPGとかやるたびにクソ長感想を量産するマンになっております。

1~4:各人のRPについて&GMお疲れ様でした
5:2週目を見るときに注目したポイント
6:シナリオの素晴らしさを語る
7:自分用の覚えとしてのストーリー解釈

1.すーさん
流石中の人が元弁護士なだけある(元弁護士ではない)。刑事の勘がすごい。GMとらんちゅっぱめちゃくちゃビビっただろうな~。感想戦での予想も結構筋が通っていて、逆転裁判の経験がめちゃくちゃ生きていると思った。私信ですが逆転検事もプレイしてください。
ウェイにつられるおじさん&よわよわ平泉成みたいな演技好き。積極的に大胆推理をぶち込んでいくの切り込み隊長感あっていいですね。ポンコツ刑事と見せかけて、一番SHOWの正体に迫っていたのが実はすーさんだったって漫画みたい。らんちゅっぱのRPに翻弄されてて、GM笑いが止まらんかったやろなぁ。


2.八潮竹太
情報の取引などがスマート。しかしコメントの死体①の情報は大事だろうがよ!の総ツッコミで草。
「黙秘します」「父は強引な人でしたので…」とかの細かいRP好きですね…そういうの、もっとちょうだい!hacchiさんにはいつかホストとかキャラじゃねえキャラに挑戦してほしい。もうそれだけでめちゃくちゃ面白そう。
二度目に見たときの、「仲良くなったらね…」でエモがあふれた。来世で仲良くなってね。竹太もみどりもすーさんも、悪い人じゃあないんだよ…運が悪かったんだ…もう取り返しはつかないけど。


3.らんちゅっぱ
KO大学おたま学部、頭わるわるで大好き。
裏GMの名にふさわしい立ち回りで演技がうめえ…普通あんなに序盤で真相に近い疑われ方したら笑ってしまうわ。
最初にすーさんが疑ってかかったとき、よく聞くとすーさんはみどりを「女」と確信していない。
「死体②」の「死体は若いころのかおりの顔そのもの=死体はみどり(=自分はみどりではない)」と思わせる情報を公開し、さらに「ちゃんとビデオ見てた?女の子って言ってたでしょ」とさりげなく性別を誤認するように誘導している。
拘束宣言のときも、最後まですーさんにSHOWであることをロックオンされながらも、竹太の推理に半分乗っかる形で秘密を守り切った。焦りを見せない振る舞いがすごい。そこまで赤裸々に話すってことは、やっぱりSHOWじゃないのかも…?みたいな逆張りをさせる話術よ。しかしカーソルはめちゃくちゃ動揺していた。


4.GMお疲れ様でした
緊張してるshu3レア~。途中から落ち着いてきて、進行スムーズで良かったです。ふわふわのしゅ、しゅ、しゅ~りょ~~~がクセになる。画面も見やすくてありがてえ。
というか、仕事もあるだろうにゼルダ投稿、コシュトコ、怪人色々やってさらにシナリオ制作、素材準備ってすごすぎる。手間をかけた楽しい企画を本当にありがとうございました。ソンケイが高まる。


5.2週目を見るときに注目したポイント

基本的に、拘束されないためには、自分にゲームを主催する動機がないこと(かおりやみどりと関係がないこと)を説明する必要がある。しかしどの人物も情報③まで公開されるとかなり怪しく思える作りになっている。
RPでカード外の情報を引き出すこともできるが…

【らんちゅっぱ】
・「SHOW」であることを隠さなくてはならない。
・「らんちゅっぱ=南々帆みどり」であることを隠さなくてはならない。
・「自身がかおりのストーカーであると誤認させる」という目的があるが、「SHOW=ストーカー」だと思われると拘束される危険がある。SHOWの正体についてどこまで誘導できるか。あるいはこの目的を諦めるか。
・自身の情報①②までは、「かおり」のファンあるいはストーカーであるという説明がつくが、③の難易度が非常に高い。「みどり」との関係を必ず追究されるため、そこをどう切り抜けるか。

【すーさん】
・事件の真相をつきとめる。
・「自分がひき逃げしたこと」を隠さなくてはならない。
・自身の情報①は前職、②は妻がいる(いた)ことがわかる。妻がかおりであるという可能性が疑われそう。③のボンネットの凹みから交通事故が連想される。また、白骨死体は誰か?という追究を受ける。(「妻≠白骨死体」「かおり=白骨死体」、「妻=かおり=白骨死体」など色々な疑いを持たれることが考えられる)
・自身が撥ねたのが、南々帆かおり・みどりであるということを知っている状態のため、搬送されたであろう八潮病院がどのようにか関わってくるか疑わしく思っている。竹太の医療ミスという真相を暴けるかどうか。しかし敏腕刑事の勘が、らんちゅっぱが怪しいと言っている…。

【八潮竹太】
・事件の真相をつきとめる。
・「自分が医療ミスで人を死なせたこと」を隠さなくてはならない。
・自身の情報①②は彼の前職についてのヒント。③はミスリードを誘発するカード。らんちゅっぱがストーカーの存在をちらつかせている状況で、竹太が本物のストーカーであると思われ拘束される危険がある。ただ、3人の中では一番怪しさは控え目。
・自身が医療ミスでかおりを死なせたことは知っている。その原因となった事故に関わっているのが誰かを突き止めなくてはならない。ボンネットが凹んだ車の写真を持っているすーさん、血の付いたみどりのロザリオを持っているらんちゅっぱのどちらも怪しいが…。


6.シナリオの素晴らしさを語る
・グッドエンドの条件
自らの罪を含めて、真相を明らかにすることがグッドエンドの条件という厳しさ。すーさんと竹太は自分の罪を隠すという二律背反の目的も持っているので、自白するのは基本的に無理。可能性があるとしたら、すーさんと竹太がお互いの罪を暴きあうしかないが、それをらんちゅっぱが「かおりのストーカー」になって引っ掻き回す。よくできてるわ…

・SHOWはこの中にいる
イベント②で、SHOWは3人の中にいる!と明かされる演出がホントに鳥肌ものだった。密談で1VS2に固定されそうなところを全員分断するほか、SHOWの拘束に注視させてグッドエンド条件「真相を暴く」という目的を疎かにさせる狙いもあったのかなと。

・死体の情報
情報①によって情報②が意味のないものだと思わせるミスリードの巧みさが素晴らしかった。「頭だけは本物」について、プロローグで「部屋が血生臭い」っていうヒントがあるんだよね。全部がマネキンであれば、臭いはしない。GMが「死体」と言ったのも、ボードに書いてあるのも嘘じゃない。GMが嘘をつかないのは大事。真実の方がエグいけど。
また、情報②に「かおりの顔そのものだが彼女よりずっと若い」とあって、似ているというレベルじゃないんだよね。双子じゃあるまいし、親子って必ずしも瓜二つになるわけではないので、ここに「そっくりに整形した赤の他人」を差し込む余地もあったんだなと思った。そして、ますますみどりが女性というミスリードに繋がる。よくできてるわmk.2…

・キャラクターたち
みどりのあまりに短い幸せと悲しみと憎しみ、すーさんの後悔と狂気、竹太の劣等感と絶望。どれも多くは語られないけれど、ものすごく想像が膨らむ良いキャラ達が爆誕した…。
真相が明らかになればグッドエンド(多分すーさんと竹太は生き残る)ってのも切なくていいな…2人ともすでに死にたいくらい辛い目にあってるから、生き残っても苦しみそうだけど。
みどりは真相を知っていたけど、本人の口から聞いて許すかどうか判断するつもりだったんですかね。SHOW1ではストーカー女の口から真相を話させたうえで、反省の色なしと判断をしたのかな。もうその時点でみどりは後戻りできないんだけどな…ツラい話じゃ…
らんちゅっぱのチャラ男キャラ、すべて演技だったのかな?そう考えると流石国民的大女優の息子というか、血は争えないというか。かおりを有名人にするなら設定はモデルでも歌手でもなんでもいいと思うんだけど、あえて女優にしたのはSHOW(復讐劇)とかけてるのかな…と思いました。オシャレだわ。こういうのオタクの栄養だから点滴したら元気になるよ。私はめっちゃヨダレべろべろになった。

・エンディング、そしてタイトル回収
正直偏差値が5くらいしかなく、KO大学浪人してる私はまったく真実にたどり着けなかった。エンディングと感想戦をみてなるほどな~~とディスプレイの前に崩れ落ちました。シナリオライターと裏GMに完全敗北UC。
前日譚からのタイトル回収は見事すぎて思わず膝を打ちました。オタクそういうの大好き。見返すと最初にハッチさんが「なぜSHOW1でも3でもないのか」って言ってたの、GMが「テレマスネ…」で誤魔化しきったの面白かったし動揺が外に出てなくて凄かった。
ピクトグラムの白いセーターが赤く染まる→SHOW1終わり→SHOW2始まる演出とかマジで天才すぎてスパチャ10000円飛ばしたくなった。あと、地味にストーカー女の独白の朗読とか上手だった。シナリオ本、BOOTHとかで売ってくれんか?タダで見ていいのォ?お金出すよ!
そういうことだったの!?という怒涛の気づき、誰も救われない後味の悪さ、悠々と去っていくみどりのカッコよさと悲しさ、とても印象的でした。#75のホラー回とかもそうだけど、こういう「意味がわかると怖い話」系テイストで書かせたらshu3の右に出る者いないんじゃね?ってくらい面白かった。映画を一本見たような満足感。これをテストプレイなしに2時間に収めきったGM、PL共にマジでお疲れ様でした。楽しかった…面白かった…記憶消してもう一度みたい。ナポリってええなぁ。

7.自分用の覚えとしてのストーリー解釈(なんか間違ってたらすまん)

20年前、南々帆かおりは生んだ子供を教会の前に置き去りにした。
その14年後、大女優として成功したかおりは、雑踏の中で自分の若いころによく似た中学生くらいの女の子を見つける。そして、置き去りにした自分の子も成長したらこのくらいの年齢だろうかと思いをはせる。
それをきっかけにしてか、女優を辞め、自分の子に会いに行く決意をしたかおりは、1年後、子どもを預けた教会に息子・みどりを迎えに行く。その後、親子共に消息不明となる。これが今から5年前の出来事である。

同じく5年前、刑事のすーさんは、八潮病院の黒いうわさを追っていた。仕事に熱中するあまり、妻の様子がおかしいことに気が付かなかった彼は、ある日自宅で自殺した妻を発見してしまう。理由は不明。夫に放置された寂しさか、あるいは八潮病院の秘密に接近しすぎたすーさんへの警告として、何者からか追いつめられたか…
妻を深く愛していたすーさんは激しく動揺し、正気を失う。翌日、物言わぬ妻を車に乗せ、昔行ったデートコースへと急ぐ。途中、「赤いタートルネックを着た何か」にぶつかったような気がするが、よくわからない。茫然自失のまま山中に車を止め、妻をトランクに横たわらせたままその場を後にする。
ある日、すーさんの元に差出人不明の1枚の写真が届く。ボンネットが凹んだ自分の車と、白骨の写真。あの日何が起こったか思い出した彼は、自責の念から刑事を続けることはできなかった。※

八潮竹太は八潮病院の次男坊であった。強権的な父と優秀な兄にコンプレックスを抱きながらも、いつか認めて欲しいという思いから、必死に努力し、自分も医者の道を選んだ。
ある日、交通事故で一人の女性が緊急搬送されてきた。当直だった竹太は、難しい手術になるとわかっていながらも功名心にかられ、優秀な兄に頼ることなく一人で手術に挑む。結果、竹太のミスで患者は死んだ。病院はこの医療ミスをもみ消した。竹太は深く落ち込み、医者を辞めて引きこもるようになった。
自分が死なせた患者「南々帆かおり」について調べるうち、彼はかおり自身のSNS裏アカウントを発見する。そこには、しばらく前からストーカーの執拗な嫌がらせに逢い、かおりが思い詰めている様子が綴られていた。そして、そんな酷い状況でも彼女には「希望」が残っていることも書かれていた。

南々帆みどりは、今から5年前、15歳のときに母親に再会した。しかし、その幸せは長く続かなかった。2人ともひき逃げに逢い、母親は死んだ。母親に庇われたためか、跳ね飛ばされた先が茂みであったためか、彼自身は無傷だった。
ひき逃げの犯人、搬送先の病院の不審な対応、母親の裏アカウントについて調べるうちに彼は真実を知る。
そして、事故から5年ほど経ったある日、一人の女を呼び出す。執拗に嫌がらせをしていた相手そっくりに整形した頭のおかしい女、母親にそっくりな女を。女の独白を鑑賞した後は、頭を切り離し、白いセーターを着たマネキンの首に刺した。あの日の母親が着ていたセーターのような、深く赤い色に染まっていく。役者は揃った。

2度目のショーの舞台は整った。

※ すーさんが辞職した時期が不明+事故後すぐに出頭しなかった理由も不明だったのでこのような時系列とした。おそらく、八潮病院の医療ミスのもみ消しにより、「南々帆かおりの死亡」ひいては「起きた交通事故」自体がなかったことにされたため、自首できなくなったものと思われる。(そうでなければ、世間的に「交通事故で死亡」でなく「失踪」として扱われている理由がわからない。)